テスト期間だったんで時間が取れず、さらに絵を描いたり、スクフェスしたり、プラモ作ったり、よしりこ最高って発狂してたり……うん、ゼヒモナイネ!
それでは、本編どうぞ!
フォースが乱舞を披露する傍ら、ファントムは黒いマントを翻し、オーガにファントムセイバーを振るっていた。
「全く、キリがねぇや。」
刃に付着した緑色の鮮血を払いながら依然として数の減らないオーガに愚痴をこぼす。オーガの一部がファントムを標的から外していた。
「って、やらせねぇ!」
オーガの目線を追い、すぐに目線の先へと跳んでいく。そこには幼稚園生の弟を身を呈して、守っている女子中学生がオーガに襲われる寸前だった。
「近寄んじゃ……ねぇ!」
《Lord Barrier》
2人の前に着地し、右手を前に出すと掌から電磁バリアが発生し、迫ってくるオーガを弾き飛ばす。
「守るのが主な癖になんていう威力だ。つくづく勿体ねぇ品だ。」
先日、立木から貰ったディスクのあまりの性能の高さに使用した本人も驚かざるをえない。
「あ、あの……。」
感嘆していると、背後から女子中学生が声を震わせながらファントムに話しかける。
「今すぐ、みんなのところに戻りな。」
すると、男児がジッとファントムを熱い眼差しを向けていた。
(そんな目で見るなよ。)
その眼差しにファントムは仮面の奥で顔を歪ませる。男児のその眼差しはテレビに映るヒーロー達に向けるものであった。憧れ、そして希望が合わさった眩しいもの。
しかし、ファントムはヒーローなどではない。否、周りがヒーローだと言おうがファントムはそれを否定する。
ヒーローというのは憧れ、そして、心の底からなりたい希望も救いの存在、所謂光でなければならない。しかし、ファントムは光などではない。寧ろ闇の存在だ。人を守る為、人のエゴによってその身を闇へと変えられた
人の深い闇の体現者。そんな者に憧れはならず、そして、本来なら存在してはいけない存在である。だから自らを幻影、ファントムと名乗っているのだ。
「かっこいい……。」
しかし、この少年はファントムに憧れてしまったのだ。無理もないのはわかっているがそれでもファントムは不快感を感じざるを得ない。
「ヒーロー……か。」
だが、心の片隅では高揚していた。幼い頃からヒーローに憧れていたファントムにとって、その憧れの存在になれたことに言葉にならない喜びを感じていた。
そして、何より、怪物と言われなかったことが何よりであった。
「頑張って!ヒーロー!」
「しょうがねぇ、今回だけはヒーローらしく振舞ってやる。」
湧きたつ思い、声援に後押しされ、興に乗ったファントムは仮面の奥で真っすぐな笑みを浮かべる。
《Relord Rider PPPPhantom》
「ファントム……セイバー!」
剣にファントムディスクをセットし、刃を撫でると刃が青白く発行する。まるで、宇宙の平和を守る刑事達の愛用するレーザーの剣のよう。
「ファントム!ダーク……ラッシュ!」
ファントムから放たれた青白い一閃がオーガを両断する。
「どうだ!見たか!」
あの憧れのヒーローの真似事をして、何だかんだで上機嫌になる。しかし、それも束の間。仲間を倒され、激昂したオーガ達は続々とファントムを取り囲む。
「チッ!囲まれたか!」
迫り来るオーガに舌打ちをしながら、必死に打開策を模索する。そして、あるヒーローのジンクスを思い出す。
「ライダァァァァァ旋風ゥゥゥゥゥ!」
ある巨大ヒーローから教えられた逆転の術。それは……
回れば何とかなる
「ハァァァァァァァァ!」
ファントムはアントオーガの一体を掴み、その場で回転する。すると、大きな竜巻が起き、周囲のオーガ達を巻き込んでいく。
回転し終えると、宙に舞い上がったオーガ達は風圧に斬り裂かれ、地面に叩きつけられ、爆発する。
「まだまだぁ!」
《Lord Speed》
新たなオーガの集団に標的を変えると、次の瞬間、ファントムは消えた。否、消えるように見えるほどのスピードで移動したのだ。そのスピードは音速に匹敵する。
「ソニックブレイド。お前達は斬られたことにすら……気づいていない。」
気づいた時には既にファントムはオーガの集団の通り抜け、反対側におり、剣を構え、残心を取っていた。
そして、刃を剣先の向きに撫でると、オーガ達は上半身が下半身から離れ、ボトリと地面に落ちる。
