ソウルイーター~呪われし武具は狂気を超える~   作:三元新

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今回はオリジナル回です。それではどうぞ!


3話 マカ&ソウルVS箱型の恐禍(フィア・イン・キューブ)

―マカ・アルバーン side―

 

私の名前はマカ・アルバーン。死武専に所属している13才の女の子。相棒は鎌の“ソウル=イーター”。つまり、私は鎌職人なの。私の父は死神様の武器デスサイズで、母は父をデスサイズにしたんだけども、父の浮気性が酷くて離婚。私の親権は母になっているの。

 

さて、私の自己紹介は終わった所でいまの話をするね?

 

 いま、私達は死神様に呼ばれてデスルームにいるの。メンバーは、私にソウル、ブラック☆スターに椿ちゃん、デス・ザ・キッドにトンプソン姉妹の3組が来ているの。

 

―――あ、そういえばここまでの経由を話していなかったね。なぜ、このメンバーなのかというと……

 

私達は死神様の補習を受けたあと、シュタイン博士が私達のクラスの先生になり、その数日後、死神様の息子―デス・ザ・キッドが死武専の生徒になって、ソウルとブラック☆スターがデス・ザ・キッド君と戦って敗北した。――それから、三日後の今日、突然このメンバーが死神様に呼ばれたんだよ。

 

「なぁ、マカ。なんで俺達呼ばれたんだよ…。まさか、また補習とか言うんじゃないだろうな…」

 

私の隣を歩いているソウルが質問してきた。

 

「それはないと思うよ?だって、私達の補習はあれが最後だって死神様が言ってたし。それに、今回は本当に急な呼び出しだから、もしかしたら何か大切なお仕事をするのかもしれないよ?」

 

「なるほどな…。確かに、前みたいな感じじゃなかったからな。今日のシュタイン博士もなんかピリピリとしてたし」

 

……そう、何故か、いつもニコニコとおかしな解剖ばかりしているシュタイン博士が、今日は私達を死神様の所へ行ってこい…と言ってから今日の授業はナシだと言って何処かにいってしまった。

 

「まぁ、あいつの考えている事なんてわかるはずがないからな。正直どうでもいいが、早く終わらせたいものだ…」

 

そんな事を話しているうちに私達は死神様のいるデスルームについた。

 

「死神様、マカ・アルバーン以下7名来ました。」

 

私達はデスルームに入った。暫くギロチンの下を歩いていると、死神様のいる広場にきた。そこには大きな鏡があり、そこには死神様とお父さんのスピリット=アルバーン、そしてシュタイン博士の三人がそろっていた。

 

そんなメンバーに私達はスゴく驚いていた。

 

「やぁ~やぁ~、みなさぁ~ん。や~っときたんだねぇ~。」

 

死神様が私達に向かっていつものしゃべり方で話してきた。

 

「死神様、今回は何故呼ばれたのですか?」

 

すると、死神様が少しの間黙った。

 

「実はね~、君たちにある仕事をしてほしいのよ~。」

 

「仕事…ですか?」

 

「そう、実はね~。君達には、とある人物の魂を刈ってほしいのよぉ~。」

 

ある人物の魂…

 

「その人物はねぇ~。ほら、マカちゃん達の補修の時に、“呪われた武器がいるから気をつけてね~”なんていってたでしょ~?」

 

…………そう言えば、言ってたような~言ってなかったような~?

 

「で~、その人物の特徴なんだけれども~、水色の髪に血のような赤い瞳をもった、武器なのよ。でもねぇ~、その人物はあまりにも多くの人の魂を、鬼神の魂や善人の魂関係なく奪ってきたせいで、この世で最も鬼神に近い人物だと言われているのよぉ~。だからさぁ~、君達にはこの人物を速急に速やかに狩ってほしいのよぉ~。」

 

――そ、そんな人物がいるんだ…。でもまって――

 

「あの、死神様。何故そんな危険な人物を私達が?……それなら、確実にシュタイン博士や他の三ツ星武器職人の人達の方が―――」

 

私が言う前に、死神様が話をする。

 

「それはねぇ~、シュタイン君には別の仕事があるのよぉ~。他の、三ツ星武器職人の人達にも同様の仕事があって、動けるのが死武専の生徒だけなのねぇ~、それで~、その中でも優秀な君たちに頼みたいと思ってねぇ~。やれるかぁ~い?」

