仮面ライバー 守れ!女神たちの夢!   作:シママシタ

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前回の仮面ライバー デデンッ‼︎
オーガという化け物に襲われる中、たくにぃが突如、
「仮面ライダーフォース‼︎以下略」
と変身して、オーガをあっという間に倒しちゃったの。
たくにぃのおかげで大変なことにはならなかったけど、一つの疑問が・・・
「たくにぃは何で戦っているの?」
「オーガを殲滅するため。」
昔のたくにぃなら言わないようなことを言って、私は疑心暗鬼になってしまう。
そして、影でうごめくもう1人の仮面ライダー。
一体これからどうなっちゃうのよ‼︎




襲来

「あっ、たっくんだ‼︎」

 

「おはよう、穂乃果。それにことり。」

 

「おはよう、拓人君。」

 

オーガ襲撃から数日後の今、俺はμ’sに朝練に参加するところだ。いよいよ、μ’sの練習に参加できるってところでワクワクしている。

 

「そういえば、1年生は大丈夫だった?」

 

「うん、花陽ちゃんが足をくじいちゃってたけど、今日から練習できるって言ってたよ。」

 

ことりが甘い声で答える。

 

「そっか、ならよかった。おれが側にいながら迷惑かけて悪かった。」

 

「拓人君、それは花陽ちゃんに言ってあげないと。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

俺はあの時からもっと早く変身していればよかったと後悔している。自分が仮面ライダーということをバレてはいけないということを意識しすぎたせいで、花陽たちにあんな思いをさせて・・・まだまだ自分が未熟だって思い知らされた。

戦闘後のメディカルチェックの時、理事長には気にするなと言われたけど、俺には人を守ることもできる力を持っている。それならしっかり、やらなくてはいけない。もう、誰も悲しませないために。

 

「ほら、たっくん。練習始めるよ。」

 

「あっ、あぁ。そうだな。」

 

穂乃果の言葉で現実に引き戻される。・・・やっぱ考えすぎなのかもな。

 

「よぉし、それじゃあ準備体操して、かいだ・・・どうしたの、ことりちゃん。」

 

意気込んでる穂乃果の隣で、ことりが何かを気にしている様子だった。

 

「今後ろに誰かいなかった⁉︎」

 

「後ろに?」

 

「えっ⁉︎なら俺がみて「私が見に行くよ。」

 

「お、おい穂乃果‼︎」

 

穂乃果は1人で不審なものがいる場所へ行ってしまった。まったく、オーガだったらどうすんだ。不安と焦りを胸に抱き、穂乃果の後を追う。

 

「ささっ。」

 

「さささっ‼︎」

 

その穂乃果は建物に角の所で立ち止まり、周りを見渡す。すると、穂乃果に手が迫り、

 

バチンッ‼︎

 

デコピンされ、ノックアウト。仰向けに倒れる。

 

「おいっ⁉︎穂乃果、だいじょうぶか?」

 

「穂乃果ちゃん⁉︎」

 

ことりも直様駆けつける。穂乃果は白目をむき、少なくともアイドルがしてはいけない表情をしている。こんな顔を世にさらしていけない。俺は咄嗟にハンカチを出し、穂乃果の顔に乗せる。それを見て俺はこう思った。

 

「なんか、死んだみたいだな。」

 

「自分で言っちゃうの。でも他に方法はなかったの?」

 

「いや、あのままアホ面を晒すのはアイドルとしてどうかと。」

 

「そうだけども・・・とりあえず、ほの「ちょっとあんたたち‼︎」

 

「「?」」

 

知らない誰かに声をかけられ、ことりと一緒に首を傾げる。そして、声が聞こえた方を向く。そこにはサングラスとマスクをつけた、いかにも不審者がいた。しかし、見たところ背が小さく、小学生ぽい。

 

「メンバーが襲われたら、犯人探しとかするでしょ‼︎」

 

「・・・しないよ。普通は警察に通報するはずだよ。」

 

マスクとサングラスごしでもその小学生は苦虫を潰したような表情になるのがわかった。

 

「・・・まったく、最近の小学生はいたずら好きだな。」

 

