孤独が嫌いな修行馬鹿   作:ヴァニフィア

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里の外へ

ああ…暇だ…暇すぎる…

なんで私ってこういう暇な役割ばっかり

回ってきちゃうんだろう…

前もこうだったよね…

 

……………

 

「…それでですね、ここまで護衛に

ついていただいていた方はこの里まで、

という契約でしたので、お恥ずかしながら

どなたかに手綱を引いていただきたいと

思っているのですが…」

 

「誰かやってみたい人はいる〜?」

 

「「「…」」」

 

嫌ってわけじゃないけどめんどくさいよね…

それに多少疲れるだろうし…

 

「…先生、これで決めるというのは?」

 

ん?サイコロ…だよね。

 

「…一なら先生、二なら私、三ならアキラ、

それ以外ならサヨリで…」

 

…あれ?

 

「それいいな。じゃあ俺がふるぜ。

…お、四だ。じゃあサヨリだな。」

 

「いや、ちょっと待って。

ヨミちゃんが言ったルールじゃ不公平じゃない?」

 

「…五と六は振り直しだとしても、

四が出たからサヨリの担当…

その結果は変わらない。」

 

「うう…確かにそれはそうだけど…

最近ヨミちゃんの私の扱いがね…」

 

「…?」

 

「いや、そこで可愛く小首を傾げられても…」

 

……………

 

「…ハァ…」

 

「サーヨーリーちゃん、

やっぱり退屈かしら〜?」

 

「うわっ!せ、先生、

寄りかからないでください!」

 

小窓みたいなとこから体を乗り出して

落ちそうになってない?

それになんか柔らかいものが密着してるし…

 

「先生も退屈だーっていうのは

よーくわかるわ〜。…でも、」

 

パシッ!ビィィン…

 

「今サヨリちゃんは一番狙われやすいところに

いるんだから、周囲警戒は怠っちゃダメだよ〜。

これぐらい、普段のサヨリちゃんなら

ちゃんと気づけるでしょ?」

 

「…へ?」

 

え?な、何が起きたの…?

先生が私の顔の前に手を出してて…

その手に握られてるのは…矢?

 

「あ、あわわ…」

 

これって先生がいなかったら今ごろ私…

 

「みんなはこの馬車の周囲警戒、

私は敵をシメてくるわ〜。」

 

……………

 

「うう…」

 

うっわー…早い…三分も経ってないよ…

 

「ただのこそ泥、かしらね〜。」

 

「そのようですね。馬車なんてものに

乗ってるから何か価値があるものでも

積んでいると思ったのでしょう。

何もそのようなものはないのですが、

この方達には運が悪かったとしか言えませんね。」

 

「積荷を狙った、とかいう可能性は〜?」

 

「いえ、それはないでしょう。

金銭にはならないものですから。」

 

「…先生、こいつらはどうするの?

本当に山賊みたいな人達だけれど…」

 

「そうねー。まあ逃してもいいんじゃないかな〜。

…今度また襲ったら

ただじゃ済まさないけど、ね。」

 

ルルト先生…少し雰囲気が怖いです…

ほら、賊の人たちも震えてるし…

 

「じゃ、ロープは切ってあげるから、

早くこっから離れてね〜。

…もう一回来たら…わかるわね?」

 

「「「ヒィィィ!」」」

 

「気をつけてね〜。」

 

「…やっぱ先生っておっかねぇよな…」

 

「うん、全面的に同意するよ…」

 

「…」コクリ

 

ーーーーーー

 

「今日はこの辺りで野営かしらね〜。」

 

「そうなりますね。この辺りなら

賊の出没情報も入っていませんでしたし、

地形からして守りもしやすいでしょう。」

 

「…出番…?」

 

「ええ、この周りに罠を張ってちょうだい。

ひとまずは殺傷性なしの罠でお願いね〜。」

 

「…了解…二人も手伝う。」

 

「はいはい。また穴掘りからか?」

 

「…いや、今回は設置する罠だけでいい。

人に効果のある落とし穴は

時間がかかる。襲いに来るのは

動物だけじゃない…それは昼にわかった…

音が鳴る罠を多くして…」

 

「あいよ。また大変そうだ。

気合い入れていくぞ、サヨリ。」

 

「うん、そだね。

じゃあヨミちゃん、指示よろしく。」

 

…夜までには終わるよね?

