仮面ライバー 守れ!女神たちの夢!   作:シママシタ

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あけましておめでとうございます
久々に投稿しました

去年から活動の拠点をハーメルンから小説家になろうに移したせいで、あまり投稿できずにすみません

今年もあまり投稿はできないと思いますが月に一話くらいは頑張って投稿するつもりなので、応援よろしくお願いします


炎刃

「皆さん、こちらに並んでください」

 

「路上ですのでなるだけ広がらずにお願いします」

 

 拓人と爽馬は列を成す観客を誘導する。

 今からここ、メイド喫茶ユグドラシルの前でμ'sのライブが行われる。

 ライブといっても豪勢なステージではなく、路上でやるため、他の通行人に迷惑にならないように

 

「楽しみだなぁ。μ'sのメイド姿が見れるなんて最高だと思わないか?」

 

「無駄口叩いてないで仕事するぞ」

 

「生真面目なこと」

 

 μ's達の可愛らしい衣装を着用している姿を妄想している爽馬に拓人は活を入れる。

 

「おぉ! たくさん人がいる!」

 

 二人の背後からメイド服姿の穂乃果が顔を覗かせる。

 普通なら並んでいる最中に誘導員の背後にアイドルが現れたら、おそらく大パニックになるだろう。

 しかし、そんな問題は起きる気配がなかった。それは穂乃果の黒いサングラスに白いマスクを着け、上手く変装していたためだ。

 あんな雑な変装がまさか役に立つと拓人は思っておらず、内心でかなり驚いている。

 

「こ、こんなにいるなんて……」

 

 穂乃果の横には同じ変装をしたことりが不安そうに観客を眺めていた。

 今回のライブで披露する「ワンダーゾーン」はことりが作詞した曲だ。

 穂乃果と海未の助力あって完成した詩は文句なしにいい出来だった。

 しかし、周りが納得してもことりから不安は取り除かれることはなかった。もしかしたら、気を使ってくれているのでは要らぬ心配を勝手にしている。

 

「大丈夫だよ。ことりちゃんが書いた歌は最高にいいからさ」

 

 爽馬は緊張と不安で固まることりを安心させようと優しく肩に手を置き、言葉をかける。

 

「お前さ。人によってセクハラしているって見られるぞ。というかセクハラにしてるように見えるからな」

 

「いやいや。これはスキンシップの範疇っしょ?」

 

「そうだ。常習犯はスキンシップとセクハラの境界線がわからないって聞くな」

 

「爽馬君って……変態なの?」

 

「変態っていわないで欲しいな穂乃果ちゃん。せめて紳士ってつけてくれよ」

 

「それはちょっと……」

 

「……お前、マジでキモいぞ」

 

「男に罵倒される趣味はないんだが」

 

 爽馬の行動に拓人が苦言を呈し、穂乃果がそれに乗っかる。まるでコントのようなやり取りがあまりに滑稽でことりの強張った表情が次第に緩む。

 

「みんな……ありがとう」

 

 最終的には可愛いらしい笑みを浮かべられるほど、ことりの緊張は解れた。

 

「」

 

 スマホから着信音が鳴る。

 

「すまない。ちょっと急用が……」

 

「えぇ!? こんな時に!?」

 

 穂乃果は不満そうに驚く。

 ことりが初めてセンターを務めるライブなのだから絶対に見てほしいと思っていた。

 これに関しては拓人も残念に思っている。しかし、我儘を押し通した暁には罪の無い人達の死体の山が築かれる。

 どんな理由があろうとも拓人はオーガを倒しに向かわねばならないのだ。

 

「仕方ないさ。かの有名なUTXの生徒なんだからさ」

 

 すると不満そうにする穂乃果を爽馬が説得し始める。予期せぬ展開に拓人は少しだけ驚く。

 先日、焦りから爽馬に弱音を吐いてしまったことが原因だろう。意外と気の利く爽馬に拓人は礼を言う。

 

「すまない、爽馬」

 

「いいってこった。だから、早く戻ってこいよ」

 

「あぁ。差し入れ買って戻ってくるさ」

 

 爽馬と短く言葉を交わし、拓人はオーガが暴れる現場へと急ぐのであった。

 

◇◇◇

 オーガが出現したと連絡を受けた場所は新宿の歌舞伎町であった。

 拓人が駆けつけて時には既にトカゲオーガが身勝手に暴れ、瓦礫が散乱していた。

 そして、至るところに怪我人が蹲っていたり、他の人に介抱されていた。

 

「あそこで仕留めておけば……」

 

 コブラの介入があったが、それでもトカゲを仕留めておえばこのような被害は生まれなかった。

 己の弱さとオーガに対する怒りが沸々と湧いてくる。

 しかし、今さら後悔しても結果は変わらない。拓人が今するべきことは早急にトカゲを倒し、被害の拡大を防ぐことだ。

 

「変身!」

 

《Lord Rider Force》

 