「まぁまぁ、拓人君。まだちっちゃいんだから、大目に見てあげようよ。」

 

ことりは小学生なんだからという感じで俺に注意をする。しかし、この後驚愕の事実を知ることになる。

 

「失礼ね‼︎小学生じゃないわよ‼︎あんたたちと同じ高校生よ‼︎」

 

「「えっ⁉︎」」

 

こんなにちっちゃいのに高校生なんて。冗談じゃないの?いやいや、見栄っ張りにもほどがある。そう言おうと口を開こうとしたが、先に高校生もどきが話し始めた。

 

「そんなことよりも、あんたたちに言いたいことがあるわ。」

 

「何?」

 

言いたいことってなんだ。

 

「あんたたち、さっさと解散しなさい‼︎」

 

--------------------

 

「はぁー。」

 

席について直様ため息をつく。まったく、朝から面倒なことが起きた。あの後、穂乃果が起きて、何事もなく朝練を終えた。強いて何かあったと言ったら、真姫と気まずかったくらい。まぁ、おいといて、唐突に穂乃果に手を出し、挙句には解散しろなんて。アンチという厄介な存在を朝から痛感した。まぁ、アンチがいるってことはそれなりに人気があるってことかな?それはそれで喜ばしいのか、それとも・・・

 

「あら、朝からため息なんて、幸せが逃げちゃうわよ。」

 

「あっ、おはようツバサ。はやくないか?」

 

「あなたに言われたくないわ。まぁ、私たちは朝練があるから。」

 

「そうか。」

 

冗談を言い、にこやかに笑うツバサ。授業が始まるのは8時半。でも今は、針は8時も指していない。

 

「それで、どうしたの?相談があるなら私が直々にのってあげるわよ。」

 

半分心配そうに話しかけるツバサ。お言葉に甘えたいところだが、あまり

 

「いや、大したことじゃないし。朝から面倒なことに巻き込まれただけ。」

 

「面倒なことね。」

 

何かを言いたげに小声で呟くツバサ。

 

「ねぇ、拓人君。」

 

「何?」

 

ツバサが真面目な顔でこちらを見る。

 

「どんなに周りに認められなくても踊り続けなさい。絶対に逃げ出しちゃダメ!例え、100人の中の99人に認められなくても必ず1人は認めてくれる人がいるから。」

 

「ツバサ・・・」

 

ツバサは俺の目をじっと見つめる。どうやらツバサは俺が一部の生徒に目の敵にさられていることを知っているらしい。そして、俺がそのことに悩んでいると思っているらしい。少し違うのだがあながち間違えではないが。

 

「ありがとう。おかげでなんか元気でた。」

 

「ふふっ、どういたしまして。」

 

そうだな、クヨクヨしたって何も始まらないしな。そして、自分で自分の頬を叩いて気合をいれる。

 

「よし、スッキリした。なぁ、今日はあるよね、レッスン。」

 

「今日はあるわよ。私だって同じミスはしないわよ。」

 

少し前の恥ずかしい出来事を掘り返されてムッとした表情を浮かべる。

 

「ツバサさん、ちょっと話があるから来てくれない?」

 

女子生徒がツバサに声をかける。気がつくと周りにちらほらと生徒がせきについていた。

 

「わかったわ。今から行くわ。」

 

そう言ってツバサは立ち上がり、女子生徒の方に行ってしまった。ツバサの後ろ姿を見ながら、さっきに話を思い出した。認められるまでか・・・おそらく自分のダンスを認めてくれる人はいると思う。だってあの人から教わったダンスなのだ。俺が完璧に踊れば、俺のしかし、そこで気がついたことがあった。

 

「あれ?結局μ’sの問題は解決してなくない?」

 

ーー--------------

「それでは‼︎メンバーを新たに加えた、新生スクールアイドルμ’sの練習を始めたいと思います。」

 

「いつまで言ってるんですか?それは二週間も前ですよ。」

 

廊下で高々と開始宣言をおこなう高坂先輩。その開始宣言に疑問を持つ園田先輩。ちなみにこのやりとりはもう5回ほどやっている。

 

「だって嬉しいんだもん」

 

「なので恒例の、アレ‼︎1‼︎」

 

