ただのゲーマー高校生のハイスクールD×D   作:unat

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第6話:絶体絶命

「校門で言っていた悪魔とか堕天使って……どういうこと?」

 なぁ、じーさん。今、俺とてもヤベェ状況にあるんだよ。具体的に言うと新米ハンターが喜々として雪山にいったらティガレックスが出たぐらい本当にヤバイんだよ!

 

「……私の話を聞いているかしら?」

「あ、すんません。聞いてます聞いてます」

 どうやらじーさんに対する心の叫びを出している余裕もないらしい。さて、どうして誤魔化したものか……。いや、このままとぼけるべきか? こうして黙っている間にも先輩の俺に対する印象が悪くなるだけだしな……。

 

「…………」

 リアス先輩の様子を見ると、ずっと押し黙ったままこちらを睨み付けるぐらいの勢いでこちらを見つめている……怖い、怖すぎる。

「せ、先輩……俺、先輩に何かしましたっけ? そ、その……怒ってます?」

「……えっ?」

 

 リアス先輩はいきなり拍子抜けの質問をされてどうやら肩透かしをくらったらしい。ハッとした表情になったが、すぐに取り直したようで

「最近、少し徹夜が祟ってちょっと目が疲れてるみたいね……怖かったかしら?」

と返してきた。よし、これで少しは俺が”もしかしたらただの一般人”である可能性があるとリアス先輩の心の裏にでも植えつけられたかもしれない。

 

「あー……分かります。ちょっと目が疲れてると黒板の字をたまに睨んじゃいますもんね」

「ええ、体に悪いことはするものじゃないわね」

 そう言いながらリアス先輩は少し楽しそうに微笑むので、俺もつい少し笑ってしまい――――じゃなかった。ほのぼのとしている暇じゃない、さっさと身の潔白を示そう。

 

「えっと、で……さっきの話ですけど。ゲームの話ですよ、ゲームの」

「ゲーム?」

「ええ、まぁ……悪魔と天使とか堕天使とかが出てくるようなゲームですよ」

「そんなゲームがあるのね……どういう物かしら?」

 

 以外にもここでリアス先輩がゲームの話に食い付いてきた。こう食い付きが良いとメガテニストの端くれでもある俺の血が疼いてくる。どうしようか、簡略化してもかなり長い話になるんだよな……。

「えっと、じゃあこの作品はシリーズものなので初代の物語を大雑把に話しますね。まず――――」

 

 

 

                      ※

 

 

 

「……とまぁ、何も信仰していない人にとってはどれも悪魔みたいなもんで、人の目によって天使だって悪魔に見えるし堕天使だろと天使に見える人も居るし悪魔を天使と思う人もいるわけです。まぁ、人の価値観によってそれの定義は変わるって感じですかね」

「……中々に面白いわね」

「まぁ、そんな悪魔にも色々と複雑なものがあるんですけど……話すと長くなりますけど、大丈夫ですか?」

「ええ、構わないわ」

 ありがたいことにリアス先輩からの説明許可が出たので俺の思うままに説明させてもらおう。

 

「えっとですね、まず悪魔には3つの属性があります。L(ロウ)N(ニュートラル)C(カオス)というものです。L(ロウ)は法と秩序を重んじて、N(ニュートラル)は如何なる思想も持たず、ただ自由奔放に生きていき、C(カオス)はひたすらに力を求め、力のみが信じられるものとしています」

 そう説明し終えると、リアス先輩は一言。

「つまり……Lが善でCが悪ってことなの?」

 ふむ、リアス先輩はいい質問をしてくれるなぁ。よし、ついでだしもう一つだけ話しておこう。

 

「いえ、実はですね。Lの中には法を悪用する邪神や悪神もいるのですよ。まぁ、それについては後ほど詳しく話しますね」

 

 まず、LNCとは他にLNDというものがありまして、L(ライト)とN(ノーマル)とD(ダーク)というものです。この属性は更に細かく、LNCの中にさらにLNDがあると考えてください。

 

 まず、L-L(ライト-ロウ)は法と秩序を以って人々に幸福や豊かさを与えるような、言ってみれば理想的な神様や天使といった感じです。そしてN-L(ノーマル-ライト)はまぁ、一般的な善良な人々といった感じでしょうか。D-L(ダーク-ロウ)は先ほど言ったとおり、法や秩序というものを悪用している者や悪神、邪神といった感じです。

 

 そしてL-N(ライト-ニュートラル)は、如何なる思想にも囚われずに人を救うような、まぁどこぞのツンツン頭をした不思議な右腕の高校生といった感じです。N-N(ノーマル-ニュートラル)は、自由奔放に生きていきますが、怒らせたりすると恐ろしい者もいます。D-N(ダーク-ニュートラル)は何の思想も持ってはいませんがただ破壊を望み、力を振るうこと生きがいにしています。

 

