―楓(フィア) side―
さて、私はいま死武専――の前にある巨大なとてつもなく長~い階段の前にいます。
「うん。相変わらずだけども、階段長いね~。はぁ…呪うぞ…」
おっと、また“呪うぞ”なんて言っちゃった。……どうやら、私は神様に転生したときこの姿に変えてもらえたのだが、もともと、アニメでも“呪うぞ”といった口癖を言っていた。その影響か、私はいつの間にかこの口癖が出てきていた。それに、お煎餅もとても美味しく感じてしまい、大好きだ。
そんな事を考えて歩いていると、ふとあることに気がついた。
「……私、能力で空飛べたよね。なんでいままで気がつかなかったのかな?」
そう、私の貰った特典の中の、東方の“程度の能力”で“空を飛ぶ程度の能力”があるのだ。
私はそう思い、そく実行した。
……ふわっ
私は宙に浮いて、そのままゆったりと階段の頂上まで飛んでいった。
しばらく飛んで、頂上までたどり着くと、そこにあった建物は死神様のドクロを形とったものがいっぱいある独特な感じの建物だ。……それが死武専だ。
「ふむ。いつみても、やっぱり変な建物だよね~。まぁ、死神様が作った建物みたいだし、変にもなるのかな?」
さて、こんなのんびりとしてられないね。さっさと死神様にご挨拶しなくちゃ。
――――――でも…
「……どこだっけ?」
あれ?……本当にどこだっけ~?
まぁ、とりあえず入ろう。
……さて、とりあえず入ったのはいいげどぉ~
「迷った…(泣)」
……もう、なんでこんなにも広いのさ…もともと過去に2回しかきたことがないのに、何処に行けばいいのさぁ~……グスン
「もぉ~……ここどこぉ~…」
いい加減泣くぞこのやろぉ~……
「グスン…あ!……ここにいるなら、死神様の気配を探してそれを追えば良いじゃんか…」
なんで今頃になって気がついたんだろう…。
「……はぁ、呪うぞ………まぁ、そうと決まれば即実行だね」
私は、死神様の気配を探した。……すると、死神様の気配を見つけたので、私はスキマの能力を使い直接死神様の所へと向かったのだった。
ブゥゥン!
「――やっほぉ~!死神様~♪来たよ~」
ヒュー………スタン…
私は空から落ちながら死神様の目の前に静かに綺麗に着地した。
「おぉ~、おっ久さしぶり~、楓ちゃん。や~っと来たのね~ん。待ちくたびれたよ~ん」
「死神様も相変わらずお元気そうで何よりだぞ!」
「私は元気だよ~。君のご両親は元気~?」
「いつも通り元気ですよ。そしてラブラブだぞ。いつも毎日が楽しそうで、見ているこっちも楽しくなるぞ!」
「そうかそうか~。相変わらずなんだね~あの二人は~。」
「はい、そうなのですよ。」
「いや~、そ~れにしても、君は何度みても女の子にしか見えないね~。最後に会った時よりも、可愛くなっているんじゃなぁ~い?君は本当に男の子なの~?」
「し、失礼な!!そんな事ないです!絶対にないです!! 私はちゃんと男の子です!……だって付いてるもん。」
死神様は私にたいしてとても失礼な事を言ってきた。…………確かにさ、確かに年齢を重ねる度に男らしくなると思ったら、更に美少女へとなっていってるよ?でもね、これでも、ちゃんと男の子なんだよ。……だって、ちゃんと“ピー”も付いてるもん!
「まぁ、そんなことはどうでもいいけどさ~。調子はどうだ~い?」
「調子…ですか?いつも通りですかね。つまり絶好調なのですよ!」
私がそう言うと、なんだか閃いた顔をした―――気がした。(だって、死神様の顔って表情の変化がないのですもの……)
そう言えば、ここに来てから全く入学の話をしないけれども、いつするのかな?
