僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・やはり世の中でもっとも旨い食べ物はラーメンだな
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






おまけ編 10
おまけ編 1話~恋患い~


あれ?そもそも何で僕はこんなところにいるんだろう……?

ふと浮かんできた疑問に首を傾げる。

まぁ……本編じゃないし、深く考えてはいけないんだろうか?

…………。

…………。

って、本編って何だ!?

 

 

 

 

 

世界から音が消えしまったのではないかと錯覚してしまうほど静かな空間。

よく耳を澄ませてみると遠くから微かに時計が秒を刻む音が聞こえてくる。

目の前では先ほどから一度も視線をあげることなく読書にいそしむ少女が僕と向き合う形で座っている。

 

スッ……

 

頁をめくるときの紙が擦れる音ですら耳に響いてくる。

この状態でもう何時間経ったのだろうか……?実際の10倍以上時間が経っているように感じるほどその空間に居るというのは気まずいものだった。

僕はどうやら誰も何も話さない。こんな状況が苦手なようだ。

賑やかなのが好きと言うわけではないけれども静かすぎるというのはどうにも耐え難い物がある。勇気を振り絞って控えめに声を上げてみた

「あ、あの……パチュリーさん……?」

「なに?」

石像のように同じ体勢を続けていたパチュリーさんは僕の声にゆっくりと顔を上げた。

紅魔館の地下にある図書館に二人の声が順々に響きわたる。

「え、……ええと……その、何を……読んでるんですか?」

「フモリティシッチ式魔導書第2版。」

「え?あ、はい……へぇ…………。」

早口に素っ気なく答えられて、咄嗟に出た声は何ともな間の抜けた物だった。

パチュリーさんは再び視線を落とし、真剣な眼差しで、ただ一点自分の手にある分厚い本を追い続けている。

こうして、状況は振り出しに戻るという結果になった。

しかし、こんなところで諦めるわけにはいかない……!そう意気込んで再びパチュリーさんに言葉を投げかける。

「パチュリーさんって……肌真っ白ですよね……。」

長めの袖の先から顔を見せる手は殆ど色がついておらず、正にお人形のようという喩えが相応しい。

幻想郷で見てきた女性は皆が皆とても綺麗で色の白い肌をしていたけど、中でもパチュリーさんは規格外に白い気がする。

「あんまり日の光を浴びることがないからかしらね。レミィも白いでしょ。」

顔を動かさずに声だけで反応が返ってくる。

レミィというのは吸血鬼のレミリアさんのことだ。確かにレミリアさんも真っ白な肌をしていた気がする……吸血鬼は日の光を浴びられないっていうから当たり前なのかもしれない。

「全く外に出ないんですか?」

「そうね。」

半ば冗談のつもりだったのだけど帰ってきたのは予想外の三文字だった。

「ま、全くですか?」

「えぇ、全く。」

パチュリーさんは顔を上げることなく受け答えを続ける。

全く外に出ない……。確かにお世辞にも活動的なタイプには見えないけれど……。

「そ、そうなんですね……。でも!だめですよ!あんまり日の光を浴びずにいると、体が弱くなっちゃいますから。」

「そうね。気をつけるわ。」

パチュリーさんはそういうとまた一つ頁をめくる。

なんとなく、無言の圧力で話しかけるな。邪魔するなと訴えられている気がする。

そうして、何度目かの沈黙が訪れた。

どうしよう……。

あれ?そもそも何で僕はこんなところにいるんだろう……?

ふと浮かんできた疑問に首を傾げる。

まぁ……本編じゃないし、深く考えてはいけないんだろうか?

 

 

…………。

…………。

 

 

って、本編って何だ!?

 

自問自答を終え混乱する頭の整理がつかないまま何気なくパチュリーさんの方へと顔を向ける。

すると視界に、なんとも予想外な人物が映り込んでいた。

いや、ある意味予想通り……お決まりとも言えるだろうか?

読書に勤しむパチュリーさんの後ろ。ふわふわと空中を上下しながら烏天狗がニコニコとこちらに手を振っていた。

「え?なんでこk……。」

思わず驚きを声に出したが、すぐに自ら口を塞いで言葉を切る。

「なに?どうかしたの……?」

パチュリーさんが怪訝そうな表情をこちらに向けた。

「あぁああ!!え、ええと。その……。なんでもないです。はい……。ほ!ほんとに何でもないんですよ!」

「……?そう。」

上手くごまかせただろうか……?

