艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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今回は時系列的には第1話の前の話です。番外編なのでシリアスは無い!が…お手元にはブラックコーヒーをお持ちになって下さいな。


番外編其の一

 

提督には休みは無い。日々書類仕事や海域解放のための計画を立てて彼女達感娘を働かせる。勿論彼女達にもこれといった休日は特別な事でもない限り与えない。特に提督は熱を出そうが怪我をしようが関係無い。真夜中まで働くのである。

 

近々大規模な作戦が開かれる。書類や作戦の立案、これからの計画等が普段よりもずっと大変だ。そのために提督にかかる負担は今までとは比べ物にならないくらいに増えている。

 

 

「…………」

 

更に彼は決して秘書艦は付けない。提督業は提督だけがやるべきだと自分自身に課しているから、決して彼は誰にも甘えない。

 

「…」

 

携帯食料を食べてる間にも書類を書く手を止めずに、ただひたすらに書く。書く。書き続ける。

勿論ミスが無いように見直しもしっかりとやる。そしてまた一枚の書類が完了済み書類置き場に置かれた。

 

だが

 

 

その書類を置いた瞬間に提督の視界が回った。

 

「ぐ…!」

 

気が付くと自分が床に倒れているのを感じた。感じただけだ…それ以上は何も無かった。

ただ提督は自らの体調管理を徹底しなかった事を後悔して、意識を闇に沈めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひんやりとした感触が額にある。これは何だ?

自分はどうなっているのだろうか?確か自分は床に倒れて…それからどうなった?

………意識が戻ってくる。ぼーっとしていた頭も段々と冴えてくる。目を開けてみた。

 

 

 

 

 

「あぁ…ようやく目を覚ましましたか、提督」

 

そこにいたのは大井だった。

 

 

「大井…?」

「あまり手をかけさせないで下さい、私が北上さんといる時間が無くなっちゃいます」

 

そう言いながらも大井は提督に膝枕をしつつ、提督の額に程よく濡れたタオルをかける。ひんやりとした心地良い感覚が提督を癒した。

そんな提督が気になったのは今の状況だった。自分が倒れてからどうなったのか?どうして彼女がここにいるのか?

 

「…聞きたいことがある、これはどういう状況なんだ?」

 

そんな疑問を彼女に投げてみるが、大井はそんな提督にギロリと睨んだ後

 

「五月蝿いです、口を閉じてそのまま目を閉じて下さい。私なら兎も角北上さんに貴方の世話をさせるなんて羨ましい事はさせたくないんです」

 

どうやら大井はこんな状態の自分に北上が看病する事を嫌ったらしい。これはとんだとばっちりだと思った。

そんな大井の嫉妬?エネルギーは提督も良く知っていたので、ここは素直に彼女の言う事を聞いておこうと思った。仕事は後で再開すれば良いと思い…

 

 

「そう。それでいいんです…手間をかけさせないで下さい、本当に…」

 

呆れたような声色で大井は言うが、今はそれを咎める気力は無かった提督はそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督が眠ったのを確認した大井は、そっと提督の頬に手を添えた。

 

「………」

 

提督の事を優しく撫でる大井、その表情は愛しい者を見つめるような表情だった。

 

「さて、もう暫くしたら北上さんとおやつを食べさせあいっこしましょうか…」

 

そんな独り言を言っている間も、提督を撫でる手は止めなかった。

 

「ふふ………♪」

 

やがて彼女は提督を撫でてる途中に提督の首筋に鼻を近づけて深呼吸をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何してんの大井っち」

「ほわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

そんな現場を北上に見られた大井は妙な奇声を上げて勢い良く顔を離した。

 

「いやー、大井っちも大胆だねぇ…まさか…ふぅん…にひひっ」

 

北上はニヤニヤしながら大井の様子を見ていた。顔を真っ赤にしながら視線をあちこちに泳がす彼女の姿に思わず笑ってしまう。

 

「きた、北上さん!勘違いです!私は北上さん一筋ですってば!」

「おお…これ程までに説得力が無い言い訳って初めて聞いたよ…」

「北上さぁん!!」

 

北上に必死で言い訳する大井であったが、それでも提督を膝枕し続けていて、撫で続けていた。




大井っちの事をツンデレって言うんだよ、だから提督はツンデレじゃないんだよ

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