恋雨~重装護衛艦『倭』~   作:CFA-44

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どうも遅くなりまs(61cm酸素魚雷命中 って誰だ魚雷ぶつけた奴は?!

時「遅いよ作者。僕と倭のイチャイチャ日記を早く書いてよ!」

イチャイチャ日記て……アイツ随分鈍いけど自覚してるのかねぇ……下らない茶番どうもすみません(汗 今回はほぼ開発と超兵器が出ます。が、割りにgdgdしているぞ!シベリア行きだ!と言う方は早急に感想へ……又、
『この艦娘も出せや』
という御方も感想へ書いていただければ幸いです。


海魔の潜む海

 レイテ島奪回作戦は失敗した。本命である第1連合艦隊がシブヤン海で敵の待ち伏せに遭い、誰一人帰る事は無かった。要するに全滅。ろくな索敵も無く、敵の情報が少ないまま進撃を強行した急進派は結果として倭達の努力を無駄にしてしまったのだ。

だが、その報告を聞いた倭は最後の文を見て険しい顔付きに変わっていた。その報告の最後はこう書かれていた。

 

‐遭遇せし敵艦実に風の様に速く捕捉不可能なり。‐

 

これを見た倭は誰の問い掛けに答える事無く、『開発任務を済ませてくる』と言って執務室を立ち去った。止むを得なかったとはいえ、多量の弾薬を消費した倭は弾薬の節約を心掛けるように指示を受けた。何せ弾薬補給だけで10万もぶっ飛ぶとは想像出来なかったのだから仕方ない。

 前々から枯渇しかけていた弾薬に追い撃ちを掛けるようにトラックに着任した超高性能超高燃費の超高速戦艦。燃料とボーキサイトが消費されないだけまだマシ、と言えるのだが。

「提督、前に彼が『超兵器』と言っていた存在はどういう物なのでしょうか?」

「う~ん。このディスクに入ってるデータを見れば分かるんじゃないかしら?」

扶桑が今まで誰も口にしなかった単語の意味を知ろうと笹川を動かした。そして引き出しに仕舞い込まれたままになっていた2枚のCD型ディスクを取り出し、前々から用意していたプロジェクターを準備している間に艦娘達は座る場所を確保し、これでもかと言う位のすし詰め状態に陥っていた。

 投影準備が終わると意を決して笹川は再生のスイッチを押した。そして、映し出されたのは超兵器とは全く関係無さそうな戦艦の建造風景だった。大型の戦艦なのだろうか、『第4大型乾ドック』と書かれたドックで作業員達が忙しそうに、だが顔には嬉しさを表しながら作業を進めている。その映像が変わると今度は空中からの建造工程の撮影らしかったが、そのドックの凄さを教えられた。

 兎に角ドックが大きい。そして何よりそのドックが7つも並んでいるのだから凄まじいというしかない。だが、陸奥がある事に気付く。

「あの一番下のドックに居るのって、倭、よね?」

『え?』

良く見れば映像の一番下に映る大型ドックでほぼ完成している大和型似の戦艦が居た。どうやらこれは倭型重装護衛艦建造記録の一部らしかったが映像は建造中である4隻をメインとしているらしく、以降の映像は殆ど倭が映る事は無かった。映ったとしても端の方に一部が映る程度であり、5隻揃っての公試運転では先頭に居たが全てピンボケしていた挙句、単独公試運転の姿に至っては倭を除いた4隻の映像だけという始末に残念そうな空気が漂った。

「殆ど倭は映ってないわね……」

「映っていてもほぼピンボケか端の部分だけか……不遇な扱いだな。」

大和と武蔵は少々不憫に思っていたが、彼女達以外にももっと倭が映っていないのかと出来る範囲で探していた艦娘も居たが、ドックに入渠中の倭の映像があった。

どうやら被害を受けて尚後進で戻ってきた時のものらしかったが、映像が倭の居るドックに向けられた時、改めて倭の居た平行世界の戦闘が自分達の想像以上に激しかった事を教えられた。

