仮面ライバー 守れ!女神たちの夢!   作:シママシタ

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第1章終了!
いや〜1年かかった笑
そして、最後に発表があります!


絵里

「よ~し、練習がんばろう!」

 

放課後の屋上で、穂乃果が元気よく意気込む。そんなことを入口のドアに隠れて、絵里は複雑な思いで聞いていた。

 

「覗き見ですか。」

 

こそこそと隠れている絵理に階段を上ってきた拓人が声をかける。

 

「こそこそ見るくらいなら、いっそのこと行けばいいじゃないですか。」

 

ため息を吐き、拓人は面倒くさそうに絵里に言う。

 

「あっ!生徒会長さん!」

 

すると、一年生3人組が現れ、凛が勢いよく絵里の背中を押して、屋上へと無理矢理出す。全員に注目され、絵里は気まずそうにするも、すぐに自分の思ったことを話した。

 

「辛くないの?昨日あんなにやって、今日もまた同じことをするのよ!上手くなるなんて保証もないのに!」

 

努力とは必ずしも報われるとは限らない。それを痛いほど知っている絵里には理解し難いものだった。

 

「愚問ですね。」

 

すると、拓人はフェンスに寄りかかりながら、一言だけ絵里に向け、呟く。それも勝ち誇ったような表情で。そして、穂乃果が口を開く。

 

「やりたいからです!廃校を何とかしたいという気持ちは生徒会長には負けません!」

 

穂乃果はキッと絵里を見つめながら言う。その絵里は穂乃果の揺るぎのない瞳に思わず気圧される。

 

「だから、今日もよろしくお願いします!」

 

穂乃果が誠意を込めお願いする。これほど本気な彼女達は見て、絵里は納得出来ず、何も言わずその場を後にしてしまった。

 

♢♢♢

μ’sの前から逃げるように去って行った絵里は一人、うつむきながら廊下を歩いていた。絵里の頭の中では先ほどの穂乃果の言葉が何度も繰り替えされる。

やりたいからやる。とても単純だが、最後までやりきるとなると難しい。そして、その辛さは挫折した絵里にとって痛いほどわかっている。だからこそ、彼女達を認めたくなかったのかもしれない。心の何処かで自分が成しえなかったことをやってのける彼女達に嫉妬していたのかもしれない。そして、そんな彼女達に何処か憧れていたからこそ、彼女達に強く当たってしまっていたのかもしれない。

そんな風に今までのことに後悔していると、希が前から現れ、絵里はハッと意識を現実へと戻す。

 

「ウチな、ずっと思っていたことがあるんや。エリチは本当は何がしたいんやろって。」

 

そして、希はおもむろに口を開き、迷う絵里に今まで思ってきたことを問いかける。だが、絵里は口を開かず、黙って聞いていた。

 

「ウチには何か我慢してるように見えて……。エリチが頑張るのはいつも誰かのためばっかりで、だからいつも何かを我慢してるようで……全然自分のこと考えてなくて!」

 

希の言葉が絵里の心に深く突き刺さる。希の言葉はよく絵里自身をよく捉えていた。すると、あまり弱みを見せたくなかった絵里は希に背を向けて反射的に逃げようとしてしまう。

 

「逃げるな!」

 

そんな絵里の逃げ道をふさぐように階段の角から爽馬が立ちはだかり、別人と見違えるほどのドスの効いた声で呼び止める。絵里はそんな爽馬に圧倒されるたのと、逃げてはいけないという

 

「学校を存続させようってのも、生徒会長としての義務感やろ!?だからこそ、理事長はエリチのこと認めなかったんやろ!」

 

希は次々と絵里に思いをぶつける。そして、希の言葉が矢となり絵里の凍りついた心を徐々に砕いていく。

 

「なぁ、エリチ。本当にやりたいことは何?自分に……正直になって!」

 

最後の方の希の声は震えていた。そんな声が大きな矢となり絵里の心を固めていた氷を完全に砕いた。すると、今まで押しとどめていた思いが言葉となって、はたまた涙となって一気に放出される。

 

