艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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現在作者の作業用BGMはFEifのラスボス全ての路の果てにです。三種類あるけれど全部好きだから交互に聞いているよん。
興味あれば聞いてみてくださいな。

え?艦これbgmはどうしたって?何か艦これbgmと聞くと夜戦bgmが脳内再生されるの……されない?


第36話

 

「えーっと……」

 

 訓練は無し、大規模作戦に向けて英気を養えと提督は命令したが、ふと休みを与えられたら何をしたらいいのか分からない事に気が付いた。

 まぁ当然だろう、彼女は……春雨はこの鎮守府に来るまでは監禁生活を送っていたからだ。言い換えれば何もしていなかったと言うべきか……まぁとにかく、彼女はこの鎮守府に来てから初めてマトモな生活を送っているのだ。

 

 そんな彼女は厳しい訓練でもやり甲斐があるし訓練を行う事で自分の実力がメキメキと付いていくのが分かっていた、なので訓練をしないで休むという事に違和感を感じる程に訓練付けの生活を送っていたのだ。

 

 先程鈴谷と金剛が阿武隈と川内の首根っこを掴んで何処かへと連れていったのを見かけた。……その際に春雨は脳内に謎の音楽が流れていたのだが……

 

 

 ードナドナって何なんです……?ー

 

 

 閑話休題。

 

 そんなこんなでやる事が無くなってしまった春雨は、適当に鎮守府内をぶらついていた。

 いっその事鎮守府内にあるプールで泳ごうか……そんな事を考えて水着を持っていない事に気が付いた。

 その事に気が付いた春雨は思わず笑ってしまった、自分は本当に何も持っていないんだな……と、考えて気持ちが沈んでしまう。

 

「なーに落ち込んでいるのよ!」

「ひゃう!?」

 

 急に抱き着かれて思わず声を上げてしまう、その反応が面白かったのか抱き着いてきた人物……瑞鶴は、春雨のほっぺたを人差し指でぷにぷにと突っついた。

 勿論それだけでは終わらず、瑞鶴はほっぺたをむにむにと摘みだし、柔らかさを堪能していた。

 

 

「にゃ、にゃめてくらさいぃ……」

「こ、このほっぺの感触は……癖になりそう!」

「く、くしぇってなんれすかぁ……」

「まぁまぁ、ところで春雨は何してたの?」

「な、何って……さ、散歩?」

「なんで疑問形なの……?ねぇ、もし暇ならちょっと瑞鶴に付き合わない?」

「つ、付き合っ……!?」

 

 付き合う。その四文字を聞いた瞬間、春雨の脳内に電流走る……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『だ、駄目です瑞鶴さん……私達、女同士なんですよ?』

『関係無いよ、瑞鶴は春雨の事が好きだから……皆も祝福してくれるよ』

『だ、駄目です……あ、あぁぁぁぁぁ』

『ふふ、春雨……可愛い♪』

『ふわぁぁぁぁぁ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて事に……!」

「ちょっと何考えてるのか瑞鶴には分からないなぁ……いや本当何考えてるの!?瑞鶴にそんな気は無いからね!?」

 

 春雨がとんでもない妄想をしていたので、急いで否定する瑞鶴だが……その慌てようと必死さに益々春雨は確信してしまった。この女、百合だと。

 

「嘘です!瑞鶴さんは翔鶴さんloveだって!聞きました!それにそんな大慌てで否定するなんて……!」

「この鎮守府に翔鶴姉いないから!!それに誰でもそんな疑いを持たれたら否定するでしょ!?」

「いやぁぁ!!襲われるぅぅ!!!」

「アンタいい加減にしなさいよ!?」

 

 この後むちゃくちゃ説得した。

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「か、買い物ですか?」

「やっと本題に入れたわ……そうよ、春雨はまだこの鎮守府に来て間もないから、街で色々と買い物をするのも良いかと思ったのよ」

 

 確かに悪くないと春雨は思った、さっきも水着が無いからプールで泳ごうにも泳げないし、感娘になってから街を歩いたことも無い……ここへ来てから初めてだらけ、それに仲間と一緒に買い物をするというのも初めてだ。

 

 心を許せる仲間といられる、仲間と一緒に色々な事をする……それは、まだ自分が艦娘だった頃に持っていた儚い夢、叶うことのない泡沫の夢。

 そんな夢が叶う……それだけでも春雨は涙が出そうな位嬉しかった。

 

「……はい、私……街に行きたいです」

 

 

 そんな春雨の心情を悟ったのか、瑞鶴は満面の笑みで春雨に言葉を投げかけながら手を伸ばした。春雨はその手を笑いながら手に取り、瑞鶴の言葉に返事をする。

 

「よし!じゃあ今日は楽しんじゃおう!」

「はい!楽しんじゃいます!」

 

