東方霊無鏡 〜Per hour 2.5 minutes 【完結】   作:LOORUME

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本編は最終回です。


其六話

「ん?どうしたんだい?魔理沙。立ち上がったりして。」

 

「なん て言うのかな...。 私にもよく分からないけど。デジャヴだ!その、霊夢を騙して鏡を見せたっていう話」

 

「? 話した記憶は無いんだけど....もしかして あそこに居たの?」

 

霊夢困惑中。というか少女困惑中。

ここにいる人は全員訳が分かっていない。

 

「いや、それはないぜ。数日間引きこもって研究していたからな」

 

「ふーん。紫、分かる?」

 

「そうねえ...研究してたのは嘘じゃないっぽいし。ねえ魔理沙、その話を見たのはいつ?」

 

「...多分、紫の隠れ家で寝てた時だぜ」

 

「なるほどね」

 

鏡映はガッテンした。

 

「何だと思うの?」

 

と言う紫。

 

「ほら、寝てる間に夢を見ていたのなら、記憶が差し込まれたタイミングは一つじゃないか。

鏡で移動している時だよ。」

 

「ああ...」

 

魔理沙も少し心当たりがあるようだった。

 

「二人同時に移動したからだろうね。記憶が二人の中だけでほんの一部とはいえ混ぜられてしまった。混合して、混濁してしまった。

多分、魔理沙のその記憶は霊夢の一人称だろう?」

 

「言われてみればそうだな」

 

「それが霊夢の体験した記憶であるがため、だね。

紫、改良作業が見つかったよ」

 

「二人で記憶が混合しちゃうのね...。はあ、境界を調整したほうが良いのかしら

それにしても鏡を2つだけにしといて良かったわ。修正する手間が省けるし。」

 

「ふうん。どう改良すればいいのか、とかは興味ないが合点が行ったぜ」

 

「そうかい。ありがとう」

 

「だけど、納得はしてないぜ?」

 

鏡映は首を傾げる。

どういう意味だ、と。

 

「まだ話してないじゃないか。こうまでして鏡の世界と繋げさせたかった理由を。

話して、私や霊夢が納得したのなら文句はない。鏡の連中と一緒に宴会でもしようぜ」

 

「ありがとう、理由だったね」

 

 

と言って鏡映は一つ、深呼吸した。

 

 

「さっきも言ったけど、うちは鏡の世界を創った。一からだ。地形こそ同じだけど中身は全く違う、幻想郷とは別物さ。

あそこには、ハニエルや、ミラルが居る。

他には人間もいる。妖怪も、妖精も、神様も。

その人たちが、24分の1の速度でーー幻想郷の1時間で鏡の世界で2.5分ーーゆっくりと暮らしている。のんびりと、楽しくだよ」

 

でもそれで終わらせたくなかった、と言う。

 

「一から創ったんだし、私にも親心が芽生えてきてさ。住人達に、違う世界も見てもらいたいって、聞いて、知ってほしいって心の底から思ったんだ。

ただ、それだけなんだよ」

 

 

霊夢は、それを聞いて微笑で、しかし幻想郷や、その他すべてを包み込むような笑顔で言った。

 

 

「そ。私は納得したわ。魔理沙は?」

 

「まあ、いいぜ。それより宴会はいつにする?」

 

 

と言って笑顔で進める。

魔理沙は鏡の住人達を歓迎してくれているようだった。

 

 

「本当に、ありがとう」

 

少し、鏡映の目頭が熱くなっていった。おりしも、

 

「ねーえ、あなた達。折角の機会だし、呑まない?」

 

スキマに手を突っ込みながら紫は言った。

返事は、

霊夢曰く

「返事が必要?」

 

魔理沙曰く

「つまみはキノコで良いな?」

 

鏡映曰く

「あ、ハニィとミラルも誘っていい?」

 

答えは肯定を表すものばかり。スキマでハニエルとミラルを連れてきて、宴会の前夜祭という名の飲み会は6人で始められた。

 

 

 

乾杯の音頭は鏡映がとった。

 

「じゃあ!うちらが幻想入りした事を祝って!!」

 

 

 

 

 

「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」」

 

声が響いた。

 

 

それを聞きつけた伊吹萃香が人を萃めた。

言わずもがな、飲めや歌えやの大盛況。どんちゃん騒ぎは深夜まで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く経って、紫と鏡映によって幻想郷の各地に鏡が設置された。

 

その後、幻想郷に住むありとあらゆる神、妖怪、霊、そして一部の人と、鏡の世界の住人達が博麗神社に集まり、三日三晩に渡る大宴会が執り行われたそうだ。

神社の周りは隙間が無いほど人が集まった。

 

 

鏡の住人は幻想郷に来て交流をし、気に入った者は幾度となく往復した。

果てには移住する者も。

その逆もまた然り。幻想郷から鏡の世界へ行く者も少なくなかったそうだ。

 

人間であろうとも。

 

 

 

 

 

 

物語は終わらない

 

 

 

 

 

 

 

霊無鏡 完

 

続け。




副題回収です。
第4章もお楽しみください。
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