艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

32 / 43
気合の連投。

今回の話…大佐のフルボッコではないです、大佐の感娘フルボッコです。
彼女達が酷い目に合うのが嫌だ、大佐なら歓迎だぜ!という方は今回は見送る事をお勧めします。
暫く空白が続きますので、その間に改めて考えて下さい。


































ここまで読んだと言う事は…覚悟してきた…人ですよね?






第30話

 大佐が出撃させたのは六人編成での六艦隊、そのうち二艦隊は道中の護衛に当て自分は逃げようという魂胆だ。

 さて、ここで戦局を覗いてみよう。まず海色提督率いる10強はそのうちの四艦隊と戦闘していた。

 

 事前の作戦である囮作戦が成功して殆どの戦力を見事引きつけてみせた。10強が脅威と感じた彼女達が向かったのだ、そして彼女達は囮だと薄々感づいてはいたもののそれに乗るしか無かった。何故ならそれは10強相手だから…

 

 そして大佐の感娘はコンディションも最悪に近い…そんな彼女達が10強相手に敵うのだろうか?否…断じて否。それは無謀な試みである。

 その結果が、これだ

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「敵は多いですね…先ずは少しでも多く攻撃を与えるべきです」

 

『そうだな、それに思ったよりも敵が釣れたのは幸いだ』

 

 囮作戦は見事に成功。艦隊にいるのは吹雪、フルアーマー漣、霧島、168、青葉の五人だ。阿武隈は既にステルスモードに入っている為、()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そして提督はというと、佐世保の提督とは別の場所で指揮を取っていた。同じ部屋にいると声が混じって混乱する可能性があるからだ。

 

 

『では第一段階を開始する、先ずは先制だ…全ての武装を使え漣』

 

「ほいさっさー!」

 

 そう言って漣は空へ飛び上がった。

 

 フルアーマー漣…それは数多の武装で作り上げられた形態。航空戦艦日向の予備の飛行甲板を3つ装備し、右腕と左腕に一つずつ、背中には瑞雲を利用して空を飛ぶ浮力を得る。その内側には15.5cm3連装砲を二つ積み、連続して砲撃を撃つ。

 

 左右の腕には吹雪が使用している主砲タイプに変形した46cm三連装砲だ。漣の能力はあらゆる装備を都合の良い形で装備する事だ、なので装備した瞬間にあらゆる物理法則を無視して装備されるのだ。

 

 そして背中にはもう一つ、金剛型二番艦比叡の艤装タイプの主砲が付いている、そしてその主砲の余ったスペースにと足に試作61cm四連装酸素魚雷を積んでいる。またレーダーやソナー、爆雷も積んでいる為、隙もない火力だ。

 

「感謝しますよ…夕張さん!」

 

 これだけの装備を考案してくれた夕張に感謝を、これだけの火力を駆逐艦の身でありながら出せる自分に感謝を。そして

 

「援護感謝します!瑞鶴さん!!」

 

 見えるのは無数の艦載機…瑞鶴が操る零式艦戦53型(岩本隊)。それらが漣に気付き、航空機で落とそうとした空母達の航空機を落としていく。最早何も止める者はいない

 

「装備なら幾らでもあるんだァ!!!!」

 

 左手と右手に付けている副砲から無数の砲撃を放つ。同時にありったけの魚雷を物凄い勢いで放つ。

 放った分魚雷が物凄い勢いで減り、無くなったと同時にそれらをパージする。これで残りの魚雷は2つになった。

 

「く、そぉぉ!!!」

 

 これだけの火力の前でも諦めず立ち向かう大佐の感娘達、だが現実は甘くはない。

 

 次に副砲の弾薬が切れたら、飛行甲板に魚雷を取り付けてそれらを感娘が密集している場所に投げつける。そしてそれを右手の46cm砲で打ち抜いた。

 そして、大爆発が敵の艦隊を襲った。その地点を背中の比叡砲で適当に撃つ、それだけで敵の艦隊はほぼ壊滅した。

 

「撃ちたくない…撃たせないで…」

 