《Overlord Rider PPPPhantom》
次にファントムディスクをドライバーにセットし、右手に力を込める。
「ライダァァァァァァフィンガァァァァァ!」
迫り来るオーガ達の集団に必殺の拳を浴びせると、大きな衝撃波が起き、オーガ達は宙に浮き、爆発する。
「さぁ、闇に帰れ!」
残りのオーガ達を仮面の奥で睨みつけると、再びファントムディスクを読み込ませる。
《Overlord Rider PPPPhantom》
すると、ファントムドライバーからまるでショートしたように、火花を少し散らす。ファントムドライバーは旧型のドライバーであり、連続のオーバーロードは想定していない。使えることは使えるが、ドライバーへの負担はかなり大きい。
「わかってるさ!でもやるしかねぇ!」
しかし、このままダラダラと戦い続けても、今度はファントム自身の負担が大きくなるだけだ。
「ライダァァァァァダァァクゥ!キィィィィッッックッ!」
意を決し、ファントムは高く跳び、必殺の蹴りを発動する。その蹴りはまるで流星のような勢いでオーガ達の集団の真ん中に激突し、そして、校舎と同じ高さまでの爆炎が上る。
「ふぅい。何とか……終わったな。」
その爆炎の中から、熱風で黒いマントをたなびかせながらファントムを現れる。
「あっちも終わったか。」
ふと、目をやると、フォースがライダーキックを放ち、着地する瞬間が見えた。
「あらかた片付いたな。」
「そうだな。」
辺りを見回すと、校庭を埋め尽くす程いたオーガ達は綺麗さっぱりいなくなっていた。ライダー達の活躍により、オーガ達は全て倒された。しかし、その代償として、校庭は荒れ果て、作り上げていたステージを壊され、一概にも大団円とは言い難い。
そんな、達成感と悔しさを胸に抱いてる中、突然、大地が震える。
「何だよ!」
いきなりの地鳴りにライダーはあたりを忙しなく見回す。
「はっ……マジかよ……。」
すると、ファントムがあるものを見てしまう。それは山のような影。その影は一歩ごとに大地を震わせ、ゆっくりと音ノ木坂へと向かっていた。そしてついにライダー達の前に現れると、影の正体が明らかになる。それは大きな角と強靭な肉体と剛腕を持った3mをも超えるオーガであった。
「何のオーガだよ!」
「こいつは……キメラか!」
話では聞いたことがあるが初めて見る悪魔を目の当たりにし、フォースは思わず縮み込んでしまう。
キメラ型オーガ。全てにおいて規格外のオーガである。本来、オーガはオーガ細胞に動物や植物の細胞を一つを取り込み、そしてその細胞を持った生物の特徴を持ち、進化していく。しかし、希に複数の細胞を取り込む、または他のオーガを取り込むことがある。
そうすると、特徴を複数持ったオーガへと進化する。姿も混じったさらに奇妙な物になり、正に合成獣である。
そして、何よりキメラは強い。特徴を複数持っているからもあるが、どうやら複数の生物の細胞を取り込むと、オーガ細胞が活性化するそうで、強さも規格外。
今回のオーガはその屈強な肉体と大きな角を持っており、おそらくゴリラとサイの細胞を取り込んだオーガであろうと推測した。
「へぇ……真打登場か。上等じゃねぇか!」
恐怖を威勢でカバーし、ファントムは剣を構え、キメラへと刃を向ける。
「やあっ!」
ファントムは跳びかかり、キメラを斬るも、傷は浅く、ダメージは少量であった。
「しまった!」
逆に跳んだおかげで隙が出来てしまい、ファントムはキメラの剛腕に掴まれ、そのまま地面に叩きつけられる。
「グハッ!」
地面にヒビを入れる程の威力に、何ともないわけがない。内臓に相当なダメージがはいったようでファントムはクラッシャーから血を吐き出す。
「ファントム!」
あのファントムですら容易くあしらわれ、フォースは相当な危機感に襲われる。
「うおぉ!」
そんな危機感を振り払うようにフォースはキメラに跳びかかり、拳を向ける。
《Lord Power》
ディスクによって強化された拳をキメラにぶつける。
「くっ!硬すぎる!」
しかし、キメラの鋼の肉体にはビクともしない。
「グフッ!」
すると、下からヒザ蹴りが直撃し、フォースは宙に舞い、重力に引かれるように地面に叩きつけられる。
その蹴りの威力は凄まじく、一撃でフォースの鎧にヒビを入れる程である。
