アブソリュートと申します。主にISの小説を書いていたものです。
この艦これの小説を書こうと思ったのが菊月(偽)の人や長月(偽)の人が影響でもあったりします。
けれど、最近「夢」とはいかなるものかと思い艦これに混ぜて書いてみたいと思いました。
イベント期間が延長なしの場合だと20日間だったのでそれでやっていこうと思います。
元々、短編集にするつもりだったんですがあまりにも多くなりそうなので、話は少なく、量は多めでやっていけたらいいと思っています。
話が長くなりましたが皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいと思います
では、どうぞ!
人は誰しも「夢」を持つものである。小さな子供から大の大人までも皆、それぞれ「夢」を抱いて生きているだろう。しかし、必ずしも皆が皆、「夢」を抱いて生きているわけではない。
ある人は子どもの頃から、その「夢」を描き続けて必死になろうと努力をするが、実際蓋を開けてみれば現実は非常であったりする。きっと誰もが体験をすることだと思う。
『なんか想像していたことと全然違う気がする……』
そんなことを考え、目指していた「夢」を断念する者も少なくはないだろう。
現実とは常に残酷なものだ。誰しも「夢」を抱き生きていくが、その「夢」を掴む者などほんの一握りしかいない。ほとんどの人が「夢」からかけ離れたものを掴み取り生活をしている。
「夢」とは覚めるからこそ「夢」であって見続けることなんて出来ないのだ。
だがもし、もしも、自分が想像していた「夢」が現実になったら人は何を思うのであろうか。喜び、戸惑い、驚愕、不安、様々な表現があると思う。自分の想像通りの世界が出来たらどんなことを考えるのだろか。
アニメの中に自分がいたらこんなことが出来るのにとか、ゲームの世界に入り込めたら自分だったらこうしているのになどと考えたことは少なからずいると思う。
だが、所詮は想像にすぎない。想像とは裏腹に常に現実という名の存在が突き付けてくる。ましては「夢」を現実にするなど並大抵のことでは出来やしなのだ。そんなことが出来るのならば、きっとその人は歴史に残る存在になるであろう。
「はぁ……これからどうしよう」
コツコツと辺り一面コンクリートの道路の中、顔を下に向けて歩いている青年がいた。
彼の表情はどこか浮かない顔をしている。それもそうだ。彼はつい先ほど担当教師から留年宣言をされたのだから。
彼もまた「夢」を抱いてとある医療系の専門学校に入学したのだったが、そう長くは続かなかった。
入学したての頃はそれ程他の人との差はなく、勉強で遅れを取るようなことはなかった。しかし、時間が経つにつれ、皆との差が明らかになった。それはただ単純にどれだけやったということ。その青年は授業が終わり次第、学校から帰宅しては常に自分の趣味に明け暮れていた。そんなことをしていればクラスの人たちとの差がどんどん広がるのは目に見えているのにも関わらずにだ。
結果からいうと、彼はクラスで浮いた存在になってしまった。他の人が勉強している間、彼は自分の趣味につぎ込んでしまったせいで授業の中でグループ活動をするにしても話がついていけなかったからか置いてけぼりになることもしばしば。無論、そんなことになったのなら自分で行動を起こすべきである。けれど、彼はむしろクラスの人達との関わりを断ち切るかのような行動をとった。
――そんな状態続いていくうちに、とうとう彼は一人になってしまった。
学校に登校しても誰も反応をしない。話しかけようとすれば仕方なさそうな表情を浮かべる。皆が知っていることを知らなかったりなど当然といえば当然のことである。
人間、一人では何もできないとはまさにその通りだと思う。
――限界が来たのだ。先日、担当教師から連絡が入った。
「……ちょっと君と話したいことがあるから学校まで来てくれ」
そして現在に至る。
わかっていたことだ。自分のこれまでの行動を振り返れば当然の報いである。容量が特別いいわけでもなく成績もずば抜けて良い訳でもない。にもかかわらず、こんなことになったのは当然といえば当然のことである。
『自業自得』