「ならさ~。ある生徒の補修を手伝ってくれるかい?」
……ん?
「補修…ですか?……誰です?その補修の対象って?」
「それはね~……」
ピロロンピロロン…
すると、突然鏡が波紋がうつように光だした。
「死神様~電話ですよ~。」
そう、死神様のお部屋の中にある大きな鏡は、世界中の鏡に繋がっており、“4242564”と鏡に書くとここの部屋にある鏡に繋がるのだ。
「じゃ~、隠れてますね?まだ学生じゃありませんし、この姿は目立つので~」
私はそう言い、空中に浮いた。すると、一人の生徒が入って来てたので、私は気配を完全に消して部屋の天井に逆さまに張りついて下を見ていた。
「ハロハロ、死神様。マカ・アルバーン、ソウルイーター、来ました。」
「入って来てもいいよ~。」
すると、遠くの方でまた誰かが入って来たようだ。
……それにしても、何故先に入ってきていた男子は鎖鎌を持ってあんな所にいるのだろう。
それにしても、なんで鳥居みたいな形のやつにギロチンが付いるのかな?
お?……なんか暗殺其の一とか叫びだした。いやいや、暗殺するならもっと気配と声を隠そうよ。……暗殺の意味ないじゃん。
……あ、やっぱりバレた。しかもなんか、俺がビックすぎてバレちまったぜなんて、おかしな事を言ってるし…。――まぁ、その本人が楽しそうならとやかく言うつもりはないかな?
しばらくして、男子二人と女子二人の計四人が死神様の前に立っていた。
「君たちはやってもらいたいことがあるのよ~」
「「「「なんですか?」」」」
「それは~――ほ・しゅ・う♪」
その言葉で大変あわてている四人。……それもそうだ。みんな補修を受けるなんて思っていなかったのだろう。とくに、マカ・アルバーンって言った少女はかなり慌てている。
「じゃ~、君たち職人のやる事は?~」
「はい。人の道から外れた鬼神の魂99個と1個の魔女の魂を回収して、死神様の武器 デスサイズを作ることです。」
「そうだね~。でも、君たちの集めた魂は0個じゃん?」
ガーーン!?
その一言で、ブラック☆スターという男子以外はみんな真っ白になってしまった。
そんなブラック☆スターは呑気にしていて、死神様のチョップをくらいピュ~っと血を噴いていた。
「で、君たちにやってもらいたい仕事は、シド先生の事なんだけど~」
どうやらいまから補修の内容を言うようだ。
「確かに、シド先生は生前はシブめないい先生だったんだけど~、ゾンビになって死の恐怖から解放された先生は生徒にも同じ経験をさせようとして、襲っているはた迷惑で自己満足な行動をしているわけなのよ~。
しかも、シド先生をゾンビ化して操っている人物が裏で糸をひいているのは確かだね~」
その言葉に、ブラック☆スターは復活してボコボコにすればいいんだろ!っと言って復活した。
「別に脅かす訳じゃないんだけど、もし、この補修を落とすようであれば、みんなで退学ね」
「「「た、退学ぅぅぅ!!?」」」
死神様の言葉に更に真っ白になるブラック☆スター以外のメンバー。ブラック☆スターは相変わらず呑気に笑っている。
「…………あぁ~、そうだ。もうひとつ言うのを忘れていたよ」
すると、死神様はまだあるようで、四人に話をしだした。
「これは、噂なんだけど、ここ近くにある呪われた武器がいるそうなんだ。」
なんだろう?その武器って――まさか!