『…………』

「うわ…こりゃ酷いわね……」

そこに映った倭の姿は痛々しかった。原子炉の隔壁が少し見えるくらいまで艦首が吹き飛び、その衝撃で1番主砲が僅かに右側へ傾いていた。正に艦首がバッサリ切り落とされた形になっていながら後進で戻って来たのだと言うのだから当時の応急修理員は非常に頑張ったのだろう。

 だが、そんな痛々しい姿でありながら、戦艦としての威容だけは失われていなかった。真正面からの映像である為に尚迫力があり、映像越しであっても見下ろされている感覚に捕らわれる。そこで映像は終わりとなり、次のディスクへの交換を行った。

「あんなに強い倭さんがこんなにやられるなんて………」

「………あれほどの被害を与えられる艦が向こうの世界に居るというのか。」

「間違いなく居るでしょうね。それがこのディスクに収められているのよ。」

2枚目のディスクに交換し、再生した時、見なければ良かったと後悔せざるを得なかった。映っていたのは更にボロボロの状態で帰還した倭の映像。所々が吹き飛んだ機銃座は赤黒く染まっており、如何に激しい航空攻撃を受けたのか伝えていた。

 次の映像はその機銃座を間近で映したらしく、そこかしこでへし折れた銃身や機銃掃射を受けたであろう物凄い数の弾痕に機銃員毎吹き飛ばされてしまったと思われる銃座の跡。その周囲は例外なく朱に染まり、煤で黒くなっていた。

 幾つかの残骸の中でもまともな形を保っていた後付式の単装機銃を映したようだが、その機銃も血に塗れて幾つか肉片が張り付き、戦死した兵士の千切れた腕が引き金を引き絞るようにしがみ付き『死んでもこの艦を守る』という覚悟の現れのような気がした。

『…………』

その後も各機銃を見て周っているだけの映像だったが、その所々に映る両用砲も何基かは激しく損傷しており、自在に飛び回る航空機との死闘が繰り広げられた事がつぶさに分かる。

どうも笹川が選んだディスクは倭型の建造記録と解放軍に移籍してからの被害記録のものだったようで、あまりの被害の酷さに耐え切れず3枚目のディスクへの交換を余儀無くされた。

 その3枚目こそ超兵器の映像が入っているディスクだった。どんな兵器なのか気になる艦娘達だったが、その異様な兵器達に唖然とした。その映像は時雨自身が倭から口頭で伝えられた内容そのものであり、途中に3度もあった同型艦との戦闘映像は艦娘達に暗い影を落とした。

 如何に軍の命令といえど、敵対した運命とはいえど、同じ国で生まれ同じ場所で育った艦同士のあまりにも悲しい戦い。そして息も付かせぬ激しい艦隊決戦に航空決戦や理解も想像も追い付かぬ程に過酷な超兵器達との戦闘。

常識外れの、いや常識外れながらも付け入る隙の無い高次元の戦闘を繰り広げる倭と超兵器。そして激闘の末に倭も究極超兵器と称された巨大戦艦と共に閃光の中に消えてしまった。

そして連戦に次ぐ連戦で休む暇も無く続いてしまった長く激しい戦いが作り上げてきたものは倭という皮を被ったナニカであり、正に化物と言えた。その化物が生まれた意味、それこそが『超兵器殲滅』であったが、その代償としてただ戦う事を考え続け、それ以外は必要最低限乃至不必要と切り捨てる感情しか持たぬ艦へなってしまった。

 先の戦闘で倭が20分で大規模艦隊を殲滅できた理由は平行世界での戦闘と比較しながら戦っていたから余分な時間を使っただけだと知ってしまった時雨の胸中は悔しさで一杯だった。

(そんなに……僕達は頼りない、のかな………どうやったら君の手助けを出来るのさ…………)

