ただのゲーマー高校生のハイスクールD×D   作:unat

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第2話:~一日目が始まって~ 悪魔召喚

 起きてください――起きてください。

そんな声が聞こえて目覚めるとそこには花畑の様な綺麗な世界。声をかけてくれたのはローブを纏った綺麗な女性。ニッコリと微笑むその人はどこか懐かしい雰囲気がただよい、不思議と見ているだけでもうひと眠りできるような感じがした。

 

「ええと、アナタは……?」

「私は貴方達の最後を見届けると共に初めを見守る者です。何も恐れることはありません、誰しもが最後にはこの道を通るのです、生きとし生けるもの全てが」

「そう、ですか……」

ああ、とても眠い。もう一眠り……

 

 

「起きろ」

「おごぶぇ!?」

「あー起きた。」

「何何、何があったガバァ!」

口から喋ろうとすると言葉の次に水が出てきた。何があった!?

「おーおー生きてる生きてる。ウチ等が居なかったら死んでたね」

 

 金髪ツインテールのゴスロリ少女がボソッと呟いた。何か舌打ちが聞こえたのは気のせいだろう。外国人の割には日本語が上手い。恐る恐る二人に質問してみる。

「な、何があったんです……?」

もう片方の女性は大人っぽい雰囲気でまた話にくい。

「私たちがたまたま河川敷の近くを通ったらお前が浮かんでただけだ。あんな光景は映画だけだと思っていたが」

なっ、あのクソジジイ今度はこれかよ!? どこまでテキトーなんだあのジジイ、今度一回ぶん殴ってやろうか。

 

「あぁ、どうもすいませんでした。何か迷惑かけちゃって」

「全くだ、拾うまで苦労したぞ」

「あーあ、賭けに負けちゃった」

賭け?なんの話なんだかさっぱりだ。

「まぁあそこまでの顔色で私も生きてるとは思わなかったから負けるとは思ってたがまさか生きてるとはな」

 

 ヒデェ、俺賭けの対象でしかも生きてるかどうか確認しただけかい。いやまぁ助けてもらったからありがたいと言えばありがたいんだけどさ。溺死寸前したせいか突っ込みする体力も無い。しゃーないので河川敷にゴロンと横たわってみると芝生がチクチクするけどまた心地いい。

また一眠りだ。メガネを外して……ん? メガネ……どこ? いやこれだけは洒落にならんぞマジで俺のメガネどこ行った!?

「ウチこれで4000円ぐらい損してるじゃん。レイナーレ様なんてどんだけ賭けに強いんだっての」

「まぁ、私も6000程負けたからな……ドーナシークの奴も中々に強いぞ、読みが深いからな」

 

 俺は慌ててまだ何か賭けの話をしてるお二人に聞いてみる。金なんぞ賭けに使ったっていいことなんぞひとつも……じゃなかったメガネだメガネ。俺のメガネ。

「あのーすんません」

「ん?」

「俺のメガネ知らないっすかね……」

「知らん。そこの川に沈んだんだろう」

「だぁー……最悪だクソっなんてこった!」

慌てて俺は川に飛び込む。ヘドロだろうが気にしないね、長年使ったメガネと使い古したペンは金よりも手元にないとイライラするんだよ俺は。

 

 

 

                     ※

 

 

 

「……なんなんだ」

あの青年はなんだ?落ち着きがない。それに女性に対しての気遣いもないのか。

「メガネがどうとか言ってたな。」

「うわ、どーりて何か足りない顔してると思った」

相変わらずミッテルトは口が悪い。まぁ良くも悪くもない平凡な顔だった。

さて、暇になったところで……先程のリベンジのチャンスをミッテルトにやろう。

「……浮いてくるか沈んで行くか、どっちに賭ける?制限時間は10分だ」

「ウチ浮いてくる方で2000」

「じゃあ私は沈んでいくほうに2000だな」

 

 しばらくすると泡が激しく水面から出てきた。恐らく足をガレキに挟んで酸欠で死んだだろう、今度こそ。まぁこれで金の激減は免れたな。

「ちぇっまた負けた」

「まぁそう気にするな、次がある」

そう言うとミッテルトの手から金を取り……

「おっしゃ、メガネ発見!!」

「まぁ、次があるから気にしないっしょ?」

損ねた挙句に笑顔のミッテルトから金を取られてしまった。

 

 

 

 

                      ※

 

 

 

