仭とのデュエルが終わり、翌日。昨日は「次は俺だ!」、「いや私だ!」と五月蠅かったが、時間の関係もあり、解散した。ちなみに仭にカードショップとかでサイバー・ダークデッキを使うのを禁じられた。まあこの世界でないカードも多すぎるから当然だろうな。
で、今日は月曜なので平日。今日から仕事なため掃除などを、午後になってやっと終わらせた。おそらくそろそろ授業も終わってくるだろうと思いながら、部屋に戻ると結はいなかった。
暇つぶしに1人でデッキをいじっていると
「じゃーん、楯無おねーさん登場!!」
「…………」
「ちょっと待ってスルー!?」
急にドアが開き、楯無が入ってきた。…うん、間違いなく楯無だ。変装した結じゃない。
「…何の用だ?」
「うん、実は頼みがあってね」
そう言って扉を閉めて、中に入ってくる楯無。
『本当にそっくりですね』
『そうだな』
フェニスとヒータが言ってくる。確かに結にそっくりだ。基本遠くからじゃ背の違いでないと、わからない。
で、楯無の頼みとは昨日の朝に、俺が言った遊戯王をやるかどうかについてだった。
「なるほどな。で、やるのか?」
「もっちろん!簪ちゃんと遊ぶためなら例え火の中、水の中、生徒会の仕事の最中だろうと!」
…結よりシスコンがひどいかもしれない。こいつの仕事のためにも教えない方がいいだろうか?
「まあ最後のはさすがに冗談よ」
常識はあったか。
「逃げはするけど」
前言撤回。
「そのたびに仭君に拳骨くらうんだけどねー」
「なら今日は仕事しなくていいのか?」
「今日は自分のはちゃんと終わらしてきたわよ」
「そうか。で、遊戯王はどのくらい知っているんだ?」
「ルールは昨日必死に覚えたわ」
「なるほど。で、教えるのは俺でいいのか?」
「一夏君は…ほら?周りの子があれじゃない?」
なるほど。仭からかなりモテていると聞かされていたがそうだったからな。そしてひどいくらいの鈍感でもあったが。
「で、仭君は残った仕事を引き受けてくれたし」
「押し付けたのか?」
「違うわよ!本当よ本当!本当に引き受けてくれたのよ!!」
まあ嘘だったらその時はその時だ。
「だから消去法と、言ってきてもくれたあなたに相談しに来たの」
なるほどな。
「で、どんなデッキがいいんだ?」
「そりゃあ最強のデッキよ」
全員そういうデッキ作っているに決まってんだろ。それよりも最強はまずない。だとしたら…そうだな。思いついた俺は机に置いてあったカード類を譲る。
「これらはどうだ?」
「これかぁ。…いいかもしれないわね。けどカード他にあるの?」
「ふむ、そうか…」
確かにここがアカデミアの寮じゃない。………。
「仭に頼んでみるか」
そこで携帯を取り出し、コール。
『俺だ。どうしたカイ?』
「仭、ちょっと頼みがあるんだが…」
『どうした?楯無が何か問題でも起こしたか?』
「楯無が訪ねてきたが…違う。ちょっと遊戯王教えて欲しいって来てな」
『ほう』
「で、カードを譲って欲しいんだ。今からじゃカードショップにも行けない…」
『…どんなデッキ作るんだ?』
「秘密だ」
『まあ別にいいが、どんなカード使ったかは後で教えろ。請求するから。部屋は…一夏がいる。一応言っておくがピッキングとか考えるなよ?罠が発動するから』
罠ってなんだ?いや、よくよく考えたら仭と一夏は重要人物だったな。
「すまないな」
『構わん』
そして携帯を切る。
「というわけで一夏の部屋に行くぞ」
「りょうか~い」
俺と楯無は一夏の部屋に向かって、デッキ作りすることにした。…かなり凶悪になるだろうな。
部屋に行くと仭の言った通り一夏がいて、中に入れてもらい、事情を説明して仭のカードをあさるなどして…
「完成したわけだが」
「誰に言ってんだ?カイ」
いや、何となく言っておかなきゃいけないと思っただけだ、一夏。
少し時間が経って夕方。廊下で今楯無は適当な相手を探していて、俺と一夏はついていっている。
「あっ、ラウラちゃーん」
「なっ!き、貴様は……」
見つけたのはラウラだった。