「提督よ。これが倭の戦い、なのだな。私が他人の生き方に口を挟むなどおこがましいが何とかあの戦闘だけは避けられなかったのだろうか。」

「それは、本人に言って頂戴。私が答える権利なんて無いもの。」

「私には大和を撃てと言われても撃てんよ………それでも、アイツはやった…いや、やるしかなくなったのだな。」

誰が最愛の家族を、友人を撃てるのか。だがそれは極限状態でない時の正常な反応であり、常に極限状態かつ異常が正常であれば容赦なく撃つだろう。そうでなければ次の瞬間命を落とすのが自分だからだ。現に映像の中に居る倭は自分の同型艦4隻を自らの手で海へ沈めた。

 人を殺しても何の情も湧かなかったと倭が言った時から大体想像は付いていたが、数々の死線を潜り抜けて来た時点で無関心で居なければならないほど彼の心は荒み、生き残る為に家族までも手に掛けるしかなかった心情は誰にも分からない。それを倭が望まない限り、彼を真の意味で癒す事など出来ないだろうと時雨も再認識する。

(それには先ずもっともっと倭の事を知らなくちゃダメか。でもどうやって倭の事を調べれば………)

 

 

この日、昼からの哨戒任務を割り当てられていたのは、倭・衣笠・木曾・夕立・弥生・望月の6人。そして昼までに倭は指定された回数の開発を任されていたのでさっさと終わらせるべく工廠の開発棟に来ていた。

「魚雷、出てくれると良いんだが……」

「そう上手くいくのか?」

「分からん。だが、弾薬が枯渇しているというのに開発20回とは正気とは思えんがな。」ガシャッ

レバーを降ろして第1回目はーーー

「何だこれか……」

61cm5連装誘導魚雷。北上が前々から確実に当たる魚雷が欲しいと言っていたのを思い出していたのでプレゼントリストに書き込んでいく。

「気を取り直して次に行くっぽい!」

「ノルマは後19回です。頑張ってください………」

「開発20回とかやる意味あるのか?」ガシャッ

2回目に出てきたのは『大和砲』と名高い46cm砲、だが、やけに砲身が長い。

「……なんだ46cm60口径3連装か……正直言って超兵器相手には微妙に力が足りないな。」

「「えぇ~……」」

46cm砲を力不足と切り捨てた倭に対してもったいないと思う2人だが、気にしない倭は3度目のレバーを動かす。

「………これを開発した技術者共を今直ぐ殴りたい。」

若干物騒な事を言い出した倭の目の前に鎮座するモノ。それは解放軍技術開発部が1対多数の数的不利を覆す為に開発した特殊弾頭を装備する4連装誘導魚雷、通称『デスランス(死の槍)』である。1本1本が強力な魚雷である事は間違い無いのだが、

「味方まで巻き込んで爆発する魚雷を量産する意味あるのか?」

「おいおい……そんな物騒なモノ造るなよ………」

そう、この魚雷最大の欠点は爆発範囲が異常に広く、過去にデスランスの接近に気付かずに不用意に敵艦に近付いた味方艦を諸共吹っ飛ばす(敵味方双方戦死者0)といった事故が多発していたのだが、威力・誘導性能・生産性の良さを買われて終戦まで現役で在り続けた、派生型に7連装型まで存在するある意味で悪魔の魚雷である。

「俺に言うな。解放軍と帝国軍の技術陣営の頭の中なんて理解したくない。」

「……………」ジー

「使っても良いが他の味方を巻き込むなよ?」

「やたっ♪」

凶悪な弾頭を装備する魚雷を貰って大喜びの夕立に対して弥生は嫉妬心を募らせ、倭の脛を蹴り飛ばしたが、鉄壁の身体を持つ倭には通用せず、逆に弥生の足が痛くなったのはナイショだ。

「じゃあ次行くか。」

鋼鉄の扉を抜けてきたのはどう考えても可笑しい武装。それは近未来的である武器を2つの砲身としたが為に巨大化した砲塔を持つ『砲塔型レールガン』である。あまりにも大き過ぎて倭でも積めない代物であるが、命中率の高さと貫通力は一級品である。

