Infinite Fairys《IS×FAIRY TAIL》   作:ネヘモス

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前回までのあらすじ、シャルルにデュノア社を潰すように依頼される。


ISギルドー妖精の尻尾

 

フランス某ホテルのナツと千冬の部屋にて、シャルルから事の一部始終を聞いたナツはすぐさまほかの部屋にいたフェアリーテイルのメンバーと一夏を呼び出した。

 

「なーくん、デート中にトラブル拾ってきちゃダメでしょ?」

 

「全くだ、もう少し他所の事も考えろ、クソ炎」

 

「グレイ様、服」

 

「お前はまずその脱衣癖をなんとかしろ」

 

「……俺帰っていいか?」

 

上から順に束、グレイ、ジュビア、エルザ、そして一夏の発言である。ちなみに、ルーシィとウェンディは(昼なので)買い物に行っていた。

 

「だが、デュノア社社長がそんなことをするとは思えん。デュノア、お前の父親がそうなったのはいつからだ?」

 

千冬からとんでもないことが明かされる。

 

「そーだねー。確かに束さんにとって有象無象の一つに過ぎなかったけど、少なくともそんなことをする輩には思えないよー?」

 

「違う!あの男は、ボクをただの道具としか思ってないんだ!ボクは…!」

 

「もういい、シャルル」

 

ポンとシャルルの頭に手が置かれる。その手を置いたのはたまたま近くに座っていた一夏だった。

 

「ところで、千冬姉とシャルルの証言が食い違っている感じがするが、それは俺の気のせいか?」

 

「憶測で話すのはあまり好きじゃないんだけど、束さんが思うに、デュノア社社長は傀儡状態ってやつじゃないかな?」

 

束が言うにはデュノア社社長の現妻は一夏が最も嫌いとする「女尊男卑」に染まりきった人物で田舎から出てきた社長の愛人に当たる人を邪魔と思っていたという。

 

「……よし、束さんに考えがあるのだよ。ぐーくん、ルーちゃんを呼び戻してくれる?」

 

「その呼び方、やめてくれると助かるのだが」

 

先程まで半裸だった変態…じゃなくて黒髪の少年・グレイは首に下げている十字架から誰かを呼び出す言い方をした。……あれ?

 

「千冬さん、まさかあの人は…」

 

「お前の想像通りだろう。私も最近知ったのだ。フルバスター、改めて自己紹介を頼む」

 

「ああ、ここでは俺とナツは珍しい存在だったな。俺はグレイ・フルバスター、お前らのところで言うところの『3人目の男性IS操縦者』だ」

 

それを聞いたシャルルは唖然とするほか無かった。

 

「そうそう、デュノアのお前。自分の母親の写真とか持ってる?」

 

「う、うん。父親がああだからお守り代わりにいつも持ち歩いてるよ」

 

と、ここで都合よくルーシィ、ウェンディが帰ってきた。

 

「すみません、束さん。少し遅れて」

 

「いーのいーの。ルーちゃんに朗報があるから呼び出しただけだから。どうやら、双子宮の道化師(ジェミニウス・ジョーカー)の能力が必要な時が来たみたいだから」

 

「そうですか。事情は伺っています、私たちで何とかしましょう」

 

一体何をするのだろう。なんだか、とんでもない人たちにデュノア社を潰すことを依頼してしまったかもしれない。

 

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男は自分を責めていた、大事な娘を守る為に非常な言い方でIS学園に押し付けるような真似をしたことを。

男は悔いていた、自分があの女の本質を見抜いていればこんなことにはならなかったと。

 

「誰だ?」

 

男は自分の妻以外の人の気配を感じ取り、気配の方に目を向ける。

 

「お久しぶりです、あなた」

 

「どうして、お前は死んだ筈だ」

 

そこには、大事な娘の母親である人物が佇んでいた。……病気で死んだ筈の自分の愛人であり、娘の母親である人物が。

 

「信じてもらえないでしょうが、私はあなたに復讐するために地獄から戻ってきたのです…。その前に聞きたいことがあります」

 

自分の愛人を名乗るそれは自分に近づいてくる。誰かを呼ぼうにも、電話は繋がらない。しかも、ここは防音してあるから外に声が漏れることもない。

男は悟った、目の前のそれは自分を殺しに来たのだと。

 

「なぜ、あなたはシャルロットを突き放すのですか?今ならあの女に聞かれることもありませんよ?」

 