 

死神様の言葉に私達は強く頷いた。

 

「はい!そのお仕事、私達が引き受けます!」

 

「だな、COOLにその魂を刈ってきてやるぜ、死神のおっさん」

 

「ヒャァッハァァァ!この俺様よりも上の奴なんて存在しないぃ!! そんな奴なんか、このビックな俺様が狩って死神の旦那に渡してやるぜぇ~!ひゃっはははは!」

 

「頑張ろうね。ブラック☆スター」

 

「ふむ、父上の直接の依頼だ。キッチリカッチリ、その任務を遂行しようでわないか」

 

「はぁ~、大丈夫なのか?このメンバー」

 

「あははは!大丈夫なわけないじゃぁ~ん、お姉ちゃ~ん♪」

 

それぞれが、思い思いの感想をいった。

 

「それじゃぁ~、がぁ~んばってねぇ~!あ、そうだぁ~、ここの町に現れたと情報が出てきたからさぁ~、その町に行ってみなよぉ~。何か情報が得られるかもしれないからさぁ~」

 

「はい、死神様。それでは、行ってきます!」

 

こうして、私達は鬼神狩りに出かけるのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

あれから、死神様に貰った地図を頼りにその鬼神の魂を持つ武器がいると言われる町に私達はきた。

 

「へぇ~、ここが“イズモシティー”なのか。……随分とおかしな建物が多いいな。……これは日本の村の様な町だな」

 

ソウルの言葉に私は頷いた。

 

「そうね、どうやら死神様から貰った地図によると、この町は日本からきた人が建てた町らしいよ?……なんでも、その時の風習がありこのような日本の和式の建物が多く残っているみたいね。」

 

そんなどうこうしているうちに、どうやら私達は異空間の様な世界にでものみこまれてしまったようだ。

 

何故ならそれほどまでに、淀んだ重い空気と紫色の空が不気味に輝いていたのだから

 

「な、なに!?なにがおきたの!」

 

私が叫ぶと――

 

カラン…コロン…カラン…コロン…カラン…コロン

 

――と、下駄の様な足音が聞こえてきた。

 

私達は足音のする方へと視線を向けた。するとそこには―――――

 

 少女がいた…

 

その少女は、キラキラとした輝く水色の長い髪を靡かせ、瞳は血よりも赤い…紅い瞳をしていた。

 

「……あなた達は…だれ?」

 

少女が私達に向かって聞いてくる。

 

「俺達はぁ~、お前の魂を狩りにきた奴だぜ!!椿、モード鎖鎌!」

 

「はい!」

 

ジャラン。

 

ブラック☆スターが叫ぶと椿ちゃんが二刀の鎌に鎖が付いた鎖鎌になった。

 

「先手必勝!」

 

ブラック☆スターが少女に向かって跳んだ。

 

ドンッ! ズガァァァン!!!

 

少女はブラック☆スターに蹴り飛ばされ、近くの家に突っ込んだ。木で出来た家だったので、そのまま家は崩れ落ちたのだ。

 

「ちょっ!ブラック☆スター!いきなり何をしてるのよ!もしも、いまの女の子がここに住む人だったら――」

 

「いや、彼女は恐らく父上の言ってた人物だろう」

 

私が言い切る前にキッド君に被された。

 

「どうして?」

 

「さっき……、彼女はブラック☆スターが蹴り込む瞬間、少し後ろに飛んで蹴りの威力を軽減したからな。……少なくても、いまのブラック☆スターの一撃は本気だった。いまの蹴りはまともにくらえば只ではおかないはず。でも、彼女は平気なようだ」

 

ドゴォン!!

 

すると、崩れ落ちた家が吹き飛び、中からさっき蹴り飛ばされた少女が“無傷”で立っていた。

 

「あの少女。いまの攻撃を交わしたとはいえ無傷だとは。……これは、俺達も真面目にした方がいいようだな。いくぞ、リズ・パティ!」

 

「おう」

「あはは♪」

 

キッド君が叫び、リズ・パティの二人が2丁拳銃になって、キッド君が器用に拳銃を逆さまにして持つ。

 

「私達もいくよ!ソウル!」

 

「おう!いつでもいいぜ、マカ!」

 

私はソウルの手をとり、ソウルが鎌に変身して私は鎌を器用にクルクル回して両手で持つ。

 

「さぁ、お前の魂――いただくよ!」

 