「大きいですね……」

「砲塔型レールガンだ。射程は120km前後と言われているが、詳しくは知らん。だがレールガンゆえに命中率と貫通力は凄まじい。」

「そんなに、ですか?」

「ああ。弾丸を電磁加速させて撃ち出す。音速を超えてカッ飛んで来るから避けようが無い。見てから回避なんて俺でもまず無理だし入射角次第では対61cm装甲すら貫通する。」

最終的に開発20回のノルマを達成した頃、丁度良い頃合いで昼前となった。バインダーに開発出来た兵装を書き込んで提督に提出する。それを読んで提督が頭を抱える事になったのは言うまでもなかろう。

 

‐開発記録‐

開発回数:20回

・61cm5連装誘導魚雷

・46cm60口径3連装×2

・特殊弾頭誘導魚雷『デスランス』×3

・砲塔型レールガン

・自動消火装置Ⅱ(設計図)×2

・自動装填装置Ⅴ(設計図)

・電波妨害装置Ⅲ(設計図)×2

・対空パルスレーザー×4

・80cm4連装酸素魚雷

・晴嵐改

・対潜ロケット

・巡航ミサイル発射機

 

計20回開発完了。

 

 

 海上を進む1隻の巨艦を5隻の艦が囲んで進む。ただの哨戒任務だというのに何故か物々しい雰囲気が漂っていた。何やらどす黒いオーラを纏った夕立と弥生はその物々しい雰囲気を作った元凶(望月)を思い切り睨みつけていた。勿論、望月がその程度で怯むわけも無く、逆に倭の艦内でだらけている始末であった。

『あ~極楽~』

『戻らなくて良いのか?』

『だいじょーぶ、だいじょーぶ。妖精達に任せとけば私は要らないってもんさ。』

『そんなものなのか?』

『そーいう事~て言うか空調完備の士官室とか最高じゃんか。もう少しのんびりさせてよ~』

『………まぁ後10分で戻ると約束してくれるなら良いが。』

『約束するよ~ふぁぁぁぁぁ~…ねむ……』

とまぁこのような感じに倭の艦内でグダりたいが為に居るのだ。夕立は最近倭に構ってもらえなかった(レイテ攻撃時はトラックにて居残り組みだった)事が大いに関係しており、その分溜まっていた欲求が嫉妬心へ変貌していた。弥生も半分夕立と同じだが、もう半分は望月の遠慮ない行動に腹を立てていた。

『コロス……望月絶対コロしてヤる……』ブツブツ

『望月……あんなうらやm…じゃなくて迷惑ばかり掛けて……』ボソボソ

「はぁ……どうにかならないのかこの状況………」

『衣笠さんとしては結構面白いんだけどなぁ……』

「アンタなぁ………」

ただ、この状況に気付かない倭に呆れるしかないのが蚊帳の外に居た衣笠と木曾だけであり、どうしようもない状況を打破したくとも出来ない状態であったが、衣笠も木曾も倭の心の内をある程度見抜いてはいた為、『せめてこの哨戒任務中は何事も起きないで欲しい』と願っていたが、現実は非情である。

 何も起こらないで欲しい、それは逆を返せば何か起こってしまう事を意味していた。異変を感じ取った倭が電探を使用した直後、それは知らされた。

『各艦、散開せよ!……器接近…模様………………』ザーッ

「なんだ?!聞き取れない!!応答してくれ!!?!ぐっ…何だ……これは………」

全員の無線を突然ノイズが襲い、激しい頭痛が木曾を、いや木曾だけでなく倭を除いた全員が激しい頭痛に悩まされた。しかしその数分後にスッと痛みが和らいだ。

(何だったんださっきの頭痛は……それにこの気持ち悪い感じは……何か、良くない事が起ころうとしているんじゃないのか?)