「何ていう威力……。」
フォースは産まれたての子鹿のように立ち上がり、仮面の奥でキメラを睨みつける。
「クソ!ふざけやがって!」
クラッシャーを拭いながら、ファントムもよろよろと立ち上がり、キメラに刃を向ける。
「グギャォォォォ!」
すると、キメラは咆哮を上げる。その咆哮はまるで突風のように空気を震わせ、校舎の窓ガラスを割ってしまうほど。
「うおぉぉぉ!」
その咆哮にライダー達は一瞬だけ怯むが、負けじとキメラに立ち向かっていく。
「クッ!」
「アッ!」
しかし、ライダーは攻撃をするも、キメラに弾かれてしまう。
「なら!」
《Lord Weapon》
《Lord Speed》
フォースはフォースセイバーを手に取り、超スピードでキメラの懐に入る。
「もらった!」
そして、刃を横一線に振るうが、斬る寸前にキメラの裏拳が直撃し、吹っ飛ばされてしまう。
「クソ!手強いな!」
なかなか決定打を与えられないファントムは苛立ちを募らせる。
「仮面ライダーさん!」
しかし、ここで思わぬ事態が起きてしまう。校舎の陰からひっそりとライダー達の戦闘を見守っていた穂乃果がライダー達の劣勢に心配になり、陰から出てきてしまったのだ。
「バカか!」
すると、穂乃果の声に反応して、キメラはゆっくりと穂乃果へと視線を移す。
「穂乃果ちゃん!」
さらに穂乃果の後ろから続々とμ’sメンバーが現れて、事態はさらに悪化する。
「やらせるか!」
ゆっくりとキメラがμ’sに迫る中、ファントムは全速力でμ’sの前に移動し、バリアディスクをセットする。
《Lord barrier》
ファントムの右手から電磁バリアが発生。そのバリアを破壊しようとキメラは拳をぶつける。
「くっ!」
バリアは電流をキメラへも流し、音を立て、弾こうとする。しかし、あまりのキメラのパワーに拮抗してしまう。
「このまま……じゃ!」
度重なる戦闘により、いよいよ限界が近づいてきているファントムはこれ以上、バリアを維持するのは困難であり、次第にバリアにヒビが入っていく。
「ギァァオ!」
好機と見たキメラは僅かに口角を上げると一層力を入れる。さらにバリア音を立てて、割れ始め、破片があたりに散らばる。このままではバリアは破壊され、攻撃はファントムおろか、μ’sまで通ってしまう。
ファントムですら致命傷の攻撃が普通の人間であるμ’sメンバーは耐えられるはずがない。
「クソォッ!」
「うぉぉぉ!」
最悪な結果になるとキメラの背後から火花が上がる。キメラの背後にはフォースがフォースセイバーガンフォームで狙撃していた。
「グゥオオ!」
キメラにとって銃撃などほんのちょっと痒い程度である。しかし、気を取られせるに十分だ。
《Lord Power》
「オラッ!!」
フォースに気を取られているキメラの足にファントムは渾身のパンチをくらわせ、その場に倒れさせる。
そして、ファントムはフォースを一瞥し、何やら迷っている素振りを見せるがすぐに、フォースの隣に移動する。
「おい!フォース!……不本意だが、力貸せ!」
すると、ファントムは半ば叫ぶように協力しろと伝える。
「いいのか、俺はお前にとっての敵だぞ。」
「そうだ。敵に背中を預けるの嫌だ。……だがな!彼女達を守るためになら、我慢してやるさ!」
「……わかった。なら、始めるぞ。」
ファントムはμ’sを守る為に、自らのプライドを捨て、共に戦おうとしている。フォースはそんなファントムの覚悟、そして仮面ライダーとしての義務を汲み取った。
《OverLord Rider PPPPhantom》
「セイアァァァァァ!」
ファントムディスクをドライバーにセットし、ファントムはキメラに「ライダーキック」を浴びせようとする。
しかし、キメラにとって容易く止められる程の威力。例えるならプロのキャッチャーが小学生の投げるボールを取るくらい容易い。
「ニュギュフ!」
そして、キメラは左手を出し、迫り来るファントムを掴もうとする。
《Overlord Rider FFFForce》
しかし、ライダー達もそこまで馬鹿ではない。
「ハアァァァァァァァァ!」
ファントムの後ろにフォースが現れ、そして、まるでサッカーでボールを相手のゴールにシュートするように並のオーガを一撃で沈める程の脚力でファントムを蹴り押す。
