魔法少女リリカルなのは~優しい嘘~   作:アマネ・リィラ

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外伝〝緑風、紡ぐは金色の風〟

 

「……ほらよ、ウェンディ」

「わーい! ありがとうッスリューイ♪」

「えーい、だからくっつくな。ケーキが潰れんだろうが」

 

地上本部の休憩スペースに、そんな会話が響いていた。その会話の主は地上本部において僅か三名しかいないAAAランク以上の魔導師の一人であるリューイ・エンドブロムと、『N2R』の一角にしてナカジマ家の末っ子、ウェンディ・ナカジマだ。

 その二人は仕事の関係で遅くなってしまった休憩中、リューイが持ってきたケーキをつついている。

 

「うー……美味しいッス!」

「そいつは良かったな。俺は財布が素寒貧だよ」

 

 リューイは呟く。昔、彼の友人であるファイムにも言ったのだが、たかがケーキがこんなに高い理由がわからない。

 もっとも、ファイムは『それでも買うからあの値段なんです。需要と供給ですよ』などと言っていた。うん、意味がわからん。

 

「リューイもそんな暗い顔しないで。ほら、あーん」

「ん、あーん」

 

 ぱくっ。差し出されたケーキを食べる。

 ……悔しいが、美味かった。いやまあ、高いんだから不味かったら困るんだけども。うん、何でか悔しい。

 

「しっかし、お前含め女ってのは甘いもん好きだよな。ミリアムも何だかんだ言って好きだし、ナカジマ家も甘いもん持ってったらかなり喜ぶだろ?」

「あれ、じゃあリューイは甘いもの嫌いッスか?」

「嫌いってわけじゃねぇけど、進んで食おうとは思わねぇな」

 

 コーヒーを啜りながら、リューイは言う。まあ、甘いものが美味しいことは認める。しかし、何となく重いのだ。たまにならいいが、いつも食おうとはとても思わない。

 そんなリューイに、えー、とウェンディが笑いながら言葉を零す。

 

「あたしは甘いものならいくらでもいけるッスよ~♪」

「おーおー、太んな――」

 

 ――カツッ。

 机に置いていたリューイの手のすぐ側に、フォークが突き刺さる。食堂の机は金属製だったはずなのだが……フォークは軽々とそれを突き破っていた。

 

「リューイ?」

「いやいやお前、これはねぇよ。チンクさんもびっくりの腕前じゃねぇか」

「リューイ?」

「……すみませんでしたー」

 

 謝る。うん、怖い。こういう時の女はマジ怖い。

 ウェンディは、全く、と怒った素振りを見せる。

 

「リューイはそういう所、無神経ッスよね。そこは触れてはいけないところッスよ」

「悪かったって。機嫌直せウェンディ」

「別に悪くないッス」

 

 嘘吐け。そのつっこみは、ギリギリで飲み込んだ。

 

「ウェンディ、どうしたら機嫌直る?」

「……じゃあ、頭撫でて欲しいッス」

「ん? そんなんでいいのか?」

 

 リューイが聞くと、ウェンディは頷いた。また何か買わされるのではないかと思っていたリューイは、少し安堵する。

 そして手を伸ばすと、ウェンディの頭を撫で始めた。ふあっ、と、気の抜けた声をウェンディが漏らす。

 

「こんなんの何がいいんだか」

「……いいんスよ。リューイはわからなくて」

 

 わかられると困るッス、と、ウェンディ誰にも聞き取れないような声でそう言った。

 そうして、数分経った時。

 

「あ、リューイと……ウェンディ?」

 

 声が聞こえた。リューイがそちらを見ると、立っていたのはティアナ・ランスター。その視線は、ウェンディを撫でているリューイの手に注がれている。

 

 ……何故か、冷や汗が噴き出した。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 地上本部の廊下を、二人の女性が歩いていた。いや、片方は女性というよりは少女と呼ぶ方が正しいだろう。

 ギンガ・ナカジマ。

 ミリアム・エンドブロム。

 共に陸士108部隊に所属する魔導師とユニゾンデバイスである。

 

「それにしても、リューイくんはどこへ行ったのかしら」

「すみません。落ち着きのないマスターで」

「いいのよ。急に決まったことだし」

 

 ギンガは微笑む。今二人は、上からの指示をリューイに伝えるために彼を探していた。

 しかし、いない。休憩中だと聞き、色々な場所を探したのだが姿がないのだ。

 

「全く、どこを出歩いているのか……」

「まあ、休憩時間だから。……そういえば」

 

 思い出したように、ギンガがぽつりとつぶやく。

 

「二人はファイムくんと仲が良いわよね?」

「良くしていただいているというのが本音です。あの方は、私たちにとっては大恩人ですから」

「……緑風事件、よね。聞いても、いい?」

 

