振り向きへホームラン【完結】   作:puc119

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今更ですがこのお話から後書きへ語句説明を書いていきます




第9話~振り向きへアッアッオーウ~

 

 

「ほれ、アクセルハンマー完成したぞ。割と良いできだと思う。大事に使ってくれや」

 

 昨晩は相棒と一緒に夕飯を食べ、その後は自分の家に戻り早々に寝てしまった。だってやることないんだもん。

 次の日になり、例のごとく相棒が一緒に闘技大会を見に行かないかと誘ってきた。自分以外のハンターの動きを見るのは勉強にもなるし、最初は行こうと思ったけれど入場料が予想以上に高く、お財布と相談した結果やめておきました。

 あんなに入場料高いならもう少し報酬金が高くても良いのに……

 

「おおー、ありがとう!」

 

 その結果やることもなくなり、今日は道端にいたプーギーの腹をひたすらつついていた。あれは癖になるやわらかさだったな。

 ただ……これほどまでに一日を無駄にしたのは初めてかもしれない。

 

 そして夕方となり、うきうき気分で加工屋の元へ。

 アクセルハンマーは名前にハンマーとつくものの、見た目はどう見てもドリル。しかし、それがカッコイイ。何がすごいってこの武器、噴射口みたいなところからバーって出るんだよ! バーって!!

 そしてドリルだ。超かっこいい。

 

 さらに攻撃力もウォーハンマーからは武器倍率計算で40もアップ。切れ味も緑となり補正が1.05倍となる。そして、斬り方補正がなくなるのはかなり嬉しい。会心率は落ちてしまうけれども、そんなことは些細なことだ。

 

 ああ、今すぐにでも狩りへ行きたい……

 このハンマーでモンスターの頭をガツンガツンやりたい。

 

 とは言うものの、残念ながら今すぐに行くことは無理だろう。ギルドによって夜の遺跡平原での狩りは禁止されているのだから。

 そう言えば、ゲームの中でも遺跡平原は昼間しかなかったもんな。

 

 逸る気持ちをどうにか抑え、今日はおとなしくしているのが吉。既に相棒には朝一にでかけると伝えてあるし、我慢するとしよう。

 

「しっかし、お前さんもハンマーを使うだなんて変わっているな。ハンマーを作るのなんて久しぶりだったよ」

 

 そんな言葉を加工屋のおっさんが落とした。

 ……どうやらこの世界でもハンマーを使うハンターは少ないらしい。事実、この加工屋以外の加工屋ではハンマーなど作ったことがないと断られた。

 結局どんな世界へ来ようとも、ハンマーは弱い武器のままなのかもしれない。

 

「どうしてお前さんはハンマーなんて使っているんだ?」

 

 どうしてか……ねぇ。

 正直、俺にもよくわからない。気がついたらハンマーばかりを担ぐようになっていた。そのことを気付いた日から俺のメイン武器はハンマーになったのかもしれない。

 じゃあ、どうしてハンマーばかりを担ぐのか……

 

 んなもん答えは決まっている。

 

 

「コイツが一番カッコイイからだよ」

 

 

 こうやってハンマーを使い続けているのは、俺なりの抵抗なのかもしれない。近接系の頂点から叩き下ろされ、今では邪魔とすら言われる始末。ハンマーはそんな武器だ。

 それでも、そんなことがどうでも良いくらいにハンマーはカッコイイのだ。理屈じゃ説明できない。使ってみればわかる。コイツの魅力が。

 

「そりゃあ、違いねぇな」

 

 俺がおっさんの質問に応えると、そう言っておっさんは笑い、装備の加工に使うであろうハンマーを持ち上げた。

 気に入った、今度飲みに行こうぜ。

 

「いや、やめておくよ。最近カーチャンが怖いんだ。その代わり今後とも武器防具の加工はウチでお願いするよ」

 

 了解、次は防具をお願いすると思う。

 

 そしてどうやら、どこの世界でも母は強いらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

「……そんじゃ、行くか」

「おおー」

 

 食事も済ませ朝一番に、相棒と出発。

 クエスト名は狗竜の狩猟を披露せよ! 場所は遺跡平原でターゲットはドスジャギィ1頭。上位クエストならドスジャギィ2頭のクエストがあるはずだけど、まぁ、しゃーない。

 のんびり素材を集めることにしよう。

 

「ねぇ」

 

 いつのも馬車に揺られ、朝の新鮮な空気を感じて欠伸を一つ。

 

「うん? どした?」

「なんだか随分眠そうだけど、何かあったの?」

 

 別にどうもない。昨日漸く新しいハンマーができた。家に帰ってからそれを眺めたり、どう攻撃すればカッコイイか考えたりしていたら、寝られなくなっただけ。ベッドへ横になってもワクワクしてしまい、寝られなかった。

 遠足の前の日は絶対に寝られないタイプなんです。

 

「いや、ちょっと寝不足なだけだよ」

「何やってんのさ……」

 

 まぁ、寝不足とは言っても身体の疲れが抜けていないわけでもないし、問題はないと思う。遺跡平原へ着くまで寝ても良いが、一度寝てしまうと身体が重くなる。それは嫌だった。

 帰りは爆睡すると思うけど。

 

「んじゃあ、これでも飲みなよ」

 

 そう言って相棒が何かの液体が入ったボトルを一つくれた。

 携帯食料ではなさそうだけど、なんだろうか?

