ブラキのクエストを終え、帰ってきてから相棒にこれから暫くは別れてやろうと提案。
しかし、予想通り其処は相棒が渋った。別に時間がかかっても良いから皆でやりたいと。そしてその日は結局、説得できることなく次の日また会うことを約束して解散に。後は笛の彼女に任せることとなった。
そして次の日。
本当に彼女が説得できたかどうかはかなり不安だったけれど、どうやら其処は彼女が頑張ってくれたらしく、相棒も別れることを納得してくれた。かなり渋い顔だったけど……
しかし、これで心おきなくソロでやることができる。順調順調。
俺は下位のクエストをやっていく予定。じゃあ彼女たちはその間、どうするのか聞いてみると、どうやら相棒の防具を作るらしい。
んで、何の防具を作るのか聞いたけれども彼女曰く――
「……秘密」
だそうです。
別に教えてくれても良いと思うんだけど……
まぁ、とりあえずそんな感じでパーティーが2つに別れてのハンター生活が始まった。
ソロハンター生活初日。
まずは何を倒すか考えたけれど、とりあえず武器が欲しいと思った。目標はディオステイル。名前の通りブラキディオスのハンマーで、下位クエストだけで作ることのできる最高の武器なんじゃないだろうか。
そしてそのディオステイルを作るために、レッドビートと言うレウスのハンマーが必要。
そんなことで、最初の目標はレッドビートの作成と決まった。ターゲットは空の王者。すぐ飛んでしまい鬱陶しい相手ではあるけれど、閃光玉さえ持っていけばかなり楽な相手となる。何より、ハンマーとの相性もかなり良い。
そんじゃ、ま。ひと狩り行きますか。
そして、ソロでのマラソンが始まった。
とは言うものの下位クエストと言うこともあり、空の王者の討伐はあっさりと終了。まぁ、閃光玉さえあればこんなものなのかもしれない。そしてスタンプの便利さには改めて気づかされた。パーティーじゃ使いどころが難しいけれど、ソロなら叩き込み放題。振り向きへスタンプを入れられるのが美味しい。
クエストの場所も遺跡平原と、バルバレからはかなり近くこれならあっさりと素材は集まるかもしれない。
うきうき気分でバルバレへ戻り、報酬を受け取ってから直ぐに加工屋へ向かった。有り難いことにレッドビートは一発生産が可能な武器。だからかなり運が良ければ、一回クエストへ行くだけで作ることはできるけれど……まぁ、鱗と骨髄が足りませんでした。
むぅ、骨髄は面倒かもしれない。さくっと出てくれれば嬉しいが。
ソロハンター生活2日目。
昨日に引き続き、今日もリオレウスの狩猟へ出かけた。昨日、ソロでも割とあっさりクリアできることはわかっていたので、その日も問題なく討伐完了。ただ、バックブレスだけは未だに直撃する。どうにかならないものか。
剥ぎ取りで必要な鱗の数は足り、後は骨髄だけとなった。剥ぎ取りでも出ると思ったけれど、もしかしたら捕獲の方が良いかもしれない。
バルバレに戻り、報酬の確認。骨髄は見当たらなかった。残念。
ソロハンター生活3日目。
骨髄を求め、本日も王者を狩りに行く。
問題なく討伐完了。しかし、剥ぎ取りで骨髄は今日も出なかった。ハンマーも尻尾を斬ることができたらなぁ……
少々嫌な予感を覚えつつ、バルバレに戻り報酬を確認。
骨髄がない。
ソロハンター生活4日目。
2回連続で咆哮のフレーム回避を失敗し、バックブレスが直撃。
骨髄は出ない。
ソロハンター生活5日目。
流石にこのままじゃ不味いと思い、その日は捕獲を試してみた。
咆哮のフレーム回避もかなり安定してきた。しかし、閃光玉の素材がそろそろヤバい。閃光玉くらいギルドで売ってくれても良いのに……
バルバレへ戻り、祈るような気持ちで報酬を確認。
骨髄が3つきた。嫌がらせか。てか、骨髄って1頭から複数取れるものなのか……
