僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近ふくらはぎが痛いのですがこれは新しい扉を開けという神からのお告げだろうか?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






9章 2話~話し合いは念入りに~

「じゃぁ……まとめてみた上で何か気づいたこととかある?」

 

霊夢さんが上げた声に答える声はなかった。

皆一様にうーんと唸りながらそれぞれに違う方向を見つめている。

「結局何も無いんじゃないの…………。」

霊夢さんは溜め息混じりに呟くと足を投げ出して背もたれに体を預ける。

 

気づいたことかぁ……。

「あの、い……いいですか?」

静かに手を挙げると視線が一気に集まるのを感じた。

「あぁ……鞘か…………。で、何?」

何だか端から期待していないといった感じに聞こえるけど気のせいだろう。

頭の中で一度話すことを整理してから話し始める。

 

「ええと……結局僕達が最初の騒ぎで出会った千恵さんはチールさんだったわけですよね?」

「まぁ、恐らく正確には《千恵さんの体に入ったチールさん》なんでしょうけど。」

「はい。それで、そのときはエルさんは何処にいたんですかね?」

「そりゃぁ…………あの倒れてたおばさんの中じゃないのか?」

「でも!あの二人の能力からしても二人で一つって感じがしますし一緒にいないのって不自然じゃないですか?」

 

僕の気づいたことに霊夢さん達は「言われてみれば……」と小さく頷く。

「確かに不自然ではありますね……。」

 

「はい!はい!!じゃあ、次は私が!!」

それに続くように魔理沙さんが元気よく手を挙げる。

霊夢さんが足を組み直し、顔をんっと前に出して続けるように促す。

「ええと………私達が最初にあった千恵はあの時点でチールだったわけだよな?」

どこかで入れ替わったとは考えにくいしきっとそうだろう。

僕達が頷いたのを見て魔理沙さんは話を続ける。

「あいつ、私達一人一人に握手を求めてただろ?霊夢の手に急にくっついてたりもしてたよな?」

僕はそのときの記憶を頭から引っ張り出す。

確かに握手を求めていたし、霊夢さんの手に自分の手を添えたりしてたっけ……。

魔理沙さんの話を皆が記憶を手繰りながら聞いている。それが面白いのか一層楽しそうに喋り出した。

「そして、倒れてたおばさんが起きあがったときだけど、あのときも確か近づいてたよな?それに最後に看病してた彼女に触れようとして鞘に阻まれてた。」

「つまり、魂を奪うとき、もしくは乗り移るときはその人に触れる必要があるっていうことですか……?」

「恐らくな。」

ハッとして僕が言うと得意げに魔理沙さんは人差し指を立てた。

なるほど……確かに言われてみればそうなのかもしれない……。これは有力な新情報が得ら――

「って、んなこた分かってんのよ。」

僕が感動しているのを霊夢さんが不機嫌そうに遮った。

「そんなことまとめてる時点で分かってるわよ。そんな猿でも分かること言ってないで新しい何かを見つけなさいよ。」

「なんだよ。ちょっと確認で言ってみただけだぜ?」

「そんな妖精でも気付くようなこと得意げに言っておいて……。」

容赦なく流れ弾を正確にこちらに向けて撃ってくる霊夢さんがふと言葉を止める。

文さんが何かコソコソと耳打ちしていたから多分それが原因だろう。

それより……。

「猿以下…………。」

さや は めのまえが まっくらに なった

 

「あぁ…………えっと……なんかごめんね。」

霊夢さんに雑に慰められる。

「大丈夫です。大丈夫です。」

「え?鞘さんどうしたんですか?」

「触れないであげてください。」

「?は、はあ…………。」

早苗さんは良く分かってないようだった。それにしても猿以下……。猿以下…………。

 

 