「もしも、近くにいる場合もあるから、気をつけてね~」
すると、死神様が此方をチラッと見てきた。……なるほど、それがここにいる死武専の生徒の“補修”なのですね…
「それじゃ、失礼します…死神様……」
ズーンとしながら部屋を出ていく三人と最後まで元気だった一人。
私は天井から降りて死神様の前にきた。
「死神様、最後の話……私がそれの対象なのですね。」
「そうだよ~、因みに、シド先生もゾンビ化して操っているっていった人物も私が頼んだんだよ~。その人物は、シュタイン博士だよ~ん」
「……えぇ~、めんどくさい人が補修の対象ですね~」
「因にだけど、まだシュタイン博士には君の事は言ってないよ~。まぁ、彼の事だから自力で調べそうだけど~」
「まぁ、あの人は強いし賢いからね~。」
「そうだね~。それと、やっぱり今回は補修はいいよ。きっと彼等はシュタイン君とのバトルでボロボロになるだろ~しね~。あの子達の補修が終わったそれから、何かの仕事で、君と戦わせる事にするけれど~、頼めるかぁ~い?」
死神様が、そう聞いてきた。
「それは勿論―――よろこんで♪」
ブオォォン!
私はスキマを開いた。
「それでは、また後で死神様~!……あ、そうだ。なんかまた一人ここの部屋に入って来たようだよ?気配的には貴方に似ているね。それじゃ~ね~」
ブゥン!
私はスキマの中に入り消えたのだった。
―side out―
―死神 side―
「それじゃ~ね~」
ブゥン!
私の目の前で、少女のような少年がスキマというものに入り消えた。
「相変わらず、常識はずれの力だね~。……まぁ、あの二人の息子?だから仕方がないのかな?」
そんな事を思いながら、先程までいた少年…フィアを思うのだった。
―side out―
―楓 side―
さて、ここは何処だろう?……何処かの研究所?――むぅ~、わかんないなぁ~。
カツカツカツ…
おや?どおやらお客さんの様だ。……足音は~四人だね…。
私は近くの森に避難して、そこにある一番大きな木上から千里眼で見ていた。
どおやら、やって来たのは補修組の四人だ。……シド先生と思われしゾンビが縄を巻かれて縛られていた。
「ここが、シュタインとかいう奴の住居か!」
ブラック☆スターが叫んでいた。
四人がなにかを話していたら………
ガラガラガラ――
なにかが転がってくる音が、研究所の入り口から聞こえてくる。
ゴクリと飲むかんじがここからでも千里眼で見える。それほど緊張が高まっている様だ…。
そして…
ガンっ!
「あいて!?」
出てきたのはシュタイン博士。……しかし、コロコロの椅子で来たのはいいが、入り口の手前で転けて盛大に頭から落ちた。――とても痛そうだ…
また、同じことを挑戦していたが、結果は同じことだった。
そのあと、シュタインは四人に向かい合うようにしていた。
さて、そろそろ戦闘開始となるのかな?
「君たちの魂の波長は随分と安定してませんね。片方は捻くれ者で皮肉な魂で真面目で頑張りやさんな魂、共鳴しているようでしていない」
「なに?生き物の魂が見えるのか?」
「しかも、魂の性質まで見えるなんて、超一流の職人よ」
シュタイン博士はああ見えても、最強の天才 武器職人だからね~。その程度の事は、朝飯前ですから。
それにしても、先程喋った、マカ・アルバーンとソウルイーターの二人は改めて見ると、随分と面白い魂ですね。――それに、彼ら四人には、とても大きな“運命”を背負っているようだ…
「俺は俺の魂が見えていたらそれでいい!!」
バンッ!
「はっはっはっはっ!君はスゴいな~、物凄く自己主張の激しい魂だ。……君の魂にあうパートナーはいないんじゃない?」
私が深く考えていたうちに、話が進んでいたようだ。
「ひゃっはー!!」
ブラック☆スターがシュタイン博士に突っ込んだ。
ドンッ!ドンッ!ガンっ!!