 遠慮がちに、ギンガは言った。ミリアムは、そうですね、と言葉を紡ぐ。

 

「お聞きしたいのであれば。……そろそろ、乗り越えねばならないことですから」

 

 ミリアムは、静かに言葉を紡ぐ。

 その表情を、僅かに硬くしながら――……

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 地上本部食堂。そこに、何とも表現できない空気が漂っていた。

 

「お久しぶりッスね、ティアナ」

「本当にね。調子はどう?」

「…………」

「おかげさまで絶好調ッスよ~。パパりんたちも元気いっぱいッス」

「へぇ……オットーとかディードとかセインとかは?」

「…………」

「勿論元気ッス。あ、でもセインはたまにイタズラして怒られてるそうッスけど」

「……相変わらずね」

「…………」

 

 何故だろう、とリューイは思った。

 目の前で繰り広げられているのは、女性同士の仲のいい会話。だというのに、冷や汗が止まらない。

 

(目が笑ってねぇんだよ……)

 

 リューイは額をひくつかせながら、内心で呟く。この二人、目が笑っていないのだ。だから怖い。

 

(仲悪いとは聞いてねぇんだが……)

 

 リューイは首を傾げる。ウェンディは確か、ティアナのことを好きだと言っていた。嘘を吐く奴ではない。

 ……ならば、何故?

 その答えがわからない。ただわかるのは、とんでもなく空気が重いということと、それを自分はどうにもできないということだけだ。

 

「…………」

 

 ダラダラと流れる汗を誤魔化すように、リューイはコーヒーを口に含む。その時、不意にウェンディがリューイの方を見た。

 

「そういえばリューイ、ファイムが目を覚ましたらしいッスね」

「……面会謝絶だけどな。まあ、目を覚ますのがちょっとばかし遅かったとは思うけど、そんだけだな」

 

 いきなり話を振られたことに少々驚きながらも、どうせ会えねぇし、とリューイは言った。ティアナが、そうなの、と言葉を紡ぐ。

 

「仲がいいって聞いてるけど」

「俺は親友だと思ってますよ。だからこそです。俺はあいつを信じてる」

 

 リューイは笑みさえ浮かべ、そう言い切る。

 

「カグラさんに呼ばれてった時は肩透かしくらって驚きましたけど、まあ、あいつらしいとも。そういう奴ですよ、あいつは」

 

 周りを巻き込みたくない。そういう人間なのだ。

 自分はいつだって、『誰か』を助けてくれるのに。

 自分が助かることを、何の躊躇もなく放棄する。

 

「ただ、あいつが罪人扱いされてんのは気に食わねぇ。あいつは、俺たちを救ってくれたのに」

「緑風事件ッスよね?」

「ああ。俺はあいつのおかげでこうして生きてんだ」

 

 本気で感謝してる――リューイは、言い切った。

 そのリューイに、ウェンディが言葉を紡ぐ。

 

「あの、聞いてもいいッスか?」

 

 何をだ、とは言わなかった。リューイは、んー、と少し考えてから、言葉を紡ぐ。

 

「いいぜ別に。面白い話でもねぇけどな」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 その日は、特に何の変哲もない日だった。

 リューイ・エンドブロムは、交通事故で両親を失い、一人で生きていくことを強制された人間だ。もっとも、住んでいる場所が離れているとはいえ、祖父はいたから独りきりというわけではなかったが。

 周囲は色々言ってきたが、リューイにしてみれば鬱陶しいだけだった。悲しみなんてものは、消えるようなものじゃない。同情も、面倒なだけだ。

 だから、リューイは次第に一人になっていった。

 本人が望んで……そうなった。

 なって、しまった。

 

「今日も一日、どうでもいい日が過ぎていく」

 

 リューイは、謡うように呟いた。なにも変わらない日常。つまらない毎日。目的も夢もない日々。

 誰か、こんな日常を壊してくれないかと本気で思った。

 あり得るはずが、ないというのに。

 

「…………ん?」

 

 不意に、叫び声のようなものが聞こえた。リューイは興味によって、そちらへ行く。

 声の出所にはすぐに辿り着いた。人通りの少ない道で、一人の女の子が叫んでいる。

 

「こ、これはダメです! 離してください!」

 

 見れば、珍しい翡翠の色の髪と瞳をした女の子が必死になって犬から何かを守ろうとしているようだった。眉をひそめると同時、少女の相手を見て思わずギョッとする。

 

(おいおい、あの犬ブチギレてんぞ)

 