『満面の笑みで撃っていたのは何処の誰だ?』

 

「テヘペロ☆」

 

『ふん…まぁ良い、良くやった漣』

 

「はぅ☆ご主人様に褒められたぁ!?これはもう結婚ですね結婚!」

 

「ふざけるのはそこまでにしようか?漣ちゃん」

 

「ヒィ!?」

 

 吹雪の威圧感に怯んだ漣は、ブツブツ文句を言いながら次の武装に切り替えた。天龍の剣とと龍田を槍を構え、木曾のマントを身に付ける漣。

 

「フルアーマー漣ちゃんプランB…!」

 

「何方かと言うと…フルウェポンでは…」

 

「なんか海賊っぽいですねぇ」

 

 青葉と霧島のツッコミが入るが、気にする気は無い漣。そして瑞鶴の艦載機が更に増えるのを提督は確認した。

 

『あれは流星…瑞鶴の物か』

 

「岩本隊とあれが来ちゃいましたね、もう瑞鶴さんだけで良いんじゃないんですか?」

 

「確かに瑞鶴さんは鎮守府からも攻撃出来ますけど…ねぇ」

 

『おい、それはもう言うなと言っただろう』

 

 確かに瑞鶴の射程ならば鎮守府で立て篭って艦載機を撃つだけの簡単な仕事になってしまうが、提督はそれを嫌っている。そんな提督を快く思って瑞鶴も更に張り切ってしまうのだが…

 

『第二段階だ、霧島、青葉…残った奴は?』

 

「大佐が持つ最高戦力の艦隊…のみですねぇ、他はみんな瑞鶴さんと漣さんに蹴散らされちゃってます」

 

『ならば都合が良い、青葉は霧島に知る限りの情報を』

 

「あ、もうあげてますんで」

 

『なら…やれるな霧島』

 

「ええ、見事誘い込みましょう」

 

 そして霧島は艦隊から一歩踏み出す。同時に168は艦隊から離れ始めた。

 

「さあ、砲撃戦、開始するわよ!」

 

 先ず霧島は艦隊を挟むように砲撃を放つ。水柱が彼女達を囲むように立ったので、彼女達は左へ移動し始めた。

 

「左へ移動する確率98%、3秒後に此方へ威嚇射撃する確率97%」

 

 そう霧島が呟いた3秒後に、敵の戦艦…伊勢が威嚇射撃を此方へ放った。

 

「威嚇射撃が当たる確率75%、私がそれを砲弾で相殺する確率」

 

 そして霧島は放たれた砲弾に狙いを付ける。

 

「100%」

 

 そして、見事それを空中で撃ち落とした。

 

「感娘、伊勢がこれに動揺する確率100%、次いで感娘満潮が焦り砲撃する確率85%」

 

 そして満潮は伊勢の制止を振り切り霧島に向かって砲撃した。

 

「これを瑞鶴の艦載機が盾になる確率100%、同時に死角から168が雷撃を満潮に当てる確率もまた、100%」

 

 霧島の言う通り砲撃を代わりに艦載機が当たり、同時に満潮が雷撃を受けて大破した。

 

「それに艦隊が動揺し、後方へ下がる確率90%……」

 

 敵艦は後方へ下がる、そしてそこは提督が支持していた座標だった。

 

『見事だ霧島、誘い込めたぞ』

 

「当然です提督…ああ、それと…」

 

 霧島は眼鏡をクイッと上げて、宣言した。

 

「阿武隈が王手(チェックメイト)をかける確率もまた…100%」

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「な、何なのよ…」

 

 死角からの一撃で大破した満潮が泣きそうな声色でそう呟いた。

 最初は空からの一方的な暴力。あの容姿は駆逐艦の漣だという事は分かるが、何故あれ程の装備が積めるのか、何故相手に空母はいないのに艦載機が攻撃してくるのか、何故霧島は砲撃を相殺できたのか

 

 考えたくはないが、これ程にも強かったのか…そう伊勢は歯を噛み締めながら思う。

 

 そもそもここまで追い詰められたなら、降伏も選択肢にある…そう考えた伊勢は降伏を宣言しようとーーー

 