 

「なにコレ」

「ただの元気ドリンコだけど……ああ、そう言えば飲んだことないんだっけ?」

 

 ほほー。これが元気ドリンコなのか。いつもお世話になっていました。

 元気ドリンコの見た目は黄色い液体。ハチミツとニトロダケか眠魚とトウガラシの調合で元気ドリンコはできる。見た目は黄色いのだし、これはハチミツとニトロダケだろうか。てか、コレどうしたんだろう? 買ったのかな? ゲームでは売っているところを一度も見たことがないけど。

 

「買ったの?」

「ううん、私が調合した」

 

 アレ? もしかしてこの子って意外とできる子だったりするの?

 俺なんてまだ調合したことないのに。てか調合書すら持ってない。お金のない今の状態じゃちょっと買うことができないのだ。

 

 もらった元気ドリンコのキャップを開ける。すると、ハチミツの甘い香りがした。やはりハチミツとニトロダケから作ったっぽい。

 そして、そのまま一気に喉へ流し込んだ。

 

「あっ、意外と美味しい……」

「ふふん、なんたって私が作ったからね!」

 

 てか、ハチミツの味しかしなかった。けれども、喉に張り付くほどの粘っこさもなく思った以上に飲みやすい。そして飲んだ瞬間、眠気が消し飛んだ。便利だな、おい。

 

「ありがと。元気出たわ」

「どういたしまして。でも元気ドリンコくらいならいつでもあげられるよ?」

 

 そりゃあ助かるよ。

 また眠くなったときはお願いしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 眠気もなくなり身体の調子も良くなった。

 とは言っても遺跡平原へ着くまではまだまだ時間がかかるから、適当に雑談をしながらガタゴトと揺られ続けた。

 

 そして揺られ続けること数時間。

 

「着いたー!」

 

 そんなこんなで、ようやっと遺跡平原へ到着。遺跡平原にこれだけかかるのなら、地底洞窟や氷海、原生林はどれくらいかかるのだろうか?

 

「んじゃ、サクッと狩るか」

「お、おおー!」

 

 明らかに緊張している様子の相棒。俺もそうだけど狩猟クエストはこれが2回目。まだまだ慣れはしない。まぁ、当分はドスジャギィをひたすら狩ることになりそうだし、直ぐに慣れるとは思うけど。

 

 支給品ボックスから地図と応急薬3つ、携帯砥石2つを受け取り出発。

 

「あれ? それだけで良いの?」

「ああ、残りは全部やるよ」

 

 たぶん、すぐ終わる。

 だってねぇ、流石にドスジャギィが相手じゃねぇ……

 

 ドスジャギィの初期位置はエリア6。けれどもあのせっかちさんは直ぐにエリア8へ移動してしまう。まぁ、8の方が戦いやすいから助かるんだけどさ。

 

 

「へい、相棒。この前教えたことちゃんと覚えてるか?」

「うん、とりあえずエキスを取れば良いんでしょ?」

 

 正解です。しっかり頼むよ。エキスを取るだけで世界が変わるから。

 

 途中にいたケルビをスタンさせ角を獲ったり、アプトノスから生肉をいただいたりしながらエリア8を目指す。

 俺も漸く小型モンスターを倒し、剥ぎ取ることに慣れてきた。人間、変わろうとしなくても変わるもんなんだな。

 

 

 そしてエリア8へ到着。

 

 

「アッアッオーウ!」

 

 

 数匹のジャギィの中に一際大きい奴が一匹。俺たちに気づいたのか、上を向きドスジャギィは叫んだ。

 そう言えば、前回俺はコイツにやられたんだよなぁ……

 

 さて。

 

 ひと狩りいきますか。

 

 

 背中で担いでいたハンマーを右の腰で構える。

 ドスジャギィが此方へ近づいてくるのが見える。そして、その立派な頭へハンマーを振り下ろした。

 

 直ぐにローリングで硬直を回避。もう一度右腰へハンマーを構え、今度は一度ハンマーが光ったところでドスジャギィの頭へカチ上げ。ハンマーを振り上げた瞬間、アクセルハンマーの噴射口から炎のようなものが噴射。

 超カッコイイ!