 犬の方は怒りの頂点に達しているようで、少女の持っているものを引き千切らに気負いで引っ張っている。今にも飛びかかりそうだ。そして、あれほどの大きさの犬を相手にするとあの少女ではひとたまりもない。

 リューイは、ふぅ、とため息を吐くと、走り出す。

 そして、鞄を振り上げ、全力で振り抜いた。

 ――鈍い音。中途半端に柔らかい感触が、鞄越しに腕へと伝わる。

 

「ワウッ!?」

「こっちだ!!」

 

 犬が怯んだその一瞬で、リューイは女の子の手を引き、走り出す。

 女の子は驚いた表情で、こちらを見ていた。

 

 

 ――そうして、数分走った後。

 

 

「大丈夫か?」

「はい。すみません、ありがとうございます」

「いいさ。大事なものなんだろ?」

 

 手を引きながら、リューイは見ていたのだ。小さな宝石のようなものを、この少女は大事に握り締めているのを。おそらく、アレがこの少女にとっての大切なモノなのだろう。

 

「ま、お互い怪我も……って、よく見りゃ傷だらけじゃねぇか!?」

 

 リューイは思わず声を上げた。見ると、少女の身体はあちこちに擦り傷や切り傷を負っていた。

 

「手当てもしてねぇし……親はどうした?」

「…………」

 

 少女は口を噤む。リューイは息を吐くと、少女の手を引いた。

 

「手当てぐらいならしてやれる」

「えっ、しかし……」

 

 少女は躊躇う。リューイは、言い切った。

 

「強制連行だ」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 リューイは家に着くと、早速少女の傷を水で洗った。痛そうな素振りを見せたが、そこは無視する。

 

(しばらく放置してやがったな……化膿してるとこもあんぞ)

 

 内心で呟きつつ、リューイは手早く手当てをすませる。そうした後、リューイは傷口に絆創膏、もしくはガーゼを当て、これでよし、と呟いた。

 

「とりあえずこれでいいはずだ」

「あ……ありがとう、ございます」

「いいよ。ただのお節介だ」

 

 言いつつ、リューイは少女に飲み物を出す。そして、呟くように言った。

 

「別に事情なんて知らんし、話したくないだろうから聞かねぇよ。話してくれるんだったら聞くけどな」

「…………」

「……俺な、親がいねぇんだわ。事故だってよ。そういうのってさ、本当に突然なんだな」

 

 こんな子供に何言ってんだ俺は、などと内心で呟きつつ、リューイは言う。

 

「整理なんてついてねぇし、つくまではしばらくかかんだろ。けど、何てのかな? 周りの目が変わっちまった。放っといてくれりゃあいいのに、変に気を使ってきて。俺はそれが嫌でな。普段なら気にしなかったんだろうけど、どうしてもな。……気がついたら、一人だったよ」

 

 自分も周囲も変わってしまったから。

 だから、今までのままではいられなくなった。

 その答えが、独りきりという現実。

 

「なんつーか、理由があんだろ? だったら、俺に言えることなんざねぇ。だってよ、それはお前だけのもんだもんな。踏み込まれたくなんてないもんな」

 

 リューイは、立ち上がる。

 

「落ち着いたら、家まで送ってくよ」

「…………いんです」

 

 少女は、消え入りそうな声で、そう言った。

 

「帰る場所、ないんです」

 

 その言葉を受け。

 リューイは、そっか、とだけ呟いた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 深夜。不意にリューイは目を覚ました。ソファーで寝ていたせいか、体が痛い。

 

「あー……くそ。眠れねぇ」

 

 リューイは呟く。……眠れない理由はわかっている。

 ミリアム、と名乗ったあの少女が気になるといえば気になるが、しかし、主な理由はそこではない。

 夢にまで見てしまう、孤独な夢。独りきりの夢。それが、眠りを阻害する。

 

「一人と孤独は違うなぁ……」

 

 一人と孤独。

 似ているけど違うそれ。リューイは一人は好きだが孤独は嫌いだ。

 だから、今は辛い。

 

「あー……俺ってこんな弱かったんだな……」

 

 実感する。リューイ・エンドブロムは、あまりにも弱い。

 孤独に、こうも痛みを感じるのだから。

 リューイは、寝よう、と呟く。しかし、閉じようとした目が、とあるものを捉えた。

 

「ん? ミリアム?」

 

 立っていたのは、ミリアムだった。その目は虚ろで虚空を見つめている。リューイは思わずミリアムに近付いた。

 

「おい、どうした? ミリアム?」

「……魔力保持者を確認。解析開始。AAAランクと認定」

「おい、ミリアム?」

「同調率解析……62%。ユニゾン可能。アームドデバイス『ブラッディハウンド』――セット・アップ」

 

 ミリアムの目が、リューイを映し出す。

 リューイは何故か、背筋が凍る思いを感じた。

 

 ――そして、風は炎をその身に宿す。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 視界が、紅に染まっていた。

 ゆらゆらと揺れる炎。それが、世界を覆っている。

 

「……殲滅」

(なん、だと?)