 

……………

 

「…うん、こんなものでいい。」

 

「え?もういいの?」

 

いつもの量ならあと半分ぐらいなのに。

 

「そこまで時間はかけられない。

…明日からも移動がある。

罠の回収時間も考えるとこれが限界。」

 

「しかし、このぐらいで大丈夫なのか?

ひっかからなけりゃ見張り番のやつが

なんとかしなきゃならんが

手練れだったらまずくないか?

このぐらいの罠じゃ諦めはせんだろ。

目的が俺たちだとしたらな。

先生もずっと起きてるわけにゃ

いかねぇだろうし。」

 

「…大丈夫、サヨリは起きるから。」

 

「まあ確かにね。半径十メートルぐらいの中に

何か動く気配があれば目がさめるから、

近づいてくるのが早くなければ大丈夫だよ。

静かに近づくぶん遅いだろうからその間に

ルルト先生を起こすぐらいはできると思う。」

 

「へぇ、そんな特技があったのか。

…なんでそんなことできんだ?」

 

「サバイバルの…」

 

「あー、はいはい。だいたいわかった。

要するにそうしないと死んじまってたわけだな。」

 

いや、本当にね…

里からかなり近かったとはいえ

普通に猪とかを主食にできるぐらいには

危ないからね…あそこは。

 

「ほぅ…これはなかなか

秀逸な罠の張り方ですね…」

 

「あ、シスさん。どうしたんですか?」

 

「いえいえ、特に用事はありませんよ。

ただ、依頼主としてはどれ程か

確かめておくべきではと思いまして。

ああ、そうだ。こちらのお菓子はどうですか?

先ほど先生にもお渡ししたものですが。」

 

うん?お菓子…?これ見たことないや。なんだろ?

 

「見たことないな…これってあんたの

国のやつだ、とか?」

 

「そういうわけではないですが、

木の葉の里では珍しいですかね。

これはシュークリームと言われています。

できたてでないのは申し訳ないのですが、

それでも甘くて美味しいですよ。」

 

「…ムグムグ…味、あんまりしない…」

 

「ああ、甘いのは生地の中にある

練乳ですから。生地自体に味をつけると

合わなくなるので生地には味があまりないのです。

あってもほんのり甘いぐらいですね。」

 

「…あ、本当だ…中は甘い…」

 

「お、こりゃいけるな。

…これは中身を変えるのもいいかもしれんな…

シスさん、うちの里で売っても売れるかな?」

 

「売れるとは思いますよ。ただ、

このふっくら感を出すのが難しくてですね。

私も何度か作ろうとはしてみたのですが、

うまく膨らまなかったりするのです。

作り方は教えてさしあげますが、

練習は頑張ってください。」

 

「へぇ、そうなんだ…でも、確かに

焼き菓子みたいなのに中に空気が入ってて、

普通に焼いてるんじゃないってわかるね。

それにしても美味しいや。」

 

うん、疲れた体に糖分は必要…とかいう話が

どっかで見たことあるような気がするし、

ちょうどいいね。

 

「焼きたてはサクサクで、

食感も楽しめてさらに美味しいですよ。」

 

「…モフモフ…」

 

「これ、冷やしてみてもうまいかもな。

いっそ、冷めちまったら冷蔵庫に入れると

ヒンヤリしていいかもしれん。

オヤツとして売り出してみるように

親父達に言ってみるかな。」

 

アキラ君はなんていうか、両親の手伝いを

してるからか商魂たくましいね…

 

ひんは〜(みんな〜)ふこしひひかしは〜(すこしいいかしら〜)。」モシャモシャ

 

「ルルト先生…口の中のものがなくなってから

言いに来たほうがいいですよ…」

 