これで私達の完全な戦闘準備が整った。

 

「………………君たちは…職人?……そして、死武専の生徒?…………へぇ~、そうなのかぁ~…フフフ」

 

すると、目の前にいる少女が不気味に笑いだした。

 

「……そっか、そっかぁ~。死武専の生徒なんだね~。なら、私の魂を狩りにきたのかな?かな?…………随分と嘗められたものだよね~…」

 

すると、空気が突然重くなった。

 

「……あ、そういえばまだ自己紹介をしていなかったよね…。私の名前は“フィア・イン・キューブ”ただの武器です…よろしくね?そして―――あなた達のお名前は…なに?」

 

少女…フィアが私達に問いかけてきた。

 

「―――私の名前はマカ・アルバーン。武器は鎌の“ソウル=イーター”で、鎌職人よ!」

 

「俺様の名前はブラック☆スター!神を越える男だ!!武器は椿だ!――そして、いまからお前の魂を狩る男だ。覚えてろ!」

 

「俺の名前はデス・ザ・キッド。相棒はリズとパティの2丁拳銃だ。それに俺は死武専を作った死神の息子でもある。覚えていろ」

 

私達が名乗ると、フィアという少女は何処か満足げにしていた。

 

「……そう。わかった、覚えておく。……それでは早く始めよう?―――魂の狩り合いをね♪」

 

フィアの言葉と同時に、私達の戦いが始まった。

 

――――――――――――――――――――――

ここはデスルーム…。その場所には三人の人物?がいた。

 

そう、死神・シュタイン・スピリットの三人だ。

 

「死神様。………あの子達は彼女――いえ、彼相手に勝てるのでしょうか…」

 

シュタインが死神に問う。

 

「んん~とねぇ……。まぁ、無理だろ~ね~。彼――“姫神 楓”こと“フィア”ちゃんは私が知るなかでも最強の二人の間に産まれた子供…。そんな二人を超えようと日々頑張っている、とぉ~ても明るくて優しくて、心の強い子だよぉ~。

 そんな彼はねぇ~、私が知るなかでも特に強い武器職人 兼 武器の子供だよぉ~。君達にもいま初めて言うけどさぁ~、彼…既にデスサイズと同レベルの強さを持っているよぉ~」

 

死神の言葉に驚くシュタイン。シュタインも何度か死神と一緒にフィアに会っているためある程度は知っていたのだが、そこまで強いとは正直思っていなかったのだ。―――だが、シュタインともあろう者がなぜフィアの実力を見切る事ができなかったのか…。それはその筈……フィアは自分で自分の“魂の実力”を偽装することができるからだ。それにより、その容姿も合って、弱く見えるのだ。そこため、武器職人として天才のシュタインでさえも、フィアは騙す事ができるのだ。

 

そんな二人の会話に入れていない男が一人………いや、入れないのではない―――そもそも入ってすらいないのだ。

 

「マガァァァ!そんな奴に負けるなぁぁ!!そのまま魂を狩ってしまえぇぇぇ!!」

 

涙を大量に流しながらも呪詛の様にデスルームにある大きな鏡に写る、マカ達とフィアの戦いを見ているこの男――名前はスピリット=アルバーン。死神様の武器である“デスサイズ”。その中でも“最強のデスサイズ”と呼ばれている。

――そして、マカ・アルバーンの実の父親である。

 

「君は少し煩いよ、黙ってなさい」

 

死神はスピリットに注意をするが………

 

「だっでぇ~、うちのマカが傷物にざれぢまうんでずよおぉぉぉ!!」

 

「……………」スッ…

 

ドンッ!――シュゥゥゥ…

 

「あんまり煩いと、脳天直撃 死神チョップをくらわすよぉ~?」

 

「くらわす前に言ってください…」

 

スピリットは死神の直伝 死神チョップにより沈んだ。

 

実は、このスピリット=アルバーン。この人も何度かフィアに会っているのだ。デスサイズは基本的に死神の近くにいる。他にもデスサイズはいるが、各支部にいるために死武専にいるのはこの人物だけだ。

 そのため、何度かフィアとも会っていてスピリット本人もフィアの事は好きなのだが…、等のフィア本人はスピリットを避けている。何故かというのは、スピリット本人に影響がある。この男はとても女好きで浮気性だ。そのため、マカの母である人と離婚をしている程だ。その性格のせいで娘のマカに嫌われている。

