これは単にヒロイン達とイチャイチャしながら友人達と絆を深めるお話です。
こちらも作者の自己満足で書いているので終わりとかは考えていません。
根本的な考え方は変わりません。
ですが少しだけ違う行動をとるのがこの世界での達也です。
少しぐらい作者達から見ても幸せな達也君がいてもいいですよね。
最初に意識を持って行動したのは生まれて30分ぐらいの事だ。
初めて見る景色、初めて聞く音、初めて触るタオルの感触、初めて触れるお湯の温度が俺を迎えてくれた。
本来ならこの場には、母体である我が母親以外にも産婆や医者、父親などがいるはずだ。
もちろん仕事や渋滞などで来れない場合もあるし、立ち会わない無神経で無責任でロクデナシな父親も中には存在するだろう。
しかし妊婦一人での出産は無いんじゃないか?
病院にいる以上、最低でも看護師が近くにいなければおかしいというものだ。
それでもいないということは、母自体があまりこの病院に歓迎されていないのだろう。
この時はまだ分からなかったのだが、
俺は愛人から生まれた、所謂隠し子というやつだ。
世間一般から見てあまり望まれてない部類の存在である。
ま、だからなんだという話なんだが。
出産後に母は俺を見て微笑みながら一言、俺に言った。
『産まれてきてくれてありがとう』
その一言を言い切った後、母はそっと目を閉じて動かなくなった。
それから数分して祖父さんが駆け込んできた。
祖父さんはヨボヨボの手で俺を抱き抱えた。
そしてそのまま、俺は祖父さんの元で育てられる事になった。
これが俺の一番古い記憶だ。
幸「……………おい達也、さっさと風呂に入りなさい」
達也「はいはい、わかりましたよっと」むくり
幸「………本当に憎たらしい子だこと」
達也「……………」たったったっ
祖父さんに育てられてからというもの、俺は祖母から虐待染みた扱いを受けている。
祖父さんは立派な人格者だ。
俺みたいな隠し子でも関係なく受け入れてくれるし、分け隔て無く人に接することの出来る器を持っている。
ところが祖母さんは俺を受け入れるどころか、公園などで下流家庭の子供と分かった瞬間に距離をとる潔癖ぶりだ。
汚い物も、汚い人も、汚れた血を持つ孫も受け入れられないある意味可哀想な人だ。
俺はこの人からの扱いを、ありがたく思っている。
世界は残酷だ。
普通に育ってきた子供も立派に育ってきた子供も関係無くある日突然いじめられる事がある。
俺のような隠し子なら尚更その可能性は高い。
ならどうするか。
いじめられても平気になればいいのだ。
だからこそ、祖母さんの厳しい説教も痛いお仕置きも細かい礼儀作法の練習も、全てありがたく受けさせてもらう。
幸「達也」
達也「なんですか?」スタスタ
幸「今日、お客様がいらっしゃいます。貴方は外で遊んでいらっしゃい」
達也「今日は雨なんですがね」
幸「雨具を着れば問題ありません。さぁ、行きなさい」
雨は降っていたがこのまま祖母さんにウジウジと文句を流されるのも御免だ。
俺は言われた通りに雨具を着て外に遊びに行く事にした。
家を出て少し歩いた所の空き地
そこに小さい女の子がいた。
綺麗で可愛い服を着ているが、それ故に服の下に生傷がたくさんある事が分かる。
腕にタバコの痕がある事からおそらくこの子は虐待を受けているのだろう。
小さい女の子が傘も指さずに雨の日に、こんな空き地に一人で座り込んでいること自体がその証拠だ、顔も衰弱しきっており目元も赤く腫れている。
達也「濡れるぞ」スッ
咲「…………」
達也(喋る気力も無いのか………)
咲「…………」
達也(ふぅ…………やらやれ)
待つ事1時間、ようやく女の子は口を開いてくれた。
咲「…………誰?」
達也「傘入っておいて最初に出てくる言葉がそれか?お前」
咲「ひっ⁉︎ご、ごめんなさい」ぶるぶる
達也「あ?何言って」
咲「ごめんなさいごめんなさいぶたないで許して下さいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ぶるぶる
達也(ちょっと語彙を強くしただけでこの反応………間違いない)
この子は逃げてきたんだ。
おそらく先程まで殴られていたのだろう。
同じぐらいの年の俺に怯えて殴られる事を怖がっている………しかもこの怯え方、かなり酷い扱いを受けてきたんだろう。えげつない事だ。
達也「落ち着けよ。俺は殴らないよ」
咲「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ぶるぶる
達也「落ち着けっての」ぎゅ
咲「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん、な、さ……………」
達也「落ち着け、な?殴らないし怖くない。な?ほら、深呼吸して」
咲「ほ、本当?…………咲の事、殴らない?」ビクビク
達也「当たり前だろ?さっき会ったばっかじゃねーか」
咲「で、でも…………咲は馬鹿だから、殴られて、当然って………ままが」
達也(……………やれやれ)
達也「いいか?殴られて当然な生き物ってのはこの世に存在しねぇ」
咲「でもままは」
達也「ままは全部正しい訳じゃねぇよ。いいか?お前が殴られる必要は全くないし、お前が我慢する必要もないんだ。分かるか?」
咲「う、うん」
達也「達也ままが怖いならぱぱの所に言いに行けばいいだろ?」
咲「………ぱぱね?お仕事忙しいって………帰れないって」ジワッ
達也(児童虐待の上に育児放棄かよ…………救いようの無い両親だな)
咲「咲ね?ぱ、ぱとね?遊び、たいん、だけど、グスッ、ぱぱ、ヒック、いなく、て」ぽろぽろ
達也「あー、もう分かったから泣くなよ、な?」
咲「う、うん。ヒック」ぽろぽろ
達也「俺が遊んでやるからよ。元気出せよ」
咲「ふぇ?」グスッ
達也「俺と遊ぼうぜ」
咲「……………」
達也「ぱぱ居ないんだろ?つまんねーだろうから俺が遊んでやるっつってんだよ」
咲「……………いーの?」グスッ
達也「いいも何もこっちがお願いしてんだよ。お願いします俺と遊んでください」
咲「……………うん」
達也「そうと決まれば早速行くぞ」スタスタ
咲「……………うん!」ぱぁ
咲は飛びっきりの笑顔を見せてくれた。
それだけでも家を出てきた価値はあると思える。
ファーストコンタクトするのは咲です。