魔法少女リリカルなのは~優しい嘘~   作:アマネ・リィラ

59 / 59
次回作予告

 

 

 

 多くの因果と因縁が、一つの終わりを迎えた戦い――楽園戦役。

 その首謀者の多くは死に、多くの犠牲の果てに解決を迎えた。

 

 

「平和なんてのは十年持てば御の字程度の脆いもんだ。二十年持てば驚きで、三十年も持てば奇跡だ」

 

 

 英雄たちが命を懸け、繋いだ〝明日〟という日々。

 運命に抗い、その全てを擲ってでも未来を掴んだ青年が望んだ――未来。

 

 

「何を守りたいのか、守るべきなのか。教科書通りの答えなんていりませんからねー。自覚してないんなら、自覚させる。それが俺の教導ですよ」

 

 

 しかし、平和な日常であっても全てが幸福なわけではない。

 幸いな事件もあれば、不幸な事件も起こり得る。

 

 

「だって……だって、嬉しかったから……私を見つけてくれて……本当に……」

 

「インターミドル……ですか? 成程、スポーツ格闘。アリアもそれに参加すると?」

 

「殴り合いが娯楽として受け要られるのは、平和である証拠だよ。その平和を守るためにあるのが管理局。それでいいんじゃないかな?」

 

 

 ただただ平和を享受することは、決して正しいことではない。

 大切なのは、その平和を維持するために努力すること。

 

 

「最近、思うようになったんだ。生きていられる……それは、本当に幸福なことなんだって」

 

「お互いノータッチで行こうや管理局。触れて得することなんてあらへんやろ?」

 

「僕が教えられるのは、〝負けない方法〟だけです。それでいいなら、教えます」

 

 

 伝えたいもの。託したいもの。

 その全てを果たすには、あまりに時間が短くて。

 

 

「往くぞオラァ!! 根性見せろ!! 当たって砕けるために来たんだろうが!!」

 

「これが管理局だよ、後輩たち。この布陣と壁が、キミたちの越えるべき壁だ」

 

「逆転の可能性は一つ……! 凡人には凡人だ! ファイム・ララウェイを倒すにはそれしかない……!」

 

 

 だから、ぶつかる。

 伝えたいことを、伝えるために。

 

 

「僕は幸せになっても……いいのかな?」

 

「当たり前だ。お前が幸せになることに、誰も反対はしない」

 

 

 優しい日々。ようやく手にした平凡な、だからこそ誰よりも望んだ日々。

 

 ――――――けれど。

 

 世界は、それさえも許してはくれなかった――――…………

 

 

「ごめん、本当にごめん……!! 僕たちのせいで、僕たちが弱かったから……!!」

 

「何故だ!? 何故奴ばかりが!! 奴ばかりがこんな目に遭わねばならんのだ!?」

 

「ファイムは頑張っただろ!? 誰よりも傷ついて!! ずっとずっと一人で頑張っただろ!? なのになんで……何でこんなことになってんだ!?」

 

「……もう、戻れぬところまで来てしまったのだな……」

 

 

 果てしない慟哭が、日常を汚していき。

 ゆっくりと、〝世界〟という名の歯車が壊れていく。

 

 

「わ、わかった! 人質――人質を取られてるんだよね!? なら何か、協力できるかも――」

 

「違うよ。ぜぇんぶ、私が選んだんだよ」

 

 

 その答えは、あまりにも残酷で。

 振り下ろされる刃は――血に濡れていた。

 

 

「世界なんてのは、いつだって残酷や。あの小僧はそれに踏み潰されただけやろ?」

 

「その言葉で諦められるほど、人間できちゃいねぇんだよ……!!」

 

「諦めるも何も、これが現実だ」

 

 

 そして。

 

 

「いつまで俯いているのです? 立ちなさい、堕天の主。あの人が愛したあなたは――あの人を愛すると誓ったあなたは。こんなところで倒れる程に弱くはないでしょう?」

 

 

 最悪の結末が、訪れる。

 

 

「第108機甲旅団に命じます。管理局を――制圧せよ」

 

 

 哀しみの連鎖は、やはり断ち切れないのか。

 

 魔法戦記リリカルなのは―最後の魔法―

 

 

「………………どうして……あなたが、そこにおるん…………?」

 

 

 

 もし、何か一つ願いを叶えてくれると言われたならば。

 あなたは、何を差し出しますか?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。