飛龍との思い出。   作:make win

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ここから始まりますがストックなんて全く作っていない状態です。次回までどれだけかかるのやら


第一海~会×海~

それは一夏の思い出だった。

今思えば「あれはなんだったんだろう、現実なのか?」と思ってしまう。

今はこの身を会社のそこそこの地位に置き、何の面白みもないそれでいて無機質な毎日をだらだらと過ごしている。

それだからこそあの日の感情が入り乱れ合って色鮮やかな思い出が強く出てくるのであろう。

では、少しばかり語らせていただこうかあの夏の思い出を…

 

 

 

今年の夏はいつにもまして日差しが強く感じられた。

世の中では地球温暖化が原因で暑いのだと特集を組んだニュースが流れていたが

まったくもって気になることはなかった。

「夏だから暑いのだ、冬にはちゃんと寒くなる」私の母はそう言っていた。

高校生の私は当然ながら勉強した知識の全部は無いにしろある程度は持っていた。

当然のことながら母の言葉にはいささか疑問を持つところを感じたが元から大雑把な正確なのかあまり気にせず「そうだね」と答えていた。

父は朝早くから線路の整備と言って会社に行っている。なんでも昨日来た台風が原因らしい。

母も既に会社に出て行ってしまっていた。

夏休み真っただ中家にこもってダラダラするのも良いが今日はあいにくそんな気分でもなかった。

私はもう長く使っている自転車で海岸を目指すことにした。

この時何故海岸を目指そうとしたのかはわからない今思うとこれは俗に言う「運命」だったのかもしれない。

 

外に出ると外気の暖かい空気が顔に触れ少し気持ち悪く感じた。

そんな気持ちを押しのけ自転車をこぎ出し海岸を目指した。

自転車で切る風は夏とは思えないほど涼しかった。たまにはこういう事もいいそう感じた。

海岸に行くには一つ大きな道路を通る必要がある。

私はこの道路に設置された信号を待っていた。ここはこの町にある海岸の西側にほど近い信号である。

信号がいつもより長く感じた。多分照りつける太陽のせいでもあるだろう。

先ほど自動販売機でかったスポーツ飲料を飲みつつ待つ信号はあまり通らない自動車に対して通行人には優しくないと感じた。

「やっとか」

そうつぶやくとすぐさま横断歩道を渡り海岸を目指した。

磯の香り、波の音。静かないつもの海だった。

海はいいものだ。私は海が心から好きであった。この青色は誰にも描けずこの大きさは誰にも表現できない。この雄大さが好きだった。

自転車を押しながら細かい砂の浜辺を歩いていた。ここは普段海水浴場として使われる浜辺ではない。なぜなら浜辺が驚く程狭いのだ。人ふたりがやっとの浜辺だ。昔はもっと大きかった、らしい。私のおじいちゃんが言っていた。

