俺を囲んでいた光が消える。
木ノ葉丸の記憶が頭に流れる。記憶や知識が急に入ってくるといっても赤ん坊の記憶なんて大したものはない。
母親と父親、親戚や友達の顔さえ分かればあとはどうでもいい。
ゆっくり目を開けると最近の家ではあまり見かけなくなった木造の天井が、ここでお約束…
「知らない天井だ…コレ」
おっ、声が木の葉丸君だ。憑依は成功のようだ。
『コレ』って口癖が無意識に出てしまうのはしかたない。
時間を確かめるため部屋を見渡す。時刻は…午後3時、
微妙な時間だな。
「木ノ葉丸起きたのね」
声をかけてきたのは、この世界でのお母さん。猿飛 ヒノキ。猿顔が多い猿飛一族とは思えない美人と言われる人。
「どうかしたの?」
「ううん。なんでもない」
危ない、危ない。ついボーと顔を見つめてしまった。
別に母さんの顔が初恋の女の子に似てるとかじゃないからな!
にしても、本編では両親は優秀な暗部としか書かれていなかった…はず。穏和な感じでとても冷徹な暗部には見えないのだが…
何か話してみよう。3時といえば…
「かあちゃん、おやつまだ?」
記憶から得た木ノ葉丸の喋り方を真似て話しかけてみる。正直恥ずかしいがしかたない。
「ちょっと待っててね。とってくるから」
そういうと母さんは部屋をでていった。
[クキュ~]
お腹の虫が鳴る。実は死んでから色々あったせいか、かなりお腹が減っている。母さんおやつ早く~
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「(サクサク)」
[ピーンポーン]
「ん?」
母さんが持ってきた卵ボーロのようなお菓子を食べているとインターホンが鳴った。確かこの時間に家にくるのは…
「木ノ葉丸~モエギちゃんとウドン君が遊ぼうって、どうする?」
「もちろん行くぞコレ!」
やっぱりあの二人だ。ちょうど暇だし誘いに来てくれたのはありがたい。
ちなみに、幼児が子供だけで遊びに行くことはこの世界じゃ普通のことだ。だいたい前世の7~8歳の身体能力=今世の3~4歳と思ってもいい。
ただ俺は火影の孫だから護衛暗部の一人ぐらいつけてると思うが。
「5時までには帰ってくるのよ?」
「わかってるって……いってきまーす」
サンダルのような青い靴を履き玄関を飛び出す。
外には後に同じ班になるであろうモエギとウドンが待っていた。
「遅いよ、木ノ葉丸ちゃん」
「ごめん、ごめん」
「ねぇ、今日はなにするのぉ?」
「う~ん、そうだな……『A級にんむ・火影のすいしょうをぬすめ! 』ってのはどうだコレ?」
「「きゃっか」」
…なんでだ!? 絶対面白いと思うのに!
モエギはともかく、ウドンよ探検は男のロマンじゃないか!
「やだよー、この前もシンニュウしてすぐにつまったじゃん」
「あれはゆだんしてただけだよ!」
「木ノ葉丸ちゃんのおじいちゃんは忙しいんだからダメよ」
「むぅ~」
いい案だと思ったんだけどな…
木の葉の里には子供遊ぶ場所が公園ぐらいしかない。
路地裏などは子供だけで行かないよう親に言われている。
アカデミーの生徒は屋根でよく忍者ごっこをしてるんだが、俺達はまだ危険だからと禁止。
なにして遊べっていうんだ?
「公園にいこうよ。ボール持ってきたんだ」
「うん!そうしよう。ね、木ノ葉丸ちゃん」
「ちぇ…わかたよコレ」
結局公園で遊ぶことになった。体は幼くてもでも中身は中学生、ボール遊びなんかつまらねぇ…
と、思っていたんだが意外に楽しかった。体が幼くなったせいなのか?
ボール遊びが飽きたので『隠れんぼ』を始めた。この公園は広く隠れる所が多いので二人を見つけるのには一苦労。途中から何人か入ってきていつの間にかワイワイと賑やかになっていた。
「あ、もうこんなじかん」
モエギが時計を指差す。時刻は4時30分を回ろうとしていた。
「早く帰らないと」
「お母さんがしんぱいするよ」
「ボクも帰るぞコレ。モエギ、ウドンまたな」
「「またね~」」
家の方向がバラバラなのでその場で解散する。
公園に誰もいないか確認するため出入り口から公園全体を見渡した。
そして一人ポツンとブランコに座っている男の子をみつけた。金髪で顔は影で見えなかったが間違えない。未来の木ノ葉の英雄『うずまき ナルト』だ。
彼は俺に気づかないのかずっと顔をさげている。
俺も今すぐに関わろうとは思わない。できるだけ過去を変えたくないからだ。
過去をいじることによって、未来が変わってしまうかもしれない。良い方に変われば問題ないのだが、悪い方変わってしまうのが怖い。
「ごめんよ。」
臆病な俺はそう呟くことしかできなかった。
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「…ただいまー」
「おかえり、遅かったじゃない」
時計をみると5時10分、まぁ母さんならこのくらい許してくれるのだが…
「遅いぞ木ノ葉丸」
げっ、父さん帰ってたのか。
俺(木の葉丸)の父親は三代目火影の息子で猿飛アスマの兄。名前は猿飛 ダイキ。顔は…茶髪で髭のないアスマ叔父さんだ。
「特に火影の家系であるお前は他里のやつらに狙われやすいんだからな。気を付けろよ?」
「…なんで火影の家系だからってねらわれなきゃいけないのさ」
「それほど親父…お前のお爺さんはすごい人なんだよ」
「じいちゃんは、ぜんぜん強そうには見えないよ?」
「人は見かけによらないからな。ああ見えても父さんより強いぞ」
そう言われたってもう60歳の爺ちゃんだ。俺が遊びに行くといつも笑って迎えてくれるし、時間があればエロ本を見せてくる。
下忍だったナルト達が火影の実力を疑ったのもわかるきがした。
口数の少ない父さんだが、爺ちゃんのことになると自慢気に話す。
母さんに聞くと、
「あの人はファザコンなのよ。アスマ君とちがってね」
とか言っていた。
父さんは火影の息子であることを誇りに思ってるけど、アスマ叔父ちゃんは火影の息子と周りから特別な目で見られるのが嫌で反抗的は態度をとるんだって。
「かわった兄弟だね」
「うふふ、そうね。でもそれでいいのよ」
「え?」
「『みんな違ってみんな良い』ってね」
「ふーん」
その後も父さんの話しは続いたがもう7時過ぎなので話は一旦中断してご飯を食べた。
その後眠くなるまで父さんの『三代目武勇伝』を聞くはめになるのだ。
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「初めて来た世界なのにずっとここで暮らしていたように感じるな……当たり前か、記憶はあるんだし」
昼は友達と遊んだりイタズラしたりする。遅くなれば母さんか父さんが迎えにきてくれりもした。
二人共暗部で家を開けることも少なくないがそんなときは爺ちゃんの所に遊びに行く。任務受付の忍者達もお菓子をくれたりお話(自分の武勇伝)を聞かせたりしてくれたりするする。
父さんも母さんも、帰って来ると約束した日には必ず帰ってきてくれた。
幼い頃から両親が事故にあって死んでしまい。その後親戚に預けられ長い間、肩身の狭い思いをしていた前世より幸せだった。
だから、忘れていたんだ。
この世界がいかに残酷なのかということ。
平和条約なんて名ばかりだったことを。
たにより、火影の家系がどのような立場であるかということを…
短いから2話目も便新です。