「いやぁ、ともかく先程はまともにお礼も言わず川に飛び込んですいませんでした。あと、助けてくれてありがとうございました」

 とりあえず俺はさっきの大人っぽい雰囲気の女性に謝罪する。なぜか少し不機嫌そうにしているので話しかけずらい。

正直言って俺は女が苦手だ。特に同年代の女子は。

 まぁ、ほぼ毎日隣の席の女子が嫌味とか言ってきたら誰でもそうなるだろう。むしろよく苦手ですんだな俺。下手したら新宿2丁目のゲイバーで働くのが夢みたいな感じになってたんじゃなかろうか。

「まぁ、困ったときはお互い様という言葉があるからな」

うんうん、俺の生きてるか死んでるかどうかで賭けやってた人とは思えないぐらい清々しいなオイ。まぁ口に出したら相手に失礼だ。やめておこう。

 

「いや、でもどうしてああなったんだか全く覚えてないんですよ……ちなみにここは何処です?」

「ここは見ての通り河川敷だが?」

「いやいや、そう言うアバウトな感じではなく名前をですね……」

「利根川」

「ハッ倒すぞコラ」

こらえろ、こらえるんだ。仮にも相手は俺を助けてくれた命の恩人で、そんな人にハッ倒すどうのこうのだの言うほど俺は世間知らずじゃないだろう?落ち着け落ち着け。たかだか川の名前言われただけで怒るな俺。

 俺は自分にそう言い聞かせる。俺だってそこまでガキじゃない。命の恩人様に優しく、極めて優しく改めて質問する。

 

「どう聞けばいいですかね?」

「どう答えれば分かる?」

ダメだ、ちょっとこれ腹立ってきた。こらえろ、こらえるんだ。

 ここで俺が難しい顔をしているといきなり大人っぽい雰囲気の方がいきなり笑い出した。

「フフッ……あぁ、すまん。少し遊んだだけだ、真面目に教えよう。」

「はぁ……すいません」

「なに、お前が謝ることではない。ここは姫川市だ」

「あぁ、姫川市ですかありがとうございます。」

なんだ、俺の地元か。なら地形も元と同じなら覚えているぞ。ってよくよく考えてみればここ近所の川じゃないか。

 とりあえず命のお礼の一つや二つはしてあげたいのだが、いかんせん何もないし服を着替えたい。

 

「有難うございました。どうも迷惑をおかけしました。」

「ああ、何があったかは知らんが袖すりあうも多少の縁、というしな。」

「ま、ウチは勝ったから何でもい~けど♪」

……賭けの内容は何だったのかだけは聞かないようにしよう。場合によっちゃ正座させて説教するような感じになる。

「この御恩は一生忘れません。できれば何かしたいのですが生憎……」

「あぁ、また会った時でいい。」

うぅむ、優しい。さっきまでの冗談を軽く吹き飛ばしてくれるような優しさだ。やはり何かお礼をしたい。

 うんうん、人の善意に助けられると自分も何か良いことをしたくなるな。いつか二人にお礼をきちんとしよう、そう思いつつ俺は二人に礼をし家に帰っていった。

 

 

 

 

                     ※

 

 

 

 

 あの青年がどこかへ行ったところでミッテルトが話しかけてきた。

「……ねぇ、珍しくいつもの態度で接してたけど。あと何かいつもより優しかったけど」

「ふふん、お前はまだ若いミッテルト。あれは色気で押すより良い人だと思わせた方が良い。それにあの態度で接したほうが話しやすそうなタイプだったからな」

それにああいうヤツは大抵義理堅いから恩を売っておいて損をしないタイプだろう。命を助ければなおさらだろう。

「へぇ~色気で攻めないカラワーナとかただ怪しいだけだけど」

どういう意味だろうか。妖しいということか。

「ふん、そうと思わない奴もいるという事を知るんだな」

ただ、あの青年を助けた理由は自分でも何故だかわからなかった。あれもいわば何かの出会いというのだろうな。

 

 

 

 

 

                     ※

 

 

 

 

 家に帰るとあの自称神のじーさんがまたポテチを貪っていた。しかもコンソメパンチを。俺の普段は食わないコンソメパンチを。

「なぁ、じーさん……?」

「む、なんぢゃ」

「一回テメェをぶん殴って俺と同じように川に放り投げてやろうか?なぁ……!」

「おお、そうぢゃ。 お主に謝らなければならないことがあるな」

「ほほぉ、今更か。」

内容によっては川に捨ててきてやる。そう思いつつ俺はとりあえずじーさんの言い訳を聞く。

「実はな、お主が指定した世界とお主の世界をうまく掛け合わせた世界を作ったんぢゃがお主の名前を聞き忘れたので仕方なく河川敷の芝生で寝かせてたわけぢゃ」

「ほうほう」

なるほど、俺が名前を言い忘れてたのが原因だったのか。これは俺が悪いとしか言いようがない。とりあえずまだ続きがあるようだしこのまま聞いておこう。

 