 そして、フィアは前にも話したがとても純粋だ。そのためか、かなり人の感覚には敏感で、特に邪な考えを持つ人間に関してはかなり敏感である。そのためその中に入っていたスピリットを避けているのだ。

 そしてもうひとつ避けている理由があり、それは過去にフィアは母親である“姫神 桜”と死神に会いに死武専に遊びに来ていたのだ。その時のフィアはまだ5歳――そう、まだスピリットが奥さんと別れておらず、娘のマカに好かれていた時期だ。

 そんなときに遊びに来ていた二人の親子。デスルームには、死神とスピリットとシュタインの三人がいた。その時に、三人に挨拶をした桜が、スピリットに口説かれていたのをフィアは母親と手を繋いでいたため隣で見ていたのだ。勿論、確りと自我があるので、何を言っているのかはわかっていないが“口説いている”という事はわかっていたのだ。

 それを確りと覚えているため、これを踏まえてフィアはスピリットを故意的に避けるのだ。

 

そんなスピリットを余所に死神とシュタインは鏡に写る、3組の武器職人とフィアの戦いをマジマジと見ていた。

 

「フィアちゃんに頼んであの3組と戦ってもらっているけれど、彼らは何処までフィアちゃんに対抗できるのかねぇ~」

 

「彼らなら、大丈夫でしょう。マカやブラック☆スター…それにキッド君もみんな才能が溢れている。勝てなくても、良いところまではいくでしょう」

 

死神の言葉に返したシュタイン。死神とシュタインはお互い見たあと、小さく微笑んだ。……死神はわからないが…

 

「まぁ~、あの子達には今後の為にも頑張ってもらわなくちゃいけないからねぇ~。頑張ってねぇ~」

 

「そうですね。彼らはきっと頑張ってくれるでしょう。僕と戦った時のようにね…」

 

フィアと真剣に戦っているマカ達を見ながら、二人は真面目に見ていたのだった

 

――――――――――――――――――――――

―マカ side―

 

あれから何分たったんだろう…。

 

いま、私達は其々の武器を持って目の前にいる人物と戦っているのだが、一向に武器を当てることすら出来ていない。全ての私達の攻撃が“素手”で防がれているからだ。

 

私が鎌を降り下ろせば器用に手で反らしながら避けて、ブラック☆スターが鎖鎌で連撃を繰り出せば手で鎖鎌を弾きながら攻撃をいなす。更にキッド君が2丁拳銃で連射すれば、まるで優雅に舞う舞姫の様に綺麗に避けていく。さっきからそればかりだ…。フィアは武器をひとつも使わず素手で私達と戦って―――いや、遊んでいた。

 

『くっそ!なんだコイツ!俺達の攻撃があたらねぇ!』

 

鎌に変身しているソウルが悪態をついた。

 

「ほんと、なんでこんなに上手いのよ。……私達の攻撃がまったくあたらない」

 

なんでこんなにできるの?――これが、鬼神にもっとも近い存在だというの…

 

魂の形が“見えない”し、こんなの初めでたよ…

 

「くそぉ~!なんであたらねぇ~んだ!いいかげんあたりやがれ!」

 

『落ち着いて、ブラック☆スター!必ず勝機があるは、それまで落ち着いて』

 

「そうだ、椿の言う通り、どんな事にも必ず隙が生まれる。その隙が生まれた瞬間こそ俺達の勝機だ。それまで我慢だ」

 

ブラック☆スターを椿ちゃんとキッド君が止めていた。そんな二人の姿をじっと見ていたフィアが口を開く。

 

「……隙――それは弱者が生むもの………どんなに強いと自慢する者でもひとつの隙で自分よりも弱い者に負ける………でもそれは、その者が慢心したから………慢心は本当の強者がするものではない………それは強者の皮を被った弱者である…………真の強者と呼ばれる者は慢心などしない。…………慢心は己の心と身体を弱くする………慢心はバカのすることだから………慢心することにより、自分の限界を付けて…それ以上強くなることをしない………だから、弱いまま…だから負ける………真の強者は限界を付けない………だから…いつまでも限界を超えていき…更に強くなる………故に…隙も生まれない………逆に自らわざと隙を作り、それを突こうとした弱者を返り討ちにする………それ故に、常に強者でい続ける。

 ……君たちは、どちらの人間なの…かな?」

 

またフィアは不思議そうに私達を見ていた。

 

「…………まぁ、いいや…興味ないから……………さぁ、続きしよ?……もっと―――もっと楽しませてよ!♪」

 

ヒュンッ!