ブラック☆スターは攻撃するが、シュタイン博士はコロコロの椅子に座ったままブラック☆スターを殴り飛ばした。
「ブラック☆スター!?」
すると、一人のポニーテールの女子が叫ぶ。
「……おや?はは、なるほど。君が彼の武器か…。君の魂は人を受け入れる器がとても大きい。君が彼の魂の波長に合わしているのか…。」
シュタインがまた魂を見破った。
「誰だお前…」
ソウルイーターがシュタイン博士に聞いた。
「さ~てね。データーは取れたし…実験の開始と行きますか…。」
シュタインは不気味な笑みを浮かべながらそう言いはなつ。
そこに、マカ・アルバーンと鎌に変身したソウルイーターがシュタインに突撃する。
「鎌職人のマカ……鎌職人のマカ……」
そう呟きながらも椅子に座った状態で鎌の攻撃を避けるシュタイン。
後ろからブラック☆スターが攻撃しようとしたが、その前に後ろ頭で顔に頭突きをさせる。
「鎌職人のマカ……何処かで聞いたことが――――」
「あっ!きみ、スピリット先輩の娘さんですか?……」
そんな話をしながらも、また更に不気味に微笑むシュタイン博士。
すると、シュタイン博士が椅子に座ったままマカの方へと走る速さで椅子を動かした。
「マカ、ただの掌底だ。防御するぞ!」
「えぇ、わかってる!」
ガンっ! グッ、バチン!
「ぐはぁっ!?」
「きゃっ!?」
マカはシュタインの掌底を防ぐが何かに弾き飛ばされた。
「あぁ~、シュタインの掌底はただの衝撃じゃないのに。あの人は、魂の波長を直接相手に撃ち込むことができる、天才なんだよね~。
普通なら、武器に物理的な攻撃は勿論のこと、魂の波長を増幅してぶつけるもの。けれど、シュタインは武器を使わずに、魂の波長を直接相手に撃ち込むことができるんだよ。それにより、相手の内側に攻撃を通すことができるんだよね~。……まぁ、それぐらいなら私もできるけれどね。」
そんな事を思っていたら――――
「メガネかち割るぞお前ぇぇ!!俺様を無視するなよ!!」
「無駄だよ」
ブラック☆スターが椅子からたったシュタインに突撃した。
てかいつのまにマカは捕まっていたの?
「魂に直接、波長を撃ち込めるのがお前だけだと思うなよ!!」
「必殺!黒星ビックウェーブ!!」
ズドンっ! ゴゥ!!
ブラック☆スターが肘打ちの要領で、馬鹿げた魂の波長をシュタインにぶつけた。
シュタインの魂の波長によりできる物は、電撃の様な黄色でバチバチとしているが、ブラック☆スターのは最早ドーム状になって爆発した様な感じになっていた。
「あのブラック☆スターとかいった男子。桁外れな魂の要領を持っていて、更に魂の波長を撃ち込むことに関しては天才の様だね。でも――」
相手が悪かったね…
「これは驚いた。」
シュタインとブラック☆スターにはとても大きな差がある。
それは―――キャリア…つまり経験だ。
ブラック☆スターがシュタインの背後をとって馬鹿げた魂の波長をぶつけたのはいいけれど、それぐらいなら相殺できる。
「君の魂の性質はチェックしました。魂の波長さえ分かれば僕の方で合わすことができる。同じ魂の波長が重なれば、攻撃力はゼロになり、なんのダメージもない。君が俺に魂の波長をぶつけた瞬間合わせた。いわば、君と俺は武器と職人の関係になったのさ。」
シュタインの魂は観察・対応・柔軟性に優れた魂。それこそ、シュタインの強みなのだ。
「今度はこっちからいかせてもらいますよ…」
ダッ!タッタッタッタッ!!
シュタインがブラック☆スターに向かって走りだし、両手をブラック☆スターの頭の左右に離れて挟むように手を向けると――
バリバリバリバリ!!!!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
先程よりも強力な魂の波長を頭から流すシュタイン。
ここからでも、かなり強力なものだとわかる。
「ブラック☆スター!!」
「やめろぉぉぉ!!」
仲間が叫ぶがシュタインはその手を止めない。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ――――……」
バリバリ――シュン…
シュ~……ドシャッ!
