仮面ライバー 守れ!女神たちの夢!   作:シママシタ

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なんかすごい昼ドラっぽくなったな
因みに大事なフラグ回です。


秘密

今までμ’sメンバーと希で一緒に勉強していたが、ことりはとある用事の為、一足先に帰り路を歩いていた。最近は誰かと一緒に帰ることが多く、こうやって一人で帰るのことには少し寂しさを感じていた。

そんなことを思っていると、突然、後ろから知らない男に声をかけられた。

 

「ねぇ…….君?」

 

「ふぇ?なんですか?」

 

「これからも僕と遊ばない?」

 

その男は鼻息を荒くしながら、ことりへと話しかける。そんな男に恐怖を覚え、誘いを断る。

 

「ご、ごめんなさい。私……これからバイトがあって……」

 

ことりはそんな怪しい男を怖がり、少しでも早く離れたいと思い、断って先に行こうとする。しかし、そんな怯える姿が逆に男を興奮させる要因になり、ますます強情になった。

 

「そんなのいいよ!だから僕と遊ぼう!そうだ、何万円欲しい?遊んでくれたら好きなだけ、 お金をあげるよ!」

 

「い、嫌!」

 

男はジリジリとことりに詰め寄り、その細く白い手を掴む。ことりは咄嗟に振り解こうともがくが、か弱い女子高生の力ではどうにもならなかった。

 

「さぁ、僕と一緒に行こう!」

 

男は力づくでことりを連れていこうと引っ張る。そして、そばに止めてあった黒いワンボックスカーにことりを乗せようとする。

 

「チェストォォォォォォォ!」

 

すると突然、男の顔に飛び蹴りが激突し、無駄に肥えた脂まみれの顔を歪ませる。そして、車のドアに強く叩きつけられ、ドアに大きな凹みが出来る。その衝撃で男はことりと手を離し、ことりは直ぐさま男と距離を取る。

 

「いいか!可愛い女の子を連れ去るのは白馬に乗った王子様だけの特権だ!てめぇみたいな豚がしゃしゃりでるんじゃねぇっての!」

 

尻もちをつく男を見下すように爽馬は前に立ちはだかる。その爽馬はまるで鬼のような形相で、逆らえば首を持っていかれるような殺気を漂わせていた。

しかし、相手の気持ちなど感じ取れない、自分勝手な男はそんな爽馬に盾をつく。

 

「な、何なんだよ!僕とその子の問題なんだよ!」

 

「るっせぇ!黙ってろ!」

 

まったく悪びれる様子もない男に苛立ち、爽馬は正面からその男の顔を踏みつけ、さらにグリグリと追い打ちをかけるように踏みつけ黙らせる。端から見れば一体どっちが悪者かと言われれば間違いなく爽馬と指を指されるだろう。

 

「あの……ことりは大丈夫ですから……もうやめてあげてください!」

 

そんな一方的な絵に優しいことりは胸を痛める。そんな言葉を聞いて、爽馬は不満そうに表情をして男の顔から足をあげる。そして、ことりは男のそばに行き、バックから絆創膏を取り出し、傷ついた箇所に貼る。

 

「これで……大丈夫です。」

 

ことりはやるべきことを終えると、直ぐさま男から離れる。そして男もそそくさとその場から離れ、何処かに行ってしまった。

男がいなくなった後、爽馬がことりに近づき、話しかける。

 

「また君か。この前も変な男に目ぇつけられてなかったかい?まったく何処のピーチ姫だよ。」

 

「ご、ごめんなさい。」

 

そういえば、この人と初めてあった時も私が危険な目に遭いそうになった時だとことりは思い出す。

 

「別に謝ることはねぇけど……。どうして君を危険な目に遭わせようとしたあいつを助けたんだ?」

 

爽馬にあの男を助けた理由を問われ、ことりは戸惑う。しかし、助けた理由がなくて戸惑ってるわけではなく、何故爽馬がそんな質問をしたのかということに対して思っていた。

 