 

突然フィアのスピードが上がり消えた。

 

「遅いの!」

 

「なっ――」

 

ガンッ!

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

私は飛ばされた。

 

―side out―

 

 

―無 side―

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

ズガァァァン…

 

「マカッ!――くそが!」

 

マカが飛ばされ激昂するブラック☆スター。

 

ブラック☆スターは鎖鎌を持ってフィアに向かって走る。

 

しかし、フィアはブラック☆スターを見ながらも不気味に微笑んだ。

 

「……ブラック☆スター?――遅いね♪」

 

――フッ

 

また消えるフィア。

 

だが、ブラック☆スターは慌てず回りを見て……

 

スッ――ガキィン!

 

「――へぇ~……気づいたんだ~」

 

ブラック☆スターはフィアの背後からの攻撃をなんなくと止めた。

 

「あたり前だ!このブラック☆スターがお前のようなちんけな気配を辿れないわけが―――」

 

ブラック☆スターが後ろを向きながら一瞬で背後にいたフィアを切り裂くが………

 

「わけが……なに?」

 

だが、ブラック☆スターが切ったものはただの丸太だった。

 

「なn――」

 

ズドン! ドカァァン!!

 

ブラック☆スターは言い切る前にフィアに蹴り飛ばされた…。この間の攻撃速度は僅か3秒。フィアがブラック☆スターの背後からブラック☆スターを蹴り飛ばすまでの時間だ…

 たったの3秒でブラック☆スターは負けたのだ。

 

「…………あとは、貴方だけ……」

 

フィアは最後に残ったキッドに向かい合って、指を指した。

 

そんな様子に顔には出していないが、内心凄く慌てているキッド…

 

「(な…なんだあいつは!あのブラック☆スターにマカがこうもアッサリとやられるなんて………しかも、ただの素手でここまでやれるのか!――もしも、武器を持ったらどれほどまでに強くなるのだ…)」

 

「………?……動かないの?……動かないのなら…――此方から行くよ?」

 

フィアが考えていて動かないキッドに向かって走りだす瞬間―――

 

「『魔女狩りぃぃぃぃぃ!!!』」

 

光の刃がフィアを襲った。

 

「―――ッ!?」

 

フィアはあまりにも突然の反応に遅れて光の刃に飲み込まれた。

 

―――何故フィアが飲み込まれたのか………フィアは蹴り飛ばした二人の方も実は警戒していた。気配察知で確りと………しかし、それでもフィアは気づかなかった。……勿論だがフィアは全く油断していなかったのだ。それも、キッドに向かって走る瞬間まで……

しかし、フィアは避けれなかった。何故なら――

 

あの走る瞬間の僅か1秒で鎌職人 伝統の大技

――『魔女狩り』を完成させたのだから

 

そのあまりにの早さに流石のフィアでも避ける事ができなかったのだ。――それもその筈、魔女狩りを撃つため“魂の共鳴”をして完成してからが1秒だが…、それを撃つための間を“合わせて”僅が1秒だったのだから。

 

「――ッ!はぁ…はぁ…」

 

マカは流石に無茶をしたのか、疲れとダメージもあり肩で息をしていた。

 

その状態からも、鎌を棒の様に使い立っていた。

 

「おらぁぁ!」

 

ズドン!

 

すると、マカの隣の家に飛ばされたブラック☆スターも復活した。

 

二人ともそれなりのダメージは負っているものの、動けない程ではなかった。

 

そんな二人に駆け寄るキッド。三人は魔女狩りで飛ばされたフィアの方に視線を向けるのだった。

 

―side out―

 

 

―マカ side―

 

私はなんとか、かなりの無茶をしながらも鎌職人の伝統の大技“魔女狩り”を放った。

 

何時もよりも早く撃つことを考えた為、かなり早く放てたかわりに威力は落ちた。……それでも、魔女なら大ダメージを負わせれる程度なのだが…。シュタイン博士レベルの人には、いまの私の魔女狩りではたとえ全力で放っても防がれる。これは補習の時にわかった事だ…。もし、もしもシュタイン博士と同レベルならいまからでも全力の魔女狩りを放つ為の準備をしても遅くないはずだ。

 

「ひゃっはっはっはっはっ!なんだなんだ?あいついねぇ~じゃねぇ~か!この俺様にビビって逃げたんだな~?」

 

「違うわよブラック☆スター!私が魔女狩りで飛ばしたの!恐らく、私の感が正しければもうすぐ来る――構えて!」

 

私がそう言った瞬間――――

 

ズドォォォォォォォォォォン!!!!!