ブラック☆スターは血を吐きながら、地面に後ろ向きで倒れた。
「ブラック☆スター…」
急いで側によったソウルはブラック☆スターを眺めていた。
ギコ…ギコ…ギコ……
シュタインは頭に付いているネジを回して突っ立っている。
そういえば、シュタインの頭のネジってどうなっているんだろうね?……フランケンシュタインみたいな感じなのかな?……あの頭のネジって…
シド先生を捕まえていたブラック☆スターの武器、椿の方を見るとかなり狼狽していた。
「椿、俺は逃げも隠れもしない男だった。だから行ってやれ…」
シド先生は逃げないから行ってこいと椿に言った。椿はそれに返事して、ブラック☆スターに急いで駆け寄った。
「シュタイン、てめぇー、許さねぇ!マカ、行くぞ!」
ソウルがマカに言うが、マカは目を見開いて固まっていた。
「うそ…」
へなへなへな………トサ…
マカは腰を抜かしたように、へなへなへなと落ちていき、座った。
「ぁ?どうした!!」
「――見えちゃった…」
――――!……へぇ、魂をその歳で見れるようになったんだ。流石、最強のデスサイズの娘ですね~。
「どうやら魂が見えたようだね…」
シュタインも、不適な笑みでマカを見ていた。
「うそ、レベルが違いすぎる」
マカはまるで絶望しきった顔をしていた。
「無理…勝てない…」
マカは顔を伏せてしまった。
「どうした、何やってんだよ!確りしろぉ!」
ソウルがマカの肩を掴むが…
バシンッ!
マカがその手を振り払った。
「うるさい!ソウルには魂が見えないからそんな事を言ってるのよ!!」
「それがなんだって言うんだよ!お前が見えたのはただの魂だろ!?未来が見えた訳じゃねぇ!戦う前から諦めてどうするんだよ!
お前は俺を最強のデスサイズにするんだろ!女ったらしのエロ親父をギャフンといわせるんだろ!顔を上げろいま、俺が喋ってるんだ!!」
ソウルの言葉に反応して、顔を上げるマカ・アルバーン。
「アイツを見てみろよ…」
ソウルがシュタインの方を見ながらマカにそう言う。
「あいつはお前がグズグズしてんのに、待ってくれてるんだ。結構いいやつじゃねぇ~かよ」
すると、マカはソウルの顔を見る。そして、二人で少し笑いあった。
「よし、クールに行こうぜ?」
マカは立ち上がる。
「ごめんソウル。手間かけさせた。」
「あいよ!」
ピカッ!
ソウルイーターが鎌になり、マカがそれを掴む。
ビュンビュンビュンビュンビュン…
チャキィィン!
「「魂の共鳴!!」」
魂の共鳴…職人が武器に魂の波長を送り、それを武器が増幅させまた職人に波長を送り返す。それによって強大な魂の波長を生み出すことができる。
「「うおおおおおおおお!!!」」
「限界まで共鳴させるぞ!」
「うん!」
――――っ!?へぇ~…あの二人………
「一撃にかけるつもりだね?」
「「おおおおおおおおお!!!!」」
「こい!お前らの魂見せてみろ!」
シュタインがマカとソウルに向かって叫ぶ。
「鎌職人、伝統の大技!」
マカの鎌が魂の波長で三日月型の形に変わった
「魔女狩りぃぃぃ!」
ガガガガガガガガガ――ガンっ!!
魔女狩りをシュタインが両手で白刃取りの様にして止めた。
「驚いた…、魔女狩りをここまで制御できるなんて……」
「うあぁぁぁぁ!!」
パキンッ
シュタインのメガネに罅が入る。
「しかし、まだ荒い!!」
パキャァァン!!