「何よ……何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないんじゃない‼私だって、好きなことだけそれだけでやってなんとかなるんだったらそうしたいわよ‼」

 

今までのクールな絵里は見る影もなく感情的であった。そして、目から1つの雫が零れ落ちる。

 

「自分が不器用なのはわかってる!でも……今更アイドル始めようなんて私が言えると思う?」

 

今まで押しとどめていた思いを全て吐き出すと絵里は再び希に背を向け、その場を後にしようとした。しかし、爽馬が絵里の手を掴み、動きを止める。

 

「何だ、不器用ってのは自覚してんだ。これは意外だな。」

 

先ほどのドスの効いた声とは裏腹にいつもの軽い調子で話す爽馬。だが、絵里はうつむいたまま黙っているまま。そして、爽馬は絵里にある一つの答えを聞かせる。

 

「いいじゃん、別に。何もさ、全部を自分から始めなくたって。不器用なら不器用らしく振るまえ。そうすればさ、誰かが手を差し伸べてくれる。そういうのを待つのも一つの手じゃないか?」

 

爽馬は話し終えると、絵里の手を離し、そのまま絵里は何処かへ行ってしまった。そして、爽馬は絵里の後ろ姿を見送ると、憑き物が取れたかのように大きく背伸びをする。

 

「さて、後はあいつらに任せるか。」

 

「そうやね。」

 

「それでさ、希はどうするんだ?」

 

「ウチ?」

 

「とぼけんなよ。最初から計算済みだろ。絵里も希自身も加入するのも。」

 

その爽馬の言葉に希はただ、うっすらと優しく微笑んで見せた。

 

♢♢♢

その後、絵里は1人、誰もいない自分の教室に行き、窓側の自分の席へと座った。ぼんやりと外を眺めて、2人の言葉を思い返していた。

 

「私のやりたいこと……。そんなもの……!」

 

しかし、無駄なプライドのせいで見栄を張ってしまい、そんなものはないと吐き捨てる。

 

「生徒会長!いいえ、絵里先輩!お願いしたいことがあります!」

 

いつの間にかに絵里の横にいた穂乃果に声をかけられ、絵里はゆっくりと顔を向ける。穂乃果の周りにはμ’sメンバーと拓人。そして、爽馬と希が優しい表情で絵里を見つめていた。一体何なのかと絵里は戸惑い、とりあえず穂乃果を見た。穂乃果の表情はただ一点の曇りがなく、今の悩み続けている絵里とは対象的であった。

 

「どうしたの。練習なら昨日と同じのって……。」

 

すると、穂乃果は絵里に向け手を差し出し、運命の言葉をかける。

 

「絵里先輩、μ’sに入ってください!」

 

穂乃果の言葉には嘘も偽りもない。ただ純粋に絵里とスクールアイドルをやり、一緒に歌って踊りたいという願望だけだった。

 

「一緒に歌って欲しいです。スクールアイドルとして。」

 

「そんな……だいたい、私がアイドルなんて!」

 

しかし、一貫して絵里は穂乃果の誘いに乗ろうとしない。すると、海未は先ほど希と爽馬から聞いたことを絵里に言う。

 

「さっき希先輩と爽馬さんから聞きました。絵里先輩は本当はスクールアイドルをやりたいって。

 

「全く、やりたいなら素直にそう言いなさいよ。」

 

「にこ先輩に言われたくないけど。」

 

にこが素直になれない絵里にそう言うと、真姫が人のことを言えないとにこに返した。

 

「ちょっと待って!スクールアイドルをやりたいなんて……それに私がスクールアイドルなんておかしいでしょ!」

 

「だーもう!めんどくせぇ!とりあえずやってみろよ!」

 

未だ迷っているせいで、なかなか一歩を踏めだせない絵里に、爽馬は後押しするように力強く言う。そして、爽馬に希も絵里にアドバイスをすふ。

 

「やりたいからやってみる。本当にやりたいことってそんな感じで始まるんやない?」

 