「2!!」

 

「3‼︎」

 

「4‼︎」

 

「5‼︎」

 

「6‼︎」

 

「くぅぅ6人だよ‼︎6人‼︎アイドルグループみたいだよ。いつか神シックスとか仏シックスって呼ばれるかな。」

 

いや、みたいじゃなくてアイドルなんだけれど。そんな1人で浮かれている先輩をよそに、

 

「毎日同じことで感動できる人って羨ましいにゃ。」

 

「仏6って、なんか死んでるみたい。」

 

後輩からこの反応。まったく、この人で本当に大丈夫なのだろうか。少し不安になる。朝は見知らぬ人に襲われたって言うし。まぁ、こんなにグダグダしても始まらない。

 

「それより練習。はやくしないと時間なくなるわよ。」

 

「おぉ‼︎真姫ちゃんやる気まんまん」

 

「べ、別にとっととやって速く帰りたいの‼︎」

 

そう、私は帰りたいのだ。早く練習を終らせていろいろ考えたい。数日前の告白から、たくにぃと距離ができてしまった。今朝はそのせいでたくにぃとも何もできずだった。これからたくにぃが来るということで放課後、ちゃんとたくにぃと話したいと思っている。

 

「またまた、見たよー。お昼休みに1人で練習してところ。」

 

「そ、それはこの前やってステップがかっこ悪かったから、変えようとしたのよ‼︎酷すぎたから。」

 

自主練しているところを見られたことでますます動揺。あのところが出来なかったから練習してたなんて恥ずかしく言えない。しかし、この言葉を聞いて、園田先輩がすごくショックを受けてしまった。

 

「そうですか・・・あのステップ、私が考えたのですが。」

 

いつもの真面目な園田先輩から考えられない表情にな先輩。よほどショックだったのだろう。先輩、本当にごめんなさい。

 

「気にすることないにゃー。」

 

凛は軽やかに階段を登る。その後を追って階段を登ると、ふと踊り場の窓を見た。

 

「あ、雨だ。」

 

ポツリポツリと壁に雨が当たる。

 

「えぇー‼︎これじゃあ練習できないよ。」

 

「降水確率60%って言ってたのにー。」

 

穂乃果先輩と凛が残念そうに言う。というか、

 

「60%だったら降ってもおかしくないんじゃない?」

 

この言葉に穂乃果先輩はそうかなと首をかしげる。

 

「あ、雨少し弱くなったかも。」

 

「本当だ‼︎やっぱり確率だよ‼︎」

 

やっぱり確率ってどういう意味よ。雨が収まり、穂乃果先輩と凛が外に出る。

 

「テンション上がるにゃー‼︎」

 

すると、凛は空中で回転したりと体操選手のような動きをする。そして、決めポーズ。凛は運動神経かいいとは思っていたけど、まさかここまでなんて。正直、驚いた。しかし、浮かれた穂乃果先輩と凛を嘲笑うかのように突然、土砂降りの雨。こんな雨じゃ、さすがに練習はできないわね。

 

「私、帰る。」

 

「えー‼︎それじゃあ凛たちがバカみたいじゃん‼︎」

 

私が一言、帰ると言うと、凛が

 

「練習場所を何とかしないといけませんね。」

 

海未先輩が今後の課題に真剣に考える。そんな中で校舎に響く声。

 

「何だと‼︎」

 

「そっちこそ‼︎」

 

校舎に響く怒号。本来ならありえるはずのない男性の声。そして、聞き覚えのある声・・・まさか‼︎

 

「これたっくんの声だよね⁉︎」

 

穂乃果先輩があてもないのに駆け出した。それに私たちもついて行った。すると、後ろから会話が耳に入ってきた。

 

「ちょっと、希‼︎この声、生徒会長よね⁉︎」

 

「あちゃー、やっぱり2人っきりはまずかったなぁ。にこっち、生徒会に行くで。」

 

「ちょと、何でにこまでー‼︎」

 

あのクールな生徒会長が怒鳴った?うんうん、それより、今はたくにぃの所に行かないと。

 

ーー----------

---時は少し遡る------

 