「うぁっ!」
ドサッ…カラン、カランカラン…
マカとソウルはシュタインが魔女狩りを魂の波長を撃ち込み、力でねじ伏せたため、その衝撃により吹っ飛んだ。
マカの呼吸は荒く、とてもボロボロだ。
コツ…コツ…コツン
シュタインが倒れて動けないマカにゆっくりと近づいていく。
「辛うじて意識はあるようだね……ん?」
すると、倒れているマカを庇うように人間に戻ったソウルがシュタインを睨む。
「俺の職人に手出しはさせねぇ!」
「それでは君から……」
そういいながら、シュタインがソウルの頭に手を伸ばして―――
「合格点をあげましょう」
「「え?」」
その言葉に、驚いて固まるマカとソウル。
「補修授業お終いでーす。」
「え?」
また、ソウルがシュタインに意味がわからないといった視線を向ける。
「職人を身をていして守るなんて…良いですね~」
「あの、もう一度言うけど……え?」
また、ソウルがシュタインに聞く。
「いやね~、頼まれたんですよ。死神様に。君たちの補修をやってくれって…」
「でも、ブラック☆スター殺したじゃん!」
ソウルが椿に膝枕されながら倒れているブラック☆スターに指を指す…
「面白いこと言うなおめー…」
だが、ブラック☆スターはそれに反応して返した。
「……生きてる」
なかなか、酷いことを言うソウル。まぁ、端から見れば殺した様にも見えますしね…しかたがないっちゃしかたがないんだけれども…。
「じゃー、シド先生は!?」
「いや~、わるかったな、お前ら。俺は人を騙さない男だったんだが~…それも生前の話だ」
シド先生は汗を一粒流しながら困った様にそう言った。
「ふざけんな!なんだこのクソ話は!全部ドッキリかよぉぉぉぉぉ!!!」
ソウルが空に向かって叫んだ。
「……うぅ~…そんなぁ~…」
倒れているマカは泣いていた。
「ふふふ、それにしても、チビッ子をド突き回すのは楽しかったね~♪」
『サズスティックなのは本物か!?』
その場にいた者はみんな顔をヒクヒクさせながら、そう思ったのだった。
クルクルクル!ガッ!
シュタインがいきなり椅子を座ったまま回して急に止まった。
「さぁ、みんな。今日は疲れたろ?遠慮なく泊まっていきなさぁーい!」
「「「絶対嫌だ!」」」
全員同時にそう叫び、椿は苦笑していた。
――――ふぅ…、それにしても、今日のうちに補修をしようとしたけれど、止めておこうかな?
……どうせ、死神様は鏡でこの場を見ているんだろうし、今日はもう大丈夫でしょうね。
「なら、帰ろうかな…」
ブゥゥン!
私はスキマを開き、また死神様の所に戻るのだった。
―side out―
―死神 side―
「それにしても、強くなったねぇ~」
私は、四人の補修を見ながらそう呟いた。
前まで、私の息子が見ていたのだが、助けに行くと言ってから、結局助けに行けなかったようだ。おそらく、また何処かで鬱になっているのだろう。
スタン…
「死神様~、戻って来ましたよ~」
どおやら、もう一人の補修を頼んだ人物…フィアちゃんが帰ってきたようだ。フィアちゃんは随分前に彼処に行ってから、ずっと様子を何処かで見ていたんだろう。
「やぁ~やぁ~、お疲れさぁ~ん!見ていてどうだった~?」
「死神様?見ていたならわかると思いますが、私は全く動いていないので疲れてませんよ?