 

 カチ上げを当てた後は直ぐにローリングをして距離を取る。そしてまたハンマーを右腰へ構えて、カチ上げをもう一発。これでスタン値を107蓄積。

 ドスジャギィの尻尾攻撃をローリングで躱してから、頭へ横ぶり、縦2。これで合計スタン値は144。んで、ドスジャギィがスタン。

 

 ドスジャギィの何が良いって、スタンをしても頭が動かないことだ。他のドスたちもコイツを見習って欲しい。しかも頭の方が硬い奴とかいるし。

 

 そして、赤白のエキスを漸く取り終えた相棒が近づいてくるのが見えたため、虫棒の攻撃が当たらない場所へ動いてから、縦3ホームランを一回。横振り始動のホームランを1回当てる。

 ホームランを出す度に炎を噴射するアクセルハンマー。うむうむ、やはりギミックのある武器は使っていて楽しい。

 

 腕にかかるヒットストップが、弾けるスタンエフェクトが、振り上げ、振り下ろすこの感覚が最高に気持ち良い。

 これだからハンマーはやめられない。

 

 ジャギィの攻撃は溜め攻撃へ移るモーションのSAをいかして無視。あとは相棒に当たらないよう、スタンを取るまでひたすらドスジャギィの頭へスタンプとカチ上げを繰り返すだけだ。

 噛み付き攻撃は軸をずらすことで躱し、飛びかかり、尻尾振り、タックルはローリングで躱す。攻撃判定も短く、隙だらけ。正直負ける気がしない。

 

 ジャギィに何度か尻餅を付かされたが、それ以外は攻撃を受けることはなかった。

 

 

 戦い続けること数分。3回目のスタンを取りホームランを決めたとき、ドスジャギィが大きく吹き飛び、そのまま動かなくなった。ドスジャギィのエリチェンはなし。運が良かった。

 

 

「おっ? おおー! 倒した、倒したよ!!」

 

 前回とは違い、今回は乙ることなく戦い続けた相棒。相変わらず後ろから斬りかかってくれたが……まぁ、お疲れ様。

 

 急いでドスジャギィやジャギィから素材を剥ぎ取る。妖怪イチタリナイを出さないためにも、コツコツ集めねば。

 

「ありがとう。いただきました」

 

 前回と同じように感謝の言葉を一つ落とす。

 できるだけ大切に使わせてもらうよ。

 

 とりあえず1頭。

 はてさて、あと何頭分の素材が必要なんかね?

 

 






今回も主人公と同じ装備で狗竜の狩猟を披露せよ! をやってみましたが、スタンを3~4回で3~5分台でした
つまり……ドスジャギィさんあんまり強くないです

と、言うことで第9話でした
防具が完成するのはもう少し先になりそうです
先はまだまだ長そうですねぇ

次話はたぶんまたドスジャギィさんと戯れることになると思います
では、次話でお会いしましょう



~語句説明~

てなわけで書いていきます
読まなくても問題ありません
また間違えていることもあると思いますので、鵜呑みにはしないでください

~SA:Super Armorの略~
攻撃モーションによってあったりなかったりします
双剣の乱舞や大剣の攻撃など、そのモーション中は攻撃をくらってもひるまないことがありソレをSAとかスパマとか呼んでいます
SAがあることで味方の攻撃が当たってもひるまず攻撃できるという素敵なものです
バサルモスの攻撃などSAがあるせいで乙りかけることもありますが、ないよりはあった方が良いかと思います
因みにハンマーにはSAがほとんどありません
修正はよ

~スタン(気絶)~
ハンマーや狩猟笛、片手剣の盾バッシュなどでモンスターの頭を攻撃すると、ピキンと光るエフェクトが出ます
これがスタンエフェクトでこのスタンエフェクトの出る攻撃にはスタン値(気絶値)が決まっています
このスタン値がモンスターごとに決まっている量以上貯まるとスタンと呼ばれる状態となります
スタン状態の見た目は閃光玉を投げた時と同じような感じです
ハンマーはスタンを取ることがメインのお仕事となることが多いです

~武器倍率~
各武器にはそれぞれ武器係数と言うものがかけられたものが攻撃力として表されています
武器倍率と言うのは、その攻撃力を各武器係数で割ったもののことを指します
そしてその武器倍率が本当の攻撃力となります
例えば、攻撃力1040のハンマーと攻撃力280の片手剣は武器倍率200と同じ攻撃力です
MHP3は武器係数をかけていませんでしたので、やったことがある方は理解しやすいかもしれませんね
ヘビィでリミカをするとまた変わったりと少々面倒臭い設定です


……疲れたので、続きは次の話で書きます


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