「ライダー……」
「ライダーァァァァァ!」
「「シュートッ!」」
鋼をも割る脚力で蹴られたファントムはまさに弾丸のような勢いでキメラの胸にライダーキックを決める。
「グォォォォォォ!」
苦しそうに呻き声を上げ、キメラは倒れていく。
「いけ!フォース!失敗すんじゃねぇぞ!」
キメラに蹴りを決めながらファントムは成功させろと言わんばかりにフォースにゲキを飛ばす。
「わかってる!」
《Overlord Rider FFFForce》
地面に着地した、フォースは再びオーバーロードを行い、今度は地面を強く蹴り、爆発的な勢いで、倒れるキメラの横を通る。
フォースは新型のドライバーの為、流石に限度はあるがオーバーロードを連続して使うことが出来る。
「うぐぅぅぅ!」
地面を抉りながら、何とか勢いを殺し、キメラが倒れる前に背後に着地する。
そして、フォースはフォースセイバーを取り出し、ドライバーからフォースディスクを取り出し、フォースセイバーにセットする。
《Relord Rider FFFForce》
「ライダー……スラッシュ!」
フォースセイバーを右上に構え、タイミングを計る。
「ここだ!」
そして、倒れていくキメラを後ろから刃を振るう。
「グォォォォォォ!」
刃は一閃にキメラの胴体を通り、上半身と下半身が綺麗に離れる。
そして、時間差で上半身と下半身が地面に落ちると同時に爆発が起き、キメラは跡形もなく砕け散った。
「ハァハァ……。」
刃を下ろし、力が抜けたように地面にへたり込むフォース。
「終わったか……。」
ファントムも山場を超え、ひとまず安心し、剣を杖のように立て、その場で膝をつく。
「やった!仮面ライダーが勝った!」
そして、物陰から戦いを見守っていたμ’sメンバーはライダーの勝利を喜び、歓声をあげた。
「ですが……。」
だが、喜んでばかりはいられないと海未は表情は落とす。
校庭は荒れ果て、拓人やヒフミトリオ達が作り上げたステージは無残な姿に成り果て、とてもと言えないがライブなど出来る状況ではなかった。
「どうしよう……。」
廃校の阻止の最後のチャンスが断たれ、メンバーのほとんどが諦める中、ただ一人、穂乃果は諦めずにいた。
「やろう!ライブ!」
「穂乃果ちゃん!?」
これには一同、驚きを隠せない。確かに今回のライブは成功しなければならない。しかし、この状況では仕方がない。これはただ運が悪かったと殆どのメンバーは諦めていた。
しかし、穂乃果かこんな状況だからこそライブをしなければならないと確信していた。
「無茶です!いくら何でも場所が悪すぎます!」
「でも、あのステージと瓦礫さえ、退ければスペースが出来るよ!それなら!」
「ですが、あんな重い物をどうやって運ぶのですか!」
「それは……でも……やってみるしかないよ!」
穂乃果が言っていることは全て、理想論でしかない。海未の的確な指摘に、穂乃果は言葉を詰まらせる。
しかし、やると決めたら止まらないのが穂乃果だ。覚悟を決めた表情を浮かべ、穂乃果は駆け出し、瓦礫となったステージを移動させようと、持ち上げようとする。
しかし、力のある拓人と爽馬がやっと運べた物を、穂乃果が持てるわけがなく、事実、穂乃果は持ち上げられず、ただ踏ん張るだけであった。
「全く……ア穂乃果」
穂乃果の考えなしの行動ににこは呆れる。にも関わらず、足は自然と穂乃果に向け動いていた。
「にこちゃん!」
「こんなの1人で持てるわけないでしょ。仕方がないからにこが手伝ってあげるわ。」
素直に手伝うとは言わず、にこらしい理由で穂乃果に加勢する。これには穂乃果は喜びを隠せず、表情に出てしまう。
「凛も手伝うにゃ!」
「ウチもライブしたいし。」
そして、凜と希も加勢し、花陽、ことり、真姫、絵里、海未と次々と手を貸すがそれでやっと大きな瓦礫を運べるくらいで、このままでは片づけ終わる頃には日が暮れてしまう。
すると、見かねたライダー達が、ゆっくりと腰を上げ、瓦礫を抱え始めた。
「ライダーさん!?」
「もしかして、手伝ってくれの?」
花陽とことりがライダーに聞くとフォースはただ淡々と瓦礫を運び、ファントムは瓦礫を片手にサムズアップする。
「あなた……。」