学校が終わり、すぐに音乃木坂学院に到着したのだが、ここでトラブルが発生した。

 

「ここ、女子校なのかよ。」

 

そう、トラブルとは音乃木坂が女子校だったということ。女子校といえば、男子の憧れの楽園であり、天国。そんなところ一男子の俺が簡単に入れるわけはなく、校門の前でμ’sのメンバーの連絡待ちをしているわけ。

 

「しかし、誰も連絡を見ていないなんて。どうすればいいんだよ。」

 

数10分前から連絡をしているのだが、一向に返事がない。雨も降りそうだし、どうにか入れてもらえないのか。

 

「あの、俺、本当にコーチなんですよ。μ’sってグループで。本当なんで入れてくれませんか?」

 

さっきから交渉している警備員の人にもう一度聞いてみる。

 

「ダメ。」

 

あえなく撃沈。どうすればいいんだ。俺はこのまま、雨に打たれて、凍えてフランダースの犬みたくなるのか。そんなオーバーに考えていると、目の前にある女神が現れる。

 

「どうしたんですか。」

 

学校側から、大きなおさげをぶら下げた女子が警備員から何かあったのかと聞いた。今がチャンスじゃね?よし、命燃やすくらいで行くぜ。

 

「あの、俺、μ’sのコーチやってて、それd「μ’s?」

 

μ’sの単語に反応する女子。あれ、これは行けたかな?おさげの女子はまじまじと俺を見る。そのおさげの女子にこちらも目をやる。高校生離れしたスタイルで胸が大きくて、男子が見れば、一気にトイレに駆け込むはずだ。そんな風に分析しているとふと、その女子がニヤリと企んだ顔を浮かべた。

 

「君がμ’sのコーチだったのね。ゴメンな、あの子たち、ちょっとおっちょこちょいやからね。それじゃあ、いろいろと手続きするから、ウチについてきて。」

 

そう言って手招きをする。俺はそのまま女子についていく。

 

「ありがとうございます。何とか助かりました。それより、あいつらから何か話とか聞いてたんですか?」

 

「うん?別のそんなあの子たちとは関係はあらへんよ?」

 

「ヴェ?」

 

どういうこと?だって、あの子たちとか言ってなかった?てっきり、あいつらの関係者かと思ってたけど。

 

「たまたま、生徒会室から君が見えたんよ。ウチ、高校三年生の東條希っていうんよ。よろしくね。とりあえず、ウチについてきて。入校許可証とか発行せんといけないからね。」

 

「俺は高校二年生の本間拓人って言います。よろしくお願いします。」

 

お互い、一通り挨拶をする。すると、東條先輩が質問してきた。

 

「そういえば、拓人君のその制服ってUTXのやね?」

 

「あ、はい。あの学校の生徒なんで。」

 

ふーんと鼻を鳴らす。なんか意味があったのかこれ?

 

「拓人君、気をつけたほうがええで。」

 

「どういうことですか?」

 

「いや、この学校が廃校になるかもってことは知ってるよね?」

 

「まぁ。」

 

「その原因の一つとして、UTXが出来たせいで、生徒がみんなそっちにいっちゃたからなんよ。ウチはそう思わないけどもしかしたら、他の生徒が、拓人君に逆恨みってのも・・・ないと思うんやけどね。」

 

分かりやすく例えると、俺は今、大量のオーガがいる中に1人でいるってわけか。まいるな。UTXでも妬まれ、ここでもか。まったく、周りに恵まれないな。そう思うと、あいつらは敵である、俺をわざわざコーチを頼むなんて。まぁ、あいつらが逆恨みなんてするわけないな。

 

「大丈夫ですよ。逆恨みなんて、毎日のことなんで。それに、ひとりぼっちは慣れてるんで。」

 

東條先輩は不思議そうな表情を浮かべる。それもそうだな、こんな身の上話をすればね。そうこうしてるうちに目的地に着いた。

 

「着いたよ。とりあえず、理事長室で書類とハンコをもらっといてな。その後で生徒会室でまたハンコを押さんとだから。」

 

「あ、わかりました。」

 

東條先輩から一通りの説明を受け、理事長室に入ろうとドアノブに手をかける。

 

