僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・花火大会だ~~!屋台だ~~!リア充だ~~!…………ペッ
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






おまけ編 2話~恋患い ぱぁとつぅ~

「はい。」

「あ、ありがとうございます!」

カチャ……と高い音を立ててテーブルにお洒落なティーカップが置かれる。

当然僕には紅茶の善し悪しを判断できるような才能は無いけど、少なくともそれはとてもいい香りを部屋中に漂わせていた。

ティーカップが上品なものであるだけになんだか飲む側としても無意識に背筋が伸びてしまう。

香りを十分に味わってから普段とは違う仕草で口元まで紅茶を運ぶ。

 

「あちっ!!」

 

「あぁ……、まだ熱いと思うから気をつけてね。」

「あ……はい。」

どうやら僕に高貴だとか上品という言葉は似合わないようだ。……まぁ分かり切っていたことだけど……。

ゆっくりとティーカップを机に戻し、ため息をついた。

魔法の森のとある一角。

隠れるようにして建っている洋風の一軒家……その一室。

僕の向かいに腰掛けているのは人形遣いのアリスさんだ。

短い金髪にカチューシャがよく映える。

 

もはや僕が置かれている状況に疑問を抱く余地はない。『おまけ編だから』その一言で片が付くのだ。

無心で、浮かびそうになる疑問を前もって解決しておく。

「なに?随分複雑な顔してるけど……。」

アリスさんが不思議そうに……というか心配そうに…………というか訝しげに尋ねる。

「ふぇ?あ、いえ!何でもないです!」

「そう?」

当然アリスさんもこの状況に特に疑問を持っている様子はない。パチュリーさんと同じだ。

さて、今僕がしなくてはいけないことは何だろうか?

僕は短い時間で考える。

そしてものの数秒で考えても無駄であると悟った。

 

「それにしても……すごい数の人形ですね。」

考えることを放棄した僕は、他愛もない話題をふることにする。

アリスさんの部屋の棚にはものすごい数の人形が隙間なく敷き詰められていた。

手のひらサイズの物もあれば部屋の隅には僕の背丈と変わらないのではないかというほど大きな物もあった。

「殆ど実験で使った後の物よ。飾るぐらいしか用途がないから……。」

アリスさんは棚に並ぶ人形を眺めながら苦笑する。

僕は初めてアリスさんと会ったときのことを思い出す。

目の前の人形達も武装して動き出すのだろうか……?

「なかなか物を捨てられない性分だから。」

「そんな!捨てるなんてもったいないですよ!こんなによくできてるのに。」

それは少しデフォルメされてはいるもののとても精巧に作られていて捨てるなんてとんでもない。

「あら?そういってくれると悪い気はしないわね。」

アリスさんは照れ笑いを浮かべてそれを隠すようにティーカップを口元に運んだ。

 

「でも、一体どうやって人形達を動かしているんですか?」

僕は人形が自分よりも遙かに大きな剣やランスを装備した姿を思い出しながら尋ねる。

アリスさんはその質問に何と返すのが適切か分からないと言った様子でしばらく考え込んだ後、

「そうね……どこから説明すればいいのかしら。簡単に言えば人形に心を宿すってところかしら?召喚系の魔法のちょっとした応用ね。まぁ、特に対象が人形である必要はないのだけど。魂を持たないもの……要するに無機物ならなんでもいいの。」

 

……なるほど分からん。

 

「心を宿すと言ってもそれは自我を与えるということではなくて、ただ単に行動や感情の受信機関を生み出すと言う方が正確ね。この方法はかなり古くから今よりもお粗末ではあるけど使われていて…………。」

きょとんとしながら右耳から左耳へと通り過ぎていく説明をただただ聞いている僕を見てアリスさんは苦笑を浮かべると、

「まぁ……魔法ってことよ。」

そう言ってまとめた。

……なるほどわかった!

僕はパッと表情を輝かせてぽんっと左の掌に右手を握ってのせた。

とても簡単でわかりやすい仕組みだったようだ。

そんな単純な僕の反応に改めて苦笑を浮かべた後にアリスさんは紅茶を飲み干した。

 

 

「手にとって見てもいいですか?」

「どうぞ。」

紅茶を飲み終わり、アリスさんに尋ねるとあっさりと一言で返答してくれた。

目の前にある普通のサイズの人形を手にとってまじまじと観察する。

金色の髪はまるで本物のようにサラサラでリボンや服もピッタリのサイズをアリスさんの手で作ったのだろう。

とても精巧に作られていて今にも動き出しそうだ……まぁ、動かそうと思えばすぐに動かせるのかもしれないけど。

そんなことを考えていると急にアリスさんの表情が強ばった。

「これは…………。」

「どうしたんですか?」

アリスさんの様子を見る限りあまり良い状況ではないのだろう。

僕の問いに答えることなくアリスさんは何かを耳にすませるような姿勢で目をつむっている。

 

「誰かがここに向かってきてるみたい……。ちょっと様子を見てくるわね。」

 

しばらくするとアリスさんが口を開いた。

「え?は、はい。大丈夫なんですか……?」

「まぁ……人数は一人だけみたいだし、大丈夫だとは思うけど。もしものときの為にね……お客さんもいることだし。」

どうやら僕に気を遣ってくれているようだ……。なんだか途端に申し訳なくなる。

「あ、ありがとうございます。」

アリスさんは笑顔で答えるとそそくさと出て行ってしまった。

 

僕はその場に一人取り残される。

正直に言うと、他人の部屋に一人で置いて行かれる方が不安をかき立てられるのだが、気を遣ってもらっている以上なにも言えなかった。

一人。

独り。

意識した瞬間、背筋にぞわぞわとしたものが走り抜けるのが分かった。

もしもアリスさんが戻ってこなかったら……?