「で、ワシが朝食をとっておったらコーヒー熱々がお主の服にかかったのぢゃ」

「おいコラ色々と待てや」

「まぁ待て。まだ続きがある」

「ほほぉ、その続きとやらを聞かせてもらおうかい」

場合によっちゃこのじーさんにも同じ目に遭ってもらおう。

「で、お主が飛び上がって起きたのぢゃがその際に川に飛び込んで流れてた丸太に頭をぶつけてな」

「……で、俺は気絶した、と?」

「そうぢゃ、お主の記憶にはないぢゃろう。気絶する前の記憶なぞたいてい残っておらんしの。で、助けようとして力を使おうとしたらあの二人が来たわけぢゃ」

「で、力を見られちゃ不味いから隠れた、と」

「いや、ナンパしてたんぢゃ」

「よしじーさん、熱々のコーヒー風呂に簀巻きにして沈めてやるよ」

俺の苦しみを思い知れ。

 

 俺がどこからともなく縄と布を取り出したのでじーさんはマジでビビッたらしい。何かまた願いを叶えるという事をほざいているがまぁ気にすることではない。それよりこのじーさんの腐った脳をコーヒーであっため直してやろう。俺が望むのはじーさんを責め苦の挙句土下座させることだ。

「さぁ、ションベンは済ませたか? 神様のお祈りは? 部屋の済でガタガタ震える準備は……OK?」

「落ち着くんぢゃ!! ワシが悪かったのぢゃ!! ほ、ほれ! これをやる!!」

そう言って差し出してきたのは――おお、この世界でのゲームのシステム解説書か。

 

 この世界に持っていったのは――女神転生。昔からディープなユーザー層が多いことで有名なゲームだ。俺はたまたま女悪魔がめっちゃセクシーだったというきっかけからこれを知り、思ったより面白いためこれにのめり込み、少ない小遣いでいくらか作品を買ったのだ。

 

 よし、じーさんを簀巻きにしたりするのはあとだ。風呂入って服着替えたらこの解説書についてじーさんにいろいろと質問だな。

「よし、じゃあ風呂入って服着替えるからじーさん、ちょっと待ってくれ。簀巻き云々は後だ」

「む、了解ぢゃ。では待っておるぞ」

やはりじーさんはTPOを弁えないがけじめは付けるんだな。いやまぁ付けてもらわなかったら俺もうじーさんに何してるかわかったもんじゃないが。

 

 

 

                     ※

 

 

 

「……ふぅ、さっぱりしたわ」

風呂上がりというモノは気分がさっぱりする。どれどれ、じーさんはおとなしく待っていたようなので解説共々聞いてみるか。

「さて、まずは悪魔召喚から始めようと思うんだが……」

「む、そういえば主に渡してなかったの。ほい、これが例のアレぢゃ」

 そう言うとじーさんが俺に見覚えのある機械を渡してきた。この近未来的なデザイン、間違いない。

これはCOMPだ。簡単にいえばパソコンみたいなもので、装着すると中々に重くもない。むしろ腕時計と変わらないぐらいの重さだ。

「でぢゃ、これはお主も知っておる通り悪魔召喚用のアイテムとなる訳ぢゃが少々違うのぢゃ」

「ほぉ」

 

 じーさんが話したのはこうだ。

 この世界では悪魔たちは使い魔という位置に存在するらしく、種族堕天使や天使、大天使、魔王、死神といった神様ポジションとかは分霊という言わば分身を具現化したものらしく、本物の数分の一程の強さらしい。いや、それでもかなり強いことに違いはないのだが。

「で、そういやレベルの扱いはどうなんだ?」

「言いことを聞いたのぅ。お主は何で構成されておるか分かるか?」

「精神。自分で言ったじゃねーか。」

「ほほほ、つまりその精神の強さ、意志の強さでレベルは上がるわけぢゃ。」

 

 なるほどねぇ、精神の強さ、意志の強さか。確かに悪魔召喚の基本は意志の強さやその元となる感情から来ていたな。怒り、憎しみ、慈愛、笑い……そういったものをネットからかき集めて簡略したのが悪魔召喚プログラムだったな。意志の強さだけでも呼べるっぽいが今の俺には無理。

「で、とりあえず呼び出すには生体マグネタイトとかマッカはどうするんだ?」

 