 

「えいっ」

 

 

 戦場に相応しくない無邪気な声、それと同時に艦隊が悲鳴を上げる。

 

「「「「「「きゃぁぁぁぁぁ!!!?」」」」」」

 

 突如目の前に現れた阿武隈、そして彼女の同時攻撃によって艦隊の全ての感娘が大破した。

 

「敵艦を制圧しました!」

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

『ご苦労だ、()()()()()()()()()()()()

 

「はい、誰も沈めてません」

 

 命令通り沈めていないと提督は言った、なら自分達は助かるのか?そう伊勢達は淡い希望を持つ。

 

『ならばその感娘と共に大佐の潜伏している島へ上陸しろ』

 

「了解です司令官…」

 

『悪いが俺は佐世保の提督の所へ顔を出してくる、直ぐ戻る』

 

 そう言って提督は通信を切断した。今は言葉通り佐世保の提督の所へ向かっているのだろう、ならば後やることは…

 

「じゃあみんな、沈めちゃおう、さっさと」

 

「勿論です!」

 

「当然です!」

 

「はぁ、またですか…いつか提督にばれますよ?」

 

「別に168が直接連れてっても良いんだけどなぁ…」

 

「ブラック感娘は殲滅じゃ!」

 

「……………え?」

 

 伊勢は彼女達が何を言ってるのか分からなかった、彼女達は自分を沈める…そう言ったと理解するのは漣の剣が道潮を襲ったからだ。

 

「ご主人様に手ェ出した時点で貴女達も同罪、命令されたからは通用しませんよ?貴女達は幾らでも逆らうチャンスはあったと思うので」

 

 間も無く満潮は沈み、次に飛龍が阿武隈に沈められた。

 

「んぅ…本当は助けたいけど、皆さんちょっとやりすぎちゃったから…あたし……ふふっ、あははっ…♪……なんか楽しくなってきちゃいました♪」

 

 168は駆逐艦の足を掴み、力づくで海に引きずり込んで行く。

 

「潜水艦の気持ちを味わうチャンスだよ?まぁもう海上に上がって来ることはないけどさ」

 

 霧島は誰も沈める事は無く、ただ場を静観する。

 

「何時もの事とはいえ…良く出来ますね」

 

 青葉は淡々と、艦隊の感娘を沈めていく。

 

「まぁ青葉は情報規制も得意ですし?安心して沈んで下さい!なぁに、代わりは幾らでもいますよ」

 

「ど、どうして…」

 

 自分以外の全員が沈む。そして最後は自分の番

 

 吹雪はにっこりと笑い、砲身を此方へ向けた。

 

「だって、司令官の為ですから♪」

 

 そして自らの視界が黒く染まった。

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「何時もの事とはいえ、本当にえげつないですね吹雪さん」

 

 目の前には先程の感娘がうなされながら気絶している。念の為に漣に全員に応急修理要員を取り付けて貰った。

 

 吹雪が見せたのは夢幻、相手の五感に訴えて幻覚を見せたのだ、自らが沈むという幻覚を。

 

 かつて横須賀の提督は言った、下手をすると時雨よりも吹雪が厄介だと

 

 かつて10強最強の時雨が言った。条件次第では僕より強いと。

 

 彼女達は幻覚に抗う術を持たない、何を見せるのかは吹雪次第…それが吹雪の特別な力。

 力、速さ。そんなものは意味を成さない。あるのは幻覚を見せられ負けるという事実だ。

 

「や、やりすぎちゃったかな…」

 

「まぁ実際に沈めてないですし…セーフですよセーフ」

 

 何故吹雪がこのような幻覚を見せたというのは、彼女達が自分達に復讐しようと考えないようにするため、根っこにトラウマを植え付ければ逆らう事は無いと考えたから。

 もし再び襲ってきたら、その時はその時…また相手をしよう。そう彼女は考えていた。

 

 




10強の実力、吹雪の実力の一端が少しでも伝わってくれたら嬉しいです。

こいつら、改めて見て結構えげつないでしょう?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。