Infinite Fairys《IS×FAIRY TAIL》 作:ネヘモス
クラス代表対抗戦当日。
「結局完成しなかった…」
涙目になっている簪とそれを宥める本音と一夏の姿があった。
「仕方ないよ、かんちゃん…」
「ああ、てっきり8割がた完成してたものと思ってたからな」
倉持技研が押し付けた?打鉄弐式のずさんな設計に束がガチ切れして現在一から作り直しという最悪な状況になってしまったのである。でも、あの束さんが快くそれを引き受けてくれた。正直逆に怖い。
だが、一夏の精神は別のところに向いていた。
第一試合
1組代表 織斑一夏vs.2組代表 凰鈴音
初っ端から鈴と当たってしまったからである。一夏は試合に赴くべく、アリーナに足を運ぶ。その時、
「い、一夏!その、頑張って…」
簪に呼び止められてエールを送られた。
「おう、行ってくる」
一夏は自身の専用機を展開する。こちらの方はなんとか調整が終わっており、若干見た目に変化がある。
「行くぞ、白式!!」
一夏の専用機、白式が展開されるがそのスラスターに変化があった。少し、翼の面積が狭まっているのだ。そして、その翼からエネルギーが噴射され、一夏はアリーナに降り立った。一夏が纏っているそれが展開された時、アリーナ全体がどよめきで満たされる。
「よう、逃げずに来たぜ、鈴?」
「アンタのIS、何か変わってない?てか、なんで飛んでないのよ?」
そう、飛んでいない。普通ならISは飛んでいるのが当たり前なのに(炎龍王は除く)白式もまた飛んでいないのである。
「いや、ちょっとあってな。迂闊に飛べないんだ、今」
言ってる意味が分からないと鈴が首を傾げる。
とりあえず、お互いの武器をコールする。一夏がコールしたのは刀と小太刀、鈴がコールしたのは一対の巨大な青竜刀だった。
「一夏さん、どうして飛ばないのですの?」
「セシリアさん、ハイパーセンサーを通して一夏さんの機体を見てみてください」
セシリアが尤もな質問をする。それに答えたのは転入生であり、3人目のフェアリーテイル企業候補生のウェンディだった。言われるがままにハイパーセンサー越しに白式を見ると、
白式 シールドエネルギー残量95%
「ナツさんじゃありませんのにどうして減っていますの!?」
ナツの機体・炎龍王は常時シールドエネルギーを消費するから試合前に減っていてもおかしくない。だが、零落白夜を発動していないにも関わらず(今は止まってるが)シールドエネルギーが減っている。一体何があったのだと思ったセシリアだった。
「あら?そういえば、ナツさんはどちらに?」
『それでは1組代表織斑一夏と2組代表凰鈴音の試合を始める!』
各々の思惑が交錯する中、戦いの火蓋は切って落とされた。
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試合開始の合図と同時に右の刀を振り切る。同時にその剣筋に沿ってエネルギーの刃が鈴を襲った。なんとかそれを躱す鈴だが、
「左手にもご用心ってな!」
一夏が左の小太刀を投げてきた。鈴の記憶が正しければ、あれはBT兵器と同じ動きをするはず、ならば、
「アンタにそれを弾き返すまで!!」
「お前今、この小太刀を弾き返したな?」
「どうしたの?挑発のつもり?まさか、隠し玉があるとでも言うのかしら?」
「まあ、そうだな。尤も…」
一夏の二振りの刀に変化が起こる。小太刀が突如二つに別れたかと思うとそれが刀の鍔のような形状になり、刃渡りが五メートルはありそうなエネルギー刃による巨大な刀が形成された。それを両手で構えた瞬間、
「知ってて防げるなら防いでみろ」
甲龍の方の衝撃砲が片方だけ大破した。それどころか、シールドエネルギーが残り三割の所まで削られた。
「え?」
一夏はまだ目の前にいる。しかも動いてすらいない。だが、何かが衝撃砲のユニットを破壊したのは確かだ。
「一体、何が?」
もう一度目の前の一夏を見る。すると、
まるで幽霊の様に一夏の姿が消えていた。そして、一夏が自分の後ろにいると理解するのに時間はかからなかった。