 

 聞こえてきた呟きは、自分の声だった。

 視界に、何かが映り込む。

 それは――幅広の大剣だった。

 

「エクスプロージョン」

 

 再び、意思とは関係のない言葉が紡がれる。

 ガシャン、という音が響き、剣が炎に包まれた。

 リューイは、まさか、と思う。

 

(やってるのは……俺?)

 

 夢だなどとは、欠片も考えなかった。

 ただ、漠然と理解していた。

 これは夢ではなく、現実であると。

 

「……殲滅」

 

 自分の体が勝手に動き、刀身に金色の炎を宿した剣を振るおうとする。

 やめろと、心が叫んだ。

 しかし、叶わない。

 振るわれた刃は炎を吐き出し、世界を焼いた。

 何が何だか、わからない。

 ただ、わかるのは。

 

 ――この惨劇の犯人が、自分であるということ。

 

「――――ッ!!」

 

 叫び声が聞こえてきた。視線がそちらを向く。

 男の子が、泣いていた。

 剣が、持ち上がる。

 

(おい、冗談だろ?)

 

 そして、炎を纏った刃が、振り抜かれる。

 

(やめろ馬鹿野郎!!)

 

 リューイは叫んだ。しかし、それで止まるわけではない。

 振り下ろされた刃から、炎が走る。

 男の子が、こちらを見た。

 ――涙が、見える。

 

(逃げてくれ!!)

 

 祈るような叫びはしかし、大気を震わせることさえない。

 だが。

 

 ――ヒュン。

 

 風切り音。リューイの放った炎が、突如、引き裂かれたように消滅した。

 

「大丈夫?」

 

 優しい声が聞こえた。視線の先に、一人の青年が、いつの間にか立っていた。男の子を庇うように立っていたその青年は振り返ると、男の子に声をかけた。

 

「あちらはまだ、火の手が上がっていません。すぐにあちらへ」

「あ、あの……」

「急いでください。……気をつけて」

 

 青年はそれだけを言い切ると、男の子に行くように促した。

 そうして男の子が見えなくなってから、青年はこちらを見る。

 

「管理外世界である以上、わからないかもしれませんが、一応名乗ります。管理局本局執務官、ファイム・ララウェイです。今すぐ武器を納めてください」

「……障害は、排除する」

 

 また、言葉が勝手に紡がれる。

 だが、ファイムという青年は、首を左右に振った。

 

「ご安心を。あなたの言葉は、僕に届いている。今すぐに助けます」

 

 バサッ、と、その背中に純白の翼が宿る。

 美しいはずなのに、どこか悲しさを覚えさせられる翼を携えて。

 

「届かぬ心の声を聞き、その想いに応えること。それが管理局の存在意義だ」

 

 その青年が、拳を握った。

 ――そして、視線がぶつかり合い。

 風が、吹く。

 

 振り抜いた剣の一撃を、ファイムは右腕で受け止めた。しかし、重い一撃を受け止めきれず、吹き飛ばされる。

 

「つうっ……!?」

 

 怯んだのは一瞬。だが、その一瞬が命取りになってしまう。

 

「エクスプロージョン」

 

 紡がれた言葉。刀身が金色の炎を纏い、更に、風を纏う。

 

《Protection!!》

 

 ファイムは障壁を展開。しかしそれは一刀の下に砕かれる。

 

「――――!!」

 

 ファイムは瓦礫を巻き込み、家屋を破壊しながら吹き飛ぶ。

 そして、もう、向かってこなくなった。

 

「…………」

 

 リューイはファイムが吹き飛んだ方向を一瞥すると、その場を離れた。

 

(何だよ、これ……?)

 

 それを、ただ見ていることしかできなかった。

 呆然と、わけもわからず。

 何もできないという事実だけを、受け入れながら――……

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

《マスター。ご無事ですか?》

「……なんとか。あばらの二、三本は折れてるだろうけど……」

 

 苦笑しつつ、ファイムは言う。凄まじい威力だった。防ぎきれない程に。

 受け流すべきだった。それならまだ保ったはずだが……。

 

「悔やんでも、仕方ないね。リンネ、位置特定は済んでる?」

《大丈夫ですマスター。追いますか?》

「ううん。……先に、人命救助をしなくちゃ」

 

 ファイムの目に映るのは、燃え盛る街と、逃げ惑う人々。

 管理外世界など関係ない。彼らを、救わなければ。

 

