東京喰種- Dream and reality - 作:diaboli
*東京・20区*
「麗空の苗字って不思議ですよね~」
そう急に什造が麗空に問う。
「あぁ、それはそうだろう。 僕は一応御三家の娘だからね」
麗空がそう言うと什造は首をかしげた。
「御三家? って何ですか?」
それを隣で聞いていた幸紀が驚いた様子の声で言う。
「什造、お前御三家知らないんだな。 御三家っていうのは絶大な権力を握っている三つの家系でな、『
「幸紀…他人を心配してる暇があるならその書類を何とかしなよ。 僕はこれからする事があるんだ」
「おいおい、誰のせいでこんな山積みの書類を書かなきゃいけない事になってるんだと思ってるよ。 お前の能力コントロールミスで喰種討伐の際偶然近くにいた民間人を巻き込んだからだぞ」
幸紀は責任は全てお前にあると言いたげに麗空に視線を向けていた。
「あんなところにいる民間人が悪いし、僕の能力コントロールの精密さは知っているだろう? 暗闇の路地裏から急に自転車で飛び出たあの中学生に言ってほしいね」
そして麗空はそんな幸紀の責める視線を難なくいなす。
「あの年頃の子はあぁやって夜遊びしてるもんだよ」
「僕に言わせれば夜遊びしてる暇があるなら世間の常識というものをもっと学んでほしいね。 腐っても僕は御三家の令嬢だ。 礼儀作法等の常識は守れるよ」
その言葉にすかさず幸紀が異議を申し立てる。
「そう言う割には自分のせいで山積みになっている書類を一応上司の立場にいる僕に全てやらせている君はどうなんだろうね」
「論破と言いたいだろうけど、残念ながら先程言った通りそれは決して僕のミスではなく警告を聞いていなかったあの民間人が悪い」
幸紀と麗空が言い争いをしていると、話に追いつけなかった什造が疑問を口にした。
「ちなみに麗空は御三家のどこの家系の令嬢なんですか~?」
「あぁ、それは僕も思ってたね。 日紫喜とか?」
二人が麗空に聞く。
「……残念ながら、僕は
「「は?」」
二人の疑問がさらに深まった。
「ちょっと待ってくれ。 御三家っていうのはさっき上げた名前しかいないはずだと僕は認識しているんだが」
「世間一般はね。 しかし、先程幸紀が上げた名前は表御三家といってあくまで表の世界では権力を握っている。 だけど、裏の世界を牛耳っている家系がある。 それが裏御三家だよ」
「麗空はその裏御三家の令嬢なんですか~?」
「あぁ、そうだね。 裏御三家には『
「この苗字ってくじきって読むんだね、全然読めなかったよ」
「ん~、何がどうあれ、麗空は麗空ですよ~」
そう言って什造は麗空の傍に寄っていき、手を繋ぐ。
「でも、そんな話しをここでしても大丈夫なのか?」
「ここはCCG本部の中だよ。 心配する事なんてないだろうし、僕はあそこから逃げ出した。 別に話しても問題ないだろう」
そう麗空が言った時だった。
「鬮鬼……聞いた事がある。 確か鬮鬼家の者は皆『鬼』を宿すらしいね」
その声の主を見るため、三人は後ろを振り返った。
するとそこには不健康そうな、痩せ気味の男が立っていた。
「……君、それをどこで知ったんだい?」
「その反応からするに…本当なのか?」
「あぁ、真戸さん。 お久しぶりです」
幸紀は目の前の男と親しげに会話をした。
「真戸……あぁ、そうか。 君が真戸呉緒か」
「おや、私の事を知ってるんですかな?」
「…真戸呉緒、喰種に対して相当な執着心を持っている人物…違うかい?」
「喰種は滅殺されるべき存在だよ麗空くん。」
そんな二人の会話を幸紀は苦笑いをして、什造は麗空にこれでもかという程くっついて聞いていた。
*東京・20区*
裏御三家、鬮鬼。
裏御三家の中でもトップの存在に位置しているこの家系の者は皆『鬼』をその身に宿す事を強いられている。
生まれたばかりの時に欲界の王鬼を儀式で呼び出し、その身に宿すのだ。
そして、その鬼の器となれた者が鬮鬼家の後継者となる。
器になりきれず、その力に溺れてしまった場合は即刻その場で処分し、いなかった者とされる。
鬮鬼麗空はその身に鬼を宿し、生きる存在。
ただし、その力は自然と使えるものではなく、幼き頃からの修練で発揮できるものであるため、その修練をしてこなかった麗空は自分の意思では力を発揮する事はできないでいる。
鬮鬼家にとって、絶大な権力とその力は象徴であり、力が発揮できない後継者等、後継者と呼べない。
だからこそ、麗空は窮屈な生活を強いられていた。
しかし、その鬼の力は喰種に出会う中で、着実に成長しており、今も尚麗空の身を蝕んでいく―――――
今回は殆ど説明になってしまいました。
次回はこうならないように頑張ります。
様々な種類の力が出てきました。
今度一度にまとめる部分をとりたいところです。