文さんが持つフリップに書かれた『しゃらっぷ』の文字を横目に、いつの間にか少し浮いていた腰をいすに落ち着ける。

僕の咄嗟の反応に、文さんは満足したように親指を立てると、パチュリーさんに気づかれないようにフリップを取り替えた。

取り替えられたフリップに書かれた文字を目を凝らして読む。

『次のフリップの文をそのまま声に出して読んでください。』

ちょうど読み終えた瞬間にフリップが入れ替えられる。

いったいどこから取り出しているのだろうか?それにどこに仕舞っているのだろうか?

青い狸のポケットでも持っているのかな?

そんなことを考えていると文さんがフリップの文字を何度も指さす。

どうやら早く読むように急かしているらしい。あわててフリップに目を向ける。

そして、たどたどしくフリップに書いてある短い文を読んだ。

「そういえば、魔理沙さんってどう思いまs――」

「ゴホッ!ゲホッ……!」

すべて言い終わる前に急にパチュリーさんがせき込みだした。

「だ、大丈夫ですか?」

「だ、だだだ、大丈夫よ……。」

急いで立ち上がり駆け寄ろうとしたが、パチュリーさんはそれを拒むように僕の動きを手で制した。

手で半分隠れた顔が上気しているように見えたのは僕の気のせいだろうか?

 

「な、なんで急に魔理沙が出てくるのよ。」

咳払いを一つして、パチュリーさんが僕に尋ねる。

「え?……あぁ、えと。その…………。」

どうやらパチュリーさんは真後ろで必死に笑いをこらえている文さんに気づいていないようだし、文さんも気づかれないようにしているようだ。

そのため文さんにそう言うように指示されたとは言えず、なんと返答するべきか思考する。

「とくに……深い意味はありませんよ?ふと頭に浮かんだので……。」

しかし、僕の足りない頭ではそんな答えをひねり出すので精一杯だった。

「そ、そう……。」

パチュリーさんは納得行かない様子だがそれ以上追求はしなかった。

すると先ほどまでかじりつくように読んでいたフモ何とか魔導書を閉じて頬杖をつく。

 

「魔理沙……ねぇ……。貴女はどう思うのよ。」

「え?……僕ですか?」

質問に質問で返され一瞬戸惑うが、答えにくい質問でもないので率直に答える。

「そうですね……。まず、元気な人……って印象が強いですかね?」

「ふふ……。まぁ、そうね。」

そう言って微笑むパチュリーさんを見るのはとても新鮮だった。あまり笑わない人だと思っていたけどもしかしたらそんなことはないのかもしれない。

 

「あとは……なんですかね……霊夢さんととても仲がいいですよね。」

 

……あれ?

不意に訪れる静寂。パチュリーさんが眉を一瞬ピクリと動かしたっきり固まってしまった。

急の出来事にどうしていいか分からず、助けを求めるように文さんの方を見る。

そこで文さんが浮かべていた表情は言葉では何とも言い表しにくい物だった。

哀れみともとれるし、呆れともとれる。いったい僕はなにをしでかしたのだろうか……。

「霊夢ね……そうよね。とても仲がいいわよね。」

すると時間差で、固まっていたパチュリーさんが動き出す。

その声は僕との会話と言うよりは、独り言のように聞こえる。

「そ、それで……パチュリーさんはどうなんですか……?」

この状態で、僕がこれ以上何か言うのは危険だという判断の元、パチュリーさんに順番を譲る。

 

「え?……あぁ、そうだっわね。質問されたのは私っだったわ……。そうね……魔理沙ね……。」

呟きながら顎の方に手をやるとパチュリーさんは早口に話し始めた。

「借りていった……というか盗んでいった本は返ってくる気配がないし、頻繁に図書館内を破壊するし、思いつきで無理矢理外に連れ出されるし、無鉄砲だし、魔法もパワーしか考えてないお粗末なもの……。面倒見は良いけど気を抜いたら変な茸食べさせられるし、好奇心旺盛にしても度が過ぎててすぐ周りを巻き込むトラブルメーカー…………ってとこかしら。」

僕の勘違いでなければ一度も息継ぎせずに全て言い切ったようだった。

言っていることと反して声色は明るく、表情も心なしか楽しそうに見える。

「いい加減何か取り返す手段を考えた方がいいかしら……。」

やれやれといった風にため息をつくパチュリーさんの後ろで文さんはニヤニヤと笑みを浮かべている。

何かの拍子でパチュリーさんが振り向けば一発でばれてしまいそうな距離だが全く気づかれる気配はない。

文さんの先祖は忍者か何かなのだろうか?