《しかしマスター。管理外世界、それも魔法文明がない世界への干渉は……》

「人を救って裁かれるなら、それはそれだよ」

 

 ファイムは言い切ると、走り出そうとした。しかし。

 

『待て。ララウェイ執務官。救助行動を行うことは禁ずる』

 

 いきなり、そんな声が聞こえてきた。ファイムは、思わず足を止める。

 

「何故ですか!?」

『そこが管理外世界だからだ。関わることは許さん』

「……助けを求めている人が、いてもですか?」

 

 今回、ファイムにこの世界へ行くことを指示した人物に、ファイムは問いかける。

 しかし、人を数字でしか見れない男は、一瞬の躊躇もなく答えた。

 

『忘れたのか? 貴様の任務はグリス・エリカランの早急な逮捕、もしくは排除だ。『そんなこと』に手を出している場合ではあるまい?』

 

 それが管理局の人間の台詞であると、ファイムは信じたくなかった。

 けれど、信じるしかなかった。

 

『会話記録は聞かせてもらった。グリス・エリカランはその世界にいるのだろう? 急げ』

「……それは、命令ですか?」

 

 当然だ、と、相手は言った。

 ファイムは、了解、と呟き、通信を切る。

 

 握り締めた拳から、血が流れ出した。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「キャハハ♪ 凄い凄い、お手柄だねぇ♪」

 

 目の前で、見た目14、5くらいの少年が楽しそうに笑っていた。体は動かない。

 

「AAAランクの魔力持ち、更には炎熱の変換資質? 中々いないよそんな人? キャハハハハハハハハ♪」

 

 今現在、リューイは自分の意識を取り戻している。しかし、体が光の縄のようなもので拘束されていて、動けない。

 隣にいるミリアムもだ。ただ、彼女は何かを堪えるように俯いている。

 

「誰だよテメェは?」

「犯罪者」

 

 茶化すわけではなく、その少年は平坦な声でそう言った。リューイの眉が跳ね上がり、それを見たグリスは笑みを浮かべる。

 

「キミは知らないだろうけど、世界は無数に存在するんだよ。ボクはその中で犯罪を犯す人間。理由とか倫理とかはともかく、世界はボクを否定してる」

 

 そういう人間だよ、ボクは。と、少年は言った。

 

「今回はね、ちょっとした実験。キャハハ♪ 運がなかったねぇ?」

 

 少年は先程までとは打って変わって楽しそうに言う。

 

「そこのユニゾンデバイス……ああ、わかんないか。魔法文明ないんだもんね? まあいいや。単純に言うとね、キミは女の子と思ってるかもしれないけど、その子、人間じゃないの」

 

 キャハハ、と少年は笑う。

 

「要はね、機械なんだよ。戦いの道具。キミは巻き込まれたの。キャハハ、ホント運がないよねぇ?」

 

 少年は笑いつつ、俯いているミリアムを見下すように眺めた。

 

「自由になれたと思った? 逃げられると思った? できるわけないでしょ、そんなこと。ボクを誰だと思ってるの? グリス・エリカラン。『アンリミテッド・デザイア』の継承者だよ? キミは逃げられない。逃がすつもりもない。ただ、逃げられ続けるのも面倒だしね。少し、痛い目に遭ってもらおうかな?」

 

 キャハハ、とグリスは笑い、そして、リューイを見る。

 

「運が悪かったって諦めてね? キミの心を叩き壊す。そうだね、世界でも壊してもらおうかな?」

「…………ッ!?」

 

 ミリアムが弾かれたように顔を上げる。グリスは笑った。

 

「それがキミへの罰だよ、ユニゾンデバイス。キミに組み込んだシステムから、キミは絶対に逃げられない」

「どういうことだよ?」

 

 リューイは、思わず問いかけていた。グリスは、笑みを深くする。

 

「勇気あるねぇ♪ キャハハ♪ 別に難しいことじゃないよ? 簡単に言うとね、精神を乗っ取ってるって言えばいいのかな?」

「精神?」

「キャハハ♪ 肉体っていうのは、精神で動かすんだよ? だからボクは、その精神を好きに奪えるようにした。キャハハ♪ 想像してみてよ? 記憶が飛んでる間に何人も何十人も人を殺して傷つけて、気がついたら血の海に他人の血に塗れて立ってる気持ちをさぁ?」

 

 ――ドクン、とリューイの心臓が高鳴った。

 

「ホント楽しいよ? 毎回毎回泣き叫んでさぁ? 心が壊れれば楽なんだろうけど、壊すことはボクが許さない。精神を掌握してるんだもん。直せる直せる。キャハハ♪ 楽しいよ♪」

「クソ野郎が……!!」

 

