俺がこの世界にきて3年経った冬のある日。
木ノ葉の里には激しい雪が降っていた。温暖な木ノ葉の里では珍しい吹雪だ。
3日後は俺の…猿飛 木ノ葉丸の6歳の誕生日。
二月ほど前に父さんと母さんに長期任務が入った。
珍しく二人だけの任務。内容は聞いてなかったけれど爺ちゃんは砂隠れに用事があるって言っていた。
「遅いなー父さんと母さん」
どす黒い空を窓越しに眺める。どす黒い空を見ていると、変に胸騒ぎがした。
父さんと母さんが帰ってくる予定日から既に一週間。長期任務なんだから1日、2日遅くなることは珍しくない。今までにもそんなことがあった。
でも、今回は遅すぎる。砂隠れの里は隣の国の隠れ里でそこまで遠くはない。連絡する手段だってあるはずだ。
もしかしたら、大雪で連絡すらできないのかもしれないが。
誕生日までには必ず帰ってくると言っていたから今日か明日には帰ってきてくれるとおもう。
木の葉の里だから吹雪だって何日も続くとは思わない。
「ねぇ、爺ちゃん。父さんと母さんまだかなぁ?」
「心配しなくとも、もうじき帰ってくるじゃろう」
優しく微笑みながら答えてくれる爺ちゃん。
「そうだよね…誕生日には帰ってこれる「火影様!」…?」
「どうしたんじゃ、そんなに慌てて」
ノックもせず扉を開けたのは任務受付所によくいる中忍
だ。こんなに慌ててどうしたんだろう。
「暗部より伝達!砂隠れの里付近に猿飛 ダイキ様、猿飛 ヒノキ様と思われる遺体を発見しなたとのことです!」
…は?
「え?何いってんだコレ?」
父さんと母さんが死んだ? なんの冗談だ?
木の葉指折りの二人だぞ? そんじゃそこらの奴等にやられる訳がないじゃないか。
しかも“思われる”って…あやふやな情報持ってくんじゃねぇよ。
中忍の忍は今俺に気づいたのか、しまった! というような顔をしている。
爺ちゃんは中忍の方を向いて一瞬睨むと俺に声をかけた。
「木ノ葉丸、大丈夫じゃ。二人はきっと生きている」
お爺ちゃんは、仕事があるから自分の部屋に行ってなさい。
そういうと執務室から出ていった。
二人の任務が重なった時のために火影塔には俺の部屋がある。予備の着替えと机、椅子、ベッドぐらいしかない部屋はいつもより広く感じた。
ベッドに仰向けで寝転ぶ。
『猿飛 ダイキ様、猿飛 ヒノキ様と思われる遺体を発見…』
「…あはは、何考えてるんだ俺…二人が死んだなんて嘘に決まってるじゃないか。死んだなんて絶対信じてやるもんか」
と思ってた。が…
その一時間後、DNA鑑定でその遺体が俺の両親だと知ることになる。
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吹雪が去った後の空は憎いぐらい青かった。
両親が死んだ次の日、木の葉の里では父さんと母さんの葬式が行われていた。
優秀な忍であったことだけでなく、父さんは火影の息子でもあったため、忍の他に里人も多く参列していた。
爺ちゃんから訃報を聞いた昨夜、里の上忍が二人の死因について話していたのを盗み聞きした。
父さんと母さんの死因は砂隠れの裏切り。数年前に両里で結んだ平和条約を向こうから破ったらしい。(砂隠れは容疑を否認している)
葬式に参列した人は俺の姿をみると、
『かわいそうに…』とか『まだ幼いのにねぇ』などの言葉を言う。同情なんてしてほしくもないのに。
任務の内容は教えて貰えなかったけれど砂隠れの風影に
何かしらの巻物を届けに行ったと聞いた。
平和条約って一体なんなんだ? 爺ちゃんも爺ちゃだ、そんな口約束みたいなもので風影を信用していたのだから。
その事を知っているのは一部の上忍と里の上層部だけで里人達は抜け忍に殺されたとでもおもってるんだろう。
「…くっ」
その場にいるのが嫌になって俺はその場から走り去った。途中何人かの人に声をかけられたが、無視して行く先も決めずに走った。
そこにいると、偽りの“平和”に酔った人達に囲まれている気がした。
走って行き着いたのはいつも、モエギやウドンと遊ぶ公園。寒いからか、年末だからか、それとも父さん達の葬式があるためかは分からないが、公園には誰もいなかった。
一旦落ち着ける場所を探す。
目に入ったのはナルトがいつも座っている木のブランコ。板に雪が積もっていたので手で払い除ける。手袋も何もしてなかったので手先が冷たかった。
ブランコに腰掛け、そこから公園全体を見回す。
太陽の光が積もっている雪にキラキラと眩しく反射する。
「…葬式っていったら普通雨だぞコレ」
雪や水滴で輝く遊具や草花は悲しいというより嬉しい感情を表しているようだ。
今の自分の心境と間逆の景色を見ているとイライラしてきた。
ブランコから降りて近くの木の前に立つ。
