艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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第13話

「わ、私が旗艦ですか!?」

「ええ、そう聞きましたよ?」

 

食堂では朝潮が霧島からある事を告げられていた。それは横須賀提督との演習の際に旗艦を務めるという事…それを聞いた朝潮は驚き、また…同時に聞かされた事についても

、それは10強を駆使して活躍しろとの事。

 

勿論朝潮は鎮守府に着任して日が浅いのもあり、普段の訓練や鎮守府近海のパトロール、遠征以外には出撃していない。そして旗艦の経験もない。そんな彼女には不安しかない…

 

「大丈夫でしょうか…私に、できるのでしょうか…?」

 

故に朝潮は10強の一員である霧島に聞く。すると彼女は朝潮の頭を撫でながら答えた。

 

「大丈夫ですよ、みんなが助けてくれますよ。10強が三人もいるんですから。ですから落ち着いて…全力を尽くしましょう?」

 

霧島の励ましのかいもあって、朝潮は元気を取り戻したのか、笑顔で「はい!」と返事をした。

 

「あ、そういえば私提督に言われて…朝潮さんの今の詳しい実力を知りたいと、ですから私と軽い演習をしましょう」

「え?でも…」

 

横須賀提督との演習の時間も迫る中、可能なのだろうかと考えたが

 

「問題無いですよ、提督が言うには多少遅れても大丈夫との事ですし…ですから行きましょう?」

「は、はい…」

 

そうして霧島は朝潮を連れて演習場へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな光景を見ていた感娘が二人。青葉と夕立だった。彼女達は物陰からひょこっと飛び出し、悪戯が成功した子供のように無邪気に笑っていた。

それもそのはず、彼女達は今朝潮をストーキングしている最中だったからだ。

 

「提督も相変わらずブラックですねぇ、朝潮さんを霧島さんに解析させてからよりにもよって横須賀提督と演習とは…向こうの感娘は強いですよ〜」

 

横須賀提督は疲労した状態で勝てる程甘い相手ではない。それを分かってはいる筈だが…その行動の理由が分からないと青葉は思った。

 

「夕立は霧島だけは相手したくないっぽい〜」

 

そんな中夕立が霧島だけは相手にしたくないと漏らす。その言葉を聞いた青葉は無理もないと思った。霧島は個人の火力や機動力、装甲は並みの戦艦より少し高い程度。なのに10強のNo.10とはいえ10強を名乗る…その理由は、その戦法にあった。

 

それは、現地で戦闘しつつ相手の情報を集め、それを戦闘に生かす事…それだけだ。だが霧島の場合それが異常なのだ。

 

 

 

曰く、相手の挙動や癖を分析し、相手が何をするかを即座に頭の中で整理、行動に移す。そして相手をデータ通りに誘導し、自らの作戦に相手が気が付かない内にかからせる。

 

曰く、砲撃の射角や身体の向き、角度から砲撃地点を割り出し安全地帯を作り出す。逆に砲撃の軌道を見切り砲撃を砲撃で撃ち落とすという神業も行える。

 

曰く、相手の情報を集め終わった後に相手の状況…例えば残り弾薬や燃料を計算、更に相手の動きからある程度の作戦を予測、それを狂わせるための戦術を実行する。

 

霧島にデータを取らされたら最後。どんなに抗っても彼女の掌の上の出来事。《自分で動いてるつもりでも彼女に動かされている》…それが霧島。それが10強。感娘の全てを操れる…それが彼女だ。

 

「作戦を放棄して自分で考えて動いても…結局やられちゃうっぽい」

「あはは…あれとマトモにやりあえるのは響さん位ですってば〜」

 

そんな霧島に対抗できるのは同じ10強の響だ。相性の問題があって、霧島は響相手だと面白い位に機能しなくなる。データ優先の分不測の事態には弱いのだ。

まぁそれでも彼女は並みよりは強いのだが…

 

そんな中、青葉がぽんと手を叩き、夕立に提案した。

 

「間宮アイス食べませんか?」

「それに賛成っぽい!」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

演習10分前の最終的な確認…その際に横須賀提督は相手の編成を見て頭を抱えていた。確実に来るであろう瑞鶴がいないという事に対して…

 

「うーわー最悪…私の予測外れたし…」

「まさか瑞鶴を外してくるとは…」

 