 腹の底からの声が飛び出した。グリスは冷笑を浮かべる。

 

「知ってるよ? けど、ボクを止められないなら千の言葉も意味はない。……丁度いいや。ちょっと鬱陶しい執務官がいてねぇ。キミたちに相手してもらおっかな?」

 

 キィン、という音と共に、グリスの足下に魔法陣が現れる。

 それがどういうものかはわからない。

 

「テメェ……!!」

 

 リューイは、グリスを睨みつけた。グリスは、笑う。

 

「相手はキミを殺しにくるよ? どちらにせよ、キミは死ぬ」

 

 ――心か体かは、わからないけれど。

 グリスは、そう言った。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 ……視界が、血に染まっていた。右目が、ほとんど見えない。

 

「…………ッ、なんて、力」

 

 頭を押さえながら、ファイムは呟いた。グリスを追っていった先に、例の少年がおり、不意をつかれた。先程のダメージが尾を引き、まともにガードさえできなかった。

 

「リンネ、相手の能力は……?」

《……推定、オーバーSランク。魔力変換資質、炎熱、風雅を確認。術式はおそらく、真生ベルカ式です。また、ユニゾンデバイスの反応も確認しました》

「成程、はやてさんを思い出しちゃうな。……正直、荷が重い」

 

 素直な感想が漏れた。相手が悪過ぎる。勝てる気がしないとは、このことだ。

 けれど、そんなことは理由にならない。

 

「だけど、だからって無視はできないよね。あんなもの、見ちゃったら」

 

 ファイムの視線の先には、少年がいる。

 ――今にも泣きそうな、弱い顔が。

 

「リンネ、手を貸してくれる?」

《無論。あなたがそれを望むのならば》

 

 そうして、ファイムは息を吐く。

 その胸元から、執務官であることを示すバッジが消えていた。

 思い出すのは、先程のやりとり。

 覚悟を示した、その一時。

 

 

 ――数時間前――

 

 

「殺害、許可?」

 

 紡がれた言葉を、ファイムは思わず繰り返していた。

 

『そうだ。グリス・エリカランと共に、貴様が相対した少年とやらにも殺害許可を出す』

「ちょっと待ってください! グリス・エリカランとの会話で、彼は被害者だとわかっています!」

 

 殺害許可。それは、『殺せ』という命令に等しい。

 その命令を、ファイムは下された。

 

『だから何だというのかね? その少年は脅威だ。被害が広がる前にどうにかするのは、当然のことではないかね?』

「……それは、相手が助けを求めていてもですか?」

『多くを救うためには、少なきを切り捨てねばならぬ時もある』

 

 ファイムは、拳を握り締める。

 

「現場で命をとるのは僕たちです。わかっておられるのですか?」

 

 言葉が、鋭くなる。

 

「人を殺して、本当に人が救えるのですか? 救えるのであれば、証拠をください。彼を殺す、理由をください!」

『上に逆らうか? 貴様、自分の立場がわかっているのか?』

「わかっていますよ。あなたたちに逆らえば、僕は罪人になる。けれど、それなら従っても同じだ。彼を殺せば、僕は僕を許せない」

 

 パキン、という音と共に、何かが砕け散った。

 ファイムは執務官バッジを、彼が目指し、ようやく手にしたものを自ら砕いた。

 元々、ファイム・ララウェイという人間は罪人だ。管理局に従わなければならない人間だ。

 しかし、管理局が正義であるためにファイムはいるのなら。

 ――ここで、彼を救わなければならない。

 ファイムがバッジを砕いたことに、通信の向こうにいる人物が驚く。

 

『貴様……』

「僕には才能がない。力だってない。レアスキルだってない。ヒーローになんてなれやしない。魔法だって、たかが知れてる。けれど」

 

 ファイムは、真っ直ぐな目で言葉を紡いだ。

 

「助けを求めている人の声くらいは聞こえる。そして、手を差し伸べることくらいはできる。大した魔法も使えない僕にとって、それが一番強い魔法だ」

 

 誰かを傷つけるためではなく……泣いている誰かを救うために、この手の魔法はあるはずだから。

 ファイムは、言い放つ。

 

「彼を助けます。それが罪だというのなら。殺すことが管理局の正義だというのなら。どうぞ僕を殺してください」

 

 ――そうして、罪人は空へと駆け上がる。

 多くのモノを、置き去りにして――……

 

 

 

「……グリス・エリカランによれば、ユニゾンデバイスのシステムを狂わせてるらしいね」

《そのようです。精神操作、と言っていましたが》

「それなら話が早い。システムを壊せばいい」

 

 ファイムは言い切る。リンネは、マスター、と呟くように言った。

 

《どうやってそれを為すおつもりですか?》

「……JS事件」

 