「ゴクン…えっと、夕食のことなんだけど、

積み込みはしたけど少し足り苦しいの〜。

だから、少しの間この辺りを

散策したいと思ってるんだけど、

馬車と依頼主さんをほっとくのはさすがに

まずいから、みんなで一緒に野草や

食べれる動物とかとってきてくれる?」

 

「わかりました。猪でも狩ってきます。」

 

「いや、いきなりその考えはおかしいし

何もそこまででかくなくてもいいだろ。

人の馬車に乗せて持ち運ぶ気か?」

 

「…そうでなくても私たち…特に私だけど

荷物を積み込んでて中は狭い。

…残すなんてことになるともったいない。

生命には感謝を…」

 

「いや、でもみんなで食べるなら

猪の一頭ぐらい大丈夫でしょ?」

 

「…ああ、そういやそうだった。

サヨリはかなり食うもんな。」

 

「…さっき私が言ったことは忘れて。」

 

う…確かにこの中で一番食べるのは私だけど、

私だって女子なんだから…

暗にでも大食らいだ、みたいなこととか

言われたらちょっとね…

 

「ま、そうと決まれば獲りに行くか。

頼むぜサヨリ。援護はしてやるから。

ヨミも行こうぜ。」

 

「…私はここで待ってる…

偶発的遭遇には私の罠はあまり役にたたない…」

 

「いやいや、とりあえずついてきてくれよ。

ヨミの予測があれば楽なんだよ。」

 

「…不本意…」

 

「そう言わずにさ、ヨミちゃん。

ほら、みんなのためだから。」

 

「…仕方なくだから…」

 

「なんで俺が頼む時は肯いてくれないんだ…」

 

「…仲良きことは美しきかな…ですね。

あれも友情の一つの形でしょう。

好きな異性にはツンとした態度を

とりたくなるといいますしね。」

 

「ええ、そうですね〜。」

「いや、これ見てそれはおかしくないですかい?」

 

ーーーーーー

 

ペチペチ

 

ううん…なんだろ…まだ朝早いよね…?

 

「……て…」

 

「うう…あと、五分…」

 

「…」イラァ

 

ペシーン!

 

「痛っ!」

 

「…とっとと起きる…罠の撤収作業。」ギュ

 

「痛い痛い!起きるから!

ちゃんと起きるからつねらないで!」

 

「用意を早くして…アキラを起こしてくる…」

 

はぁ…解放された…痛かったな…

 

「…フッ…」ゲシッ

 

「ぐはっ…⁉︎ゲホ、ゲホ…な、なんだぁ?」

 

脇腹にクリーンヒット…あれは苦しい…

 

「とっとと…!起きろ…!」ガスッガスッ

 

「待った!起きた、起きたから

もうやめゲフッ!おま、ヨミ、容赦ねぇな⁉︎」

 

「ヨミちゃん、そろそろやめたげてー…」

 

「…仕方ない…

もう少しやってやりたかったけど…」

 

「俺を起こすためじゃなかったのかよ…」

 

「アキラ君、とりあえず用意しよう。

罠の回収にいかないといけないのは確かだし。」

 

「ああ、そうか。そうだったな。

…ってか、まだ夜明け頃じゃねぇか…

こんな時間に蹴り起こすこともないだろうに…」

 

「…あれ?」

 

ヨミちゃんはどこに行ったんだろ?

 

(…先生、早く起きて!

罠の回収を手伝ってもらいます…!)

 

(ん〜…あと二時間ー…)

 

(二時間も待ってられない…!

早く布団から出て下さい…というか

何故布団を持ってきているのですか…)

 

(風邪ひいちゃうじゃない〜。)

 

(百歩譲っても掛け布団で十分…!

敷布団まで持ってきて…)

 

「なんか…大変そうだな…」

 

「あはは…そだね…」




ナルトと言いつつしばらく
オリジナルが続くかと思います…
ちゃんと戻しますので、
原作キャラとの絡みを楽しみに
している方はしばらく待っていただけると
嬉しいです…
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