仮面ライバー 守れ!女神たちの夢!   作:シママシタ

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長くなったので3回くらいにわけて投稿します


センター

「はい、5分間休憩してください。」

 

「はい!」

 

コーチーの声がスタジオに響く。全員、力が抜けるようにその場にへたり込む。それはそうだ。1時間ぶっ通しで踊り続けたのだから。

俺も同じように床に座り込んで、スポーツドリンクを飲む。

黒いライダー…。練習中でも、ずっと考えていた。一応、学園長に聞いてみたが、UTXとは関係ないとはっきりと言われた。

なおさら、謎が深まる。黒いライダーとは一体何者なのか?頭の中がハテナマークでいっぱいになる。

 

「拓人、お疲れ!」

 

「あぁ、お疲れ、三原。」

 

UTXでの数少ない友人である三原が俺の隣に座る。

 

「しっかし、すごいな拓人はあんな難しいダンスを軽々とこなすなんて。」

 

「まぁな。」

 

指導している間とか、朝早くに自主練してるしね。

 

「いや、本当にすごいよ拓人は…俺なんかよりもずっと……」

 

「三原?」

 

自信なさげな表情を浮かべる三原。また悪い癖が始まった。

 

「三原、今度ダンス教えてやる。お前はコツさえ掴めば出来るんだ。だから、自信を持て。」

 

「拓人…」

 

三原は自信というものがあまりなく、すぐ自分を皮下する。それが原因で思いっきり踊るのを戸惑い、思うように踊れなくなる。それさえなければ十分なダンサーになるんだが…

 

「ねぇ、それも私もいれて。」

 

のそっと和泉が現れ、俺たちの会話に入ってくる。

 

「あぁ、別にいいよ。」

 

最近はこんな感じで2人とはよくつるんでいる。何だかんだでこの2人といるのが何だか心地がいい。

 

「ありがとう!それじゃあ今日の放課後、早速付き合ってくれない?」

 

「今日か……」

 

言い出した本人なのでμ’sの練習があるから無理だと言うのが気まずい。とりあえず、動揺を隠すために携帯を弄る。すると穂乃果から一件のLINEが届いていた。

 

『今日は撮影だよ(^-^)/』

 

何の撮影なんだかさっぱりわからないが、練習じゃないからちょっとだけ遅れても大丈夫かな?

 

「よしわかった。練習するか。」

 

「おう!」

 

「休憩終了だ!集まれ!」

 

コーチの掛け声を聞き、俺たちは持ち場に戻った

 

♢♢♢

「何と言うか…」

 

拓人さんは神妙な表情でカメラで撮られた映像を見る。

 

「みんなの意外な所が見れていいんだけど、遊んでるようにしか見えないな。」

 

「まぁ、仲の良さが表れてると思えばね。」

 

希先輩はカメラ片手に拓人さんと話す。私たちは部活紹介のためのビデオ撮影をしています。それに終わった後はカメラを貸してくれるとのことで、

 

「そうですね。それにみんなの意外なところも見れましたし。」

 

拓人さんは海未先輩のほう一瞥する。

 

「な、何ですか⁉︎」

 

「いや、海未って結構かっこいい系かなって思ってたけど、可愛いところもあるなって。」

 

拓人さんの混じり気のない言葉に顔真っ赤にしてそらす海未先輩。

 

「凛知ってるよ。ああいうこと言う人っていつか後ろから刺されちゃうんだよね。」

 

「凛ちゃん、一体それは何処で知ったのかな?」

 

ことり先輩は苦笑いを浮かべる。凛ちゃん、それは流石にテレビの見過ぎだよ。

 

「まぁまぁ、練習してるところを見せればだいじょうぶだよ!」

 

「……そうだな。穂乃果は授業をまとめ受けてなかった分、頑張らないとな。」

 

「あはは…」

 

的を得ている拓人の言葉に穂乃果先輩は苦笑いを浮かべる。

 

「と、その前に、拓人君も録ろっか。」

 

「いや、いいですよ。別にコーチですから。」

 