「ちょうど良かったわラウラちゃん」
「な、何だ?というかちゃんづけするな!」
「かなり嫌っているな。いつもこうなのか?」
「ああ、うん。ラウラが一方的だけど犬猿の仲って感じだな」
なるほどな。となると結のこともあまり好いてはないのだろう。
「私とデュエルしてくれない?デッキを作ったんだけど、相手がいなくて困っていたのよ」
「何?…いいだろう!!日頃の屈辱をはらしてやる!!その代わり私が勝ったらもう突っかかってくるな」
そういう考えもあってか。
「じゃあ私が勝ったらくすぐりね」
「な、何だと!?あれをやるのか!?」
ん?怯えているな。
「あら?一夏君に手伝ってもらったデッキに自信がないの?」
「な!?ば、馬鹿にするな!いいだろう、お前の提案に乗ってやる」
挑発に乗ったか。さてどうなることやら。
「で、場所は?」
「生徒会室でいいんじゃないか?」
「え?大丈夫なのか?」
「あの天災がソリットヴィジョンで出現するモンスターの大きさを調整できるようにした」
「すげぇな」
まったくだ。
というわけで移動したが
「…何の用だ?」
「あっ、カイ君」
何故か生徒会室に仭と結がいた。
「あら?浮気でもしていたの仭君?」
「…で、一夏、カイ、ラウラ、それと結に似た誰か。本当に一体何の用だ?」
「ひどっ!」
言われた楯無はいじけた。というか結が浮気をするとか有り得ん。
『信用してるんですね』
『いや、ただ仲が良すぎてあれなだけだ』
うるさいお前ら。
「えー、でカイ。何で結がここにいるかは、俺が仕事を終えたらこいつが『暇だから来ちゃった♪』的なノリで来て、将棋をやっていた」
なるほど。確かに将棋盤と駒がある。
「で、1勝1敗とやっていて…」
「途中でお前らが来たわけだ。そこのいじけてる誰かさんの言ったようなことはない」
「いや仭君、もう許してあげたら?」
「同一人物のお前に言われてもな」
「同一人物だからこそなのよ。楯無ちゃんがいじめられているのを見るとなんか私まで…」
「あ~、ちょっとすまん。それはともかく…用件はそこの2年か?」
段々呼ばれ方が悪化している。
「いや、実はな……」
一夏がここへ来た目的を説明する。
「なるほど。一々体育館でやるのもあれだからか。別に構わないぞ」
「じゃあ私達は見学に」
「机動かすの手伝えや!」
それから7,8分くらいしてどかし終え、いじけていた楯無も仭の『デュエルができなきゃ簪と遊べないぞ』という言葉で立ち直り、ラウラと向かい合っている。
「ふふふ、私が勝たせてもらうぞ」
「さあ?それはどうかしら?」
「…そういえばどんなデッキを作ったの?カイ君」
「見てからのお楽しみだ結」
デュエルディスクを起動させた。そろそろだな。
「「デュエル!」」
ラウラ:LP8000
楯無:LP8000
「お姉さんの先攻ね。私はカードを1枚伏せて《カードカー・D》を召喚!」
カードカー・D
ATK:800
「このカードをリリースして2枚カードをドロー。そして、ターンエンドよ」
楯無:LP8000
手札6
伏せ1
楯無は無難な滑り出しだな。
とりあえずまずはラウラの出方をうかがっているということか。
「私のターン。私は手札から《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚!効果でデッキから《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加える!」
マシンナーズ・ギアフレーム
ATK:1800
「さらに手札の《マシンナーズ・フォートレス》と《グリーン・ガジェット》を墓地に送り、墓地から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚する!」
マシンナーズ・フォートレス
ATK:2500
でた。マシンナーズの砦。正直マシンナーズ・フォースよりこいつの方が性能はいい。
「速攻魔法《リミッター解除》発動!私の機械族モンスターの攻撃力を2倍にする!」
