ほら、あなたの後ろに猫を吊るした、奇妙な妖精さんが──いるかもしれないですからね。
「だれ... ?」
今僕の目の前には、12.7cm連装砲の上に俯けに気だるそうに転がっている見たこともない妖精さんがいた。
今まで、あんまり多くの妖精さんを見たわけではないが、その妖精は、工厰の妖精さん達と違う雰囲気を纏っており、一目で違う存在だと気づいた。
「だれって、12.7cmれんそうほうのようせいですよ?」
「え?」
「え?」
どういうことだろうか、この妖精さんはこの鉄の塊の妖精だと言い出した。
僕はさっきまでも訳がわからなったのに更に訳がわからなくなってしまった。
「わからないですかそうですか」
妖精さんは、何処か気だるげそうに... 悲しそうに返してきた。
「ご、ごめんなさい... 」
「... はぁ、あんた達なにやってるのよ?あ、これが茶番と言うやつなのかな?」
悲しそうな妖精さんを見て、思わず謝ってしまった僕を見て、暁ちゃんが呆れたように言ってきた。
茶葉... というのはよくわからないけど、お遊びの事を指していることは何となくわかった。
「そうですね。けっこうおもしろかったのですが、しかたがないです」
「え、え?」
すると指摘された妖精さんが、さっきまでの悲しい雰囲気を消し去り、僕で遊んでいたことを認めた。
ど、どういう事なの?え?これって遊びだったの!?
と、マジになって謝っていた僕は、恥ずかしさに顔を赤らめて俯いてしまった。
「ふふふ、響はなかなか弄り甲斐があるわね」
「でしょ?おもしろいでしょ?」
二人は性格がすこし似ているようで、息が合ったのか、二人で見つめあったあと、ガシッと、手を握りあっていた。
なんなのこの二人...
「で!結局、その子はどういう存在なの!!?」
二人の息の合いように、少しイラッときた僕は、全体的にきつく声を荒げて質問した。
でも、別にいいよね!僕を弄って遊んでる二人にはこのくらいが丁度なんだよね!
「「ごめんなさい」」
と、僕がぷんぷんって感じに怒っていると、暁ちゃん達は僕の機嫌をとろうと謝ってきた。
べ、別に許してあげなくもないけど... もうちょっと心を込めて言ってほしかったなぁ!
この体になってから、本当に感情の表現が激しく、僕は結構この体に振り回されていたりするが、心の奥の気持ち的には同じなので僕はその事に気づかなかったりしている。
「紹介するわ。この妖精さん... 12.7cm連装砲の妖精さんは、文字通り12.7cm連装砲に... うーん... この場合は取り憑いているって言えばいいのかな?まぁ、武器の妖精さんだと思えばいいわ」
「ふーん」
取り合えず全然わからないので、その思を伝えるべく暁ちゃんに目を向ける。
「って響が全然理解できてない目をこっちに向けてる!?」
「ひびきさん、わかりませんか?」
「わからない」
その目が通じたのか、暁ちゃんが吃驚して反応するが、妖精さんは冷静に僕に聞いてきた。勿論、答えは即答だった。
「じゃあわたしがせつめいしますね。わたしたちそうびようせいは、それぞれのそうびにひとりづつやどり、かんむすさんたちのてだすけをするそんざいです。」
「例えばどんなことをするの?」
「そうですねぇ、わたしたちのやくわりはきほん、かんむすさんたちがこえにだしたしじをおのおののそうびにつたえ、それをじっこうするやくめをもっています」
「つまり、助手みたいなもの?」
「それがいちばんちかいかもですね」
暁ちゃんに代わって妖精さんが説明することになったのだが、さっきと比べて細かく、丁寧に教えてくれるためすぐに理解できた。
まぁ、それを見た暁ちゃんが口を開けて絶望の表情を浮かべていたのはなぜだかわからないのだが。いや、わかるにはわかる。恐らく説明役をとられると思ったのだろう。
そんなことは置いといて、妖精さんにはそれぞれ種類があり、先ずは艤装の点検、武器の開発、新造艦の開発を行う工厰妖精さん。
次に、武器、艤装等に宿り、艦娘の手助けをする装備妖精さん。
そして最後に、見たことはないが羅針盤妖精さんなるものが居るらしい。
あ、あと妖怪猫吊るしなる珍妙な存在も確認されたことがあるらしいが、見た人が気がついたら母港に帰っていたらしくて、その真偽は定かではないらしい。
と、ひとまず妖精さんの説明は終わった。
誤字、脱字等があればよろしくお願いします。