「そんなこと言わずに、ね?」

 

「そうよ、あんたもμ’sの一員なんだから。」

 

徐々にカメラを近づけ、追い詰めていく。にこ先輩の後押しに根気負けした拓人さんはため息を吐き渋々了解する。

 

「わかりましたよ。」

 

東條先輩はニヤリと笑い、ハンディカメラの録画ボタンを押す。

 

「なるべくかっこよくね。」

 

「はーい。」

 

気だるそうな返事が返ってくる。

 

『本間拓人。彼はμ’sのコーチとして参加している。』

 

ノリノリの東條先輩。反面、面倒くさそうに拓人さんが立ち尽くす。

 

『UTXの生徒ということもあり、ダンスの腕前は他の追随を許さない。さらに端正な顔とルックス、そのハードボイルドな佇まいから様々な女性達を魅了する。』

 

「ハ、ハードボイルド⁉︎」

 

『さて、彼流のハードボイルドとは何か?それを今見せてくれるとのことだ。」

 

「本気ですか⁉︎」

 

無茶振りに拓人さんは慌てふためく。そんな姿を見て、東條先輩はニヤニヤと笑うだけ。

 

「……わかりました。なら、やってみせますよ!」

 

やけになった拓人さんはハードボイルドの演技の準備をする。

 

「行きますよ。んん……いいか、撃ってもいいのは撃たれる覚悟のある奴だけだぜ!」

 

……風が少し吹いた後、あたりがしんと静まり返る。多分みんな反応しづらいから黙ってるのかと思うけど、私はかっこいいと思った。何というか、何をしても拓人さんはかっこいいと思ってしまう。

 

「たっくん……それは……」

 

「俺に……質問するな……」

 

恥ずかしそうに俯く拓人さん。それを見ている凛ちゃんと東條先輩は必死に笑いを堪えている。

 

「拓人君wかっこいいやんwww」

 

「気にしなくていいにゃww本当におもしろかったよwww」

 

「もういい……もういいだろ!」

 

拓人さんは膝を抱えてその場にうずくまってしまった。

 

「拓人さん⁉︎」

 

みんなが一斉に拓人さんのそばに駆け寄り、様子を伺う。

 

「まったく、たくにぃは……」

 

「真姫ちゃん?どういうことなの?」

 

ことり先輩が不思議そうに問いかける。

 

「たくにぃは昔から人前で何かするのは苦手なのよ。」

 

「人前って、それでダンスが出来るのですか?」

 

「だから、私もびっくりしたんだけど、おそらく話を聞く限り、ダンスだけはだいじょうぶらしいわ。……まぁ、こんいうのは克服出来てないらしいけど。」

 

海未先輩と同様に私は驚いた。拓人さんはなんでも出来る人だと思ってたけど、少しそういう弱い部分もあるんだね。

 

「たっくん。ごめんなさい。」

 

「たくにぃ、そろそろ機嫌直しなさいよ。」

 

こうやって拓人さんをなだめるのに30分くらいかかった。

 

♢♢♢

無言の空気が漂う。ここ、穂乃果の実家である和菓子屋、ほむらには穂乃果と凛と東條先輩、そして穂乃果に似た少女がいた。

 

「………」

 

「………」

 

「お母さん!お姉ちゃんが男の人連れてきた‼︎」

 

「ちょっと、雪穂!」

 

穂乃果の妹の雪穂は俺を見るや否、店の裏へと行ってしまった。裏からはドンガラガッシャーンと物が落ちる音。

 

「男を連れてくるだけでこの騒ぎって…」

 

「おめでたいにゃー。」

 

そんなこと思ってると裏から穂乃果の両親が現れる。母親は穂乃果と雪穂という人によく似た優しそうな人。一方、父親のほうは…

 

(た、たくましい…)

 

白い割烹着の上からでもわかる、そのたくましい肉体。到底和菓子屋とは思えない。むしろ格闘家とも思えるほどだ。この人と仮面ライダー出来るんじゃないか?