まぁ、感想を言うなら、才能はありますが、まだまだ弱く、実力不足で青二才って所ですかね~。でも、四人とも凄く才能はありますね。――それに、大きな運命もね…」
大きな運命……確か、この子の能力の一つに運命を見る能力があったね~。
「運命を見たのかい?」
私が聞くと、フィアちゃんが頷いた。
「はい。断片的ですが、取り合えずわかったのは、これからとても大きな運命に巻き込まれるってのが視えました。それも、世界を巻き込むほどのね…」
「世界を巻き込むほどね~……それは、どういくことだい?」
私が質問をしたが、申し訳なさそうな顔をしてしまった。
「すみません。いくらこの運命を見る程度能力でも、私の実力がまだ不十分のせいで、そこまではわかりませんでした…」
シュン…となったフィアちゃんは可愛いなぁ~っと思ってしまった私は悪くないと思う。
「いいよいいよ~。そんだけでも視えただけでも凄いと思うからね~。それでも納得がいかないのなら、ここで学生生活をして頑張っていくといいよ~。君のご両親みたいにね~。」
私がそう言うと、顔を明るくして、やる気に満ちた瞳をしていた。
「はい!わかりました!こんな所でくよくよしていられませんね。お父様とお母様みたいな武器職人と武器になるため、私もこれからここで頑張って学ばさせてもらいます。
死神様。これからよろしくお願いしますね♪」
フィアちゃんの笑顔はとても眩しかった。
「うんうん。頑張ってちょ~!」
私はそんなフィアちゃんを応援することにした。
「そうだフィアちゃん。ここでは99個の鬼神の卵の魂と1個の魔女の魂を回収して私の専用武器となるデスサイズにするんだけれど、君は既に実力や魂の数がデスサイズ並にあるから、君はこれからも、自分の意思で好きなようにしてきなよ。でも、あまり魂は刈りすぎないでね?生徒たちのものが無くなっちゃうからさ~」
そう、この子は既にデスサイズと同じ……いや、それ以上の力があるのだ。本人は自覚がないようだけども、それぐらいの実力は既に持っている。しかし、この子が目指している二人…つまり両親は、私達――死神八人衆をも越える武器職人と武器だから、そうとう頂にいるのだ。
彼らがいなければ、世界は狂気に包まれていただろう。彼らは私たちにとっても英雄なのだ。
しかし、彼らは表舞台には滅多に出なかった。それはなぜか?――理由は簡単だ…彼らが目立つのを嫌ったからだ。まぁ、どちらにせよ、鬼神に関しては、一般市民や死武専の生徒や先生には知らない人が殆どだ…。むしろ、知っている人物の方が少ない。
「わかってますよ。それぐらいね。流石にここの生徒たちの迷惑にはしませんよ。……ですが、いくらなんでも、全て狩り尽くすのは不可能ですよ。人間に恐怖や狂気、不安や怒り、憎しみに悲しみ…といった負の感情や汚い欲望があるかぎり、人から外れた魂が無くなることなんてありませんからね~。……でなければ、このような呪われた武具が存在するわけありませんもの…」
フィアちゃんは少し悲しそうにしながらそう言った。……確かにフィアちゃんの言う通り人間に負の感情や強欲があるかぎり、鬼神の卵の魂が無くなることがない。
「まぁ、フィアちゃんの言う通り無くなることはないけれども、それでもね~。まぁ、わかっているならこれ以上言わないけどね~。」
「はい。わかっていますよ。……あ、それではこれで失礼しますね?死神様。それでは~……あっととと、今回の補修の件ですがまた今度でお願いしますね。また、なにかクエスト的なものですればいいですよ?それぐらいなのでそれではさようならです」
ブゥゥン!
フィアちゃんがスキマを使い、そのまま帰ってしまった。
確かに、クエスト式なら簡単に彼らをフィアちゃんにぶつけることができる。
彼らには、これからの為にも、フィアちゃんと戦って少しでも実力をつけてもらいたいね。
……さて、どんなクエストにしようかな?
―side out―
こんなものかな?……てか、頑張りすぎたね~。10000字をこえちゃったよ~。ははははは…。
さて、次はどんな話にしようかなぁ~……