瑞鶴の不在の代わりに漣を投入。これだけで横須賀提督は大きく動揺していた。彼は恐らく朝潮と漣を使って艦載機を蹴散らす筈だ。そして日向と大井の投入。これが意味するのは…

 

「開幕戦でこっちの戦力を削る…って所かな?」

「それだけで済めば良い。相手はあの大井だぞ」

「やっぱ?最悪二人は覚悟しとくべきかー」

 

大井がいるだけで開幕雷撃による壊滅状態を覚悟しておく。いくら装甲が硬くても耐えられなくては意味がない。彼女の雷撃にはそれ程の威力がある。だがそれは当たればの話なのだが、彼女はピンポイントで雷撃をしてくるので外す事は無い。

 

「霧島さんがいないのがラッキーですね…」

「個人的には日向の方が厄介だな…あいつには近づけないし、手数もある」

「瑞雲ですよね…私達でなるべく落とせれば良いけれど…」

 

早くも予定していた作戦が崩れていく。これは瑞鶴がいて、霧島がいる事を前提とした作戦だったからだ。

 

「どうする?貴様の作戦はこの編成では機能しないぞ」

 

那智が険しい表情を浮かべて横須賀提督に問いかける。

 

「…結構やばいね、この編成」

 

冷静に相手の編成を見てみたら再び頭を抱えたくなる。

 

艦載機を飛ばしても、相手の漣と吹雪に蹴散らされ、その隙を大井と日向にピンポイントで狙われる。艦隊戦になったら日向が手数で圧倒。その際に大井が狙撃し、漣と吹雪がフォローに回り神通が遊撃…

 

「うん、非常に不味い、この編成…悔しいくらいに隙がない」

「10強3人を抑えれば勝てるんじゃないんですか?」

「…そう甘くないんだよなぁそれが」

 

横須賀提督は編成に組み込まれた吹雪という名を見てそう呟く。

 

「(まさか本気は出さないと思うけど…下手したら何もできずに終わる…それ位吹雪は厄介。まだ時雨ちゃんが来てくれた方がマシだった)」

 

時雨は手加減が苦手だが吹雪は違う…何せ経験が段違いだ。そして…彼女自身はそこまで強くはないが、彼女の恐ろしい所は強さじゃない。その能力だ

 

「(頼むから、ウチの家族にトラウマを植え付けないでよね)」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「み、皆さんよろ、よろよろしくおねぎゃいします!」

「お、落ち着いて朝潮ちゃん!」

「先ず深呼吸しましょう?」

「ひゃい!」

 

カチカチに固まった朝潮を吹雪と神通が落ち着かせる。すーはーと深呼吸をした朝潮は少しは落ち着いてきたのか、最初の頃のようにカチカチに固まった状態ではなくなった。

 

「あぁ…北上さん成分が足りないわ…吹雪ちゃん?北上さんとそこのピンク取り替えてきてくれると嬉しいのだけれど…」

「ちょっ!?そこのピンクって何ですか!?」

「五月蝿い」

「酷いっ!漣のグラスでエンジェルなハートは砕け散りましたよ!?」

「そのまま串刺しになりなさいな」

「どうでも良いが瑞雲のRGは何時になったら発売されるんだ?」

「本当にどうでも良い質問ですね日向さん!?」

 

朝潮は唖然としていた。無理もない…ここに揃ったのは10強の中でも一際濃い性格をした者達だ。まだ鎮守府に来て日が浅い彼女にとってはある意味地獄だろう。

 

そんな朝潮を吹雪と神通が必死にフォローするが、朝潮はなんかもう心が折れ始めていた。そんな中

 

「待たせたな」

 

提督が登場した。朝潮はこれで少しは落ち着いてくれるだろう、助かった。そう思った

 

 

 

 

 

「チッ、来やがったかクソ野郎が」

「相変わらずだな大井」

「え」

 

今大井は何を言ったのだろうか?朝潮の頭の中が突然の出来事で混乱してる最中に

 

「ご主人様!今なら千円で漣のパンツ見れますよ〜?」

「興味無いな」

「漣の扱いが酷くないですか!?」

「知るか」

「君、早く要件を…」

「ふん…そんなお前にこれをやろう」

「これは…瑞雲!?………提督殿、ご命令を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朝潮ちゃん…大丈夫?」

「…………あう」

 




次回予告

可愛い大井っち
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