「そうか、お前が幽霊で何かしらの細工をしてるなら話す」

 

男は真実を語る、愛した者に殺される前の懺悔だと思った上で。

 

その男はデュノア社の社長だった。元はISスーツを作っていた会社で経営も順風満帆だった。

全てが狂ったのはある女が自分の前に現れてからだった。その女は自分と結婚しないと娘とその母親も殺すと言ってきた。前の自分なら反抗できたかもしれない、だが、その女はIS適正を持っていた。

男は愛人と娘を片田舎に追いやる形で逃がすことにした。だが、それを知った現妻は「自分に逆らえば二人の命はない」と男を脅し、裏から会社を乗っ取ることにした。

そして、愛人が死んだ後、せめて娘のシャルロットだけでもと思い、治外法権が適用されるIS学園に任務扱いで送り込むことにした。

 

ここまで話して幽霊の彼女は首を横に振った。

 

「どうした?言い訳は聞き飽きたとでも…」

 

「話は後です」

 

どういう事だと思った所で自分たちに殺気が向けられているのが分かった、そして、目の前には、全てを狂わせた女がラファールを纏って立っていた。

 

「逆らったらどうなるか、私は言ったわよね?いいわ、あの小娘を殺した後、あなたも殺す。世間では病死扱いにしてあげるから」

 

万事休すと思われた、その時。

 

「アンタ、いい加減にしないとぶっ飛ばすわよ?」

 

その声は、自分が幽霊だ思っていたそれから発せられた。

 

「というか、珍しいISね?そこのお前!デュノア社に入れ。そしたら、命だけは見逃してやる」

 

「断ったら?」

 

幽霊、いや見覚えのないISを纏っているらしいその女性はそれを拒否した。そして、

 

「そこの男共々、ここで死ね!!」

 

「話に聞いてた以上のクズみたいね!開け、獅子宮の扉!!」

 

瞬時、謎の女性は光に包まれる。その光が収まった時、ブロンドの髪をたなびかせ、黄金の鎧を纏っている女性がそこにいた。

 

「行くわよ、『獅子宮の皇帝(レオニウス・エンペラー)』!!」

 

そして、右手に持つロングソードを高々と掲げた。更に、

 

『何だ貴様!?どうして、織斑一夏とナツ・ドラグニル以外の男がISを…!?キャアァァァァ!!』

 

何故か物理的な寒気を感じる。すると、

 

「おい、ルーシィ。これが俺らの初陣かよ?弱過ぎて逆に哀れみを覚えるぜ」

 

ISを纏っているであろう人影。だが、そこから聞こえてくるのは、間違いなく男の声。

 

「き、貴様!何者だ!?」

 

「あー、俺か?俺はーー」

 

ISの全貌が明らかになる。全体的にクリスタルを纏ったような機体には東洋系の男が乗っているのが確認できた。

 

「『3人目の男性IS操縦者』にしてISギルド『妖精の尻尾』のグレイ・フルバスターだ!!」

 

彼は声高々に宣言した。

 

「クソッ!なら、ここでお前は生け捕りに…!?」

 

女が銃口を向けようとする、だが、身体に力が入らなかった。否、武器という武器が全て凍りついていた。

 

その時、グレイのISが目に見えて変化していた。

 

所謂全身装甲(フルフェイス)と呼ばれている状態だ。そして、その仮面は2本の角が生え、牙のような装飾が施された、まるで悪魔のようだった。

 

「た、助け…」

 

女が助けを乞うも、時既に遅し。

 

「地獄でシャルロットとその母親に謝ってろ!!」

 

無慈悲なる氷の一撃と黄金の剣閃が女を襲った。

 

「氷魔の、激昂おぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「天誅!!」

 

男の眼前の全てが凍りつき、鞭のような剣がそれらを全て破壊した。恐らく、あそこにあったのはISの格納庫、そして、シャルロットの父親である男性がそれに巻き込まれようとしていた。

 

寸前、謎の浮遊感に襲われた。目を開けると空高い場所からデュノア社本社が崩壊していくのが見えた。

ふと、温かい雫が自分の頬を濡らした。誰かが自分を空に追いやってると分かった男はその人物の顔を見た。

 

そこにいたのは、涙を流す自分の愛娘の姿だった。




ルーシィとグレイの初戦闘。あっさり終わりましたね。あと1話だけフランス編が続きます。
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