「ルルト…先生…」
あらあら、すっかり寝ちゃって…
かわいいわねー。…私もまだまだね。
教え子にこんな目に合わせて…
「先生、サヨリは大丈夫なんですか?
もしあれなら1人だけでも
様子、見ておいた方が…」
「…ううん、今日はもう眠ろう〜。
大丈夫だよ〜、いざとなれば
ちゃんと私が見ておくわー。
とにかくみんな、今日はお疲れ様〜。」
「…疲れた…」
「っと!おいおい、ヨミも大丈夫かよ?
足元ふらついてんじゃねえか…」
「…任せる…」
「お、おう。とりあえず部屋までは
負ぶっていってやるよ。」
「…ありがと…」
「あらあら〜。」
うふふ、これはもしかしてあれかしら〜?
…っと、ここにいるのに
出てきてない人がいるみたいねー。
「こうしてると可愛げあるのになぁ…
先生、サヨリのことお願いします。」
「ええ〜、もちろんよー。
…ストルさんも、お疲れ様でした〜。」
「…気づいていたか…
できる限り気配は消していたのだが…」
サヨリちゃんに変なストレスが
かからないか心配だったんでしょうけど、
避けられてたのを知ったら逆に
サヨリちゃんは落ち込みそうなのよね。
「あんた着いてきてたのか?
…ああ、いや、そんなことよりも
ありがとうございました。
おかげで俺たちはみんな
生きてるよ、ストルさん。」
「…そうか…それならばよかった。」
…やっぱりあの人は強かったわね〜…
中忍レベル三、四人相手に勝ってたんだから…
噂と違って、剣は使わなかったけど…
「先刻聴いてきたのだが依頼期限までは
あと少しあるがそれは解かれるようだ。
あの時、ルルト殿が倒した忍が
主犯だったようで、残りは蜘蛛の子を
散らすように逃げていったのでな。」
「結局、どのくらいの数がいたんです?」
「忍、賊、合わせれば20を超える程度だ。
賊は罠に対する保険のようであったが…」
全員とまとめて戦っていたら面倒だったわ…
相手が罠に警戒しなければならなくて
自由に動けなかったのが効いたわね。
ヨミちゃんのおかげで随分と楽ができたわ〜。
「まあー、仕事の話は置いていて
早く戻って寝よっか〜。」
「…ですね。怪我自体はそこまででなくても
みんな…特にサヨリは精神的に
参っちまってるだろうし…」
「…あの幻術は…?」
「…タチの悪い最低な幻術よ…」
あんなものをかけるなんて…
「タチが悪いって…?」
「心を壊しかねない幻術…望まないものを
見せて容赦無く心を抉る…そんな幻術よ…」
…あのゴミ…もっと痛めつけてやればよかったわ…
「…穏やかではないな…ルルト殿?
教え子にあのようなことをされて怒るのはわかる。
…だが、それ以上に今はその教え子の無事を
喜んでやってはどうだ?」
「…ええ、その通りですね。
ありがとうございます、ストルさん。」
「…普通に話すこともできるのだな…」
「私だって真面目な時はありますよ〜。」
「…ふむ、長く持たぬこともわかった。」
ちゃんと話すと疲れちゃうからね〜。
…少し嫌なことも思い出しちゃうし…
ーーーーーー
「う…んー…?…あれ?」
みんな寝ちゃってる…
えっと…私どうしたんだっけ?
あ…そうだ…よくわからないところで…
その、怖いこと言われ続けて…
でも、二人が助けてくれて…
…もしかして、あれが幻術ってやつなのかな…
…そうだよ。だってみんなが
あんなことを言うはず、ないもん…
「…うん、そうだよね。ありがと、2人とも…
…でも、今からどうしよ?
