ビアンカちゃんが死ぬほど好きなんだ!!   作:nao.P

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プロローグ

全部、僕のせいだ。

 

僕は、勘違いをしていた。

 

単なる、勘違い。

 

隣町の人々が怖がっていた、お化け退治をして、はたまた僕の家の地下室から行くことが出来る妖精の国を支配していた氷の女王をやっつけて、僕は皆のヒーローになれるって思い上がっていた。

 

だから、今回のことだって、お父さんが真っ先に拐われたヘンリー王子を追っていった時に、僕の手だけで救えるよってところをお父さんに見せたかっただけなんだ。

 

でも結果的に、お父さんは、死んだ。

 

殺された。

 

僕が、人質にとられて、そのせいで本当なら、お父さんの力ならあんなヤツにだって簡単に勝てたハズなのに。

 

 

僕が弱かったせいで、殺された。

 

お父さんは、僕の目の前で、僕の首に死神みたいなヤツが死神の鎌の様な物を当てがっているのを見て、指一つだって動かさずに執拗に攻撃を受けて、最期の最期まで一歩も引かず、一歩も動かず、強い心を、いつものガンとした表情を崩すことなく、強いお父さんは僕の方を見て。

 

負けることなく、僕を守り抜いて死んだ。

 

強くなれ、と言っている様だった。

 

お父さんは最期まで僕を見ていた。

 

だから僕は最期までお父さんを見ていた。

 

僕は絶対に忘れない。

 

僕に見せてくれた本当の強さを。お父さんの背中を。

 

だから、今度は見ていて欲しい。

 

僕のことを。

 

きっと。ううん、絶対。

 

絶対、強くなってみせるから。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

「ねえねえ! お父さん! お父さんってば!」

 

 

揺れる船室の中。

 

目を覚ました僕は、寸前まで見ていた不思議な夢の出来事をすぐ隣にいたお父さんに話したくて、話したくてたまらず飛び起きた。

 

「おう、起きたかリュカ」

 

そう言ってお父さんは、机に向かって読んでいた難しそうな本から僕の方に視線を移した。

 

「訊いて! 僕ね! 今夢を見てたんだ! 」

 

「夢?」とお父さんは言った。

 

「うん! お父さんが出てきたんだよ! お父さんが王様で立派なお城の中に住んでて、 赤ちゃんの僕のこと楽しそうに見てて、なんか変な夢だった!」

 

お父さんはいつだって格好いいから、夢に出てきた王様の姿だってやっぱり凄く似合ってて、そんなことが言いたかった。

 

「わっはっは! 寝ぼけているな」

 

お父さんは豪快に笑い飛ばしてくれた。

いつだって僕の話を聞いてくれるお父さん。

 

僕はお父さんが大好きだ。

 

強くて、格好よくて、恐いときもあるけど、優しいお父さん。

 

「眠気覚ましに外へでも行って、風にあたってきたらどうだ?」

 

「うん! あ! 港にはあとどれくらいで着くの?」

 

「もうそろそろだろう。岸が見えるかもしれないな」

 

僕はお父さんの言葉に、思わず胸が踊り出す。

海を眺めるだけの船の旅もすっかり飽きちゃっていたし、何よりこれから行く場所が楽しみでしょうがなかった。

 

「やったぁ! そしたら! あの娘に会えるんだね! 」

 

「あの娘?」

 

「ビアンカだよビアンカ!」

 

その子の名前を口に出したら、もういてもたってもいれなくなっちゃって僕は気づいたら勢いよく足踏みをしていた。

 

船室の床の板はスゴく頑丈で、ビクともしないんだ。

 

「ほう、ダンカンさんとこの娘さんか。しかしよく覚えていたな」

 

「覚えてるよ! すっごく生意気でムカつくんだよねあの娘!! 偉そうにしちゃってさあ!! 私の方がお姉さんなんだから私の言うこと聞かなきゃだめなんだからねっていちいち言うんだよ!」

 

「お前の3つぐらい歳上だったか?」

 

「2つだよ! あの時は逆らえなかったけど、僕いっぱい旅して強くなったから今度は僕が勝つよ!」

 

僕はブンブンと腕を回した。僕はあの時より背も伸びたから勝てると思った。

 

お父さんはちょっとだけ溜め息をついてから僕に言う。

 

「ケンカは悪いことでは無いが、女の子に向かって手を上げることはお父さん感心しないぞ?」

 

「どうしてさ! ビアンカは僕より強いんだよ!?」

 

僕はお父さんに食ってかかってみたけど、お父さんはいつだって冷静に、諭してくれる。

 

「どうしてもだ。お前は男の子だ。男の子は女の子を守ってあげなくちゃダメなんだぞ」

 

「ふーん」と僕は言う。ビアンカはそこらの男の子より全然男の子らしいから守るなんて想像も出来ないよ、と思う。

 

顔は可愛いけどさ。なんて思ったらなんかあっつくなってきちゃった。

 

「まっ、いいや。外に行って来るね!」

 

「ふざけて船から落ちるなよ」とお父さんは僕が船室から扉を開けて出て行くまで、僕のことを見てそう言った。

 

「うん! だいじょうぶ!」と僕はお父さんの顔を見ながら開けた扉を閉め、甲板へと駆けて行った。




色々書いていきたい。

書いて、ゆっくり考えながら、学んでいきたいと思います。
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