アリスさんじゃない……知らない人がやってきたら?それが『人』ならまだいい。

もし…………もしも獰猛な妖怪だったら……?

そこまでで思考を振り払う。ちょっと一人になったぐらいで何を心細くなってるんだ僕は……もう子供っていうような歳じゃないんだから。

僕は気持ちを入れ替えるように深呼吸をする。

 

ガンッ

 

「痛っ!」

伸ばした手が棚にぶつかって痛々しい音が部屋の中に響く。

そして人形がいくつかバタバタと床に落ちる。

「あー!すいません!すいません!!」

誰か居るわけでもないが反射的にそう口にしながら人形達を元あった場所に戻していく。

とはいっても、どの人形がどこにあったかなど分からないので、人形の大きさなどでだいたいの場所を予想して配置していく。

「合ってる……かな?」

自信はないが、まぁアリスさんが戻ってきたら正直に話せばいいことだろう。

そう思って最後の人形を上から二番目の段に座らせる。

 

すると……。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………。

 

 

何ともありきたりな音。

ありきたりに声を上げて、ありきたりに腰を抜かして。ありきたりに目を見開いて……。

 

ありきたりに棚が動いて隠し扉が顔をだした。

 

 

 

さて。

一度整理してみよう。

 

1、アリスさんの家でくつろいでいた僕とアリスさん

2、するとアリスさんがこちらに近づいてくる敵影を確認

3、アリスさんと僕は別行動を取ることに、アリスさんは敵の確認、僕は待機

4、落としてしまった人形を拾い上げ棚に戻すと隠し扉がガガガガガ……。

 

どうやらまだ頭の中が混乱しているようだ。

とりあえず重要なのは

『なんかアリスさんの家に隠し扉があってひょんなことからそれを開いちゃったZE』

ってことだ。

 

「どうしよう……。」

鉄製のいかにも重そうな扉を前に僕は手を口元に当てながら呟いた。

試しに、動いた棚を戻そうと引っ張ってみる。しかし、当然ながら非力な僕では微動だにさせることができない。

そもそも何でこんな物がアリスさんの家にあるのだろうか?

小説や漫画、ゲームなんかではあって当然だというように定番の隠し扉が存在する家があるが、実際に作ろうと思えばかなり大変だろうし、第一そんなに用途が思い浮かばない。

お宝でも隠してあるんだろうか?

そんな風に考えていると扉を開けたいという欲求が胸の奥から波のように押し寄せてきた。

ついついドアノブに手をかけそうになるがすんでのところで留まる。

人の家を勝手に探索するなんていくら何でも非常識だろう……。

しかし『今更この幻想郷で僕が持つ常識なんて無い物に等しい』という考えがないと言えば嘘になる。

 

ゆっくりとノブを捻る。

 

 

カチッ…………。

 

 

「あれ?」

ドアが開くことはなく金属がぶつかる音が扉が施錠されていることを示していた。

棚で隠してある上に鍵がかかっているとは……よほど重要な物が隠されているらしい……。

ここまで来ると余計に中が気になってくる。

いや、でも駄目だ。そんなことしてしまっては泥棒と同じようなもの。

…………でもわざと開けたわけではないし、鍵を見つけても元の場所に戻しておけばバレないんじゃ……。

いやいや……さすがに……。

でも見たい…………。

僕の中の天使と悪魔が交互に囁き、そのまま数分が経過する。

 

どうやら僕は着々と文さんの影響を受けているようで、最終的に出した結論は……。

 

「鍵はどこだろう……?」

痛む心を抑えながら部屋を探し始める。

しかし、鍵は案外すぐに見つかった。

L字型のドアノブの丁度死角の位置、鍵の形のくぼみにピッタリはまっている小さな鍵。

灯台もと暗しというが、ドアの近くに鍵を隠しておくというのはなかなかいい方法かもしれない。

まぁ……僕がこんな簡単に見つけてしまっているからそんなことないのかもしれないけど……。

 

そんな思考を置いて、鍵を慎重に差し込む。

焦る手を押さえつけてゆっくりと回した。

カチャンと音が鳴るのを確認して、今度はドアノブを捻る、今回は引っかかる感覚はなくスムーズに扉が開いた。

ごくりと、息をのむと隠し扉の先に目を向ける。

 

 

そこには……。

 

 

黄色、そして白と黒。

パッと見で視界に入った色はこの三つ。部屋中がそれで埋め尽くされている。

そこにあるのは人形の山だった。

それだけなら特に驚くこともない、アリスさんらしいという言葉で片づいてしまう。

しかし、目の前の景色はそうはいかないものだった。

その人形たちは明らかに僕の知っている人物を模して作られていた。

 

「これって……魔理沙さん?」

 

思わず呟いた。

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

急に体に力が入らなくなり、床にひざを突く。

 

薄れていく景色の中、アリスさんの顔がうっすらと見える。

 

穏やかに笑っているようにもみえるけど、感情を映さない人形のような顔にも見える。

 

そのまま僕の意識はとぎれた。

 

 

 

 

 

   ……続く

 

 

 

 

※この話はフィクションです。本編や実際の人物、団体とは一切関係ございません。

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!!オレだよオレ!


そうだね。プロテ……


さて、そんなわけで彩風です。
皆さんはオレオレ詐欺に引っかかったりしていませんか?
受話器の向こうが怪しい人物ではないかと少しでも感じたら即座に
「私とは遊びだったのね!!」
といって勢いよく電話を切りましょう。

さて、そんな茶番はさておき、今回も最後まで見ていただきありがとうございます。
相変わらず素晴らしい更新速度に自惚れざるを得ませんね。はい。(自嘲)
なんとか頑張って更新するようにします……。




それでは、次回もゆっくりしていってくださいね!!


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