hells school idol   作:みーずー

13 / 18
第12話「僕の正体は」

ホノとヤシャは戸惑っていた。理由は洞窟のモンスター達を二人のコンビネーションで難なく倒し、遂に最深部へとたどり着いた。洞窟を抜けた先は行き止まりとなっており、ただヤシャの身長ほどの石碑があるだけだった。それを囲うように木々が生えていた。

 

ホノ「……え?ここで終わり?」

 

ヤシャ「やっと外へ出られたと思ったら行き止まりとは…」

 

二人の言葉を聞きながら声は静かに言った

 

『よくここまでたどり着いたね…でもねここからなんだ…さぁ石碑を見てごらん』

 

ホノ「石碑…?」

 

ヤシャ「……」

 

ヤシャは無言で近づき石碑を確かめる。ホノも慌ててあとを追う

 

ヤシャ「これは…」

 

そこには名前が1つだけ書かれていた。石碑と言うよりお墓みたいな雰囲気だ。そしてそこにかかれた名前は

 

ヤシャ「……mana」

 

ホノ「マナ?」

 

『そう、それが僕の名前。僕の全てだよ』

 

ホノ「なんで…あなたの名前が書かれた石碑がこんなところにあるの?」

 

ホノは思ったことをそのまま伝えた。すると声、いや『マナ』はこういった

 

マナ『すぐに教えるよ、だから石碑に手を当ててみて』

 

ホノとヤシャはお互いの顔を見て頷くと石碑に手を当てた。すると、石碑が光だす

 

ホノ「わわっ!」

 

ヤシャ「うわ!」

 

二人は驚いてすぐに手を離す。だが石碑は光続け次第にその光の中から人の形をしたシルエットが浮かぶ、そして『マナ』が現れた

 

マナ「初めまして。僕がマナです」

 

そこには小学生以下とも思えるほどの身長で、可愛らしい姿の男の子がいた

 

ホノ「……へ?」

 

ポカーンとするホノ、状況についていけて無いようだ。対してヤシャは冷静に

 

ヤシャ「…君があの声の主、マナなんだね?」

 

マナ「そう、だよ」

 

マナは石碑の上に座っており、二人を見下ろすような体勢になっている。

 

ヤシャ(おかしいな…マナはもう見つけた筈なのにクエストが終わっていない?どうして?)

 

ヤシャが考えているとホノが話し出す

 

ホノ「あ、あの!あなたがマナ君なら出口を教えてくれない…?」

 

マナ「出口…には行けない…」

 

マナは暗い表情のまま言った

 

ヤシャ「……え?…君を見つけたら教えるって」

 

マナ「ごめんなさい…僕はお姉ちゃん達を騙してた…僕はただ見つけてほしくて…嘘をついてた…!」

 

いきなり感情的になったマナに驚く二人、しかしヤシャはすぐに冷静さを持ち直しマナに質問をした

 

ヤシャ「…君にとって見つける事に意味があるんだよね?」

 

コクコクと頷くマナ

 

ホノ「…」

 

ヤシャ「それなら教えて、出口の場所ではなく君の正体を」

 

ヤシャも、おそらくホノも気付いていたマナが普通のプレイヤーではない事を、だから知りたかったマナの事を。

 

マナ「わかりました、僕の正体は……SAO の根幹にあるカーディナルの一部に存在するAI…つまり人工知能です」

 

ヤシャ「……!」

 

ホノ「…?」

 

驚くヤシャと意味が分かっていないホノ。要するにマナはSAOが作り出したプレイヤーでもない、NPCでもないキャラクターとなる

 

ヤシャ「そ、そんな事が…」

 

マナ「話を続けます。僕は最初はSAOのプログラムとして色んなプレイヤーを観察したり小さなバグの修正などを行っていました」

 

淡々と話すマナ

 

マナ「ですが、ある時。僕自身にバグが発生し、カーディナルはすぐさま僕を削除しようとしました」

 

ホノ「…ゴクリ」

 

マナ「消えるのが嫌だった僕は、この体をSAOのフィールドへ飛ばしました。そして僕はこの場所へ降り立った」

 

ヤシャ「…なるほど」

 

マナ「だけど、バグはまだ残っており僕の体を侵していった、だから侵食を遅らせるためここに石碑を置き、この中で眠った」

 

ホノ「そうだったんだ…」

 

マナ「そして気づいてしまった、この体が少しずつ消えていることに」

 

ホノ「………!!」

 

ヤシャ「おそらく、バグの影響もあるけど、プログラムから逸脱したことも関係しているね…」

 

ヤシャも冷静に分析している

 