 ファイムは立ち上がりながら、そう言った。

 

「高町教導官は、魔力ダメージでかの聖王を救い出した。グリス・エリカランはジェイル・スカリエッティの継承者。おそらく、似た方法で彼らを操ってる」

 

 ついこの間にあったあの事件で、高町なのはという人物はそうやって奇跡を起こした。

 

「魔力ダメージでノックダウンさせる。いけるね、リンネ?」

《Yes,my master》

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 もう、耐えられなかった。

 再び現れた、翼を生やした青年。彼はしっかりしろと、助けてみせるとそう言った。

 その青年を――再び、叩き落とした。

 それだけではない。ここにくるまでに、自分は、自分が育った場所を焼き払った。

 何人も、何人も傷つけた。

 

「――――」

 

 青年が、再び空へと上がってきた。見るからにボロボロだ。

 リューイは、呟く。

 

「頼む、殺してくれ」

 

 意識はあった。言葉は紡げた。

 しかし、人を傷つける体を、止められない。

 このままではまた、誰かを傷つける。

 

「ダメなんだ。体が言うことを聞かねぇ。このままじゃ、また傷つけちまう。頼む、俺を殺してくれ」

 

 先程、青年はこうして自分が話すことに動揺した。しかし、もうそんなことはないだろう。

 ――リューイ・エンドブロムは、世界が嫌いだ。

 たった一つの出来事で、自分をたった独りきりにした世界が大嫌いだ。

 しかし、それでも。

 そこに生きる人たちを傷つけるのは、嫌だった。

 

 ――だが。

 

「死にたい? 殺して欲しい?」

 

 青年は、ファイム・ララウェイと名乗った人物は――リューイの言葉に、僅かに感情の乗った声でそう返した。

 

「……ふざけるな」

《Wind move》

 

 鈍い音が響き渡った。リューイとの間合いを移動魔法で詰めたファイムが、頭突きをリューイに叩き込んだ音だ。

 固まった血で塞がりかけていたファイムの額の傷が開き、血が噴き出す。

 

「死にたいなどと。殺して欲しいなどと。傲慢なことをよく言えたものですね」

 

 ファイムはしかし、流れ出る血を少しも気にせず、リューイを睨みつけた。

 

「あなたが死にたいと言って過ごした今日は! 昨日死んだ誰かが生きたかった明日なんだ! 生きてください! 辛くても! 苦しくても! 生きていかねばならないのです!」

 

 ファイムは、右腕を構える。

 

「僕はあなたを助けたい。けれど、それだけじゃあなたを救えない。だから、言ってください」

 

 お願いします、とファイムは言った。

 

「生きたいと言ってください。その言葉をくれたなら、僕は、例え命を捨てることになろうと、あなたを必ず助けてみせる」

「……俺は」

 

 リューイは、絞り出すように口にした。

 

「死にたくねぇ……こんなわけわかんねぇ死に方なんてしたくねぇ! 頼むよ、助けてくれ!」

 

 何もわからないままに、死にたくない。

 リューイは、叫んでいた。

 ファイムは、無論、と頷く。

 

「助けます。救ってみせる。救いを求める誰かに手を差し伸べるために、僕らはいるんだ!」

 

 ――ヒュン。

 風切り音。リューイの周囲に、薄い翡翠の光で覆われた無数のワイヤーが出現する。

 それらはただ漠然と存在するわけではなく、意味ある陣を築いている。

 

「三次元型封印結界、起動!!」

《Yes,drive!!》

 

 リューイの体から、力が抜ける。魔力を封じる力を宿す結界が、リューイの力を一時的に奪い去る。

 しかし、この結界の効果は一瞬。

 だがその一瞬で――ファイムは動く。

 

「ブラスター3!! リミットリリース!! バースト!!」

《Burst Storm!!》

 

 フルドライブによる限界突破に、ブラスターシステムによる更なる限界突破の重ねがけ。

 命を削る行為だと、誰にでも理解できることだった。

 しかし、だからこそリューイには伝わる。

 そうまでしてでも、救おうとしてくれているのだと。

 

「ストーム!!」

 

 翡翠の光が、世界を飲み込んだ。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「……外傷は、特にありませんね」

《魔力ダメージで気絶しているだけのようです》

「良かった。管理局には連絡してあるから、すぐに病院なりに連れて行ってもらえるね」

 

 良かった、と、ファイムはもう一度呟いた。この少年を、救うことができた。

 ただ、彼には今回の件のせいで、元の生活に戻れなくなるかもしれない。そういう意味では、救えたとは言えないのかもしれないが。

 

「あなたも、もう、大丈夫ですよ」

 