『各艦異常を知らせ。』

「こちら木曾。さっきのノイズは何だ?」

意味不明のノイズに苛立ちながらも何か知っている様子の旗艦に問い質す。

『あれは、超兵器ノイズといって超兵器が接近すると観測される異常な電波障害だ。俺は対抗策を講じているから問題は無いがお前等は対策出来ていないだろう。』

「超兵器ノイズ?」

『一応今はノイズを打ち消してはいるが……何?分かったすぐに始末する。各艦良く聞け。これより当哨戒部隊は対超兵器戦に突入する。安全を確保する為、本艦の後方に就け。』

「?良く分からんが了解した。」

倭の指示で望月が自艦に戻ると同時に全員が倭の後方に就く。倭の真後ろに就いた木曾も一応九三式水中聴音機で周囲を探ってみるが何も聴こえない。

(な、何だこの嫌な感じは……!)

だが、前方から非常に小さな音が聴こえてくる事だけは分かった。そして、音源は前方の倭からであり、その遥か前方に“ナニカ”が潜んでいると思うと得体の知れない恐怖感が木曾達を包んだその時、倭から艦隊向けに通信が入る。

『艦隊各艦に告ぐ。初の超兵器戦に恐怖を感じ、萎縮する者も居るだろう。だがその類の感情は自らの命を敵の前に投げ出しているも同然だ。生きて帰りたいと願うのであれば生き残る為に最大限の努力を尽くせ。それでも怖いと感じるようなら……いっその事開き直ってしまえ。』

 

 

何だろう、この寒気………今までこんな事無かったのに……でも、やらなきゃ………

『対潜ミサイルVLSハッチ解放!全弾連続発射体勢!』

『超兵器ノイズ、更に増大中!海上に姿を確認できません!潜行型……!』

『全弾発射!連続斉射開始!』

『斉射!』

倭から対潜誘導弾が撃ち出されるのを見ながら、夕立は拭いきれぬ悪寒に捕らわれていた。それは初めて出会う『超兵器』という存在にだが、それでも『倭の役に立つ』その思いだけで辛うじて戦意を保っていた。

『マスカー…まだ切…な。後列………在を隠せ…』

『了解。』

『音紋……完…。超巨大潜水…艦『ドレッドノート』…近!』

『ありったけの対潜ミサイルをぶち込め。艦隊には手出しさせるな。』

絶える事無く放たれ続ける対潜ミサイルが群れを成して海中に潜む巨影へ突進。夕立や弥生、望月にも爆雷は装備されているが、超兵器の発するノイズによって音探も使えなくなっていた。

『ど、……に…るの?!』

『……ないって勘弁して………んだけど……』

倭がある程度ノイズを緩和してはいるものの、所々で通信が途切れ途切れになっているのは仕方が無い事だがそれでも夕立を襲う恐怖感は消えない。

(怖いよ…誰か助けて………怖いよぉ……時雨ぇ助けてぇ………怖いよぉ…………)

夕立達が今まで感じた事の無い恐怖感に襲われている間にも戦況は推移していき、

『左……部に4発被…!』

『被害……うだ。』

倭が遂にドレッドノートの魚雷を受ける。

今の状況ははっきり言って超兵器にとって有利だった。超兵器との戦いに慣れていない艦を5隻も連れて来ていた倭は戦力外に等しくなった5隻を尻目に更なる対潜ミサイルの嵐を見舞ってドレッドノートを引き摺り出そうと猛攻を繰り返し、その間にも接近する魚雷とミサイルを捌き続ける。超兵器に対して恐怖感を持たずに攻撃を繰り出す倭の姿は恐怖に震えていた夕立が立ち直るきっかけにもなった。

(怖い…けど、倭さんだってもっともっと怖かったはず!それでも立ち向かって行ったんだから私だって!倭さんの力になりたい!)

再び倭の迎撃兵装が火を吹き迫り来る魚雷を片っ端から粉砕していく。が、それを見越しての飽和攻撃を仕掛けてくるドレッドノート1回に24本以上の魚雷を連射してくるのだからその迎撃に手間を掛けさせられ、ドレッドノートへの攻撃が止んでしまっていた。

 このまま深々度まで潜られたら対潜ミサイルも追い掛けられなくなる。それなら新しく積み替えて来た私の魚雷で何とかしよう。それなら倭さんの為にもなる。精一杯虚勢を張っていると思うなら勝手にそう取ってもらっても構わない。大好きな人の為に一生懸命になる事の何が悪いというのか。

「夕立、戦うよ!ここで引いたらもう倭さんの傍に居られなくなるっぽい!」

改二改装前だけど、非力だろうけど、こんな私でも役に立つならこの命を捧げてでもやり抜いてやる。これ以上倭さんを傷付けさせたりしない!