何はともあれ、素材が揃ったため加工屋へ向かいレッドビートの作成をお願いした。会うたびに加工屋の髪の量が減っている気がする。今度ババコンガを倒したとき、桃毛獣の毛でもあげることにしよう。きっと喜んでくれはず。
漸く最初の目標を達成することができ、その日は久しぶりに集会所でお酒を飲んだ。そして今までの反動のせいか、飲みすぎてしまったらしく記憶が曖昧だ。
闘技大会の受付嬢と何かの会話をしたはずだけど、何の会話をしたのやら……
ソロハンター生活6、7日目。
ゴアSの脚防具にノヴァクリスタルが必要なことを思い出し、二日酔いのせいで痛む頭には辟易しつつも氷海の採取ツアーへ出かけることに。
そしてクエストが始まって直ぐ、エリア5であっさりとノヴァクリスタルを採取することができた。クエストの時間はまだまだあるし、他にも色々と採取してしまおう。
採掘も虫の採取も終わり、じゃあ後はクエストの終わりまで釣りでもしていようと思い、釣りをしていたところを乱入してきたイビルジョーに襲われた。クソが。
こやし玉など持って来ていなかったせいで、1スタンを取る前にモッシャモッシャされ、さくっとベースキャンプへ。意地でも1スタンくらい取ろうか迷ったけれど、その日は許してあげた。まぁ、必要な物を取ることができたのだし良しとしよう。
氷海の採取ツアーから戻ってきて直ぐ、加工屋へ向かいレッドビートを受け取った。攻撃力は山権現よりも武器倍率で10高く、見た目も俺の好きなハンマー。ただ、斬れ味が緑までしかないため、使うことはなさそうだ。
レッドビートを作成したことで、漸くディオステイルへの強化ができるようになった。
ブラキは一度倒しているし、もしかしたらもう強化できるんじゃないかと思ったけれど、どうやら砕竜の尻尾が1つ足りないらしい。
なるほど尻尾か。
……尻尾?
ソロハンター生活8日目。
さてはて尻尾をどうするかと集会所で悩んでいたところ、闘技大会の受付嬢に捕まった。そして何が何だかわからないまま、イャンクックの闘技大会へ出場することに。マジ意味わからん。
どうやら先日集会所でお酒を飲みまくった時、受付嬢と闘技大会へ出る約束をしていたらしい。そんな記憶はないんだけど……
とは言え約束を破るわけにもいかず、まぁ、たまには良いのかな。なんて思いつつ出場。使う武器はハンマーと片手でかなり迷ったけれど、どうせならソロSを取りたかったので片手にした。
結果、4分28秒。
かなりギリギリではあったけれどどうにかソロS。アレだね。頭で思っている以上に身体は動きを覚えているらしい。
以前よりタイムは落ちてしまったし、何度かミスをした。それでも久しぶりに感じた闘技大会独特のあの感覚は悪くないなんて思った。
あと、片手剣ってやっぱり使いやすいね。
ソロハンター生活9日目。
色々と悩んだ結果、まぁブラキの場合、捕獲すれば尻尾だって出るだろうと考え、とりあえず何度かブラキと戦ってみることにした。
そんなこんなで地底火山へ出発。
はぁ、ブラキソロとかやだなぁ……
もうプライドなぞ捨て、段差を利用しジャンプ攻撃を多用したり、スタンプを連打することでどうにか捕獲完了。
しかし、壁際へ追い込まれて恐ろしいコンボを受けたため1乙。それでも、角と拳を破壊することはできたのだし良しとしよう。
バルバレに戻り報酬を確認したところ、やはり尻尾はなかった。
おかしいな。少なくとも俺が戦っていたブラキに尻尾はついていたのに……めっちゃブンブン振り回してたのに……
まぁ、こればっかりは仕様が無い。次、頑張ろう。
ソロハンター生活10日目。
場所が遺跡平原から地底火山となってしまったせいで、自分の家で休むことができなくなった。のんびりやっても良いと思うけれど、やはりできるだけ急いで素材を集めてしまいたい。
その日は、ブラキさんの機嫌が良かったらしく、驚くほどあっさりと捕獲することができた。あれ? もしかして俺が上手くなったのか?