この言葉がどれほど自分にふさわしい言葉なのか身に染みる。
すでに遅いのだ。戻る可能性はいくらでもあった。だけど、それを自分で捨てたのは他でもない自分自身なのだから。
「……親になんて言えばいいんだろう」
担当教師からは留年、あるいは退学以外の道は厳しいとまで言われている。そんなことを実の両親に話すとなると何と言っていいのかわからない。いっそこのまま過去に戻れることなら戻ってやり直したいものだ。
「まあ、今考えてもしょうがない」
下を向いて歩いているといつの間にか駅に到着したようだ。重い足取りで階段を上り、改札を抜けると、目の前に見えるのは間もなく発車する様子が感じさせる電車が待っていた。慌てて車両に駆け込むと車内放送で「駆け込み乗車はご遠慮ください」と言われた。
少し申し訳ないと思いつつ空いている席に腰を掛けてほっと息をつく。
辺りを見渡すと車内のクーラーが効いていないからか、ちらほら窓を開けている席がある。勿論、彼の席の後ろの窓は全開になっている。
季節は夏。照らし出される太陽の光からは物凄い熱気が含まれている。とてもじゃないが長い間外にいたら熱中症になってしまう。だからか、電車が発車している間だけだが窓から入ってくる風が涼しいと感じる。……多少、熱気が含まれているが。
「……そういえば今日からだっけか、夏のイベントって」
そう、この夏のイベントとは世間一般でいうお祭りやプールといったものではない。
DMM.comオンラインゲームで大人気の『艦隊これくしょん』略して『艦これ』である。昔ながらの戦艦や駆逐艦、軽巡洋艦などを擬人化させて育成、編成させて出撃させるシミュレーションゲームだ。わずか二年あまりで大ヒットをさせ、アニメ、マンガ、まさかの映画化まで作られたほど大人気オンラインゲームである。
そんな通称『艦これ』であるが、夏ということでイベントをもうけられていたりする。なんでも普段のプレイでは出てこない艦娘たちと出会うことが出来るらしいではないか。ちなみに、ちょっとだけだがインターネットで調べたところ可愛らしい子達が沢山いたので是非とも会いたいものだ。
しかし、初めてからまだそんなに経っていないので資材もレベルも不十分な状態だから、そんなに出来ないと思うし、難しいと言われている作戦難易度の『甲』とやらに行くつもりはない。
まあ、ゆったりやっていくつもりだ。
「お、野球かぁ」
今日から始まるイベントで何をするのかをいろいろ考えていると、窓の外からいい音が聞こえてくる。ふっと、後ろを振り返るとグラウンドらしき場所で子ども達が野球の試合を行っていた。カーンとバットにボールが当たる音がいい感じに聞こえる。何故か分からないけど夏と言ったら野球な感じがする。
「……んっ?」
またいい感じにバットにボールが当たり空に向かって飛んでいく。おお、あれってホームランでは?
と思って見ていると――まさかボールがこちらに飛んでくるとは思ってもいなかった。
(あ、アカン。これぶつかるわ)
目の前まで飛んできたボールがスローモーションになってこちらに近づいてくる。
避けたくても避けられない。動きたくても動けなかった。
(……あぁ、マジか)
なんで窓を開けて覗いたりしたんだろうと考えても遅いのだ。そう、もう遅いのだ。
――気が付いた瞬間、ボールは彼の額に直撃したのであった。
「こ――ねえ――。――ん――さま!」
「……ん、んっ?」
――なんだか頭が痛い。さっきのボールが頭に当たったからだろうけど。
頭にボールがぶつかったせいで、どうやら床に倒れてしまったらしい。倒れた反動のせいか後頭部もそれなりに痛かったりする。後頭部をゆっくり擦ると違和感を感じる。
――あれ? 髪の毛こんなに長かったっけ?
髪の毛だけじゃない。よくよく自身の手を見るとほっそりとした指はシミ一つない。服装は巫女さんが着ているような服装と似ているが、ここまで露出した巫女の服装はそうそうないだろう。
顔を下に向けると大きな二つの膨らみのせいで下半身が思うように見れない。
(……え、なにこれ?)
状況が理解できない。さっきまでボールが額に当たるところまでは何となく憶えているけど一体なにがどうなっているんだ?
