東方霊無鏡 〜Per hour 2.5 minutes 【完結】   作:LOORUME

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其三話

「はぁ、相変わらず霊夢は反応薄いわねぇ。少しは驚かせてみたいものだわ。

むしろ私を利用して家に帰ろうとまでしたのよ?なんて図々しいの」

 

霊夢のリアクションに大妖怪はご不満なようだ。

 

 

「ねえ、そう思うでしょ?八岐鏡映?」

 

彼女は、話しかける。

くつくつと笑いを堪えられない様子で八岐鏡映は喋る。

 

「ああ、そうだね」

 

「とりあえず、『理解と不可解の境界』を操っているから、暫くは気づかないはずよ」

 

「ありがとう。ああ、あとは魔理沙の壊した鏡の補修をしてくれて助かったよ。

鏡の世界に行ける鏡は、いわば鏡の世界の柱だ。

だから今二つしかない鏡の一つが壊れてしまうとあそこまで鏡の世界が不安定になってしまうんだ」

 

「礼には及ばないわ。だって楽しそうだもの」

 

「あとそれと」

 

「?」

 

「楽しいティータイムを邪魔してくれて、ありがとさん?」

 

顔はニッコリ、殺気プンプン。

 

「どーいたしまして」

 

こちらも笑顔は笑顔だが、目が笑っていない。

 

 

 

 

 

時を更に遡る。今から数時間前。魔理沙と霊夢が幻想郷に帰ってきた直後だ。

二人を自分の鏡から出てきたのを確認した紫は(森で見つけたのは紫の嘘)、隠れ家に二人を寝かせてやり、スキマで鏡の世界の鏡刻塔に行った。

その時の話だ。

 

...........

 

「行ったようね。さて。

ミラーーー!ハニィーーー!」

 

「なんかボクに用かい?」

「なんでしょうか」

 

「下に行ってお茶でもしましょう」

 

時間は少し、あるんだし。

あくまで少しだ。すぐに邪魔が入る気がする。

 

三人で鏡刻塔の地下の居住スペースに向かう。

地下2階の食事、休憩専用階に着いた八岐達は、ハニエルに珈琲を淹れてもらう。ミラルはカフェオレを。うちはブラックに砂糖たっぷり。ハニィは無糖。いつも通りだった。

 

ハニエルが3杯用意し、ではいただきましょうというその時、悪い勘は当たってしまった。

 

「はぁい☆」

 

八雲紫がスキマから上半身を私の目の前に出す。

そしてハニエルとミラルは驚き、席から腰を浮かす。

 

「ご機嫌いかが?やまたん!」

 

説明は省くが、うちと紫はかなり前からの付き合いだ。

なんやかんやで仲もいい。

だけど....

 

「タイミングってものがあるでしょう、紫」

 

「ごめんあそばせ。時間の流れが違うからね」

 

「はぁ....」

 

「まぁまぁ、溜息なんて吐いたら幸せは逃げてしまうわよ?」

 

「誰のせいよ。っていうか何しに来たの」

 

それは鏡映を連れ去るためよ、と言って紫の隠れ家に送られた。

 

そして今に至る。

 

「まぁ、うちも原因のひとつだし、っていうかやろうって言いだしたのはうちだし、尻ぬぐいくらいはやるよ」

 

居間。二人でお茶を飲みながら、鏡映は少し拗ねながら言う。

 

「まだお茶の邪魔したの怒ってるの?しょうがないじゃない。あんまりあっちに長く居るとすぐに時が去ってしまうもの。

女性は時間との戦いよ」

 

「千年以上生きている大妖怪が何を言っているんだか。

で?あの娘達は?」

 

「うふふ。それがすっかり鈍っているみたいよ。

『理解と不可解の境界』を操ると、人の第六感に近いものの力を、強めたり弱めたりすることができるの。

霊夢なら勘を、魔理沙なら考察力や思考力を低下させているわ」

 

効果絶大ね、と付け加える、さらに続ける。

 

「いつまでバレないで 保てるかわからないけど」

 

「あっごめんお茶溢した」

 

八岐鏡映がおかわりを急須から入れようとしたとき、手を滑らせ溢してしまった。

 

「きゃあ」

 

それが紫にかかる。

 

台拭き持ってくる、そう鏡映が言おうとした時。

 

「しまった。油断したわ」

 

「どうしたの?紫」

 

「境界がブレた。あの娘達に気づかれるわよ」

 

 

 

 

其四話へ続く

 




やまたん大失態!ですね
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