 手を繋ぎながら、笑いながら、彼女達は歩いていく。

 そんな彼女達は仲間であり、友人であり、そして……姉妹のようだった。

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

「来たか、阿武隈、川内……ご苦労だったな金剛、鈴谷」

「ま、鈴谷にかかればこんなもんでしょ、そ・れ・よ・り、後でご褒美頂戴ね♪」

「HEY提督ぅ!私もご褒美が欲しいネ!」

「あぁ、間宮パフェ引換券を……」

「「違ーーう!!!」」

 

 ご褒美に間宮パフェ引換券を渡そうとしたら、二人揃って否定してきた、といっても他にご褒美なんて考えつかない、それに他の感娘は引換券で納得しているのだが……そんな事を考えていたら、阿武隈がバタリと糸の切れた人形の如く床に倒れた。

 よく見たら川内も目に光がなく、ブツブツと何かを言っていた。普段の彼女を知っているだけに、この光景は異常に思う。

 

 そんな光景を見た提督は軽く引き、未だに不満気な表情をしている鈴谷と金剛に質問した。

 

「おい、何をやったら阿武隈がこんな状態になる?」

「え?何って……そりゃ言えないっしょ」

「提督ゥ、細かい事はNothingヨー?」

 

 あ、これ駄目な奴だなと提督は思った。そう思った提督は深く追求せずに死にかけの川内と阿武隈を見る。

 当初の目的は二人をお仕置き部屋に連れて行く事だが……こんな状態なら既にお仕置きになっているのでは?そう考えたのだが甘やかす訳にもいかないと思い、予定通りにお仕置き部屋に連れて行く事に決めた。

 

「さて……」

 

 お仕置き部屋で行うお仕置きはくじで決まる。これはどんな事をしても誰に対しても平等に罰を与えるというコンセプトを元に明石が寄越したものだ。因みに中身は提督も知らない。

 

 まぁ今までお仕置き部屋に連れていった感娘は口を揃えて以後気を付けることを約束しているので、効果はあるのだろうと思っている。正直自分のやる事が多すぎて罰を与えることに対しては気が回ってないのかもしれない。何故なら……

 

「………じゃあ川内は三日間夜戦禁止、阿武隈は一日提督禁止……?なんだこれ……まぁ良いかこれで」

「なんで私のお仕置きがピンポイントで夜戦禁止なのさ!?絶対仕組んでるでしょこれぇ!!!」

「提督、禁止……?あ、はは……阿武隈に死ねって?そう言うことなの……?」

 

 提督禁止が罰になるかは分からないがくじの決定は絶対だ。それにしても今回はお仕置きの内容的に、部屋は夜寝る時位にしか使わないな……と、提督は心の隅でそう思った。

 

 余談だが、阿武隈のお仕置き内容を聞いて金剛と鈴谷は顔を真っ青にして執務室を後にしたという。さり気なく間宮パフェ引換券を手に持ちながら……だが。

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 大規模作戦の日程が決定した日、横須賀の提督はガリガ〇君を食べつつのんびりと執務をこなしていた、秘書艦の蒼龍も同じようにアイスを食べつつ執務をこなす、ゆるゆるな空気のままのんびりと過ごしていたのだが……それはある一人の感娘……大淀による報告を受けてから一変した。

 

 横須賀の提督は驚愕し、蒼龍も目を見開き驚く、何故ならその報告は……

 

「壊滅した?鎮守府が?」

「はい、入電通りなら……」

「………大規模作戦まで七日しかないのに……!」

 

 一鎮守府の壊滅、それも大規模作戦前のこの状況でだ……これを知った横須賀の提督は、舌打ちをしながら即座に指示を出す。

 

「大至急その壊滅した鎮守府に艦隊を向かわせるからね、第一艦隊と第二艦隊は急いで準備するように伝える!後大淀は呉の提督にこの事を伝えて!」

「了解!」

 

 鎮守府を壊滅させるほどの何かがいる……この事を伝えるべく大淀は急いで通信室へと走っていった。

 

「蒼龍!第一艦隊の旗艦は任せるからね!」

「了解です!」

 

 蒼龍もまた敬礼と共に執務室を後にした。

 横須賀の提督は急ぎ鎮守府内に緊急放送を送る、内容は勿論……

 

『総員に告ぐ!大規模作戦七日前の本日、○○鎮守府が壊滅!第一艦隊、第二艦隊は至急出撃準備をする事!これより我々は○○鎮守府の救援任務を遂行する!付近に深海棲艦の姿は見えないとの報告だが万が一の事もある!第一艦隊、第二艦隊は救援活動中も警戒を怠るな!』

 

 放送を終え、横須賀の提督は壁にかけている軍服を慣れた手つきで着服し、帽子を被る。

 

「災難……本当に……!」

 

 連日続けて事件が起こる、本当に最近は運がないなと横須賀の提督は改めて思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大規模作戦まで残り六日と9時間。




ドナドナドーナードナドーナー
ドナドナドーナードナドーナー

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