「えぇ……約一名戦闘不能になってしまいましたが……とりあえす続けましょうか。」

「完全に仲間割れだったけどな。」

「……わざとじゃないわよ。」

「だ、大丈夫ですよ!!」

「…………?」

どうやら僕のせいで話が中断されてしまったようだ。

 

とにかく、話し合いを再開させよう。

「そういえば……エルさん達は2日で14人もあんな風にしてしまったわけですよね……?すごくペースが早くないですか?」

「まぁ確かにとんでもなく早いペースですね…………。」

「って言っても無理な数でもないだろ?現に千恵を見たって人もいたんだし。」

魔理沙さんが何気なく呟いた言葉に何か違和感を覚える。

どうやら霊夢さんや文さんも同じ風に感じたのか眉をひそめる。

「ちょっと待って、魔理沙その人の証言覚えてる?」

「ん?確か昨日の何回かの騒ぎにも千恵が来ていたって言ってたな、実際にそいつが見た訳じゃなくてその場にいた知人に聞いたらしいが。」

…………正体のわからないモヤモヤが僕の頭の中を覆う。

「妙ですね……。」「妙ね……。」

すると二人が同時に呟いた。

「何がですか?」

早苗さんが即座に二人に尋ねた。

僕は何だか問題の答えを見るようで複雑な気分だったが話を遮るわけにも行かないので二人の言葉に耳を傾ける。

「千恵の中にはチールがいたわけよね?」

「それは間違いないでしょう。しかしそれだとさっき鞘が言ったように不自然です。」

「あ……そうか……。」「確かに妙ですね……。」

横で魔理沙さんと早苗さんがハッとして呟く。

まずい。これは僕だけついていけてない展開だ……。

ちょっと整理しよう…………。

 

えっと、文さんと霊夢さんが反応したのは魔理沙さんのこの言葉。

『って言っても無理な数でもないだろ?現に千恵を見たって人もいたんだし。』

『ん?確か昨日の何回かの騒ぎにも千恵が来ていたって言ってたな、実際にそいつが見た訳じゃなくてその場にいた知人に聞いたらしいが。』

つまりチールさん達を倒れた人たちがいた場所で目撃した人が複数人いるということだ。

でも、誰か一人が全て見たってわけでもないしそんなにおかしいところがあるようには思えない。

 

「鞘、証言した人は誰を見たと言ってましたか?」

 

首をひねる僕に苦笑混じりに文さんがヒントを出した。

「ええと……千恵さんですよね?何かおかしいですか?」

「誰か足りなくないですか?」

足りない………………?

足りない………………。

足りない………………!