 最後に、L-C(ライト-カオス)は、自分、または仲間の為なら力を奮い、唯一悪法等に打ち勝てる存在でもあります。N-C(ニュートラル-カオス)は、力を純粋に追い求めていき、修行などに励んでいます。D-C(ダーク-カオス)は力を求めるためならどんなことですら躊躇しないという外道な存在です。

 

「――――まぁ、こんな感じでしょうか。あくまで”感じ”ですので、当たってるかどうかまでは定かではないです」

「なるほど……それじゃ、一概にはどれが悪でどれが正義か、なんて分からないものなのね」

「そうですねぇ、世の中そんなもんですから」

 何やら、ただの説明からちょっと深い話に入り始めてきたなぁ。

 

「とても面白い話だったわ、ありがとう。それじゃ、面白い話のついでに質問いいかしら?」

「あ、大丈夫ですよ」

 そう言うとリアス先輩は少し考えて話したいのか、それともうまく言いたいことがまとまってなかったのか、間を置いて話しかけてきた。

 

「もし、もしもの話よ? 悪魔と堕天使と天使、この3つが世界で争っていたら、貴方はどれが正義だと思う?」

 なるほど……そういうことか。メガテン思考でいくと、この3つのどれかを選ぶとルートが確定して、ボスまでの道のりが決まったりするんだろうな……じゃない。つまりは俺がどういう考えかを聞いているということみたいだ。下手にどれかを選ぶとめんどくさいことになりそうだ……なら、俺の導き出す答えはこれだ。

 

「どれがいいか?そんなの知りませんね。人に害をなすなら全部滅べばいいんですよ、全部……ね」

 顔から表情を捨て、低い重い声でボソッと一言、聞こえるか聞こえないぐらいの大きさでつぶやいた。無論、演技だ。この論を通していくと最終的に俺の仲魔をオールマストダーイしなきゃいけなくなるし。

 で、リアス先輩はというと、少し驚いた表情をしたけどすぐに取り直したようで、何か考え込んでしまっている。よしよし、いい反応だ。

 

「……なーんてね、嘘ですよ嘘!どうです?怖かったですか?」

 さっきまでの表情とは打って変わって、笑いながらさっきまでとは違う普通の表情に戻る。

「もう……悪戯されるなんて思わなかったわ」

「いやぁ、さっきのお返しってことで無かった事にしてください」

 そう言いながら俺とリアス先輩、二人で軽く笑い合う。さりげない冗談で少しは気分も楽になってきた。よし、これで上手くはぐらかせただろう。

 

「確かに、そんな危ない考えの人なんてそうそう居ないものね」

「まぁ、もしそんな人がいるとしても、先輩みたいな上級悪魔に――――あ」

「えっ?」

 途端、俺のやらかしたアホなミスのせいで最初よりも酷い雰囲気が辺りを包み込む。ヤバイ、とりあえずこのままどうにかしてはぐらかして立ち去ろう。うん、そうしよう。

 

「おっと、もう昼休みも終わりそうですねぇ。それじゃ、失礼します」

 そう言いながら俺は、中学の時に軍人上がり……の血筋を持つ体育教師に鍛え上げられた無駄に洗練された無駄のない無駄な動きで起立、回れ右をする。この綺麗な動きに誰もが見とれ――――――

 

「ここは通しません」

 ていなかったようだ……クソッ、なんてこった。よりにもよって、ルークの子猫さんが出てきた。これじゃあ通れないし手出しが出来ない……いや、この状況で手を出すこと自体がアウトか。自分の下僕を物凄く可愛がっている先輩のことだから、間違いなく手を出したら俺が死んでしまう。

 

 仕方ない……ここは、俺の舌先三寸をフルに生かしてこの状況を突破するしかないらしい。

「あー、子猫さん? 俺ちょっとトイレ行きたいんだけど」

「後にしてください」

 クソッ、俺の結構有力な部類に入る言い訳が通用しないだと? 万策……尽きたか、そう思ったその時。

 

「あらあら、私としたことが。殿方がいらっしゃるのにお茶をお出しし忘れるなんて」

 そう言いながら姫島先輩が紅茶を二人分運んできた……いや、えっ? このタイミングで俺に紅茶を振舞うの? いやこれ……絶対わざとでしょう? ”私は何にも知りませんから、どうぞ”みたいな感じなの?