マシンナーズ・フォートレス
ATK:5000
マシンナーズ・ギアフレーム
ATK:3600
合計で8600の攻撃力。これが通ればラウラの勝ち。
「日頃の屈辱を今こそ返す時!フォートレス、ギアフレームの順に攻撃!全軍、目標補足!撃てー!!」
フォートレスから無数の砲弾が発射され、ギアフレームがその中を楯無に向かって突っ込む。
「ふっ、終わったな」
「それはどうかしら?」
「な、なに!?」
楯無:LP3000
「私は手札から《速攻のかかし》を捨てて、ギアフレームの攻撃を無効にしたわ」
「?なんで楯無さんはフォートレスの攻撃を無効にしなかったんだ?かかしにはバトルフェイズを終了させる効果があるのに」
一夏がそう呟き、仭は
「なるほど。あのカードか。ラウラの奴、フォートレスから攻撃したのがあだになったな」
どうやら予想できたみたいだな。楯無の伏せカードを
「く、私はギアフレームをフォートレスに装備。カードを1枚伏せてターンエンドだ。この瞬間リミッター解除の効果を受けた私のフォートレスは破壊されるが装備しているギアフレームが身代わりとなる!」
「その瞬間、罠発動《活路への希望》!自分のライフが相手より1000ポイント少ないとき、ライフを1000ポイント払って発動!お互いのライフの差2000ポイントにつき。私はカードをドローするわ。今のお姉さんとラウラちゃんのライフの差は6000.よって3枚ドロー!」
楯無:手札8
「なんだと!?」
大量ドローに驚くラウラ。まあ、そう思うよな。しかもあのカード原作だとライフ1000ポイントにつきだったから、これでもましになったんだよ。
ラウラ:LP8000
手札2
マシンナーズ・フォートレス
伏せ1
「私のターン!」
楯無の手札はこれで9枚。あのデッキの内容から考えると…想像したくないな。
「私は《聖刻龍―トフェニドラゴン》を特殊召喚!」
聖刻龍―トフェニドラゴン
ATK:2100
「そのカードは、カイのカード!?」
「そうよ一夏君。うふふ。ちょっと彼にもらっちゃった♡」
おい、楯無変な言い方するな。隣の結がものすごい笑顔を俺に向けてくる。正直かなり怖い。あの仭ですら逃げ腰になっているぞ。
「トフェニドラゴンをリリースして《聖刻龍―シユウドラゴン》を特殊召喚!」
聖刻龍―シユウドラゴン
ATK:2200
「リリースされたトフェニドラゴンの効果でデッキから《エメラルド・ドラゴン》を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚!」
エメラルド・ドラゴン
ATK:0
「シユウドラゴンの効果発動!手札にあるもう一体のトフェニドラゴンをリリースしてラウラちゃんの伏せカードを破壊!」
「くっ!」
破壊されたのは《リビングデッドの呼び声》か。おそらく次のターンにギアフレームの蘇生を狙ったんだろう。
「もう1度、トフェニドラゴンの効果でデッキから《エレキテル・ドラゴン》を特殊召喚!」
エレキテル・ドラゴン
ATK:0
「おいおい。楯無のデッキは『聖刻龍』か?ガチデッキじゃねえか」
仭がそう呟くが、少し違う。あのデッキはただの聖刻デッキじゃない。
「私はレベル6のドラゴン族モンスター、エメラルド・ドラゴンとエレキテル・ドラゴンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍を統べる龍王《聖刻龍王―アトゥムス》!」
聖刻龍王―アトゥムス
ATK:2400
「アトゥムスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからドラゴン族モンスター1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。私は2体目のシユウドラゴンを召喚!」
聖刻龍―シユウドラゴン
ATK:
「そして、手札から儀式魔法《リチュアの儀水鏡》を発動!」
「はああ!?よりにもよって『聖刻リチュア』!?」