2人の言葉を聞いて、今まで不明瞭だった絵里の心が次第にはっきりとした形になり、自分のやりたいことに気づいた。それは案外、簡単に見つかり、そして、それはすぐ近くにあった。だからこそ、絵里は目の前に差し出された手を掴んだのだ。

 

「これで8人!」

 

「ノウノウ。」

 

みんなが絵里の加入に喜ぶ中、爽馬はまだまだと勿体ぶるように、人差し指を振る。そして、希を横目で一瞥する。すると、希が一旦間を開けて、衝撃の一言を言った。

 

「9人や。ウチをいれて。」

 

まさかの突然のことみんなは驚きを隠せなかった。

 

「希先輩も?」

 

「占いで出てたんや。このグループは9人で未来が拓けるって。だから付けたんや。9人の歌の女神、μ’sって。」

 

「じゃあ、あの名前は希先輩が……。」

 

希がμ’sの名付け親と知ってさらにみんなは驚いてしまう。

 

「お得意の占いか……。ずるい奴だな、希は。」

 

しかし、爽馬は驚くことなく、希のそういう上手いやり方に感心していた。

 

「そう、ウチが名前を付けたんや。9人の女神。そして、芸術の神。」

 

μ’sという名前にそんな意味が込められていたのかとみんなはそう思った。

 

「一件落着ってか。……それじゃあみんな、絵里と希をよろしく頼む。」

 

μ’sが和気藹々としてる中、爽馬は絵里と希が問題なく加入出来たことに確認して、一人、教室を後にしようとした。

 

「かっこつけて……何言ってるんだよ。」

 

しかし、その行く手を拓人と海未に阻かれてしまう。かっこよく去りたかった爽馬にとって、拍子抜けしてしまう状況である。

 

「是非、爽馬さんも。」

 

「あー、いやぁ〜……いいの?」

 

「水臭いわね。いつもみたいに遠慮のないあんたはどうしたの?」

 

「にこ……。」

 

爽馬のらしくもない姿ににこに呆れられてしまい、爽馬は頭を掻いて、苦い笑いを浮かべる。

 

「爽馬。」

 

「爽馬君。」

 

振り返ると絵里と希も温かな表情で爽馬を見つめていた。これはどうしようもないなと、爽馬はニヤリと笑う。

 

「……たくよぉ。それじゃあ、よろしくな。」

 

そして、満面の笑みになり、みんなによろしくと挨拶をする。すると、絵里は1人そそくさとドアに向け歩き始めた。

 

「絵里さん、何処に?」

 

穂乃果は絵里の後ろ姿に向け、そう言った。

 

「決まってるでしょ。」

 

絵里はくるりと振り返って、何も迷いのない、真っ直ぐでやる気に満ち溢れた表情でみんなに言い放った。

 

「練習よ!」

 

そして、新生μ’sの新たな一歩が踏み出される。

 

 

第1章 終

 

 

 

次回 第2章 開幕!

 

「みんななら出来る。俺がそう言ったんだ。必ず成功するさ。」

 

廃校の阻止の最後のチャンス、オープンキャンパス。

しかし、そこで新たな事件が起こり⁉︎

 

「たくにぃ、行かないで!」

 

「どんな絶望的な状況でも、それを覆してみせるのが……仮面ライダーだ!」

 

さらに新たなる敵が現る

 

「始めまして……仮面ライダーさん?」

 

「やはりいるのか……進化体のオーガ!」

 

そして、暴かれる!

 

「たくにぃはどうして仮面ライダーに?」

 

「爽馬は孤独なの……。しょうがないのよ、爽馬は……仮面ライダーなんだから。」

 

拓人と爽馬の過去!

 

 

仮面ライバー 第2章

動乱編

 

開幕

 

 




第1章が終わって、次回から第2章!
今まで分からず仕舞いだった謎も明かされ、物語も少しシリアスになりつつ、熱くなっていきます。
という前置きは置いといて。

実は8月28日で、この仮面ライバー、一周年です!みなさんの応援のおかげです!
というわけで余裕があったら一周年記念回をやりたいと思います。
いや〜楽しみですね笑
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