とにかく辺りを見渡すと先ほどぶつかったボールが転がっていた。
「……これかぁ」
拾ったボールを手の平で掴んだり離したりしていると隣で声をかけている少女がとうとう心配になったのか彼の肩に手を置いて声をかける。
「――姉さま。――金剛姉さま!」
「うひゃっ!?」
耳元で大声を出されたので驚いてしまった。ずっとボールが当たってからのことを考えていたせいで周りのことを気にする余裕がなかった。
(……んんっ? 姉さま?)
少女の言葉に我に返る。自分は男性だ。悪いがあっちの気があるわけでもない。どういうことだろうと思い、横に顔を向けるとそこには見慣れた顔があった。
「大丈夫ですか? やっぱり頭に当たったところが痛みますか?」
(は、榛名……)
――金剛型3番艦戦艦『榛名』。彼女は俺が『艦これ』を始めてからしばらくしてからドロップでゲットした艦娘だった。ちなみに俺は建造運はからっきしだったけど、ドロップ運だけはかなり良い方に入るんじゃないかな。一番目は比叡、金剛、榛名、霧島の順に手に入れたしな。
けど、それはあくまでゲーム内の話である。現実にいるわけなどないのだ。なのに……目の前の金剛の妹である榛名が本物のような動きをしているんだ?
あんまりにも現実味がないので目の前の榛名であろう人物の頬をそっと触れてみる。
「えっ、あ、あの……ね、姉さま?」
「………………」
一心不乱に榛名の顔を触る。頬を撫でたと思うとうなじの方へ流れては、優しく揉んでは撫でるのを繰り返す。もう片方の手は榛名の頭を撫でては髪の毛を撫で、唇をそっと親指で触れる。決してベタベタ触るのではなくあくまでソフトタッチを心掛けて触る。本物であろうと、そうでなかろうとベタベタ触られては不快感が出るに違いない。そんなもどかしさを感じさせる触り方を受ける榛名の頬は段々赤みが増していき、驚きのあまりにされるがままであった。
「ひゃっ!? ね、姉さま!? そ、そこは、んぅっ!」
「…………………」
しかし本当に柔らかいな……うん、これってもしかしなくても本物なのか?
なんか触る度に体温が上がってきてる気がするんだが――そろそろやめておくか。
俺は榛名の顔から触るのをやめると、榛名は息を切らしながら涙目でこちらを見つめてくる。
「はぁはぁ……きゅ、急にどうしたんですか金剛姉さま?」
「その……金剛姉さまっていうのは一体誰のことを言ってるの?」
「――えっ?」
「……えっ?」
うん? なんでそんなに驚いた顔をしているんだ?
「じょ、冗談ですよね? は、榛名は大丈夫です!」
「大丈夫じゃないよね、それ」
先ほどまでの赤みがかかった榛名の顔は一気に真っ青へと変化した。どこからどう見ても大丈夫そうには見えないんだけど。
それに……さっきから気になってたんだけど、俺が金剛だって?
あの『Burning Love!!』って叫ぶ金剛型一番戦艦の金剛だっていうのか。
――ありえないだろう、そんな非現実的なこと。
「そんな……どうしてこんなことに。――まさか」
「お、おーい。聞こえてるー?」
「榛名は、大丈夫です!」
「そ、そうか?」
全然、大丈夫そうには見えないけど榛名は大丈夫っていうんだから大丈夫なんだろう。あまり深く考えてもしょうがないしな。
「それよりも姉さま。その、額のたんこぶは一体……?」
「えっ? ああ、これはさっき目の前にボールが飛んできて、そしたら――」
「――かしいな。多分ここら辺に落ちたはずだよな」
「まったく……天龍はもう少し手加減するべきだね」
「い、いいじゃねぇかよ! あんなにいいボールが来たら打っちまうだろうが!」
「ハラショー。確かにあれは打ちたくなるね」