 

「穂乃果⁉︎どういうことなの⁉︎連れてくるならあらかじめ言っておきなさいよ!」

 

「違うって!たっくんは私たちのコーチなの!それにたっくんの好きな人は真姫ちゃんだから!」

 

「あら、そうなの。」

 

「何でそうなる⁉︎」

 

「えっ⁉︎たっくん、真姫ちゃんのこと好きじゃないの?」

 

「あっ、いや………ってそんな話はよくって。それより、東條先輩に色々なこと話すんでしょ。」

 

「せ、せやな。」

 

「そうだった、でねお母さん。」

 

穂乃果と凛は東條先輩は穂乃果のお母さんとともに話しを始めた。東條先輩曰く家族からもμ’sの話を聞きたいらしい。

 

「あの…」

 

「君は穂乃果の妹さん?」

 

「はい、雪穂です。」

 

雪穂という少女はおぼつかない表情でこちらを見る。穂乃果とはよく似ているが、雰囲気はまったく違って思えた。

 

「雪穂ちゃんか…。俺は本間拓人。よろしくね。」

 

「はい、こちらこそお姉ちゃんが迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします。」

 

ニコっとあどけない笑顔で挨拶をする雪穂。姉よりしっかりしてるな。それを見て脳裏にある人が思い浮かぶ。本当だったら……あいつもこんなかんじに…。

 

「どうかしました?」

 

「いや、何でもないよ。」

 

難しい表情を見られ、咄嗟に平然を装う。少なくともこの状況ではあいつは関係ない。だから今だけは頭に片隅に置いておこう。

 

「たっくん、話し終わったよー!」

 

「了解!じゃぁね、雪穂ちゃん。」

 

シュっと、右指を立てその場を後にする。

 

「ねぇ?雪穂と何かあった?」

 

「あぁ、挨拶したくらいだよ。姉が迷惑かけるけどよろしくお願いしますってね。」

 

「えー!雪穂め〜。」

 

妹にバカにされたと思っているらしく、仏頂面になる穂乃果。まぁ、半分くらいは雪穂ちゃんも思ってるのかな。

と話しをしていると穂乃果の部屋へと案内された。穂乃果の部屋はいかにも女の子らしい部屋で、棚にはたくさんのマンガが置かれていた。

 

「お邪魔しまーす。」

 

凛の元気な声が部屋に響く。

 

「さあさあ、入って入って。和菓子もたくさんあるよ〜。」

 

穂乃果が饅頭を机に置き、俺たちに差し出す。綺麗な形をしていてとても美味しそうだった。

 

「お。これは。作詞ノートやね。これにあなたが歌詞を書いてるの?」

 

希先輩は棚にある作詞ノートに気づき、手に取る。

 

「作詞は海未ちゃんがやってるんです。」

 

「えっ?じゃあ振り付けは?」

 

「今まではことり先輩が考えてたんだけど最近はたっくんが考えてます。」

 

「衣装は……」

 

「それはことりが担当してくれてますね。」

 

「じゃあ、あなたは何をしてるの?」

 

「えーと、家でテレビ見たり、ご飯食べたり、パソコンで他のスクールアイドルを見たり、海未ちゃんとことりちゃんの応援したり!」

 

「暇そうで羨ましいにゃー。」

 

「結局、何もしてないのか。」

 

俺と凛は呆れて失笑する。確かに穂乃果らしいのだけど。一方、希先輩は驚きの表情を浮かべる。そして、抱いていたのであろう疑問を投げかける。

 

「高坂さん、あなたがμ’sのリーダーなんよね?」

 

「そうですが?」

 

「ウチ前から思ってたんやけど、穂乃果ちゃんは何でリーダーやってるの?」

 

「えっ?それは……」

 

それは穂乃果がμ’sの創設の立役者だから?だから自然とリーダーになった感じだ。

 

「練習も見学させてもらったけど、指導は拓人君と海未ちゃんが中心で、どうしても穂乃果ちゃんがリーダーに見えんかったよ。」

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