「だって……すごく怖がってたし……それにあなただってやりすぎだって思ったの……」

 

ことりがそう言い切ると、爽馬は頭を掻きながら、目を伏せる。そしてことりに対して思ったことを包み隠さず、言った。

 

「君は優しいね。」

 

ことりは真っ直ぐなその言葉を受け、えっと驚く。しかし、爽馬は依然として目を伏せている。たが、口元は少し歪んでいて、もしかして笑っているようにも見えた。

「確かに俺もやりすぎだったな。でも、君も気をつけたほうがいい。その誰にでも振り撒ける優しさは時には君自身を危険な目に遭わせる。」

 

そして爽馬は顔をあげ、ことりの顔を覗き込み、まじまじとその整った顔を凝視する。ことりは青年に凝視され、恥ずかしくなり、顔を真っ赤にし、できるだけ爽馬と目線を合わせないように、目を伏せる。

 

「それに可愛い顔にに恵まれた体型、そして理性が飛ぶような声か。そりゃあ、攫いたくもなるわな。」

 

「えっ⁉︎あなたもことりを攫うんですか?」

 

爽馬の言葉に、ことりの天然が炸裂し、純粋に捉えてしまう。そんなことりを見て、爽馬は思わず笑ってしまう。

 

「くっふ。ははは、違うよ。俺は攫わないよ!俺はこう見えて純愛が好きでね。それとも、君は俺に攫われてたいのかい?」

 

「いや……」

 

一応、否定したが心の中ではこの人にならことりは思い、その瞬間、一体私は何てことを思っているんだろうと思い、頭をブンブンとふる。

 

「まっ、さっきも言った通り、そういうのは王子様の特権だ。俺には残念なことにそんな権利はなくってね。」

 

そんなことりの様子に気づかず、一人話を続けていた。そして、頃合いを見計らって、爽馬はことりに名前を聞いた。

 

「君、名前は?」

 

「南……ことりです。」

 

「ことりちゃん。名前も可愛い……。」

 

思わず漏れた本音に爽馬は口を押さえる。そんな可愛いらしい仕草にことりはクスリと笑みを浮かべる。

 

「ああいや、何でもない。そうだ!俺の名前は……」

 

「爽馬さんですよね?」

 

かっこよく名乗ろうと準備をしていた爽馬だが、予想外の不意打ちで何も出来ず、固まってしまう。

 

「……あぁ、市原爽馬だ。何で知ってるんだ?」

 

「この前、にこ先輩があなたの名前を言ってたから……」

 

「そういえばそうだな。」

 

変なポーズで固まったまま、納得する爽馬。

 

「これからバイトだっけ?」

 

「えっ、はい。」

 

「それじゃあ途中まで送っていくよ。」

 

「えっ⁉︎だいじょぶですよ……」

 

角を曲がろうとしたその時、ピタリと爽馬は足を止める。そして、段々と顔が青ざめていく。そんな変わった様子にことりは不思議に思い、爽馬の目線の先を見ようと曲がろうとすると、突然爽馬がことりを抱き寄せた。

 

「そ、爽馬君⁉︎」

 

突然のことに頭の中かパニックになり、ことりは慌てふためく。だが、爽馬の胸の居心地も悪くなく、次第に落ち着いていった。

 

「こっちに来ちゃだめた!戻るぞ!」

 

一方の爽馬は、あれほど可愛いと褒め殺していたことりを抱き寄せているにもかかわらず、慌てることなく、冷静であった。

それもそのはず。爽馬に冷静でなくてはいけない状況なのだから。

爽馬の目線の先。そこには大きなハサミを持ったオーガ、クラブオーガが先程のことりを襲った男を頭から食べていたのだ。

 

(グロいな)

 

爽馬自身はこんなことには慣れているため、問題はないのだが、もし優しいことりが見てしまえば、相当なトラウマを植え付けることになるだろうと爽馬は考え、極力見せないようにことりを抱き寄せていたのだ。