「だろ!? 俺は悪くねぇだろ」
「それでも、もう少し手加減してもいいんじゃないか?」
「……次から気を付ける」
自分でも悪いと思ったのか黒髪の少女の頭の上で浮いている電探が下へと項垂れる。一方、隣で歩いている白髪の少女はこちらに気が付くと、どこかばつが悪そうな表情でこちらを見つめてくる。
「ねぇ、天龍」
「あん? どうした響。ボールがどこか見つかったのか?」
「……おそらくあれじゃないかな?」
すっと白髪の少女が指を指す方向へと黒髪の少女が目線を配ると少し顔色が青くなっていた。
「……なぁ、あの金剛が持ってるボールってまさか――」
「さっきまで使ってたボールだね」
マジかとぼやく黒髪の少女はこちらに向かってくると、頭をポリポリ掻きながらペコリと下に向ける。
「そのボールさ、もしかしてだけどよ……どこかぶつかったりしたか?」
「えっ? あ、ああ。多分、頭にぶつかったと思うけど……」
「その――マジでゴメン」
黒髪の少女――もとい彼女は天龍型1番艦の天龍である。隣で天龍と同じく頭を下げているのは白髪の少女は暁型2番艦駆逐艦の響だ。どうやら野球をしていて天龍が打ったボールがたまたま俺の頭に当たったという感じらしい。
「てか、なんだか金剛の様子おかしくね?」
「確かにね。それは私も思ったよ」
「あ、はい。そのことなんですけど実は――」
訝しげに見つめてくる天龍。響も金剛の様子が気になったのかじっと見つめている。榛名は天龍達に金剛の状態を説明すると、どこか信じられないと言わんばかりの表情を浮かべている。
「お、おいおい……冗談だろ? からかってんだろ?」
「いや、別にからかってないけど……」
「榛名さん。もしかすると思わしくない状況かもしれない」
「えぇ……榛名もそう思います」
「これから加賀さんと霧島さんを呼んで来ようと思うんだけど、どうかな?」
「お願いしてもいいですか?」
「任せて」
響は榛名に頼まれるとすぐさま加賀と霧島のところへ走りだした。天龍といえば金剛の様子に困惑した様子で話しているようだが、どこか会話がかみ合っていないようだ。
「だーかーらー! 何度言ったらわかるんだよ! お前の名前は金剛だって言ってんだろうが!」
「そう言われても……あの金剛だろ? そんなわけあるはずないだろ」
「だーもー! 話になんねぇ!! 喋り方も変だし……マジでどうなってんだよ」
「天龍さん、少し落ち着いてください。……金剛姉さま、私のことはわかりますか?」
「榛名でしょ? 金剛の姉妹艦の榛名だよね」
「えぇ、そうです。では金剛姉さま――
「はぁ? 何言ってんだよ榛名。こいつはどこからどう見ても金剛じゃねぇか」
「それは榛名もわかっています。けど、もしかすると違うのかもしれません」
「あん? どういう意味だよ?」
「それで、どうですか?」
「そんなことわかるに決まって――」
――あれ、自分の名前が思い出せない? ……んなバカなことがあるわけないだろ。自分の名前だぞ? もう20年もこの名前を使い続けてんだ。わからないはずがない。
けれど、一向に自分の名前が出てこない。さっきまで何をしていたのか、どう過ごしてきたのかも憶えている。なのに――自身の象徴と言うべき名前だけが出てこなかった。
「あ、あれ? ちょ、ちょっと待ってくれ。な、名前くらい覚えているさ! お、俺の名前、名前は……!」
「では、教えてもらえますか? ――あなたのお名前を」
俺は自分の名前を榛名に伝えようとしたが、どれだけ自身の記憶を遡っても名前を思い出すことが出来なかった。
(なんで、なんで思い出すことが出来ないんだよ!)