「デスランス発射用意!目標は敵の魚雷だよ!」

「正気ですか?!」

「正気だから大丈夫!いっけぇ~1番連管発射!」シャキン

夕立の想いを秘め、撃ち出されたデスランスは目標の魚雷に合わせて針路を少しずつ変更していく。そして、爆発圏ギリギリで目標周辺の魚雷も巻き込んで大爆発を起こし辛うじて倭への被雷を防いだ。

『夕立…?!何……る早く後列へ…れ!……ッドノートが浮上……くる!』

「何言ってるか全然分かんないけど夕立は倭さんのお役に立つ為に居るの!駆逐艦は戦艦を守るために居るんだから!」

胸を張って言い切った夕立だったが、倭から帰って来たのは御叱りの言葉だった。

『俺の射線上に居座るな夕立!超兵器を甘く見ると死ぬぞ!』

「大丈夫!」

『大丈夫なわけn「だって私倭さんの事が好きだもん!」…奴が浮上してきたらデスランスを全弾ぶち込んで即座に離脱しろ。出ないと主砲で吹き飛ばしかねない。』

「はぁ~い♪」

後悔はない。例え今日死ぬとしても後悔する生き方だけはしたくないから。時雨や弥生には負けないくらいあの人が好きなんだから。

 程無くして浮上してきたずんぐりした印象を与える蒼い船体。その船体には40.6cm65口径連装砲、多目的ミサイルVLS、68cm酸素魚雷、43.2cm誘導魚雷等、到底潜水艦とは思えない火力を保有していた。

 浮上と同時にこちらを向く艦砲だが、まるで見定めているかのように攻撃は何時まで経っても来なかったが、代わりに通信が入ってきた。

 

 

「超巨大潜水戦艦ドレッドーノート、浮上しました。」

「!敵艦より通信が入っています!」

「……回線開け。」

「回線開きます。」

雑音を立てて繋がれた回線の向こうから聞こえてきた声は狂気が少しだけ漏れ出した男の声だった。

『……久しいな倭。』

「こちらとしては聞きたくもない声だが、お前はドレッドノートで間違い無いな?」

『そんな事はどうでも良い。俺は貴様を殺す。ただそれだけだが簡単に死んでもらっては困る。貴様が連れているザコ共も後で地獄へ送ってやる。』

「………お前のような潜水艦に様など無い。俺は“奴”にだけ用事があるんだ。」

『ククク……仲間がどうなっても良いと言うのか?』

「そうならない連中だと信じて編成されている。俺はあくまで“お前を処理する”だけだ。」

強制的に通信を切って攻撃態勢を取り、かなり強引に急加速と急旋回を行ってドレッドノートへ接近。同時にドレッドノートの主砲と多目的ミサイルが発射され、倭も主砲・副砲・両用砲群で撃ち返し、迎撃の火線を飛ばし合う。互いに端から様子見する気など毛頭無く、自分の持てる最大火力を相手に叩き込もうと周囲を無視して2隻の戦いは続く。倭の傍に居た夕立はデスランスを全てドレッドノートへ撃ち込んでから主砲発射時の爆風から逃れる為に退避していった。

 当然誘導魚雷である為、浮上したドレッドノートは逃れる事が出来なかったが、デコイの魚雷を乱射して強引に迎撃して攻撃をかわした。しかし1発が至近距離で爆発した為にメインタンクに極小の亀裂を生じさせて潜航能力を奪い去った。その隙を逃さず倭の主砲が咆え、ドレッドノートへ追撃を加えた。