 

「何があったの、爽馬君?」

 

「……オーガがいた。バレていないうちにずらかるぞ。」

 

かと言って何も知らせないのはかえって不審がらせるのではと考え、ただオーガが現れたことだけは抱き寄せたまま伝えた。

すると、ことりの爽馬を掴む手が強くなる。そんな怖がっていることりを安心させるために爽馬はそっと耳元で囁く。

 

「大丈夫。何があってもことりちゃんは守るから。」

 

刃を向けた相手に俺は何を言ってるんだと爽馬は自分を皮肉るが、ことりの様子を見る限り、自分の言葉を効いていると考え、安心する。

しかし、そんな安心も束の間。背後から迫り来る悪意に爽馬は覚悟を決める。

 

「ことりちゃん!今すぐ逃げるんだ!」

 

パッとことりを離し、直ぐさま後ろへと振り返る。そこには口周りに赤い血をベットリとつけたクラブが爽馬達の方を向き、右手を振り上げていた。

 

「爽馬君!」

 

ことりの叫びたいとともに、爽馬がクラブに殴られ、壁へと叩きつけられる。

 

「にゃろぉ……」

 

常人なら即死でもおかしくない攻撃を爽馬は何とか耐えるが、余りの力の強さに動くことが出来なかった。クラブはその隙にことりへと迫る。

 

「ことりちゃん!今すぐ逃げろ!」

 

全身の痛みに耐えながらも必死に逃げるようにことりに促すが、ことりは脚が竦んで動けず、クラブとの距離は縮まるばかり。

 

「い、いや……」

 

ことりの目の前まで迫ったクラブは右腕を振り上げ、ことりを叩き潰そうとする。そんな状況になりことりはやっと動くことができ、咄嗟にクラブの攻撃を避けた。しかし、その際に足を痛め、すぐに立ち上がることが出来なかった。

そして、クラブはそんな状態のことりに迫り、無慈悲にも狩ろうとする。ことりはもうダメだと諦める。だが、そんなことりの前に爽馬が現れる。

 

「ことりちゃん。君には1つだけ謝らなくちゃいけないことがある。」

 

「ど、どういうこと?」

 

「……見ればわかるよ……」

 

すると、爽馬は前を向きながらことりに向けそう言った。ことりは何故謝るのかわからなかった。だが、それには爽馬は見ればわかると一言添えるだけだった。

そして、爽馬の謝る理由がわかる時がきた。

爽馬はコートをめくり、腰に巻かれたドライバーを晒す。さらにポケットから黒いディスクを取り出し、ドライバーにセットする。

 

《Install》

 

「変身……」

 

《Lord Rider Zero》

 

ぐぐもった電子音声と共に爽馬は黒い光に包まれ、仮面ライダーファントムを変身する。そして、ファントムセイバーを握り、クラブへと斬りかかる。

 

「う………そ………」

 

ことりは目の前の光景にただ絶句するだけだった。自分を助けてくれた人が、以前、自分を殺そうとした異形へと変身した。ことりの頭はかき乱される。

そんなことりを他所にファントムとなった爽馬はひたすらをクラブを斬る。

 

「ハアッ!」

 

横に一線の斬撃をくらわせようとするが、クラブは跳んで避ける。

 

「チィッ!蟹が跳ぶんじゃねぇ!」

 

先程からイラついていたファントムはクラブの行動に舌打ちをする。そして、自身も跳び、空中でクラブにオーバーヘッドキックをくらわせ、地面に叩きつける。

 

「さぁ、終われ!」

 

ファントムは地面に着地し、ドライバーのボタンを押し、ディスクをさらにロードする。

 

《Overlord Rider ZZZZero》

 

「煉獄の拳!」

 