「あはは、その通りよ仭君!私のデッキは『聖刻リチュア』よ!」
「なんて凶悪なソリティアデッキを…」
「?師匠。『聖刻リチュア』とはどういうデッキなんですか?」
聖刻とリチュアの混合デッキ『聖刻リチュア』。展開力・ハンデス能力共に高いが、扱いが少し難しい。まあ結と同一人物の楯無なら大丈夫だろうと思って作った。
「簡単に言うと1ターンで大量ハンデスとエクシーズモンスターの大量展開を行い、相手の反撃を不可能にする変則1ターンキルのデッキだ」
「なっ!?」
そう。仭の言った通りである。
聖刻モンスターは、手札から儀式魔法のリリースにした場合でも通常モンスターを特殊召喚する誘発効果が発動する。
これを利用し、聖刻を《リチュアの儀水鏡》による《イビリチュア・ガストクラーケ》降臨のリリースにする事で、ハンデスを行いつつ場にレベル6のエクシーズ素材を揃える。
その後《セイクリッド・トレミスM7》をエクシーズ召喚してサルベージ効果を使用し、再度手札に聖刻+《イビリチュア・ガストクラーケ》(もしくは《イビリチュア・マインドオーガス》)+《リチュアの儀水鏡》を揃えて儀式召喚→エクシーズ召喚を連発する。
先行1ターン目で大量ハンデスとエクシーズモンスターの大量展開を行い相手の反撃を不可能にする変則1ターンキルのデッキだ。
ただ……
「だが制限カードの問題もあって、構築が難しくなっているんだ。だから多分弱体化はしてるんだろうが」
「そ、そうですか」
インターネットで(パソコンは仭から借りて)遊戯王のカードを見たらあっちと同じように制限だった。
そのため《イビリチュア・ガストクラーケ》に依存したデッキ構築は不可能である。
「しかしよく作れましたね楯無さん」
「作ったのはカイ君ね」
「カイ!お前なんて物をあいつに作ってんだよ!」
別にいいだろ。あいつが作りたいって言ったんだから。
「私のさっき召喚したシユウドラゴンをリリース!《イビリチュア・ガストクラーケ》を儀式召喚!」
イビリチュア・ガストクラーケ
ATK:2400
「ガストクラーケの効果発動!儀式召喚に成功した時相手の手札をランダムに2枚確認して1枚をデッキに戻すわ。さあ!ラウラちゃんの手札をお姉さんに見せてね♪」
「くぅ、手の内を見られるなど、なんという屈辱…」
ラウラの手札は《マシンナーズ・スナイパー》に《ライトニング・ボルテックス》。
「《ライトニング・ボルテックス》をデッキに戻してね」
「うぅ」
「さらに、リリースされたシユウドラゴンの効果で墓地のエレキテル・ドラゴンを特殊召喚!」
エレキテル・ドラゴン
ATK:0
「魔法カード《儀式の準備》を発動!デッキからレベル7以下の儀式モンスターを手札に加えるわ。さらに墓地の儀式魔法を1枚回収することもできる。私はデッキから《イビリチュア・テトラオーグ》を手札に加えて墓地の儀水鏡を回収!そして、もう1度儀水鏡を発動!エレキテル・ドラゴンをリリースして《イビリチュア・テトラオーグ》を儀式召喚!」
イビリチュア・テトラオーグ
ATK:2600
「さらに手札にある《ヴィジョン・リチュア》と《シャドウ・リチュア》の効果発動!このカードを墓地に送ってデッキから「リチュア」と名のつく儀式モンスターと儀式魔法を手札に加える!私は《イビリチュア・ソウルオーガ》と《リチュアの儀水鏡》を手札に加えるわ。そして、儀水鏡をもう1度発動!手札の《リチュア・アビス》と場のシユウドラゴンをリリースして《イビリチュア・ソウルオーガ》を儀式召喚!」
イビリチュア・ソウルオーガ
ATK:2800
「シユウドラゴンの効果でエレキテル・ドラゴンをもう1度召喚!そして、レベル6のガストクラーケとエレキテル・ドラゴンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!《セイクリッド・トレミス
セイクリッド・トレミス
ATK:2700
あ、終わったな。
「セイクリッド・トレミス