起きちゃったのは仕方ないしな…
よし、いっつも通り走ってこよ!」
………………
「…よかったわ、気にしてないみたいで…」
「…ん?先生?」
「あらあら、起こしちゃったかな〜?」
「元々起きてただけっすよ。
押入れの中だと寝にくいし、
サヨリが心配だったのもある。
…んで、ヨミも起きてるっぽいなぁ。」
「…チッ…」
「なんかヨミの舌打ち久々に聞いたわ。
んで、なんでヨミまで寝たふりしてんだ?」
「…考えることは一緒…」
「なんだ、ヨミもか。」
「…うふふ。」
「どうしたんです?」
「いい教え子を持ったなーって、
そう思っているだけだよ〜。」
………………
「…あれ?みんなもう起きてたの?」
まだ日が昇りかけてるぐらいなんだけど、
ルルト先生まで起きてるの珍しいな。
「ああ、ヨミが傀儡の練習したいとかでな。
せっかくだからそれ見てたんだよ。」
「…そうして二人は幸せに暮らした…
めでたし…めでたし…」
「わー。」パチパチ
「…これ、人形劇じゃない?」
「人形っぽいけど
使ってるこれ、傀儡だぜ?
ちゃんとチャクラ糸で操ってたし。」
「6種類ぐらいあるけど…」
なんかローブを被った人形とか
贅沢そうな服を着たのとかあるね…
「…演目は人魚姫…」
「あ、そうだったの?」
「人魚姫が人になる時は
傀儡の特徴を生かして?
下半身を取り替えてたな。」
「へぇ〜。練習になるものなんだね?
あれ?でも人魚姫って悲劇じゃなかった?
さっきハッピーエンドに聞こえたけど。」
「アレンジした…悲劇は気に入らない…」
「そっか…そうだよね。」
親を亡くしてしまっている
ヨミちゃんからすれば、
その答えもある程度納得だな…
大事な人がいなくなる終わりなんて嫌だろうな。
「あー、そうそう。
昨日シスさんに言われたんだけど〜、
ストルさんが言ってた通り
あと二日はほとんど観光してもいいって〜。」
「言ってた通り、か…二人はどうするんだ?」
とアキラ君が聞いてきた。
うーん、そうだなぁ…
「この綺麗な自然の中で修行かな…」
「…サヨリについていく…」
「お前ら…いや、俺もついてくけど
それでいいのかよ…特にサヨリ。」
「だって、なんだか集中できそうなんだもん。
新しい技ができそうでさ。」
「なんだそりゃ?」
「なんとなくだよ。じゃあ行こう!」
「なんとなくって…やれやれ…」
「…嫌なら来なければ?」
「いや行くからな!仲間はずれはごめんだ!」
「みんな〜、夕食の時間には帰るのよ〜。」
「いや、朝ごはん食べてから
行くのでまだいかないです。」
ーーーーーー
まぁ、そんなこんなで私は修行(笑)、
ヨミちゃんは傀儡の調整をしてる。
アキラ君は特にすることもなくて寝転んでるけど。
「なぁヨミ。なんでヨミの傀儡って
木じゃなくて人形なんだ?
本来は木でできてんだろ?そういうの。」
ああ、私もそれ気になってた。
「…私の体力じゃ、仕込みが大量に入った
木の塊なんて持ってられない…
少しでも軽くしないと…」
あー、最近は基礎体力とか
それぞれがついてきてるから
あんまり気にならなかったけど
ヨミちゃん、元々体力は少ないからな〜。
「…せめて、数で勝負できるように…
三体、常に用意してる…」
「でも動かせるのか?
チャクラコントロール、繊細なんだろ?
人形劇ならともかく、戦闘に使えるのか?」
「…問題ない…影分身の術…」
そう言えば色々あって忘れてたけど
人形劇の時少し使ってたなぁ。
いつの間に使えるようになってたんだろ?