闇の衝波をまとったパンチをクラブの胸へと叩き込む、吹っ飛ばす。しかし、クラブの固い鎧にはあまり効かず、ヒビが入っただけであった。

 

「もういっちょ!」

 

《Overlord Rider ZZZZero》

 

ファントムはさらにディスクを回し、宙に浮くクラブに「ライダーキック」を決める。

 

「幻影列脚‼︎」

 

闇の衝波をまとった左脚がクラブにヒビ割れた鎧に直撃し、クラブは呻き声上げ、空中で爆発する。

 

「ほへぇー。疲れた。」

 

そして、爆発の炎の中からファントムが現れ、着地と同時に変身を解き、爽馬へと戻る。ことりはそれを遠くから見てるだけだった。

 

「ことりちゃん。無事かい?」

 

すると、爽馬はことりの傍に歩み寄り、ペタンと座り込むことりに手を差し出す。それにことりは一瞬戸惑うが、その手を取り、立ち上がる。

 

「ちょっと、足をやっちゃったか。歩ける?」

 

「う、うん。」

 

ことりは歩けるか試すために一歩踏み出すが、痛みを覚え、よろめいてしまい、爽馬に支えられる。

 

「無理そうだね。今日は素直に帰ったほうがいい。」

 

爽馬はそう優しく言い聞かせ、ことり小声でうんと返事をする。

 

「今日は助けてくれてありがとう…….」

 

すると、ことりは意を決して爽馬に感謝の言葉を述べる。

 

「一度君を殺しかけたんだよ、俺は。それでもそう言えるのかい?」

 

爽馬はことりにそう冷静に言い放つ。この言葉はことりに対する罪悪感から生まれたものだった。無関係でありながら、自分を邪魔立てをするからという理由で殺しかけ、爽馬自身も深く後悔していた。

爽馬にとって今までのことりへの態度て償いのつもりでやってきた。だが、それで償いきれているとは思っていない。

 

「正直に言うと、私だって割り切れてはないよ。私を殺そうとしたのも本当だし……でも、助けてくれたのも本当だし……だから……」

 

爽馬の目をじっと見つめながらことりは自分の思いを伝える。そんなことりを見て、爽馬は敵わないという諦めの思いが生まれた。

心の中では許してくれなくていいと思っていた。ただ嘘でも、感情に任せた時に出た薄っぺらな言葉でも、拒絶されたかった。だが、ことりは爽馬を傷つけまいと

 

「ことりちゃんは優しいね。」

 

爽馬は優しくことりの頭を撫でる。そして、ことりの目を見つめて、その柔らかな唇に人差し指を添え、とある約束を結んで欲しいと言った。

 

「今日のことは秘密にしてくれるかい?」

 

「うん。」

 

意外にもあっさりと約束してくれて、爽馬はホッと胸を撫で下ろす。一方、ことりは爽馬と秘密を共有できたことで、爽馬にとって特別な人になれたと内心、喜んだ。

 

「よいしょっ。」

 

「わ⁉︎そ、爽馬君⁉︎」

 

すると、爽馬はことりを所謂お姫様抱っこをする。ことりは恥ずかしさで顔を真っ赤にし、そっぽを向く。その姿が爽馬にとってあまりにも可愛いらしく、イタズラ心をくすぐってしまう。

 

「本当にこう見るとことりちゃんはお姫様みたいで可愛いな。」

 

「ちょ、ちょっと、爽馬君!恥ずかしいよ!」

 

「だいじょうぶ。見られないように努力するからさ。」

 

そう言って、ことりの言い分など聞かずに歩き始めてしまった。そんな爽馬にことりは少しだね怒りが沸いたが、それよりも何倍もの大きな幸せを感じ、そっと爽馬の首に手を巻きつけた。

 

 

こうしてことりは市原爽馬に恋をした。

 

だが、このことが最悪な事態に繋がることになるなど、知る由もなかった。

 




はい、この後ことりちゃんがキーキャラになります。
これから結構な鬱展開になります
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