 

フィアが飛ばされたであろう瓦礫の中から大きな爆発がおきて、瓦礫が全て吹き飛ばされた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――

 

その中から、赤に近い紫色をしたオーラを全身から出しながら、右手には大きな“鉈”を持っていた。

 

「二十番機構・斬式大刀態《凌遅の鉈 》カース、コーリング」

 

な…なんなの…あれは……あ、あんな…あんな禍々しいオーラを放つ武器なんて初めて見た…

 

あれが…あの子の…武器……――ッ!?

 

――うそ…あの子の魂…見えちゃった…

 

「な、なんて……禍々しい魂なの……あんな形…見たことがない……」

 

マカが見えているフィアの魂――それは、とても禍々しいものだった。魔女や人や獣や等々、いろんな魂が合わさり混ざったかのようななんとも形状しがたい魂。

 

――それが、フィア・イン・キューブの魂だ。

 

そんな魂を見たマカは狼狽していたのだった。

 

「あんなの…あり得ないよ…」

 

どうして…、いったい幾つの魂を喰らったらあんな形になるの?―――これは、早く絶対に狩らないと、危険だわ!

 

「いくよ…ソウル!」

 

『おう!いつでもいいぜ、マカ!』

 

「ブラック☆スター、キッド君。お願い…私が魔女狩りを発動するまで時間稼ぎをお願い!」

 

「わかった。いまはマカの言う通りにしよう。――あんな禍々しい魂を持ったものに、正直俺の“デス・キャノン”がくらうかわからないからな」

 

「わかったよ。俺様が時間稼ぎをしてやるんだ、絶対に成功しろよな、マカ!」

 

「うん!わかった!」

 

私は時間稼ぎをブラック☆スターとキッド君にお願いした。

 

「『魂の…共鳴!!』」

 

「『おおおおおおおおおおおおお!!!!!』」

 

ゴオォォォォォォォ!

 

私達の共鳴で、回りで風が起こっていた…。

 

「…………潰します…」

 

ドンッ!

 

すると、こっちに気づいたフィアが大きな鉈を持ってこっちにきた。

 

だが――

 

「させん!」

 

ダンダンダンダンダン!!!!

 

「……む?」

 

チュインチュチン!!

 

キッド君が撃った弾を鉈で弾くが――

 

「ひゃっはぁーー!この俺様を忘れるなよ!」

 

ガキィン!

 

ギリギリギリギリ…

 

「…………じゃま…」

 

ギャキィン!

 

「おわっととと……っとあぶねぇ~、もう少しで切られる所だったぜ!」

 

ブラック☆スターはフィアの鉈と鎖鎌で鍔迫り合いをしていたが、フィアが弾いた瞬間後ろに跳んで、ギリギリの所で鉈を回避した。

 

「……お前達…じゃまなのです…」

 

ドッ!――ガッ!

 

「ぐはぁっ!?」

 

ブラック☆スターがフィアに蹴られるが――

 

「……ぐふぅ…やっと捕まえたぜ!――椿!“モード・忍者刀”!」

 

『はい!』

 

シュルルル…パァン!

 

椿ちゃんは鎖鎌から忍者刀に変身した。

 

「いくぜぇぇ!“スピード・スター”!」

 

シュンッ!

 

ブラック☆スターが一瞬のうちに消えて、あちこちに走り回る。

 

「どうだ!俺様のスピードを!見破れm――」

 

「……えい…」

 

カァァァン!

 

「―――~~ッ!!?ぉぉぉぉぉぉふ!!」

 

フィアはブラック☆スターのスピードを見切り、ブラック☆スターが背後に近づいた瞬間、ブラック☆スターの股を目掛けて容赦なく足を降り上げた。

 すると、上手いことに足がブラック☆スターの股に入り、男にとって、かなりの大ダメージをくらうことになったのだった。

 

「(な…なんと恐ろしい技なのだ…!)」

 

その時それを見ていたキッドは股を閉じながら、戦慄していたのだった。

 

「マ、マカ!あと何れぐらいかかる!」

 

キッドはマカにたずねる。

 

「あと、少し!」

 

その答えに答えたマカ。すると、キッドは連続で銃を射ち出した。

 

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!