 膝を抱え、俯いている少女に、ファイムは言った。少女は、首を左右に振る。

 

「……私は、これまでに多くの人を、殺してきました。巻き込んできました。許されるはずがありません」

「そうかもしれない」

 

 ファイムは少女の言葉を否定せず、むしろ頷いて見せた。

 

「罪は、他人が何と言おうと自分が背負うものだから。きっと、一生終わりなんてない。けどね、それでも生きていくしかないんだ」

 

 ファイムは、立ち上がる。

 

「僕は、明確な殺意をもって人を殺したことがある。その償いのために、管理局に従ってる。……自己満足とはわかってるんだ。けれどそれでもやるしかない。生きていくしかないんだ。こんな罪に塗れた罪人でも、生きていくしかないんだよ」

 

 あなたは違う、と、ファイムは言った。

 

「あなたは苦しんで、悩んで、ずっと耐えてきた。何とかしようって、頑張ってきた。そんな人に冷たく当たる程、世界は残酷じゃない」

 

 不条理で理不尽な世界だけど。きっと、世界はそれだけではないはずだから。

 

「……僕は行きます。まだ、やらねばならないことがある」

 

 全ての元凶を、討たねばならない。

 少女は、顔を上げた。

 

「……私も、連れて行ってください」

「後悔しますよ。必ず」

 

 ファイムは、すぐさま聞き返した。少女は、頷く。

 

「それでも、私がやらねばならないことです」

 

 その言葉に。

 ファイムは、真剣な表情で頷いた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「キャハハ♪ 捕まえにきたの? ご苦労様だねぇ♪」

「…………」

 

 ファイムは無言。拳を構える。

 その意味を悟ったグリスが、笑みを浮かべる。

 

「ふーん? 成程、矛盾してるとか思わないの?」

「……フルドライブ。モード・フェザーナイツ。ブラスター3。リミットリリース」

 

 吹き荒れる魔力が、地面を砕いた。ユニゾンデバイスである少女――ミリアムとユニゾンしたこの時、ファイムの力は一瞬ならばオーバーSへと迫り得る。

 あくまで、一瞬ではあるのだが。

 

「ホント矛盾してるよねぇ? 罪人が罪人を殺すんだから。ねぇ、気付いてる?」

 

 ファイムは地面を蹴り飛ばし、前へと進む。

 

「その矛盾はいずれ、キミの全てを否定する」

 

 ――ドスッ。

 ファイムの拳が、グリスを貫いた。

 

 そして、全てが終わった後。

 

「……否定もなにも」

 

 ファイムは、呟いた。

 

「ここでこうしていること自体が、意味のないことですよ」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「以上が、俺とミリアムがファイムに救われた話だよ」

 

 コーヒーを啜りながら、リューイは言った。

 

「あの後、ファイムは俺たちを弁護してくれて、俺たちは保護観察で済んだ。……考えもしなかったよ。あいつが、自分の立場まで捨てたなんて」

 

 見ず知らずの自分たちのために。

 彼は、自らを犠牲にした。

 

「俺たちが特別じゃねぇんだろうさ。あいつは誰であっても同じことをする。だから、憧れてるんだ」

 

 そして同時に、感謝をしている。

 目指すものをくれた、あの男に。

 

「俺とミリアムの目標は、いつだってあいつの背中なんだ」

 

 リューイは、笑ってそう言った。

 

 

 

 

「……マスターの言う通りです」

「…………」

「私たちは、強烈に憧れました。あの方に」

 

 それが戦う理由になったと、遠くからリューイを眺めながら、ミリアムはそう言った。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「……相変わらず、キミは神出鬼没だねぇ」

「キャハハ♪ 久し振り、ドクター♪」

「キミが『殺された後』以来かな?」

「うんうん♪ いやね、今日は確認があって会いに来たの♪」

 

 長くはいられないんだけどねん、と、グリスは笑う。

 

「ねね、ドクター? ここから出たい?」

「魅力的だが、遠慮させてもらうよ。ここはここでそれなりに退屈しないのでね」

「ありゃりゃ。じゃあ仕方ないね。……久し振りに会えて良かったよドクター。今日はそれを確認しにきただけだから。じゃあね?」

 

 グリスはスカリエッティに背を向ける。スカリエッティは、その背中に問いかけた。

 

「キミは何を目指しているんだい?」

「この世界」

 

 グリスは、冷笑を浮かべた。

 

「この世を思い通りにするのが、ボクの夢だ」

 

そして、グリスは立ち去っていく。

スカリエッティは、はははっ、と笑った。

 

「『アンリミテッド・デザイア』か……私などより、彼の方が余程その名に相応しい」

 

 面白くなりそうだ、とスカリエッティは笑い続けた。

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