「まぁ、あれで結構良いところあるし、悪い人じゃないわよ。」

パチュリーさんは優しく微笑むと、そう言って締めくくった。

 

「へー……。魔理沙さんのことよく知ってるんですね!」

 

「…………。」

あれ?

デジャヴにしては随分とスパンが短い気がする。

いや、あのときとは若干違う……文さんの顔は哀れみや呆れではなく、よくやったという感じの讃えのようにも見えた。

何よりパチュリーさんの様子が180°違っていた。

あのときは死んだ魚のような目をしていたが、今は目を丸く見開いて鼻のあたりまで真っ赤にしている。

 

 

僕は……なにをしでかしたんだろうか……?

 

 

「…………別にそういうのじゃないわよ。」

しばらくの静寂の後、ボソッとそう呟くとパチュリーさんは赤くなってまだ戻りきっていない顔を隠すようにフ何とか魔導書に顔を埋めてしまった。

「え?あ……え?僕、何か変なこと言いましたか?」

「別に。」

顔を上げることなく短く返されて、何か変なことを言ったのだと確信する。

どうしよう……ここで謝るのは逆効果だろうか……でも黙っているというわけにも……。

 

ふと助けを求めて文さんの方に目を向ける。

……文さんは満足げな笑みを浮かべて僕に写真を見せつけていた。

目を凝らして見てみるとどうやら顔をきれいに赤く染めたパチュリーさんの様子が映っているらしい。

貴女という人は……。

 

呆れて半眼を向ける僕を気にもとめずに、満足したのか文さんはクルリと窓の方を向く。

そのときだった。

浮かれていたのか文さんが本棚にぶつかって小さく音が鳴った。

 

「あ」

 

文さんがそう声に出したときにはもう既にパチュリーさんが文さんの腕を掴んでいた。

「あら、いたのね。全然気づかなかったわ。」

にこやかな表情には所々青筋が入っている。

 

 

僕はその日、初めて文さんが青ざめている姿をこの目でみたのだった。

 

 

 

   ……続く?

 

 

 

 

 

 

 








その空間を言い表すとすればこの一文字がもっとも当てはまるだろう。
まぁ、正確に言うのであればディスプレイに映る淡い光が弱々しく部屋を照らしてはいた。
夜中の2:00。よい子はとっくに眠っている時間である。
カタカタとキーボードをたたく音。秒針が自らに与えられた役目を忠実に果たして、規則的に小さな音を刻む。

しばらくぶりに開いたそのサイトは自分がいなかったことなど何一つ気にせず今日も変わらないにぎわいを見せていた。
当然だ。
それが普通。
またウィンドウを閉じかけたそのとき、ふと頭に過ぎる言葉があった。
「彩風さん僕天更新まだー?」
毎回自分の作品を読んでくれている物好きな友人。
これを聞いたとき、溢れんばかりの喜びとともに、悔しさや自嘲といった感情がこみ上げてきた。

『高校生活が忙しいから』
『失踪しても誰も気づきやしない』

継ぎ接ぎの理由を唱えながら目を背けていた日々。
痛いほど分かっていた自分の中の罪悪感と欲求。


そんなことを考えながら、私はEnterキーを押した。





と言うわけで、お久しぶりの彩風です。
え?なにそれっぽく誤魔化そうとしているんだって?
そもそもそれっぽくもなんともねえんだよ□ねって?

……返す言葉もございません。

この度は本当に長い間、無断でハーメルンの活動を放棄してしまい、本当に申し訳ありませんでした。
期間にして2ヶ月半ほど。高校生活が始まってからずっとということになります。
理由としては……というより言い訳ですが、何度も漏らしていたように『部活』が最大の要因です。
部活が忙しいということもありますが。それによって自分の中でサボりの正当化がなされていたことでこのような結果になってしまいました。

これからの更新も前のように1週間1話という風には行かないかもしれませんが、できる限り早く更新します。


それでは、次回も是非ゆっくりしていってくださいね!
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