イライラする気持ちをぶつけるように力いっぱい木を殴った。
体の使い方すら理解できてない俺には枝を少し揺らせたぐらいで太い幹はまっすぐに立っている。
まるで俺を挑発しているかのように思えてしまい続けて何回か殴る。手の甲の皮が少しめくれて赤くなった。
「なにやってんだろ、ボク」
痛みで冷静になる。こんなのただの気晴らしだ。
父さんと母さんが死んだことは変わらない。
木に当たってた自分がバカみたいだ。
その後、俺を追いかけてきた忍と火影塔まで戻った。
葬式は終わったのか先程よりも人が減っている。
爺ちゃんもいない。もう仕事に戻っているのだろう。
火影は多忙だ、でも
「いくら忙しいからって、最後の最後までいるだろ。普通」
「お孫様…」
爺ちゃんは悲しくないのか? いや、悲しいに決まっている。俺を不安にさせないためなら余計なお世話だ…
はぁ、火影塔から出よう。
「お孫様?どちらへ行かれるのです!」
「うるさい! お前には関係ないぞコレ!」
ついてこようとする中忍が五月蝿い。心配してくれる気持ちは嬉しいけど今は一人にしてほしい。
火影塔から出ると丁度お昼時なので大通はたくさんの人で賑やかだった。
俺は、細い路地を通って自分の家に向かった。
歩いて少ししたところに猿飛一族の敷地がある。
自慢ではないが俺の家はデカイ。
父さんは、火影の息子であり猿飛一族の当主でもある。
敷地の広さは日向一族並みだ。
静まりかえった門をくぐる。勿論家には誰もいない。
父さんや母さんの靴も並べてある玄関は少し誇りが溜まっている。
薄暗い廊下を歩く。ここにも誇りが溜まっているのか足の裏がザラザラしてる。
居間に入ると家族の思い出が鮮明に蘇る。
父さん夕飯をつまみ食いして母さんに見つかって起こられたり、俺が父さんの巻物にジュースをこぼしたり。
もう、随分前のことのように感じる。
それもそうか、二人は長期任務で最後にあったのは数ヵ月前だもんな。
棚には2年前に父さんが任務先で買ってきてくれた熊の小さなぬいぐるみ。
それを、手に取る。最近は遊ばなくなったけど、はじめはモエギやウドンに自慢していた。たしか、滝隠れの里のお土産だったっけ。
「父さん…母さん…うっ」
泣いちゃ駄目た、泣いちゃ駄目だ。俺は忍の子供だ。
「…木ノ葉丸」
「!?…爺ちゃん」
「すまぬ、木ノ葉丸。二人を死なせたのは儂じゃ。聞いたんじゃろ? 風隠れのことを」
「…う、ん」
「儂がもっと風影を注意しておれば、こんなことには…」
爺ちゃん…泣いてるのか?
「爺ちゃん?」
「この歳になると涙腺が緩くてのぉ」
そう言って抱き締めてくれた。
爺ちゃんは小さくて火影なんて勤まるのかというほど手も細かった。
「木ノ葉丸。泣いてもいいんじゃよ。今、儂はただのじじいでお前はただの子供じゃ」
「爺ちゃん…うわぁぁぁぁぁん」
俺は泣いた。今まで溜まっていたものを流し出すように。
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「爺ちゃん…世界の平和ってなにかな」
泣いてから数時間経ってやっと落ち着いた俺は爺ちゃんに問いかける。
「世界の平和か…難しいのぉ、人々の心に闇がある限り、絶対の平和はないのかもしれん」
「心の闇…でも、それをなくせたら?」
「そうじゃの、忍者なんていらない世界になるなずじゃ」
微笑みながら答えてくれる。
「爺ちゃんは忍者がいらない世界がくればいいと思うの?」
「忍とは本来国を守るために雇われておった。世界中の国々が一つになれば、平和になれば忍術も忍具も脅威でしかないのじゃよ。」
だから自然になくなっていくそう爺ちゃんは言う。
確かにその通りかもしれない。でも、忍者がいなくなれば、次は“兵器”の時代だ。日本も侍の次は兵器だった。
「儂は平和をもたらすことはできん。今後の世代に託すことしかできんのじゃ」
原作ではナルトの世代が成し遂げた世界平和。
でも、俺にだって少しは貢献できるかもしれない。
「それならさ、オレも託される側?」
「そうじゃの」
「じゃあさ、見ててよ! その瞬間をさ!
もしかしたら後数年で平和なるかもしれないぞコレ」
「なら儂も長生きせんとの」
「ポックリ逝ったら許さないぞコレ!」
「「ハハハハハ」」
二人で笑いあった。
父さんと母さんのことは絶対に忘れない。でも前向きに歩いていこう。いつまでもズルズル引きずるんじゃ憑依した意味もない。
世界平和目指して頑張るぞコレ!
…俺なんで憑依したんだっけ?
最後は無理矢理終わらせました(笑)
めんどくさいことは後回しが忍道ですから(^^)
次回は…まぁ楽しみにしていてください('_')
木の葉丸・もっとまともにしろよコレェ!!!
※更新は一週間に一本ぐらいで頑張ります。