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「何ですか?あれ…」
セシリアが怯えていた。急に一夏の武装が変わったかと思えば、今度は瞬間移動顔負けのスピードで一夏が移動していたからだ。
「『
その問に答えたのはルーシィだった。
ルーシィが言うには、序盤で既にシールドエネルギーが減っていたのはこの為だという。零落白夜のシステムを基に、ブースターにシールドエネルギー変換機構を積み込む。これにより、飛行中は通常のスピードでもフェアリーテイルで二番目に速いという。
問題はここからで、この「幻影瞬時加速」は零落白夜と同様にシールドエネルギーを消耗する代わりに、ハイパーセンサーが反応できない光速で移動する為、知っていても防げない技だというのだ。そして、その前に見せた武装の変換。あれは零落白夜・双式の真の姿。一夏はこれを「零落白夜・ゼロ式」と呼称してるという。
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「知ってて防げないって、反則でしょ、一夏」
「まあ、あのナツさんを倒すための技だからな」
もう一度一夏が「雪片零式」を構える。見切れるかは分からないが、青竜刀を構える鈴。と、ここで
「「っ!!?」」
一夏と鈴はアリーナの中心から飛び退いた。次の瞬間、
ドカーン!!
空から巨大な黒い物体が降ってきた。
「くっ!?何だ一体!?」
更にアリーナの警戒レベルがDになり、アリーナ全体に障壁が貼られた。
『織斑、凰!試合中止だ!そこから撤退しろ!!』
「いや、こいつは俺が引き付けておく!織斑先生はナツさんに連絡を」
『とっくにしている!だから早くーーー』
ザザザ…というノイズが走り、千冬との連絡が取れなくなった。どうやら、あの黒い何かが妨害電波か何かを流してるようだ。とりあえず、もう一度雪片零式を構え直す。
黒い何かが正体を現す。そこにいたのは、ゲームによく出てくる、所謂ゴーレムの様なISだった。
「鈴!アイツを倒すの、手伝ってくれ!」
「そうね。でも、もうシールドエネルギーが切れそうよ?ていうか、私もアンタも満身創痍でしょうが」
違いないと一夏は思う。今のお互いのシールドエネルギーの残量は恐らく、大きな攻撃が一回できるかできないか。だとすれば、
一度エネルギー刃を収納した雪片零式を一閃する。すると、不可視の斬撃と同じ軌跡で小さな刃がゴーレムを攻撃する。それはゴーレムの左胸を引き裂いたが、ゴーレムはけろりとしている。つまりは、
「有り得ない話だが、無人機って奴か…」
先ほどの小さな刃が雪片に戻る。ならば、
「勝機はある!」
雪片零式を構え、一撃必殺の攻撃をしようとした。
が、
『あう!?』
聞き覚えのある声がアリーナに響く。ゴーレムが声の方を向くと、そこには逃げ遅れたのか簪がまだいた。
「しまっ!!?」
時既に遅し。ゴーレムが簪にレーザーを放った。正に絶体絶命だと思われた、その時だった。
新たなる影が空から割って入った。そして、レーザーは簪に当たる直前で跳ね返り、ゴーレムを中破に追い込んだ。
更に、
「火竜の鉄拳!!」
赤い竜が舞い降りて、ゴーレムを破壊した。
「大丈夫か!?一夏、鈴!?」
「「ナツ(さん)!!」」
今の今まで音信不通だったナツ・ドラグニル副会長が降り立ったのだった。
「感動の再会は後だ。それよりも、後続が来るぞ!!」
もう一機のクリスタルを纏ったようなISが上を見る。
そこには、軽く1000はいそうなゴーレムの大群が押し寄せて来ていた。
「上等だ!腕はなまってねえよな、ひよ氷!!」
「何なら後で試してやろうか、クソ炎!!」
…あれ?さっきから聞いていれば、何かナツと一夏以外の男の声がする。てか、口調からして女性のそれじゃないよね?まさか、
「3人目の、男性IS操縦者…!?」
さあ、次回はナツと誰かさんの無双する回です。心の準備をしといてください(オラワクワクすっぞ!←本音)