 

「さぁ、こっちだ!」

 

キッドが射ち出す弾を難なくと鉈で器用に弾くフィア。しかし、全く距離は縮めないでいた。

 

すると、フィアが突然空に跳んだ。

 

キッドは跳んだフィアに標準を合わせるが……

 

「八番機構・砕式円環態《フランク王国の車輪刑 》カース、コーリング!」

 

青い魔方陣の様なものが出たと思えば、鉈がその魔方陣を潜ると、大きな車輪へと変形した。そして、車輪には立体鎖が付いていた。

 

流石にこれにはキッドも驚いていた。

 

「――はぁ!」

 

ガンッ!――ガガガガガガガガガ!!!!!!

 

フィアが地面に向かって投げた車輪は、地面に衝突すると、進行方向に高速回転しながら進んだ。丁度、その進行方向にいたキッドは緊急回避をしながらその車輪を避けるが―――

 

「………ムダ…」

 

クンッ―――ガガガガガガガガガ!!!!!!

 

フィアが立体鎖を引くと車輪が動き、向きを変えてキッドを狙う。

 

「……えい…たぁ…やぁ…せい…はぁ!」

 

地面に降りていたフィアは立体鎖を振り回すように動かし、車輪をキッドに走らせていた。そんキッドは、なんとか回避をしながらもフィアに向かって銃を射ち出していた―――が、弾は全てフィアの操る立体鎖によって弾かれていたのだった。

 

「くそ!これではまともに戦えん!なんとかしてあの立体鎖を破壊しなければ…」

 

キッドが考えるが、なにも浮かばない。魂の共鳴をして必殺技である“デス・ザ・キャノン”を射ち出せばなんとかなるかもしれないが、チャージに時間がかかり、その前にあの車輪に殺られるのが落ちだろう……と考えていた。

 

しかし、フィアの持っている立体鎖は其々の武器を固定し操る鎖でもあるため、フィアの持っている武器よりも実は硬かったりするのだ。

 

だから、キッドの“デス・ザ・キャノン”程度では到底壊すことはできない。

 

「溜まった…―――キッド!ブラック☆スター!」

 

――どうやら、マカの魔女狩りが溜まった様だ。ここからはマカに変わろう――

 

「おう!」

 

「わかった!離脱する!!」

 

私の叫びに反応して、直ぐさま避難したブラック☆スターとキッド君。

 

フィアはその反応に少し遅れたが私達に気づいて此方を向いた。

 

「……えい」

 

フィアが車輪をこっちに飛ばしてくるが――

 

「やぁーーー!!」

 

―――ズバンッ!

 

車輪を真っ二つに切り裂いた。

 

「―――――ッ!?」

 

フィアは今日一番の驚いた顔をした。どうやら切られるとは思っていなかったのだろう。

 

―――そのおかげで隙が出来た。

 

私はチャンスだと思い、全力で魔女狩りを放つ。

 

「ハァァァァ!!!魔女狩りぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

ズンッ――ズガガガガガガガガガ!!!!!!

 

私が放った魔女狩りは真っ直ぐフィアの方へと地面を切り裂きながら突き進む。

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!!」

 

ズガガガガガガガガガ―――ズカァァン!!!

 

大きな音と共に、フィアに魔女狩りが直撃した。

 

「……やったのか?」

 

「たぶん、いまの攻撃で倒しているだろう。倒していなくても、いまのが直撃なのならば、重症はまちがいだろう」

 

もくもくと煙が上がりながら、そこを見ているソウルとキッド。私も、いまの攻撃は直撃したと思っているので、倒したと思う。――しかし、さっきから何故か違和感しか残っていないのだ…

 

すると―――

 

「十九番機構・抉式螺旋態《人体穿孔機》カース、コーリング!」

 

 ブワァ!

 

その叫びと共に煙が吹き飛び、そこから服をボロボロにした“軽傷”程度のフィアがいた。

 

その右手には、全長178.7センチメートルの巨大なドリルを持っていた。

 

「…………うん。ビックリした……あんなにも……威力があるなんて…思っていなかった………だから…私も…全力をだしてあげる」

 

そう言ったフィアがドリルを後ろに引きながら、腰を低くして構えた。

 

「……魂の共鳴…『疾風・螺旋突き』」

 

グンッ!―――ゴガガガガガガガガガ!!!