「失礼しま「だから、生徒会で独自に動かしてください‼︎」

 

覇気を帯びた声が部屋に響きわたる。目の前に金髪の女子とブロンズ色の髪の女性がいた。すると、ブロンズ色の髪の女性は俺に気づいた。

 

「綾瀬さん、ちょっと待ってね。あら、あなたは何のようかしら。」

 

ブロンズ色の髪の女性は綾瀬という女子との話を中断して、こっちに注目した。

 

「理事長、この子はμ’sのコーチを引き受けてもらっている、本間拓人君です。入校許可証の手続きをしに来ました。」

 

東條先輩が平然と説明する。そんな中で気になる視線。綾瀬とかいう女子。冷ややかなあの目、まるでゴミを見るかのよう・・・と言ったら少しオーバーな表現かな。でも、明らかな敵意を感じる。

 

「あら、あなたがことりの言っていた子ね。初めまして。私はこの学院の理事長の南 鶴子です。」

 

「は、初めまして。ことりが言ってたって・・・まさか⁉︎」

 

「えぇ、私は南ことりの母です。」

 

マジかよ。スクールアイドルのメンバーの中に理事長の娘がいるなんて。パッと見たとき、頭にトサカがあってまさかと思ったが。しかし、遺伝ってすごいな。

 

「あの、理事長。私の話が終わっていないのですが。」

 

綾瀬さんが理事長に問いかける。

 

「綾瀬さん。何度言っても変えるつもりはありません。」

 

綾瀬さんは苦虫を潰したかのような表情を浮かべ、部屋を後にした。

 

「ごめなさいね。彼女も廃校の問題をどうにかしたいと思っているのよ。」

 

南理事長は引き出しからハンコと書類を取り出しながら、綾瀬さんをフォローするように言った。

 

「これね。今、ハンコを押したから、ここに個人情報を記入して、生徒会に持っていってください。」

 

「はい、わかりました。それでは失礼します。」

 

「ほな、行こか。失礼します。」

 

去り際に挨拶をして理事長室を後にした。

 

「あの、東條先輩?さっきの人は?」

 

部屋を出て、すぐにさっきの綾瀬さんという人のことを聞いた。

 

「エリチのことね。綾瀬 絵里。ウチと同じ学年で、生徒会長なんよ。」

 

カツカツと廊下を歩きながら、淡々と話す。あれが生徒会長ね。確かに真面目で堅物な感じはしたな。

 

「ほら、ここが生徒会室ね。ほな、入ろうか。」

 

理事長室から生徒会室まで、それほど距離がなく、すぐについた。

 

「はい、失礼します。」

 

部屋に入るとそこには不機嫌そうに座る綾瀬先輩がいた。

 

「あら、希。それに・・・」

 

東條先輩に対してはすごい普通なのに、俺を見た途端に、あの睨むような目。UTXってそんな嫌われてる?

 

「エリチ、ひきづっていても仕方ないよ。とりあえず、この書類にハンコを押しといてな。ウチは少し用事あるからエリチ、頼むで。拓人君はごゆっくり。」

 

綾瀬先輩をフォローして、その後、どっかにいってしまった。東條先輩がいなくなった途端、空気が重くなる。

 

「あ、あの俺、ほ「本間拓人でしょ。さっき聞いたわ。」

 

「ふぁ、はい。」

 

どうでもいいかのようにあしらわれる。不機嫌すぎだよ。その後、時計の音だけが聞こえる。気まずい時間が刻々と刻まれる。

 

「あなた、UTXの生徒でしょ?」

 

「あ、はい。」

 

唐突に話しかけ始めた綾瀬先輩。やっぱUTXってダメだよね。

 

「内部でどういうことをしてるの?」

 

「えっ⁉︎内部?」

 

何かを探ろうという目で俺を見る。内部って授業ってことだよね。

 

「あ、普通に授業とか、ダンスのレッスンとかしてますけど。」

 

「それだけ?」

 

「それだけですけど。」

 

あれ?案外、UTXについて興味があるのかな?ちょっとだけホッとする。すると、綾瀬先輩は何かをあきらめたようにため息をついた。

 