『ぐっ……潜航不可能だと?!』

「諦めろ。メインタンクに損傷を負ったお前を逃がしはしない。」

『馬鹿な事を言う奴だ。この俺に降伏しろとでも言う気か?生憎俺は貴様を殺すと言った筈だ!』

反撃を行ってあくまで戦う意思を固持し続ける超兵器に、倭が絶望的な言葉を言い放った。

「お前等超兵器にそんな期待等毛頭しておらんよ。ただ、早くその耳障りな口を縫い付けて深海よりも深い場所に送り届けてやろうと思っているだけだ。さっさと沈め視界に入れるだけで腹が立つ。」

再び火を噴いた倭の主砲から吐き出された12発の巨弾はドレッドノートの蒼い船体を突き破り、外部装甲を水密区画や兵員室ごと纏めて破壊し尽くす勢いで爆発を起こした。

 それだけでは止まらず、2斉射、3斉射と連続して24発が突き刺さり、更なる被害を引き起こした。

『がっ………』

「俺はあの日の俺とは違う。何時までも変わらぬままで居られるわけが無いだろう。」

『沈む、か……だが、まぁ良い。お前のもがき苦しむ姿を一足先に地獄で見ているさ………』

「そうだな。俺も必然的にそちらへ行くだろうな。だがそう簡単には逝かないつもりだ。守りたい存在が俺にもある。」

倭の事をある程度知る超兵器ドレッドノートは驚いたような声を上げて笑った。

『何?お前が守りたい存在だと?ハハハハハハッ!下らん!実に下らん!“俺達と同類”になった時点で貴様には守るべきものなど何も存在しない。ただ破壊と絶望を振りまくだけの存在であれば良い……どの道貴様も破壊衝動からは逃れる事は出来ないのだよ………』

「…………遺言はそれだけか。」

最早微速航行しか出来なくなっているドレッドノートに倭の全主砲が向けられ、再度海上に轟音と閃光が轟き傷付いたドレッドノートの船体に連続して着弾。徹甲弾12発中4発が船体を貫通して海底に消えたものの、残りの8発は艦橋や主砲、ミサイルVLSハッチ、魚雷庫に突き刺さり超兵器機関ごと猛烈な爆発を引き起こす。その衝撃で巨体に似合わぬ艦橋は根元から吹き飛び、船体を二つに折られて艦首と艦尾が持ち上がって沈んでいく。

「戦闘終了。全艦直ちに母港へ帰投せよ。」

この日の戦闘で初めて超兵器の存在が認められ、大本営は即座に超兵器討伐艦隊の結成を各鎮守府に促し、重要参考人でもある倭を3度本土へ呼び出す事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐何処かの海‐

 

見渡す限り海。そして暑いという事から南洋なのだろうか。

「確か私が沈んだのはーー島近海だった筈だが……ここは何処だ?皆目検討が付かんぞ…………それにしても兄上は如何しているだろうか………いや、心配は要らんな。取り敢えずここが何処だか調べてみるか………」

目が覚めると南洋に浮かんでいた。そして自分の兄の事を思い出して気にかけるがすぐに無用と判断して男は自分の資料室へと姿を消した。

(兄上はきっと無事だ。私よりも…きっと強く生きて居られる筈だ……)

ジャワ島からやや南へ離れた海。そこに鋼鉄の城は、大和型に似た巨艦は存在した。

 

 

 




最後までgdgd感が否めない………

時「それで?イチャイチャ日記は書いてくれるのかな?それに今回僕の出番が少ないのはどういう了見なんだい?」ハイライトオフ

いや書かねぇし。キミ、出番少ないとか言うけど夕立と弥生なんて4話ぶりに出てるんだからキミは相当出てるんだヨ?逆に感謝してくれないかね?

密かに出現した新たな艦と始まった超兵器達との戦闘。そして倭が持ち込んだディスクの所為で御通夜状態になりかけた艦娘ェ……え?何で青葉の突撃取材が無いのかって?そりゃ勿論パパラッチ拘束艦衣笠さんが活動しているから当面はネタ不足になるらしいですよ。
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