 

フィアが持っていたドリルが回転しだして、それを突くように前に突きだすと、先が尖った竜巻がドリルから放たれて、地面を削りながら私達に進んできた。

 

「やばい…――ッ!」

 

私はさっきの魔女狩りで殆ど力を使いきってしまい立てなかった。

 

隣にいたソウルも鎌を解除して私を庇うように前にいたけれど、方膝をついて粗い息をしていた。

 

他の、ブラック☆スターやキッドも立っているのがやっとだった。

 

そうこうしている間にも竜巻が私達の方へと迫っていた。

 

「もう…だめ…。今度こそやられちゃう」

私が諦めの言葉を言うと…

 

「諦めるなマカ!お前が諦めたら意味がないだろ!他のブラック☆スターもキッドの野郎もまだ諦めてない!だから、お前も諦めるんじゃねぇ!」

 

そこへソウルが私に叫んだ。

 

――そう……そうだよね…まだ、諦めちゃダメだよね!

 

「う…ぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

私は最後の気力で立ち上がった。

 

「ソウル!」

 

「おう!」

 

私はソウルを持って、鎌を構えた。

 

「私達は絶対に諦めない!諦めて…たまるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「…………ニヤリ…お見事です」

 

――ズガガガガガ―――フッ…

 

「――え?…」

 

フィアの一言で、竜巻が私達の前で消えた。

 

「……え?…えぇ?ど、どうなったの?」

 

すると、フィアがこっちに一瞬で近づいて、私達の目の前にきた。

 

「あはは。すみませんね、今回の任務は死神様があなた達と私を戦いさせるために作った任務なのですよ。……あ、ちなみにですが――」

 

パチン!

 

フィアが指を鳴らすと、回りにあった街が全てなくなり回りは森に囲まれていた。

 

同時に、私達の傷や服や負ったダメージが最初から無かったかのようになくなっていた。

 

「今回、あなた方が来た町は私が独自で作った結界の中にあった町です。結界の中で負ったダメージは、結界から出ると、結界に入る前の常態に戻りますよ~。便利でしょ?」

 

私達はあまりにも唐突の出来事が多すぎて皆ポカーンとしていた。

 

「それでですね…―――あれ?……おぉ~い!聞こえていますかぁ~?」

 

フィアが手を目の前で振っていたので私達の意識が覚醒した。

 

「……あ、ごめん。えぇ~と…なにを話していたんだったっけ?」

 

「――ふぅ…。まぁ、いいです。取り合えず、これは死神様に頼まれたのと僕が個人的に気になったので受けた任務ですよ。ちなみにですが、私は魂の形をいろんなものに変化させる事ができるので、あのときあなた方が見た魂は自分で変化させたものなので、いつもはいたって普通の魂なのですよ~。まぁ、見たほうが早いですが」

 

私はフィアの言う通りに魂を見た。すると、魂は皆のように普通の魂の形だった。

 

「――あ、ほんとだ」

 

「ふふ~ん、スゴいでしょ~。褒めてもいいのだぞ!」

 

フィアは自慢そうに胸を張った。

 

私たち女子組は、その仕草に何故か、スゴく保護欲をかり立てられたのだった。

 

「うん、偉い偉い」

 

私は気づけばいつの間にかフィアの頭を撫でていた。

 

凄く髪の毛がフワフワのサラサラで気持ちよかった。

 

「~~♪」

 

撫でられていたフィアはなんだかとても嬉しそうだった。

 

「――はっ!?……こんな事をしていた場合じゃなかったんだ。早く死神様の所に帰りましょ?皆さん、送って行きますね~」

 

私達はフィアに言われた通りに魔方陣の中に入った。

 

「いきますよ~。――えい!」

 

パァァァ――

 

一瞬光ると、私達は死武専に来ていた。

 

「スゴい!」

 

私達は少しはしゃいでいたのだった。

 

「それでは、私はこれで。また後でお会いしましょうね~」

 

そう言ったフィアちゃんは、何処かに行ってしまった。

 

私達は取り合えず、死神様に報告するために、デスルームへと行くのだった。

 

――ん?あとで?…………どう言うことなのかな?

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