 とはいえ、俺に残された選択肢としては、危険かもしれないが姫島先輩が出した泥舟かもしれない助け舟に乗り込むしかない。

 

「あー……紅茶があるなら仕方ないですね。あ、砂糖下さい」

「ではスプーンは――」

「あ、大丈夫です。スプーンはたまたま今日使ってないのがあるので」

 そう言いながら俺は椅子に腰掛けつつ、スプーンを懐から取り出す。なんで懐にあるかって? 懐にあると色々と便利だからな、手を洗うついでにこういうものは洗ったりも出来るので水道代の節約にも一役買っている……じゃない、この状況をどうにかせんと。

 

 とりあえず、落ち着こう。落ち着かなければ転ばぬ道も転んでしまう。まず、姫島先輩が俺にこうやって紅茶を振舞うということは、向こうも手荒なことをしたくはないということだろうか? だったらまだ穏やかに物事を済ませられる可能性がワンチャンあるかもしれない。

 姫島先輩の意思を明確に区別するために、そのためにもこのスプーンが活躍するわけだ。何を隠そう、このスプーンはなんと、銀製なのだ。ご都合主義とかそういうのではない、ただ愛用してたのがたまたま銀製だったのだ……と思う。

 

「いやぁ、甘いの俺好きなんですよ」

 そう言いながら砂糖入れのスプーンから山盛りの砂糖を三杯分ほど紅茶に投下し、自分の銀製のスプーンでなるたけ音を出さないようにかき混ぜる。もしこれで毒か何かでも入っていたなら、スプーンはすぐに変色するだろう。

 

 そうこう考えている内に、砂糖は全部溶けた。スプーンを恐る恐る取り出してみる……が、スプーンはやっぱり先ほどと全く変わらない、銀光をしている……つまりは、毒は入っていないらしい。安心した……。

 

 さて、どうやってここから誤解を解くべきか。先輩がさっきの質問に対しての答えを鵜呑みにしている可能性が高い。どうしようか、あれは舌先三寸で言ったことだからなぁ……。

 そう思いながら紅茶を一口、口に入れる。すると、口の中に甘ったるさと程よい香りが口の中で膨らみ――

「――おいしいです」

「あらあら、お口に合っていただけましたか」

「ええ、とってもおいしいです――――――?」

 

 そう言い終わった瞬間、指に力が入らなくなった。いや、指だけでなく気づけば全身が金縛りにあったかのようになり、口と目が動かせるのが不思議なくらいだ。

「リアス……先……輩? 姫……島先輩?」

 そろそろ口にも力が入らなくなってきた。もしこの束縛が一定時間のものだとしても恐らく俺が逃げられないようにするには十分な時間があるだろう。

「ねぇ、若葉君。ちょっと君に興味があるの。ちょっと色々とお話を聞かせてくれないかしら?」

 ああ、なんてこった。少しでも穏便がどうとか勝手に予想した俺が馬鹿だった。

 

「朱乃、色々と話を聞かせてもらってあげて?」

「了解しました、部長。あらあら、顔色が悪そうですが大丈夫でしょうか?」

姫島先輩がこっちに笑みを浮かべながらやって来て、俺の顔を撫でる。一見何かを期待しそうになるが、先輩の目が滅茶苦茶楽しそうな顔をしているところを見ると、どうやらそういうことは期待できなさそうだ。

「ぅ……ぁ」

 ダメだ、もう声をまともに出すこともできない。どうする、どうすればいい?

 

「殿方をリードするのは久しぶりですし、楽しませていただきましょう」

そういうと先輩は丁寧にカップを俺の手から外すとと机に置き、腕を上げさせるとどこから取り出したか分からない縄で俺の手首を縛り、足首も同じように縛り付け、俺の体をソファに縛りける。

 これから俺が何をされるのか、全くわからない。恐怖で目に涙が溜まってきた。畜生、どうしてこんなことになったんだ……あぁ、俺が朝うっかりアホみたいな発言をしたからか……

 

「あらあら、泣きそうな顔をされるとこちらも少し罪悪感というものを感じてしまいますが……心配ありませんわ。これから質問することに正直に話していただければ私達は何も害を加える気はありませんもの。」

 クソッ、話すことなんて何もないし、それを信じるかなんて相手次第じゃないか!! 俺が何も話すこともないという事を話したって聞き入れてくれるとは思えない。

 

「あ……う……?」

 薬の効果が切れてきたのか、口が動けるようになってきた。

「あらあら、薬の効き目が切れるのが早めですわねぇ。少々体が頑丈な殿方のようですね」

「お、俺が話すことなんて何も……!」

話そうとすると、姫島先輩が俺の口の前に人差し指を置き、静かにという合図を送ってきた。

「余計な体力を使うと、早めに何もしゃべることができなくなってしまいますよ?」

 体力を使うこと……?俺は何をされるんだろうか。

 

「さぁさぁ、まずは軽い手始めですわ」

 そう言うとバチバチッという音と共に部屋に雷が呼び出される。雷は姫島先輩の両手に篭手のようにまとわりつく。……あれで触られたら、間違いなく死ぬぞ。体力関係なしに。

「さぁ、始めましょうか。正直に答えてくださいね?」

 そう言うと、姫島先輩はクスクスと笑いながら雷の篭手を俺に近づけてきた。

 これは……もう、ダメかもしれんね。




どうも。毎度毎度お騒がせしてすいません。なんとか、アットの方が復旧したので執筆途中のとアットのでくっ付けて軽いリメイクをしてみました。

確実に姫島先輩ルートを突き進んでますね、SMルートを選んだ若葉君頑張れ。
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