しばらく進んでいると浜辺に座っている人を見つけた。

あの人も私と同じで海を眺めに来たのだな。そう思った。

妙な親近感を持ちつつその人に近づいていった。近づくにつれてその人が女性であることに気づいた。近くに大きな機材も見受けられる。

「また、研究者のひとか」

ここの近海にはなんでも油田かも知れない場所かあるらしく海水を調べるために研究者の人がこの地域に足を伸ばすことが多々あると聞いていた。

私は浜辺にまで調べに来るのか、ご苦労なことだど思った。

私は声の届く距離まで近づいたときその女性に声をかけた。

「すみませーん、いったいなんの研究ですかー?」

女性はこちらに気づいたのか私の方を見た。その後慌て出し近くにあった機材をもってこちらに走ってきた。

なにか極秘の研究でもしていたのだろうか、だとしたらちょっとまずい時に出くわしてしまったな。そう思った。

近づいてきた女性は以外にも身長の大きな人だった。高校生である私はおよそ170センチ後半であり男性の中では少し高い部類に入る。

女性の方も私ほどではないが目線がほとんど同じに見受けられ170センチ前半はあるのではないだろうかと思われた。

短い明るめの黒髪白衣の中には橙色の服が見て取れた。よく見ると和服の一種ではないだろうか。おそらく年上だそう思える。

年上の女性は私にこう言った。

「すみません、君私が見えているのですか?」

なにを訳のわからないことを言っているのだろう。この女性は幽霊か何かとでも自分のことを言っているのだろうか。

だったらこんな昼間に出てきては恐怖感がないだろう。

「はい、見えていますが何故そのようなことを聞くのですか?」

「お、おかしいですね。私たちは提督でしか認識できないのですが・・・」

私の質問に小声でゴニョゴニョとなにか独り言を喋っているのだと思った。

聞き取れたのは「提督」「認識できない」という単語だけだった

一体何なのだろう私の名前は「提督」といった面白い名前ではない。

それに認識できないということは少なくとも実体はしており幽霊ではないことがわかった。まぁ幽霊だった場合時間を考えろと一喝してやろうと思ったのだが。

「あの、すみません。私は山口和也と申します。なにかまずいものを私が見たのであれば他言無用にはしますしどうか落ち着いてくれませんか?あとなにを行っていたのですか?」

「や、山口!?多聞丸と同じ性」

「多聞丸? 私のおじいちゃんの兄弟が戦争中に呼ばれていましたが。なぜそれを?」

「あ、いえお気になさらず。ちょっと歴史がすきなもので。ははは…」

そう言うと女性の方からピピピッと機械的な音が鳴った

「こ、こんな時に通信!?」

取り出したのは少し前に出た携帯電話であった私の持つ携帯電話の後継機で性能は折り紙付きである。

女性は電話に出ると少々慌てた様子で電話の相手と話しだした。

「ええ、私を認識できる人がいまして…はい、ですのでどうしようかと…ええっ連れてこい!?そんな無茶なことを言われても、もう近くにいる!?なんでなんですか!!」

何やらおおごとになっている模様だな。それにしても話の内容からすると私は連れて行かれる様だ。これは困ったことになった。今すぐ逃げたいが、電話越しの相手は近くまで来ているみたいで逃げるのは少々難があるだろう。

「少し借ります」

そう言って私は女性の携帯電話を拝借した。世間一般では奪い取ったというのが正しいが。

「あ、ちょっといきなり!」

「ゴホン、突然すみません。偶然居合わせた山口和也と申します。話から察するに私は連れて行かれるようですがこれが拉致なら警察に電話しますよ。」

そう、これは脅しだ。自分が逃げるための。私が今行わなければいけないのがここから逃げる方法を見つけること走っては無理。自転車も同様だ。だったら交渉しかない。この場合交渉というより脅しになるが。

「大丈夫ですよ少しお話させていただくだけです。拉致の心配もありませんなんなら警察に電話してもらっても大丈夫ですよ。」

「まぁ、少々私たちに協力してもらうことになりますが。」

電話越しではなくはっきりと聞き取れる。私のすぐそばにいた。

「逃げることはできないそういうことですね?」

そう言って私は構えた。これでも武術は嗜んでいる。見たところ男性で私より一回り小柄な体型十分に対抗できる。そう確信した。

「まぁまぁ、そう焦らず。私はこういうものです。」

そう言って名刺を出してきた。この名刺に目が移ったその隙にだ。

私の意識は刈り取られた。

「随分と若い提督もいるものですね。では飛龍この人を丁重に扱うように。あなたの提督ですからね?」

男はニッコリと笑いながらそういった。飛龍と呼ばれた女性は自信なさげにうなづくと山口の顔を見た。

「私の提督…それも多聞丸の血縁……。」

嬉しそうな、悲しそうなそんな表情。次の瞬間男と飛龍。山口和也はその場からいなくなっていた。

波打ち際にある自転車のタイヤがカラカラと虚しく音を立て回っていた。




いかがだったでしょうか?
ここから展開を考えていくのは一苦労ですがどうにか続けていきたいです。
さて次回の投稿は未定でございます。気長にお待ちください
感想や評価があれば書くスピードも上がると思います
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