これには真姫、そして絵里と希はうっすらと笑みを浮かべる。そして、フォースは一つ一つ丁寧に運び、ファントムは適当に投げる。すると、ファントムが投げた瓦礫が校舎の方に向かっていき、乾いた音が響く。
「何やってるにゃ!」
ヒーローが誤って窓ガラスを割ってしまうなと言語道断。凛に注意され、ファントムは申し訳なさそうにへり下り、頭をかく。これにはメンバーも苦笑いを浮かべざるえない。
途中でそんなこともあったが、結果的には仮面ライダー達の手伝いのおかげで、瓦礫は全て撤去され、少なくとも踊るには十分なスペースが出来た。
そして、やるべきことを終えたライダー達はバイクにまたがり、エンジンをかける。
「本当に助かりました!」
海未は深々とお礼をすると、フォースは振り返らず、ファントムは振り返って敬礼をして音ノ木坂を後にした。
「ありがとう。仮面ライダー。」
穂乃果は周りに聞こえない声量で感謝の言葉を呟いた。
「たくにぃ……。」
ひたすら無言で、仮面ライダーらしくただ無言で行動するフォース、もとい拓人を尊敬の眼差しを向ける。
「全く、爽馬は……。」
「ふふ、らしくていいやん。」
仮面ライダーという枠にとらわれず、彼らしい振る舞いを見て、絵里と希は呆れつつも思わず、笑いが溢れてしまう。
「あれ……終わってる。」
するも、今まで避難していた中学生や保護者、音乃木坂の生徒達が次第に静かになった校庭に集まってくる。
「それじゃあ、みんないこう!」
そして、穂乃果はライブを始めようと掛け声をあげる。
「μ’s!」
「ミュージック、スタート!」
ライダー達が守り抜いた、ステージに今、9人の掛け声が響き渡る。
♢♢♢
〜確かな今よりも新しい夢つかまえたい〜
変身を解いた拓人は傷だらけの体に鞭を打ちながら、やっとの思いで音乃木坂学院の校庭に辿り着き、μ’sのライブを見ていた。
μ’sが歌っているのは「僕らのLIVE君とのLIFE」という曲である。
「よぉ、拓人。無事だったか?」
すると、反対側から拓人と同様にボロボロの姿の爽馬が足を引きづりながら、こちらに歩いてきた。
「まぁ……ご覧の通り。爽馬こそ、派手にやったな。」
「へへ。あの怪物を誘導してたらミスってこの有様よ。」
〜眩しい明日 抱きしめにいこう 全部叶えよう〜
爽馬は鼻を掻きながら、ドジを踏んだと笑い話のように話す。
「そしたらよ、助けられたんだ。……白い仮面ライダーにさ。」
一瞬だけ、顔が引きつるもその表情はどこか清々しく、何か吹っ切れた様子であった。
「……奇遇だな。俺は黒い仮面ライダーに助けられた。」
拓人もファントムに助けられたことを思い出す、照れ臭さを感じていた。
〜ぐんぐん前に進むよ 君が〜
「そっか。……しかし、よくもまぁ、こんな状況でライブをやろうと思ったかね。」
「違うな。こんな状況だからこそ、やろうと思ったんだろ。」
〜何度でも諦めずに探すことが僕らの挑戦〜
だが、μ’sの周りには既にたくさんの観客がおり、歓声をあげ、憧れの混じった笑顔を浮かべていた。
アイドルというの人々を笑顔にさせる者。だから穂乃果はどうしてもライブをしたかったのだ。オーガによって奪われた笑顔を取り戻すためにも。
「いい笑顔だな。」
そして、結果的に笑顔を取り戻すことが出来た。
「あぁ。」
〜譲らない瞳が 大好き〜
パフォーマンスを終え、メンバーは額に汗を流し、呼吸が荒げながらもその表情は達成感に満ち溢れていた。
そして、周りから世界が揺れ動くのではと思うほどの爆発的な歓声と、拍手が起き、当分、鳴り止むことはなかった。
いや〜長かった。
どうしでしたか。前々回あたりから、「おい、ぼらららにステージなんかねぇよ!オンドゥルらせるぞ!」と思っていませんでしたか。
全てはこのためのフラグでした。
自分は落として落として上げる展開が好きでして、こういう構成になりました。なんかウルトラマンノアみたいですね!頑張る人が大好きマン!
そして、ファントムの無双シーン。某メタルなヒーローの必殺技。そして、回れば何とかなると、かっこよさとユーモアが混じったシーンになれたかと思っています。まぁ、どんな状況でも爽馬さんはおちゃらけるからね。ある意味、彼を表現したシーンだと思います。
さて、次回は……展開が180度変わります。
割とこの仮面ライバーの根幹に迫る話になると思います。
では、次回をお楽しみに!