「ああ、そう言えばさっき使ってたか…
なんで知ってんだ?一応禁術だろ、それ。」
「…古い本には忍術が載ってることがある…
影分身は今は禁術…
…でも、昔は違う時はあった…」
「でも、なんで影分身を?」
「…これで手が足りる…」
「…あれだ。確か、チャクラを
山ほど使うらしいから気をつけろよな.…
んで、サヨリはさっきからその身長ぐらいある
でかい刀で何したいんだ?」
「…さっきから構えたまま…」
あ、やっぱり気にはなるよね…
どうみても私には不釣り合いだし。
もっと言えば私の身長よりも大きいし…
「うーん…なんていうか、
新しい技なんだけど、こういうのが
あったと思うんだよねぇ…
それで今やってみようと集中してるんだけど…」
「あー、たまに言ってる
頭の中の映像ってやつか?」
「そうそう。それで、
こんな名前の技でね?覇道滅封!」
「うおっ⁉︎なんだぁ⁉︎」
なんか出た⁉︎
「…木が…」
数本折れちゃったね…
「…あ、はは…」
いや、これは苦笑いしかでないや…
「なんだ今の技…」
「闘気を込める技とかって記憶があったから
代わりにチャクラを込めてみたんだけど…」
「…そんであれだけの破壊力持っただけの
チャクラを撃ち出してよく平気だな…」
「…チャクラ量だけは一人前…」
「うーん…ずっと頑張ってるんだけど
コントロールってつくやつは
とことん相性悪いみたい…」
さっき放ったビーム…もとい、覇道滅封も
角度が剣先基準で20度ぐらいズレてるし。
「…今のままだと自爆する…」
「サヨリが技を練習するって言って
まともに使えてるのそんなにないよな。」
「また痛いところを…
いいじゃん、私の趣味なんだからさ〜。」
「相変わらず変な趣味してるなー。」
「…寝ても覚めても修行修行…」
「でも一緒にいてくれてるし
手伝ってもくれるじゃない?」
「まあ「…理由はいらない…」ちょ、おま
「…友達だから…」うおい!
俺が言おうとしたことを!」
「…チッ…うるさい…」
「ああもうまたかよ⁉︎
そんなこと言うのはこの口か!」
「…!いひゃい、ひゃ、な、しぇ…!」
「痛っ!痛っ!ちょ、冗談だから
脛蹴るのはやめてくれ!
うわっ、子供みてぇに腕回すな!」
なんか二人でじゃれあってる…うん…
「…私も混ぜてー!」
ええい、飛びついちゃえ!
「ウボァー⁉︎おまっ、サヨリふざけんな!
いや、痛ぇって!お前、腹はやめろ!
ヨミはマウントとんな!
拳を振り上げんげふぇ!」
「馬鹿っ…馬鹿っ…!」
あら、なんだかヨミちゃん顔真っ赤だなぁ。
○
「いやぁ酷い目にあったぜ…
ヨミは冗談だって言っても聞かねぇし
サヨリはいきなり突っ込んでくるし…」
「いやぁ、2人が仲よさそうだったから…」
「何、馬鹿なこと…」
「いや、そりゃねぇって。
どこ見りゃそうなんだよ。」
「でも…」
「…サヨリ…」
「なに?」
「………」
ヨミちゃんがじー…っとこっちを見てくる。
「う…わかったよ…
なんでか知らないけど言わないよ…」
「あー…っと、男子風呂こっちだから、
また後でな。ヨミはともかく、
サヨリはちゃんと風呂入れよ?」
「それセクハラじゃない?」
「は?…ああ、そう言えば女子だったな…」
ちょっと?
「いや、サヨリのことだから
風呂でチャクラコントロールの練習でも
するんじゃないかと思ってな。瞑想とか言って。」
「い、いや、さすがにそんなのやらないよ…
あの…その…精々お湯が出るところがあれば
背中打たれるぐらい、だよ…」
「図星だったらしい上にその後が
思ってたよりずっと子供っぽかったな。」
「…三歳児が喜びそう…」
「ああ、んで調子乗って風邪引くんだろ?」
「…精神年齢はそう変わらない…」
好き勝手言われてるけど言い返せない…
…まあね?滝に打たれるのに憧れてるのとか
子供って言われても仕方ないし…
「まあ、サヨリのことは頼んだぜ。
いつ遊び出すかわかったもんじゃねぇし。」
「…ちゃんと二千秒浸からせる…」
「お、おう。じゃあな。」
2人とも酷いなぁ…
…いや、ちょっと待って…