「なんだと!?だが、フォートレスの効果!このカードが相手の効果の対象になったとき、相手の手札を確認して1枚捨てる!貴様の手札はその1枚のみだ!さあ、捨てろ!」
「うん。良いよ」
あっさり捨てたな。捨てたカードは…スキルサクセサー。
「アトゥムスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!《迅雷の騎士ガイアドラグーン》!」
「へ?」
状況を確認してみる。
ラウラ:LP8000
手札2(マシンナーズ・スナイパー、マシンナーズ・フォートレス)
楯無:LP2000
手札0
イビリチュア・ソウルオーガ
イビリチュア・テトラオーグ
セイクリッド・トレミス
迅雷の騎士ガイアドラグーン
「攻撃が通れば計10700のダメージ、チェックメイトだな」
「全モンスターでラウラちゃんにダイレクトアタック!」
「う、う、うわああああんん!!」
ラウラ:LP0
楯無、容赦ないな。結に似て…。
「いや、私でもあそこまで…」
『ノース校との対抗戦で最初に飛ばしまくってモンスターを5体展開したのはどこの誰だったかな~』
「うっ、いや~あれは十代君の伏せカードのおかげでね~」
「しかし弱体化しても、強いな。しかも楯無、初めてにしてはうまいし」
確かに。
「明日香と同じリチュアか~。ちょっとやってみたいわね」
明日香と結、それからマリアムの3人はライバル同士だからな。結の中ではそれに楯無も加えられたのか。
いつかこの4人でバトルロイヤルでもしてみたら面白そうだな。
「さーて、ラウラちゃんの身体を堪能させてもらおうかしら~~」
手をワキワキと動かしながらラウラに近づいていく楯無。
「なっ!?ま、待て!!」
「待たないわよ~~」
ああ、そうか。確か条件があったな。
「ん?何か賭けでもやってたのか?」
「ラウラが勝ったら『楯無はもう突っかかってこない』、負けたら『くすぐり』」
「…なるほど、挑発にでも乗ったか」
正解だ。
「へぇー?」
隣を見ると結が笑みを浮かべている。…悪い方だ。
「楯無ちゃん。私も参加していーい?」
「なっ!?」
「いいわよー」
「ま、待て!ふ、2人でなど…」
「あらぁ?私1人とは言ってないわよ?」
「それに楯無ちゃんと私は同一人物だから何の問題もないわ」
息が合う人たらし×2
『…止めなくていいんですか?』
「一応1人でとは言ってなかった」
『はぁ、まったく結は…』
エリアの声が聞こえるが、姿は視えない。
おそらくだが頭を抑えながらため息を吐いているのだろう。
「よ、寄るな!こ、これで刺すぞ!?」
壁際に追い詰められたラウラはナイフを取り出して、2人に向ける。
「うふふ、可愛いわねー」
「よ、寄るな!ほ、本当に刺すぞ!?」
しかしそんなナイフ1本で、数々の苦難を乗り越えてきた熟練者の更識家当主と、次期当主が止まるはずもない。ラウラは軍人らしいが、完全に怯えきっている。
「し、師匠!嫁!!わ、私を助けろ!!」
「いや、そう言われてもな…」
「夫を助けるのが嫁の役目だろ!!」
「…嫁?」
「えーと後で説明する」
師匠はおそらく仭で、嫁は…一夏に向けられてだよな。どういうことだ?
「ふふふ、逃さないわよ~」
「し、師匠!」
あ、若干涙目だ。
「いやラウラ。条件つきのデュエルならなー…承諾したお前にも責任あるわけだし…」
「ご、後生です!!」
仭は考えこむ。…決断は
「済まん。さすがにその2人を止めるのは俺だけじゃ無理だ」
「し、師匠の裏切り者ーーーー!!!!」
非情だった。いや、まあ確かに仭の言ってることは的を得てる。
「「イッツ・ショータイム!!」」
「う、う……うわあああああ!!」
数秒後、ラウラの笑い声が生徒会室内に響き渡り、仭が何故か携帯でそのシーンをムービーで撮ってたことを言っておく。
ラウラ、原作以上に可哀想な目に。(汗)そしてその映像は『黒ウサギ隊』へ拷問されている隊長の姿として送られるかどうか。
楯無のデッキは『聖刻リチュア』です。弱体化しましたが、それでも強い。(汗)