「まぁ、いいわ。それよりあなたは何でコーチなんて引き受けたの?」

 

「幼馴染に頼まれたからですけど。」

 

「そう。・・・私はもし、廃校なってもここの生徒たちには有意義に生活してほしいの。」

 

「そうなんですか。確かに廃校を阻止するためにスクールアイドルをするというのは、結構青春っぽいですよね。」

 

俺は綾瀬先輩がμ’sを応援してくれてるのかと思っていた。だって、同じ目標を持つ同志じゃん。しかし、現実はそう甘くない。

 

「あれが青春?笑わせないでよ。あなた、あの子たちのダンスを見たことがあるの?素人丸出しのあのダンス。」

 

一方的に罵倒されて、俺は拳を握り、怒りがこみ上げる。しかし、それと同時に哀れみも湧いてくる。そんな気持ちの中、先輩に言い返す。

 

「そうだな。確かに、あれはダンスとしてはひどかった。息も合ってなかったし、時々振り付けは間違えるし。でも、あいつらのあのパフォーマンスは・・・映像でも惹かれるものがあった。頑張ってるあの姿は本当に輝いていた。

あなたはあれを見たんだろ。なら何か惹かれるものを感じなかったのか?」

 

「・・・えぇ、何も感じなかったわ。むしろ恥を知ったわ。あんなダンスを他人に見せると思ってるなんて、こっちが恥ずかしくなるわ。あの程度ならさっさと解散して、別のことに時間を割いたほうがいいわ。そうね、あなたが彼女たちに才能がないと言えばあきらめてくれるんじゃない?そうすれば、彼女たちも恥をかかずに済むんじゃない?」

 

・・・なんだと、本気で言ってるのか。あいつらのダンスが恥?あきらめさせるために傷つけろと?冗談じゃない‼︎

 

「ふざけんじゃない‼︎ダンスが恥だって⁉︎才能がないとか言ってあきらめさせろ⁉︎図に乗るな‼︎あいつらがどれほど本気でやってるのか知ってるか⁉︎それがわからないあんたにとやかく言われる筋合いない‼︎あんた、生徒会は何かできてるのか⁉︎さっきのあんたと理事長の話を聞いても、生徒会はあまり役に立ってないように見えたけど。生徒会にくせに何もできてないほうが恥だと思うけどな‼︎」

 

怒りのまま言葉を浴びせる。この時俺は冷静ではなかった。そのせいで綾瀬の逆鱗にふれてしまったことに気づかなかった。

 

「生徒会が恥⁉︎希たちをメンバーをバカにすることはどんなことでも絶対に許さない‼︎希たちだって廃校を阻止するために頑張ってくれてるの‼︎せめて生徒会に責任があるなら、生徒会長である私に責任がある‼︎あなたこそ私たちの何を知ってるの⁉︎苦労も辛さも知らないあなたにこそ、何も言われる筋合いはないわ‼︎」

 

「何だと‼︎」

 

「そっちこそ‼︎」

 

お互いがムキになっていがみ合う。ピリピリと張り詰めた空気が綾瀬との間に漂う。

 

「えっ⁉︎たっくん、どうしたの⁉︎さらに生徒会長さんまで・・・」

 

そんな空気の中に現れた、μ’sのリーダー、高坂穂乃果。穂乃果は生徒会長と俺がいがみ合っている状況をうまく飲み込んでいなかった。

 

「拓人君?どうしたの?」

 

「たくにぃ・・・」

 

穂乃果の後に続いてμ’sメンバーがぞくぞくと集まる。ことりと真姫は心配そうに言葉を漏らす。

 

「エリチ‼︎どうしたん⁉︎」

 

そして東條先輩と野次馬だろう生徒も一緒に現れ、事態は大事になりつつあった。

 

「別に何でもない。行くよ。」

 

「えっ⁉︎ちょっと待ってよ、たっくん‼︎」

 

穂乃果の言葉には反応せず、俺はすぐに生徒会室を後にした。

 

 

 

 

 




更新が遅くてすみません。それと、次回予告もまた無視りました。
次はいつ頃かな?本格的に受験シーズンになってきたのでまた遅くなります。
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