いまアキラ君が引きつった顔してたけど…
「ねぇヨミちゃん…」
「…何?」
「冗談だよね?」
「…早く風呂に行く…」
「ちょっと⁉︎冗談だよね⁉︎
嘘だと言ってよ!ヨミちゃん!」
「…たまにはサヨリも、落ち着いた方がいい…
…湯船に浸かるの…気持ちいいけど…?」
「いや…二千は言い過ぎでしょ…
のぼせちゃうよ…ヨミちゃんはよく
長風呂するから大丈夫と思うけど
私あれだよ?烏の行水ってやつだよ?」
「…付き合って?」
はい出た。いつもの上目遣い。
この目をされると私はやっぱり断れない。
「…もう、わかったよ。
はー、ヨミちゃんの可愛さは反則だね。」
とりあえず、脱衣所で服をぱっぱと
脱いでお風呂場の中へ。
「〜♪」
「あ、ルルト先生だ。」
鼻歌歌って機嫌良さそうだなー。
「あらあら〜、サヨリちゃんとヨミちゃんも
お風呂かしらー?」
「…そう…」
「部屋にいないと思ったら
お風呂に入ってたんですね。」
「やることなかったのよね〜。
3人とも外に出て行っちゃうしー。」
「…着いてこればよかった…」
「うーん…あんまり
外には出たくなかったのよ〜。
せっかくお部屋を取ってもらってるのに、
使わないのって申し訳ないでしょ〜?」
「じゃあ、何してたんですか?」
「寝てたわー…と言うのは冗談で、
中忍試験の速報を見てたのよ〜。」
「…二次試験の結果…?」
「うん、そうよー。忙しいだろうに、
カカシさんが忍犬を送ってくれたから〜。
人数が多くてさらに予選があったみたいね〜。」
一次予選も二次予選も終わってたんだ。
結局私たちは出ないことになったけど
やっぱり結構気になるな。そういえば…
「ナルト君は頑張ってるのかなぁ…」
「ああ、あの子は本戦に出るみたいだよー。」
「…さすが意外性ナンバーワン…
試験…やっぱり見たかった…」
「ずいぶん気になってるね。」
「…色んな忍術…見たかった…」
あ、口調は普段と変わってないけど
これはかなり落ち込んでるな。
「また見れるよ。
…というか私たちも受けるでしょ?
目の前で見れるじゃない。」
「…うん…」
「じゃあ私は出るわね〜。ごゆっくり〜。」
「…先生…泡を流し忘れてる…」
「あららー?えーっと…
よし、じゃあ今度こそ、ごゆっくり〜。」
「…後で結果について詳しく…」
流し忘れるの、ないと思うんだけどな…
どう考えても気持ち悪いはずし…
「…先生だから…仕方ない…」
「私何も言ってないけど?」
「…顔に出てる…」
「いや、でも顔だけでそんなわかる?」
「…そもそもわかりやすい…
その上何年一緒だと…?」
「それもそっか。アカデミー入って
すぐ知り合ったし、もう六年は一緒だね。」
まあ私にはヨミちゃんのことはほとんど
わからないけどね…よっぽどなことがないと
声色も表情も変わらないし…
「…なに?」
「ううん、なんでもないよ。」
本当にどこまで読まれてるんだろう…
………………
「…さってと、とりあえず
洗い終わったし温泉に入ろうかなー。」
「…私も…」
一通り体を流し終わった私の後を
ヨミちゃんも着いてきた。
そして温泉の前まで来ると、
白く濁っている温泉だとわかった。
「…効能…たくさんある…」
あ、看板がある。文字が小さすぎて
読む気にはならないけど。
「へー、じゃあ体に良さそうだね。」
「あ…サヨリ…」
「なーにー?って熱っ⁉︎」
熱い熱い!こんなの入れないって!
「…注意が書いてる…
とても熱いのでいきなり入らない…
桶で体を流して先に慣れる…」
「そうだったんだ…はー、熱い…」
「…向こうに水がある…一度流すといい…」
「うん、そうするよ…
ヨミちゃんも気をつけてね?」
「…わかった…」
ふー、冷たくて気持ちいい…
…あ、ヨミちゃん普通に入ってるな。
とりあえず冷やし終わったし私も入ろう。
えっと、まずは流してからだよね。
覇道滅封
テイルズオブエクシリアシリーズ
ガイアスのこの技をイメージ。
剣からではなく手から闘気を出すらしい。
どうして他のキャラじゃないかって?
覇道滅封を他に使うキャラが出る
テイルズをやったことがないからさ…