 生体マグネタイト(以下MAGと称す)は言わば悪魔がこの世にその形で存在し続けるために必要な物質で、それは人間にも僅かにあるため、悪魔はこれを求めて人を襲うわけだ。MAGはそれ程重要なもの故に契約を交わす際にもしばしば要求される。マッカは悪魔での通貨で魔っ貨とか言われている。Tとhが混ざった面白い記号となっている。

 

「心配するでない、マッカとMAGはある程度COMPの中にある。起動してみい」

「ええと……これか」

”COMPヲ起動シマス……名前ヲ言ッテクダサイ”

「ええと……若葉 啓介(わかばけいすけ)」

”ワカバ ケイスケ 記録シマシタ”

機械的な声と共にCOMPが光り始めた。COMPに表示されているMAGとマッカは……なんと!!それぞれ1万程入ってる!! 最初にしてはずいぶん羽振りがいいじゃないか。

 

「で、これが尽きたらどうすんの?」

「案ずるでない、紙幣をMAGやマッカに変える機能もあるわい」

なんとなんと、そんな便利な機能まで存在してるとは至れり尽くせりだな。

 試しに1000円程入れてみるとそれぞれ800ずつ増えた。なるほど、100円で80マッカと80MAGか。これまた嬉しいシステムだな。思わず顔がにやけてしまう。

 

「で、召喚はどうするんだ?」

「おぅ、これが一番重要ぢゃったな」

 召喚には色々と問題がある。例えば初召喚したときに悪魔を倒さないと契約できなかったりとかそういうことがある。また、この世界には悪魔は存在してるが女神転生とか以前に俺の世界とは悪魔、堕天使の扱いが違うし何より契約なんぞ悪魔としかできない。もししたら堕天使に命を狙われる存在になるためそういったことは避けなければならない。 

 だが女神転生の悪魔達はどうか。あそこの悪魔の定義もまた一癖二癖ある。何せ種族に女神とか天使とかあるのに悪魔なのだ。色々と理解ができないだろう。確か人間では計り知れない未知の存在だったか

なんだか。

 

 まぁ、俺は勝手な見解として女神とか神様とか天使ってのはある一つの宗教でそう呼ばれ崇められているだけであり、他の宗教から見れば只の破滅の道へと誘う悪魔としか見えない、という昔のキリスト教のような考えである。つまりは異教徒から見れば只の悪魔なら何も信仰しない人にとってはどれも悪魔じゃね?っていうことだ。よって悪魔信仰だってある意味では神様を崇めているようなものなのであろう。

 

 どうでもいい話だが仏教は結構そこらへんは心が広いのか、他のところの神様を自分のとこの神様としても崇めている。たしかガルーダをモチーフにした神様だったか仏様が居た。

「まぁ、呼び出せば色々と分かるぢゃろ。呼び出してみぃ」

「呼び出すって……どうすれば」

「まず悪魔召喚プログラムを起動するのぢゃ」

「ええと、これか」

ポチッとそれっぽいボタンがあったので押してみると、”悪魔召喚プログラム、起動シマス”という機会ボイスの後、COMPがまた光った。これ少し目にきついものがある。

 

「で、これから?」

「ふむ、それではお主に質問ぢゃ。結構お馴染みの序盤に仲魔にする悪魔といえば……なんぢゃ?」

「あぁ……アレね、アレ」

 やはりここはセオリー通りに行こう。熱狂的、という程でもないが多くのファンの心をつかみ、序盤で仲魔になるということもあり未だに人気で中には二人っきりで旅をするという強者すら現れるほどの人気っぷりで下手すればそこらのヒロインより人気が絶対的であるだろう。女神転生を代表する悪魔の地位は取れなかったが、女神転生の中でかなり人気であろうあの悪魔。 

「その悪魔をイメージしてみるんぢゃ。すぐに召喚できるぢゃろ」

俺はその悪魔の事を明確にイメージしてみる。

「キャハハッ。アタシを呼んだのはキミ?」 

「えっ?」

 

 不意に聞きなれぬ声と共に目の前に紫と緑の丸い光の柱が現れた。そしてその中にはあの悪魔が居た。

間違いない。蝶のようにもトンボの羽のようにも見える透けていて、角度によっては僅かに虹色に反射する羽。そしてあの青っぽいレオタードを着た小さな女の子のような体。

「アタシは妖精ピクシー、アタシを呼んだのはキミだね?」

なんてことだ、俺の目の前にピクシーが召喚されちまった。

 

 

 

 




これまた懐かしいです。完全にあとがきが過去のふり返りになってますがご容赦ください。この小説は色々なネタを仕込んでいるつもりですが……分かりにくいですね、これ(・ω・`)
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