思い出そうとすると頭の中に霧がかかってモヤモヤした気持ちになっていく。それに、ズキズキと頭痛が出てきて思考がままならない。まるで、思い出すことを拒んでいるかのような。そんな気がしてならない。
「どういうことだよ、榛名」
「榛名にもわかりません。ですが、金剛姉さまはおそらく記憶喪失、あるいは別人格者になったのかもしれません」
「記憶喪失? 別人格者だぁ?」
「えぇ、記憶喪失と言っても榛名達のことは知っているようですし、別人格者の方がしっくりくるかもしれません」
榛名は金剛の肩にそっと手を置くと戸惑った瞳でこちらに視線を向けてくる。息遣いは荒々しく過呼吸になりかけている。視線も向けてきたのはいいがキョロキョロとしていて視線が定まっていない。相当動揺しているのが誰が見てもわかることだった。
「落ち着いてください。大丈夫、大丈夫ですから」
「だ、だって! 自分の名前が思い出せないんだぞ!? 目が覚めたらいつの間にか金剛になっているし、ここがどこかだってわかんなし……もう、何が何だかわかんないんだよ!」
頭を抱えて悲痛な面影を見せる金剛。余程自分の名前を思い出せなかったのがショックだからか、体が震えだしている。状況が状況なせいで天龍はどうしていいかわからなかった。何か声をかけてやりたいがなんと言えばいいのか思い浮かばなかった。
そんな時――榛名は金剛をそっと抱きしめた。
「……は、榛名?」
「大丈夫です……大丈夫」
ポンポンと背中を母親が子どもをあやすかのように優しく叩く。抱き着かれたせいで目の前の膨らみから体温が伝わってくる。本当なら離れなきゃいけないはずなのに榛名の体から女性特有のいい匂いがして離れたくても離れられなかった。
「なんで金剛姉さまがこんなことになったのか、榛名にもわかりません。ですが、このままというわけにもいきません。ですので……知っている限りのことでいいので話してもらえますか?」
「………………」
コクリと頷くと榛名は髪を優しく撫でてくれる。髪を撫でてもらうのに慣れていたいのかちょっとくすぐったかったりする。なんでだろう……物凄く安心する。
安心して落ち着いたこともあって、そこからは少しずつだが話を始めた。自分が住んでいたところ、さっきまで何をしていたのか、なんで榛名達を知っているのか。ポツリ、ポツリと一言ずつゆっくりだが話を続けた。
どこか話をしていてどもったりすると、榛名が頭を撫でてあやしてくる。隣で同じく話を聞いている天龍は静かに話を聞いていた。時々、驚いた表情を見せるが特に突っ込んでくる様子もなく聞いていた。
――正直、意外だった。もっとこう……こんな突拍子もない話をして返ってくるリアクションって冷たかったりするもんじゃないのかな。榛名に関してはあっちでは男だって言ったんだが抱きしめるのをやめようとしない。そろそろ恥ずかしいと言っても離そうとしないし、そもそも恥ずかしくないんだろうか。天龍に関してはてっきり、有り得ないだの、何言ってんだコイツとかそんなこと言って来たりするのかと思えばいろんな表情をするものの真剣に話を聞いていた。
「――わかりました。あなたの話によると、ネットとやらで私たちの存在を知っていたと」
「あ、ああ……」
「それでこの鎮守府の提督だと言うんですね?」
「それはわからないけど、少なくともここの鎮守府の名前で俺は提督をしていたことは確かだ」
「それはねぇんじゃねぇか?」
今まで黙って聞いていた天龍がハッキリした声で俺のことを否定する。榛名もどこか言いたげな表情をしているが天龍の言葉に耳を傾けた。
「どういうことだ?」
「そのまんまの意味さ。確かに今まで話したことが本当ならでっち上げにしては不思議な点が多すぎるしな。俺達のことも少なからず知っているようだし。――けどな、仮にもお前がここの提督なら俺たちが会った提督は一体誰ってことになっちまう」
「えっと、つまり……」
「はい……ここにはいるのです。――既に別の提督が存在するのです」
「まさか……」
いや、有り得ない話じゃない。確かに俺はここの鎮守府の名前のサーバーでゲームを行っていた。けれど、そこにいるのは何十万人というユーザーの中の一人でしかないのだ。当然、似たような提督も存在するだろうし、そもそも俺にはここの提督だという証拠が何一つないのだから。
「だから、お前が言ってる話が嘘とまでは言わねぇよ。だけどよ、信じろって言われて信じるかっていうと……お前は信じられるか?」
「……そう、だよな」
そりゃそうだ。仮にも自分の家族が俺みたいな奴が出てきて同じようなことを言われても家族だから信じると言えれば苦労はしないだろう。今まさにそんな状況というわけか。天龍の言ってることは最もなことだ。何も間違っちゃいない。
「じゃあ、俺は――」
――一体、誰なんだ?
リハビリを兼ねて書いてみましたが結構文章が下手くそになっていて読者の皆さんには悪いと思っています。
それでも、応援していただけると嬉しかったりします。
更新速度は遅いとは思いますが、そんなに話も長くしないのでなるべく早くに投稿でいるように頑張ります。
ちなみに私が好きなキャラは金剛ちゃんと叢雲だったりします(笑)
ずば抜けてレベルが高いのもこの二人です。
では、また