マナ「そう、だからせめて誰かプレイヤーに見つけてもらえないと、この体が存在を認めずに消えてしまう。だからクエストという形でお姉ちゃん達に探してもらった…本当にごめんなさい!」

 

ペコリと頭を下げるマナ、ここでホノは疑問が浮かんだ

 

ホノ「あの、見つけてほしいなら。なんで最初は"出ていって"なんて言ったの?」

 

マナ「それは……」

 

と、マナが言い終わる前に木々がガサガサと震えその間からモンスターが現れた。リザードマン(短剣をもった二足歩行のトカゲ)のようだ数は三体。

 

ホノ「モンスター!?しかも三体!」

 

ヤシャ「くっ!話は後で、ホノ行くよ!」

 

ホノ「うん!!」

 

ホノとヤシャは突然の事に驚くがすぐに持ち直し、武器を構えた

 

リザードマン「キシャャャャ!」

 

ホノ「はぁ!!」

 

リザードマンとホノが剣を交える、そして互いに打ち合いになる。キンッ!キンッ!と高い音がなる。一方ヤシャも二体相手に短剣同士を打ち合った。

 

ヤシャ「はぁ!なかなか強いな…」

 

ホノ「うん、洞窟のモンスターとは全然違う。でも!負けない!たぁぁ!」

 

ホノは敵の隙を作るために片手剣大きく振りかぶり、リザードマンの身体に力強く降り下ろした。リザードマンはすかさず短剣で受け止めるが力負けし、地面に落ちる。ほぼ丸腰のリザードマンにホノは思いっきりソードスキルを放った

 

ホノ「やぁぁぁ!!」

 

4連撃ソードスキル『ポリゾンタル・スクエア』で相手を滅多切りにし、リザードマンはその体を四散させた。

 

ホノ「やった!ヤシャは!?」

 

ホノはすぐにヤシャのサポートに回ろうとヤシャを見る、だがホノは一瞬固まった

 

ホノ「ヤ…ヤシャ?」

 

ヤシャ「ぐ……ふ…」

 

リザードマン二体を相手にしていたヤシャは腹部を浅くだが確かに切られていた、すぐにでも回復しないといよいよ危ない

 

ホノ「ヤシャ!!!!」

 

大声でホノは叫ぶ

 

ヤシャ「はぁ…はぁ…まだ…死ねない!はぁ!!」

 

音速の速さで短剣を振り回しリザードマンの腕を切り落とす。グアアア!!と叫ぶリザードマン。そしてヤシャがソードスキルで止めを指す

 

ヤシャ「とどめ!!」

 

5連撃ソードスキル『インフィニット』で一体目を倒す。だがスキル使用後の硬直をもう一体のリザードマンは逃さなかった。

 

ヤシャ(しまった!間に合わない!)

 

1連撃ソードスキル『スラント』を降り下ろそうとするリザードマン。だがその攻撃は止まり、ソードスキルの光は空中に消えた。その理由はリザードマンの体を後ろからホノが切り裂いた事によるものであった。

 

ヤシャ「…ふぅ……助かった…」

 

ホノ「まだ助かってないよ!ヤシャ!すぐに回復しないと!」

 

ヤシャにすぐさまホノが駆け寄り回復結晶を取り出しヒールを行う。どうやら間に合ったようで、ヤシャの腹部の傷も消えた。

 

マナ「…」

 

その光景をずっと見ていたマナは

 

マナ「お姉ちゃん達はやっぱり強いね…」

 

と言った。その言葉にヤシャが反応した

 

ヤシャ「…もしかして、君が最初に"出ていって"なんて言ったのは…」

 

マナ「そう、僕と出会ってしまうとモンスターがなぜか強くなってしまうんだ。だから僕は出口を知らないわけではなく、知っているがそこまで行けないんだ」

 

ヤシャ「やっぱりそうか。急にモンスターが強くなって変だと思ったんだ。全く、難易度の高いクエストだね」

 

ホノ「でも、このままって訳にはいかないよね!行こう!出口まで!」

 

マナ「いいの?さっきの戦いでお姉ちゃん達はギリギリだったのに」

 

ヤシャ「あはは、あれは油断しただけさ今度は大丈夫!それにホノは言い出したら聞かないから。ほら出口まで案内お願いね♪」

 

マナ「…わかりました。こっちです」

 

と、マナの先導のもと二人は歩きだす。と、そこで前を歩くマナを見てホノが気づく。マナの体が少しだけ薄かった事に

 

ホノ(あれ?私たちが見つけて大丈夫のはずなのになんで?)

 

一抹の不安もある中歩いた…

 

 

 

 

 




少しだけ長くなりました

次回 未知のクエスト編 完結 (え、そんな名前ついてたんだ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。