でも尻尾は出なかった。
ソロハンター生活11日目。
まさかの2乙。
壁ハメ怖い……なんとか捕獲することはできたけれど心が折れかけた。
やはりブラキは苦手だ。改めてアイツの壊さを思い知った。
心身ともにボロボロの状態でバルバレへ戻り、報酬を確認。すると尻尾が2つ。
……流石にこれは酷い。しかし、まぁ、文句を言うわけにもいかないし、文句を言うだけの体力だって残っていなかったせいで、その日は素材を加工屋へ渡してから直ぐに自分の家に戻った。
ソロハンター生活12日目。
これで武器の準備はでき、後はゴアの防具を作るだけとなった。
しかし、加工屋へ会話をしていた時に知ったことが一つ。なんと、ディオステイル改とするのに上位ブラキの素材は必要ないらしい。更に4頭ものブラキを倒したおかげか、あと必要なのはレウス素材だけ。
要求されるレウス素材は流石に上位のものだけど、火竜の堅殻を3つだけとかなり良心的。それくらいならば捕獲することで1回のクエストで集めることができる。
そんなことで急遽予定を変更し、上位のレウスと戦うことに。武器的にかなり厳しいけれど、此処でディオステイル改さえできてしまえば後々がかなり楽になる。
そして遺跡平原で上位リオレウスと対決。
閃光玉は調合分まで使い果たし、回復薬もかなりギリギリ。それでも、どうにか1乙で捕獲することができた。しっかし、アレだね。ジャギィS装備は良く燃える。
あと閃光玉を使い叩き落した時、火竜の紅玉を拾った。そんな大事なもん落とすなよって思いはしたけれど、有り難くいただくことに。物欲センサーが発動しなければ、こんなものなんだろう。
期待に胸を膨らませバルバレへ帰還。
普通に考えれば堅殻が3つくらいは出てくれるはず。そしてもう上位クエストをソロでは行きたくない。大きな期待と大きな不安。そんなものを抱えつつ報酬を確認したところ――堅殻は3つ以上あった。
良かった。本当に良かった……
そのまま加工屋へ向かい、追加の素材を渡してディオステイル改まで強化をお願いした。これさえできてしまえば下位のゴアなら余裕でいける。それに爆破武器ならほぼ全てのモンスターに効くのも大きい。
そんなウキウキ気分のまま序でに下位のゴア装備を作るための素材を聞いてみた。
そこで問題が発生。
ゴアメイルを作成するのに黒蝕竜の尻尾が必要だった。
……いや、これは無理です。
ゴアの尻尾ばっかりはどう仕様も無い。本体からの剥ぎ取りじゃ出ないし、ブラキのように捕獲をしても出ない。クエスト報酬でも出ないはずだし、尻尾を切らない限りどう仕様も無い。
それでも、まぁ、他に集められるものくらいは集めておこうかな。
ソロハンター生活最終日。
まさか、尻尾で躓くことになるとは思わなかった。余っている素材で適当に片手剣を作っても良いかもしれないけれど、此処は素直に彼女たちにお願いしようと思う。
そう言えば、彼女たちはどれくらい進んでいるのだろうか? そんなことが気になったけれど、あの二人なら大丈夫だろうし、今は自分のことに集中しよう。
そして集会所でゴアのクエストを受注。
「はい! ゴア・マガラの狩猟ですね! 参加人数は……えと、3人でよろしいですか?」
うん? 3人?
いや、一人で……
そう言おうとした時だった――
「……それで大丈夫」
久しく聞いていなかったあの声が後ろから聞こえた。
慌てて後ろを振り向くと、そこには彼女たちの姿。
「久しぶり!」
元気そうな相棒の声。
「……ソロじゃやっぱり大変?」
相変わらず何を考えているのかわかり難い彼女。
随分と急なものだったからすごく驚いた。しかも彼女たちの装備は俺が一緒にいた時のものとは全く違うものだった。
彼女は以前言っていたように、頭がディア、胴にナルガ、腕がグラビで腰と脚はクロムメタル。そして相棒の方はジンオウS一式となっていた。
そっか、ジンオウガ装備にしたんだ。
うん、悪い選択ではないと思うよ。
「それじゃ、早速行こうよ! 遺跡平原なら近いし楽だよね」
相変わらず元気なようで安心。装備は一気に変わってしまったけれど、そこばっかりは変わっていないらしい。
ホント、有り難いものです
「そうだな。サクッと行ってくるか」
うむ、随分と喧しくなりそうではあるけれど……そう言うのも嫌いじゃあない。
次は彼女たちのお話っぽいです