 フォースディスクをドライバーにセットすると、拓人の体に白銀の鎧が装着され、仮面ライダーフォースへと変身する。

 

「いくぞ!」

 

 フォースセイバーを固く握りしめ、フォースはトカゲに斬りかかる。

 

「はぁぁ!」

 

「ガガ!」

 

 フォースの重い一撃をトカゲは鋭い爪で受ける。鉱物のように固い爪にヒビはどころか傷一つ付かない。

 

「やはり強くなっている!」

 

 前回よりもパワーも桁違いに違う。甘く見ていると狩られるのはこちらだということはすぐにわかる。

 

「ギャガ!」

 

「くっ!」

 

 何度も斬擊を浴びせるも全てを受け止められる。

 さらに剣を振り上げる僅かな隙を突かれ、返り討ちにあってしまう。

 

「やるな!」

 

 一旦、距離を取り、トカゲの様子を伺う。

 近接戦はトカゲの方が若干有利。乱雑に攻めても勝ち目はないのは打ち合いでわかった。

 ならば慎重にかつ丁寧に攻め、こちらのペースに持っていくことが最善だ。

 フォースセイバーをガンモードに変形させ、銃口をトカゲに向ける。

 その時であった。トカゲは胸を張って大きく息を吸い始める。そして、口から赤い炎を吹き出す。

 

「何!?」

 

 フォースが炎に包まれる。たかが炎如きではフォースの鎧は焼けることも溶けることもない。だが、このまま浴び続ければ、拓人自身が蒸されて死ぬ。

 

「チッ!」

 

《Lord Speed》

 

 フォースは加速し、炎の中から抜け出し、ビルの物陰に隠れる。

 

「あのオーガ。進化しているのか」

 

 息苦しい暑さを耐えながら、トカゲを分析する。

 元々、オーガの名前は鬼や怪物という意味だけではない。環境によって細胞を組織し、新たに形成しながら進化していくということからOrganizeからも取られている。

 そのような性質の為、トカゲの強大な爪もフォースに対抗する為に進化したと思えば不思議なことではない。

 だが、火を吹くまで進化するとは予想もできなかった。

 いや、そんな形での進化は普通はありえない。

 

「まぁ、いい」

 

 トカゲの進化には疑う点が多いが、じっくり考えている暇はない。

 

「さて、反撃開始だな」

 

 フォースは物陰から飛び出す。

 一般的に火に対抗するには水で対抗するのがセオリーだろう。しかし、永続的に吹き出される火に水をかけてもまさに焼け石に水。

 ならば圧倒的な火力で振り払うまでだ。

 

《Lord form Fire》

 

 ファイアーディスクをセットし、鎧が紅に染まる。

 圧倒的火力を伴うファイヤーフォームとなったフォースはフレイムセイバーを握り締め、トカゲに迫る。

 

「ガワゲ!」

 

 迫るフォースを焼き殺そうとトカゲは火を吹く。

 フォースは火を振り払う。そして、刀身に火を渦状に纏わせる。

 

「ハァ!」

 

 高熱の刃はトカゲの硬い皮膚を溶かし、斬る。傷口から緑の血が吹き出し、トカゲは耳障りな悲鳴を上げる。

 

「ギギ!」

 

 トカゲは痛みに悶えながらも鋭い爪を振り上げ、フォースに反撃する。

 

「無駄だ!」

 

《Lord Slash》

 

 フレイムセイバーにスラッシュディスクをセットすると、刀身が青白く光る。スラッシュディスクの効果は刀の切れ味を高めること。

 切れ味が高まった刀はトカゲの爪を粘土を切るように容易く斬り落とす。

 

「これで決める!」

 

 著しく戦闘力が落ちた今がチャンスとフォースはファイヤーディスクをフレイムセイバーにセットしようとする。

 しかし、生物であるトカゲは死にたくないと我武者羅に暴れ、フォースの邪魔をする。

 

「抗うな! 死ね!」

 

 ファイヤーディスクを宙、高く投げる。そして、フレイムセイバーでトカゲを滅多斬りにし、抵抗できないように徹底的にダメージを与える。

 

「ガ……ガ」

 

 乱雑に付けられた傷からは緑の血がゆっくりと流れる。

 

「これで本当に終わらせる!」

 

《Relord Fire FFForce》

 

 放り投げられ、落ちてきたファイヤーディスクをキャッチし、フレイムセイバーにセットする。

 ディスクを高速回転する度にフレイムセイバーは赤熱し、炎が纏われる。

 

「ライダー……スラッシュ!」

 

 灼熱の刃はトカゲの体を一刀両断。

 トカゲは断末魔の叫ぶ暇もなく、爆発する。

 爆炎を背景に残心を取るフォースはまるで地獄に潜む鬼のよう。

 

「さて、とっとと戻らないと皆に怒られる」

 

 戦闘が終わり、周りに人がいないことを確認すると変身を解く。

 そして、バイクに跨り、足早に現場から去っていく。

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