艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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暫くほのぼのとした話が続きます


第32話

 今回の大佐の行った行為により、当初の予定が大幅に狂った提督。横須賀、佐世保、舞鶴の提督と共に大佐を無事に捕らえて騒動にも決着を付けた。

 だが今回の騒動によって各4名の資材が大幅に減ってしまう。また、レ級との連戦をした感娘達も疲労が溜まっている…そこで提督は思い切って各地方の鎮守府に赴く事にした。

 理由は頭を下げて資材を分けてもらう、また感娘達の疲労回復の効果がある間宮の甘味を自らのポケットマネーで買う事だ。

 

 自分の鎮守府にも間宮はいるものの、自分の鎮守府の全員分の甘味を短時間で用意するのは難しいし、今後もこんな事がある事を考えると幾つかのストックも必要だ。

 そこで提督は近場で交流のある鎮守府に吹雪と共に赴いて甘味を買った、次に大本営へ連絡を取って大規模作戦までの日程を確認した。

 やはり今回のレ級や大佐の騒動の影響は出ており、大規模作戦までの戦力に黒の鎮守府の存在を徹底的に洗うとの事、その影響で作戦までの期間が微妙に延期した。

 

 だが悪い話だけではない、提督が行ったレ級戦の影響か深海凄艦が各鎮守府に偵察部隊を送ってるとの事。その偵察部隊はなんと大規模作戦の海域から送られているとの事。つまり敵の戦力が減り弱体化しているのだ、そして別の海域から援軍は今の所はない。

 

 此方にも猶予はできた。今は戦力を改めて整えて来るべき日に向けて艦隊を強化する時間もできた。この前の戦闘で朝潮が改二になり、経験を積めば10強に匹敵する程の可能性を見せてくれた。そして新たな存在の春雨だ…彼女をどう育成するかを楽しみに考え、提督は今日も書類を片付けいた。

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

「これは…」

 

 春雨はこの鎮守府に来て初めての体験を幾つかしている。それらはどれも前の鎮守府では体験してなかったものだ。

 提督は感娘を差別しない。誰もを平等に見ていて戦力として数えている、全ての艦種を均等に訓練しているので全員の実力は高い。

 

 更に訓練には指導のスペシャリストが存在する。神通の指導は厳しくも分かりやすく自分でもメキメキと実力が付くのが実感できた。

 前の鎮守府では演習も訓練も行ってなかったのでこの鎮守府での出来事は感激した、また今までは一種類しかおかずが無く、器もそれほど大きくないのにおかわり禁止の米だけだった…だが今はあり得ない程の豪華な食事だ。

 

 バイキング式という奴なのだろうか?知識としては知っていたが実際に食べるのは初めてだ。それも朝昼晩の3食全てがその豪華な食事だった、最初にそれを見て食べたら感動の余りに泣き出してしまう程だ。

 

 だがそんな春雨に気になることもあった。それは提督が一度も食堂に顔を出さない事、それどころか彼と顔を合わせるのは彼が見回りをする時と朝の朝礼位だ。

 

「あの、時雨姉さん夕立姉さん」

 

「ん?何だい?」

 

「なんか用っぽい?」

 

「どうして提督は食堂に顔を出さないのでしょうか?」

 

 疑問に思っている事を聞いてみると、二人は困ったように笑出だす。

 

「あー…その、うーん」

 

「提督さんはいっつもカップ麺ですませてるっぽい」

 

「ちょっ!?夕立ってば!」

 

「別に隠す事じゃないっぽい」

 

 提督がそんな食事ですませてる事に驚く春雨、感娘がこれ程の食事を取れるなら提督も取る事はできる筈だと思うのだが

 

「僕達の為に自分の食費を削ってるのさ提督は、実際に提督は昼ごはんしか食べないから…青葉から聞いたんだけどね」

 

「そ、そんな」

 

 前の鎮守府でも3食は食べさせて貰ったのに、この提督はそんな食事をしていたのか。

 そんな事実を知った春雨は何故改めるように言わないのかと思った、だけど時雨は春雨の言いたい事を察したのか

 

「丁度いいから、提督か普段どう過ごしているのかを春雨にも知ってもらった方が良いね」

 

 そして時雨は提督の現状(青葉の情報)を春雨に伝える。

 

 提督は夜1時に寝て4時に起きる、間宮と伊良湖の朝食の手伝いをしてから、朝礼をする。

 朝礼後は書類仕事をしつつ感娘の訓練を見守り、遠征や演習や出撃をして指揮をとる。秘書艦を取らない彼は食事を取りつつ書類を片付ける、でないとノルマを達成できないからだ。

 夜になると見回りをしてから灯台に登り鎮守府周辺の海域を見張る。なんと提督は寝泊まりは灯台の上でしているとの事だ

 

「な、なんですか…それ」

 

「困った提督っぽい、夕立達もいつ倒れるかハラハラしてるっぽい」

 

 実際に倒れた時は鎮守府が大混乱したが、吹雪と大井がその場を収めたとの話だ。その後提督の事が心配で居ても立っても居られなかった北上が様子を見たところ、大井が提督を膝枕して寝かせてたとも言われている。(この情報の真相は明らかになっていない)」

 

「言っても聞かないけどね…せめて秘書艦は付けるようにって言ってるのに提督は聞かないから、僕達で提督をちゃんと見ておかないといけないんだ。春雨も提督の事を見てあげてね?」

 

「勿論です!」

 

 提督の業務を聞いて、彼を支えてあげないと…そんな思いを胸に秘めて春雨は春雨スープを飲み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰ですか!?私が提督をクンカクンカスーハーしたってデタラメを鎮守府中に広めたのは!」

 

「いやぁ…事実じゃん」

 

「だから誤解ですよぉ!私がクンカクンカスーハーペロペロちゅっちゅっするのは北上さんですからぁ!」

 

 大井は気付いてない、北上だけだと言ってないのを。そしてその会話を青葉が聞いていた事を。

 




提督曰くこういった仕事は我々人間の仕事だ。感娘が海を取り戻すならばそれを全力でサポートするのが提督の仕事だという事。
提督は人間のできる事は人間がするべき、彼女達にしかできない事は彼女達がするべきと考えてます。

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