艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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今回はハイペース投稿
ここが!ここがこの小説の面白い所!たたみかけるように投稿する!
尚シリアス続きで作者のイチャラブ(病み)が書きたい病が発症してる模様


第25話

 

「響、敵艦を捉えたわ」

 

「そうか」

 

敵の奇襲を受けた後、横須賀の提督の艦隊と分断されてしまった呉鎮守府の艦隊。

幸い第一と第二の艦隊はそこまで離れていないが、複数の深海凄艦と戦闘に入った為に現在の燃料、弾薬の消耗や疲労などが積み重なる、そこへ謎の深海凄艦が登場したのでやむ終えず時雨が囮を買って出た。

 

レ級と戦闘になる前に時雨が抜けたのは痛いが、この状況では仕方ないと判断した。そして瑞鶴が索敵して目標のレ級を見つける。

 

「確かにレ級ね、装備も私達が知ってるのとは少し違う…でも他の深海凄艦はいないわ」

 

「What?何故一隻だけなのデース?」

 

「私達を襲ったあれが奴の僚艦だった…そうは考えられないか?」

 

そうだとしても一隻だけなのは不自然だ、あるいはそれは自らの自信の表れなのだろうか…

 

「提督、指示を………駄目です。繋がりません横須賀の提督にも」

 

神通が先程から通信をしているが、依然反応は無かった。

 

「と、なると作戦は俺達である程度決めないといけないな、こっちの位置はバレてないのか?」

 

「私を誰だと思ってるのよ」

 

「おっと、そうだったな」

 

「ま、まぁまぁ…兎に角どうするんですか?」

 

基本的な作戦は把握してるとはいえ、提督が戦況を見極め指示を変更しないのは、レ級相手には少し不安が残る。

だが此方は日夜様々な事態を想定した訓練、作戦についての座学、偵察に来た深海凄艦との戦闘で鍛えられている。

提督の指揮が無くても、彼女達は戦えるのだ

 

「では、陣形を崩さずに基本に忠実に砲雷撃戦を行いましょう。元々時雨さんが一対一に持ち込む前はそうする予定でしたので…朝潮さんと島風さんは隙があれば陣形を離れ、撹乱をして下さい。私と木曾さんで全力で援護します」

 

「は、はい!」

 

遂にレ級との戦闘が始まる…その事に自然と朝潮に力が入った。

 

「ちょっと良いかい?」

 

「どうしたの?響」

 

「いや…一つ提案があるんだ」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

「ヘエ、ケッコウハヤクキタネ〜」

 

レ級が視界に捉えたのは、一隻の感娘だ。

周囲には誰もいなく、そいつが一人で来たのが分かる

 

「モシカシテヒトリ?ホカノヤツハミンナシズンダ?」

 

「想像にお任せするよ」

 

その感娘ーーー(Верный)はレ級を睨みつつ、狙いを定める。

 

「フウン、オマエ…スコシハタノシメソウダナ」

 

そしてレ級も探るような視線を収め…代わりに獲物を狙う獰猛な狩人の目を響に向ける。

圧倒的威圧感、全ての命あるものを狩り尽くす…そんな雰囲気がレ級から放たれた。

そこに先程までの静かな雰囲気は無い、完全なる戦闘モード。

 

「サァテ、コテシラベトイクカ!」

 

そしてレ級は深海凄艦独特の艦載機を繰り出した。

その数は数え切れない程。空を覆い尽くし、驚異的なスピードで響に向かう。

 

「ホラ、ソコニイルトシズムゾォ!」

 

それと同時にレ級は雷撃を放つ。開幕雷撃と呼ばれる技術で、相手の虚を付く戦法だ。

そしてレ級の艦載機から放たれる一撃。これは全てが致命的なダメージになり得るものだ。

 

「流石にこれは厳しいな」

 

だが響は口ではそう言いつつも涼しい表情のまま、艦載機を丁寧に落として行く。

雷撃も余裕で回避し、艦載機の一撃も先程から回避しているのだ

 

「オット、ヤルネェオマエ」

 

「そら、隙だらけだ」

 

「ンッ」

 

そんなレ級に響は一撃砲撃をぶちかますが、その装甲には傷一つ無かった

 

「やっぱり時雨や吹雪じゃないと装甲は抜けないか」

 

「ンンッ、イマナンカシタ〜?」

 

「まぁ、手数はあるんだ…と言いたいが、弾薬も数は無いな」

 

先程の深海凄艦との戦闘の影響で、少なからず弾薬が消費されていた。

これではそう遠く無い内に攻撃が出来なくなるだろう。

そう考えた響は、艦載機の位置を確認した。

 

「なら、アレをやろう」

 

「イキナァ!」

 

