艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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アーケード艦これにアブゥと瑞鶴まだですか?…そうですか…
アーケードで瑞鶴が中破したらどうなんだろ?



第二十二話

提督が大佐の鎮守府に到着し、独房に入れられる。

提督は大佐の鎮守府に到着してから落ち着かない様子で周囲を見渡していた。それは気になることができたからだ

 

「大佐」

 

「ん?何かな」

 

「この鎮守府…誰一人貴方に挨拶をしませんでしたね…?貴方と共にきた彼女達には挨拶をしたのに…何故です?」

 

その疑問を大佐に聞いてみた。上司に挨拶をしないどういう事だと思ったからだ。

 

「あぁ、その事?それは僕に挨拶をしてはいけないと僕が言ったからだよ」

 

意外な事に大佐はその事に対してすんなりと答えてくれた。

そしてその理由に提督は思わず「何故です?」と聞いた。挨拶は上司、部下の関係には無くてはならないもの…それを省くとはどういう事か?すると大佐はあっさりとこう言った。

 

「何故兵器に挨拶する必要があるんだい?」

 

逆に質問をした自分に対して不可解な表情を見せる大佐。その時に提督はこの人物とは相容れないと思った。

 

確かに彼女達は兵器…それでも彼女達には意志がある。心がある。そこから生まれる力を重要視する提督にとってはただの兵器として接するのはリスキーだと考えてる。

 

何故ならば彼女達にはただの兵器には宿る事のないものがある。手酷く扱えばいずれ手痛いしっぺ返しが来ると考えてるからだ。

 

だが、同じ海の平和を取り戻す者同士としては、彼のしてる事のリスクを教えたかったが…

 

「それに君は人質さ、万が一君の所の艦娘が来ても君を人質にとれば良い。君がここにいる時点で僕の勝ちは決まってるのだよ」

 

それを教える前に大佐がそう言い残して立ち去って行った。彼の感娘と共に。

 

提督は直ぐに独房の扉に付いてる小窓から外の様子を見た。そこには誰一人として感娘の存在は無かった。

 

「見張りを付けないとは…余裕の表れか?」

 

見張りの感娘が一人もいない事に違和感を感じる。

それとも助けに来る感娘を警戒しての事か?それを考えたが…提督は今自分が出来ることをやろうと思った。

 

提督は常日頃からこういった状況が来るのを想定していた。そして自分がどうやって助かるのかを想定していた。

 

携帯していた銃は取り上げられている。だが…細かい所は見られていない。

 

先ず提督はベルトのバックルを外す。そこには小型のナイフが仕込まれていた。

 

提督は軍服の右端を切る。するとそこから分解された銃と弾丸が出てくる。

分解された銃を組み立て、弾丸を装填する。次に左端を切って銃のオプションパーツであるサイレンサーとプラスチック爆弾を取り出した。

サイレンサーを銃に取り付け、扉目掛けて何発か弾丸を発射する。そして幾つかの小型のプラスチック爆弾をポケットに移した。

 

鍵は開いた、見張りも誰もいない。幸いな事に提督は大佐の鎮守府には何度も出入りしてるので、地形は頭に入っている。

 

敵に回るのならば徹底的にやる。それが提督だ。

 

提督は資材庫への最短ルートを進んで行った。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

駆逐艦白雪は日々働く。大佐の無茶な命令にも文句言わずに

でないと姉妹が犠牲になる…それを知っているからだ。

僚艦である五月雨と若葉もまた、そんな彼女達に与えられた任務は鎮守府近海の警備。

 

ーあの呉の提督の艦娘10強が攻めてくる可能性があるー

 

そう聞かされ、三人は近海の警備をする。

 

正直生きた心地がしなかった。呉提督の10強は鎮守府を運営する者なら知らぬ者はいない程に有名だ。

その彼女達が攻めてくる…正直逃げ出したい。

だがそれは許されない。でないと仲間が犠牲になるから

 

 

「あれ?」

 

ふと五月雨が違和感を感じた。何かを見た感じがしたから

ゆらゆら、ゆらゆらと何かが見える。けどそれは女性のシルエットではない。

何かのーーーーーー

 

 

 

 

「油断大敵ですよ」

 

瞬間、五月雨が爆発した。

 

誰かの声が聞こえたと思ったら、五月雨が悲鳴をあげて爆発したのだ。彼女の服は一瞬でボロボロになった。中破…いや、この様子だと大破しただろう。

 

「敵襲…!」

 

間違いなく敵襲。だが索敵には何もかからなかった。

若葉は潜水艦の可能性を考えたが、それを改めた。何故ならばそこにいたからだ。

 

 

「貴女は…阿武熊さん!?」

 

「んんっ、違います!阿武隈です!漢字!漢字違いますってば!」

 

何故か意味不明な事を言っているが、彼女は間違いなく阿武隈だった。

だが阿武隈一人…先程の爆発は彼女の力なのだろうか?なす術も無く五月雨が行動不能になってしまった。

 

「た、たとえ10強が相手でも!」

 

「ああ、先手を取れば…!」

 

白雪と若葉が一斉に砲撃する。阿武隈との距離は近く、撃てば間違いなく当たる距離だ。

 

事実砲弾は寸分狂わず彼女に命中する。同時に駆逐艦の砲撃とは思えない程の爆炎が上がった。

 

「や、やった!」

 

「っ……?」

 

 

白雪は舞い上がるが、若葉は違和感を覚えた。

 

あの10強がこの程度の筈は無い。駆逐艦の砲撃ではあの爆炎はありえない。

そもそも煙で阿武隈の姿が見えない。

 

「ぐっ!」

 

直後、嫌な予感がしてその場から咄嗟に離れる。

 

その直後、何かが鼻先を掠めた。

真横からの砲撃だ。

 

若葉は偶然回避できたが、白雪は不可視の一撃を受けてしまった。

 

「あぁぁ!!」

 

あっという間に大破。彼女はもうこの戦闘では戦えないだろう。

 

「目を奪うほどの爆炎で目を奪い、注意が移ってる間に砲撃か…その技量…成る程、10強と呼ばれるだけはある」

 

しかし不可解な点もある。あれだけの爆炎をどうやって上げれたのかが

彼女の装備にそれらしき原因は…

 

「いや、魚雷か、魚雷を砲撃に当てて、爆破したのか」

 

「正解です!」

 

ビシィ!と指を突き付けてきた阿武隈に若葉は苦く笑った。

 

正直、勝てる要素が無い。

あっという間に二人が蹴散らされ、それでも余裕がある素振り…10強の名は伊達では無かった。

二人が轟沈してないのを見ると、彼女には自分達をどうこうする気は無いのかもしれない…だが

 

ここを通せば仲間と戦う。その時彼女達は仲間達を沈めないと断言できるか?否、できない。

 

故に通すわけには行かない

 

 

「んんっ…あたし的にはOKですよ?その心意気…」

 

ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる阿武隈。恐らく此方の意図は伝わったのだろう。

 

「………」

 

「じゃあ…行きますよ!」

 

そして二人が、激突した。




あくまで提督は物言わない兵器として扱う事のリスクを考えています。これがホワイト鎮守府なら彼女達をそんな扱いにしやがって!と怒るでしょう。

ですがここの提督はブラックですから、あくまでリスクがない方法を取ります。

そして大佐が艦娘と言うのと、提督が感娘と言うのも意識の違いから生まれています。
ただの兵器として扱うか、そうでないか…それらが二人のブラック度を別けたのです。

最後に提督の脱出シーンはある漫画のリスペクトですが…気づく人はいるかな?

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