「あ!!」

声を上げた僕に4人が微笑む。

確かに最初に僕が疑問を持ったとおり二人で行動していた訳ではないようだ。

二人で一緒にいたとするなら目撃されるのは千恵さんとあの女性の二人じゃないとおかしいはずだ。

ところがどっこい現場にいたのは二人ともではありません。千恵さんのみ……つまりチールさん…………。

「鞘は時々微妙にネタ突っ込んできますよね。」

「使いやすいんだろ。」

文さんと魔理沙さんが何か言ってるけど気にしないことにする。

現場で目撃されたのはチールさんだけだった。でも一人でいたとは考えにくい。

そこには恐らくエルさんも一緒にいたはずだろう。

「チールは見つかったけどエルの方は上手く隠れたってことか?」

「ありえなくはないですけどちょっと無理がありませんかね?」

「そもそもあの二人の証言が本当だって証拠はないわけだし……何にしても断定は出来ないわね。」

「んー…………嘘には見えなかったんですけどね…………。」

「あんたもケロッと嘘ついたりするでしょうが。」

「なっ!?…………心外ですね……私はいつでも真実を―――」

だんだんと話が脱線してくる。

「えっと……もしかしたら千恵さんの体の中にエルさんとチールさんの二人が混在していたとしたらどうですか?」

話を戻そうと思いつきの考えを述べてみる。

「…………。」

霊夢さんがジッとこちらをみる。

そして腕を組み、目を瞑って俯く。

たっぷり間を空けてからゆっくりと顔を上げると。

「あり得る…………のかしら……?」

難しい顔をしてそう呟いた。

「あ、いや適当に言っただけですし、多分間違っているんじゃ…………。」

「いやいやあながち間違ってるとも言い切れませんよ……なるほど……一人の中に二人、ですか。」

「はーー。なるほどな。」

予想外に皆の反応が肯定的で戸惑う。

でも、確かに改めて考えてみるとあり得ない話ではないのかもしれない。

これはもしや僕のファインプレーが決まったのでは?

そんな淡い期待を抱いていたところなんとももっともな意見が僕に突き刺さった。

「でも、そうだったとしてもそれがどうなるんですか?」

「「「「…………」」」」

早苗さんの恐らく何気ないであろう一言に皆が黙り込む。

「?」

首をちょこんと傾げて不思議そうに僕達を眺める早苗さんは何だか小さな子供を思わせる無垢な雰囲気があった。

 

「…………まぁ、一人の人物の中に二つの魂を混在させている可能性があることがわかったわけだから、収穫が全く無かったわけではないわよ……。」

 

霊夢さんの慰める声に苦笑いで答える。

 

 

 

「あああーーーー!もう!埒あかないわね!!」

隣でいきなりバンッと机を叩いた霊夢さんに思わずビクッと体を震わす。

一度は少しだけ盛り上がった議論もあれ以降完全に勢いを失ってしまい……数分後のこと。

「やっぱり話し合いなんて柄じゃないわ…………。」

溜め息と共に立ち上がった霊夢さんがん~……と伸びをする。

「じゃあどうするんだ?」

少し呆れたように魔理沙さんが肩をすくめる。

「とりあえずはもともとの予定通り外を回ってみましょう………。」

「回るって言ったって……どこをどう歩くんですか……?」

「そんなもん知らないわよ。こういうときは適当に歩いときゃ何かあるもんなのよ。」

「それは名案ですね。」

文さんの皮肉を軽く受け流して霊夢さんは立ち上がって出口の方へと向かう。

もう外に出る気まんまんのようだ。

「まぁ、確かにずっと座ってて疲れてきたところだしな。ちょっと気分転換がてらってのもいいだろ。」

「案外霊夢さんの言うとおりコロッと何か見つかるかもしれませんしね。」

その霊夢さんに続くように魔理沙さん、そして早苗さんも立ち上がる。

 

「行きますか……。」

文さんが苦笑を漏らす。

つられて僕も笑いながら

「行きましょうか。」

そう言って立ち上がった。

 

「それじゃ、邪魔したわよ。」

鈴奈庵ののれんを内側から押しながら霊夢さんが店の奥に向かって一声かける。

しばらくして返ってきた声は

「早く返してくださいねーーー!!」

魔理沙さんの顔をひきつらせ、僕達は魔理沙さんのあとを追ってそそくさと鈴奈庵を後にした。

 

 

 

 

   続く……

 

 

 




はい!どうも!アニメは一気に観たい派の彩風です!

最近観てないなぁ…………。

さて!今回もここまで見に来ていただき本当にありがとうございます。
感謝感謝でございます。


みなさんは前回の後書きを覚えていますか?
前回の後書きで彩風はこんなことを抜かしていました。

《ちょっと勉学に励むから投稿1,2日遅れるかもしれないピーヤ》

しかしこれが投稿されたのはいつものスパンの2倍開いた前回投稿からの2週間後。
活動報告にて一度理由を申し上げてはいたのですが……実は…………。

ノロウイルスにかかってました。

いやあ………………ははは笑えない笑えない。
というわけで投稿が遅れた次第でございます。

もう体調も元に戻りましたので大丈夫です!

よければ次回もまたまたのぞきに来てくださいね!

それでは次回もゆっくりしていってくださいね!
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