レ級は艦載機を再び動かし、響へ攻撃を開始する。

だが響はそれを避けようとしなかった。そして

 

響のいた位置を無数の砲弾が降り注ぎ、激しい音と共に爆炎が立ち昇った。

レ級はそれを確認し、深く溜息を吐いた

 

「アッケナ…キタイハズレカ」

 

一気に気分が沈む。少しは楽しめそうな相手だと思ったが…呆気なくその決着は付いた。

レ級は艦載機を回収しようとしたら

 

自分の艦載機が天から自分に向かって放たれた。

 

 

「ガァ!?」

 

 

レ級の装甲に深いダメージは無いが

ぶつかるたびに爆発して確かなダメージが蓄積されていく。

 

「ナ、ナンダッ!?」

 

天を見ると、其処には自分の艦載機を手掴みし、他の艦載機を踏み台にして空を駆ける響がいた。

 

「不死鳥の名は…伊達じゃ無い!」

 

そして再び艦載機を踏み台にして、此方に向かって飛んでくる。同時に回転しつつ砲撃を放ってくる。

 

「グウッ!?」

 

回転している影響で何処に砲弾が来るのか分からずに防御できず、その一撃を無防備に受けてしまう。移動しようにも弾幕が激しく移動できない!

 

「ypaaaaaaa!!!!!!」

 

そして響は、あろうことか鎖の付いた錨をレ級に投げ付けた。いや正確にはレ級に付いている尻尾のようなパーツに。

そしてそれを巧みに操り、縛る

 

「ナッ!?グアアア!!!」

 

そして縛り上げられた尻尾ごとレ級を持ち上げ、振り回し艦載機をレ級に当てて落として行く。

 

「これでっ!」

 

そして止めに、海面に叩きつけ、空高く打ち上げる

 

「今だみんな!!!」

 

「総員!撃ち方始めぇ!!!!」

 

同時に、第一艦隊と第二艦隊が現れ、空中で身動きできないレ級に一斉攻撃をする。

瑞鶴と日向の艦載機も、金剛達戦艦の強力な砲撃も、ありったけ。

文字通りの一斉攻撃。

 

響はその場から離れ、第一艦隊に合流する。その構図は

 

第一艦隊

レ級

第二艦隊

 

と、挟み討ちの構図になっている。

 

響は挟み討ちに出来るまでの時間稼ぎをしていたのだ。

 

そして、砲撃は終わり、レ級姿が見えてくる。

 

だが

 

 

 

「アッハハハ!!!スゴイスゴイスゴイ!コンナニイタミヲアタエタノハオマエラガハジメテダヨ!!!」

 

「そんな、あれだけの砲撃で…」

 

「中破すら行かないとはな…!」

 

大井、日向がその装甲に驚愕した。

それまでの響が与えたダメージを合わせても中破に行かないとは、どれだけの装甲をしているのだろうか?

 

「イヤァ、ホントウハココデゼンブシズメタインダケドサァ…オモッタヨリダメージクラッタカラ……ココデワタシハヒカセテモラウゼ?」

 

そう言ったと同時にレ級は第二艦隊へ向けて突進する。その速度は圧倒的だった。

 

「そ、そんな!私より速い!?」

 

「オラァ!」

 

「ガフッ!?」

 

島風すら目で追えないスピード、唯一朝潮が反応出来たが、幾らかのフェイントに惑わされ腹部を強打される。幾ら動体視力と反射速度が速くとも、それの扱いがまだ完全ではない彼女は簡単なフェイントすら拾ってしまい、反応してしまったのだ。

 

「ジャアマタナ!コンドハサイゴマデヤリアオウゼ!」

 

そしてレ級は圧倒的な速度で海域を離脱した。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

「一応レ級が立ち去った方向は、例の海域じゃない…作戦は成功ね…でも」

 

「ええ、想像以上です…」

 

その場の全員が、奴の実力を目に焼き付ける。

圧倒的な速度、圧倒的な装甲。この分だと恐らく火力もまた…

 

「あのスピードで火力もあるとしたら…それこそ吹雪か時雨じゃないと太刀打ちできない、俺達も成長する必要がある」

 

木曾の言葉に全員が頷く。

 

「じゃあ、時雨の救援に向かおう。あいつもまた強敵には違いないからな」

 

「はい!気合、入れて、行きますよ!」

 

第一艦隊と第二艦隊は、時雨の救援に向かって行った。

 

 





呉鎮守府のデータその2

駆逐艦響

奇抜な戦術やトリッキーな戦法を多用する。彼女のそう言った動きから連携を取るのは非常に困難だが、彼女は必ず仲間の為になる動きをする。
彼女のもう一つの名は信頼、彼女を心から信頼すれば彼女は仲間に最高の状況を作り出してくれる唯一無二の存在であろう。

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