~翌日~
『先日の"黒騎士事件"から一夜明けました。今回のテロ事件を起こしたテロ集団は中東で活動している"砂漠の獅子"だと分かりましたが、未確認IS2機については未だ分かっておりません。IS開発に詳しい佐山さん、今回出現したISについてどうお考えですか?』
『はい。まずは今回のテロで使用されたISについて説明していきましょう。今回のテロで使用されたISはテオラインダストリーで開発されたばかりの新型量産機〈グワナーダ〉です。グワナーダの特徴はなんといってもその出力の高さからの防御力の高さです。その防御を"黒騎士"はいとも簡単に貫いている。それはグラナーダをはるかに上回る出力の高さが分かります。さらにこのIS達は戦闘終了した際に光化学迷彩と思われるもので姿を消しているんですね。さらにISのハイパーセンサーにも探知されずにこの場所から姿を消しているんです。この2機はもしかすると現在ロールアウトしているどの第三世代のISよりも高いスペックを持っているかもしれません!』
『解説ありがとうございました。この謎のIS達の情報が入り次第お伝えしていきます。次のニュースです…………』
「やっぱり消えたところ見られてたか………」
テレビを消しながら苦い顔をしながら私は呟いた。
~前日~
エフィの周囲にいた疑似ISに乗っていたテロリストを半分撃墜した時、私はエフィから一夏達が戦闘に入ったことを聞きエフィに遠距離支援に向かうように指示した。私は残りのテロリストの掃除と今回のテロの目的などを吐かせる為にその場に残った。あらかたテロリスト共の掃除を終え、尋問も終了したときにエフィから通信が届いた。
「サーシャさん、一夏君達は無事グワナーダ2機を撃墜しました!」
「了解。こっちもあらかた終わった」
「分かりました。一夏君達相当疲れているみたいですから先に撤退していますね」
「そうして。私は1人取り逃がした奴がいるからそいつを処分してから撤退するわ」
「お気を付けて」
そこで通信を切った。私は中断していたテロリストの捜索を再開した。
(大通りと路地裏はあらかた探したが見つからない。だとするとこいつらが乗ってきた輸送船の方に向かったか……)
面倒だなと思いつつも見逃すつもりは毛頭ないので港の方に向かった。
「死んでる?どうして?」
港に向かう路地裏に探していたテロリストは見つかったが首がなかった。遺体の状況を見てみると首が鋭利なもので胴体から切り飛ばされていた。斬った本人はこいつにかなりの恨みがあったのか趣味なのかどうかは知らないが随分と無駄なことをしているなと私は思った。こいつを迅速に殺したいんだったら腹や首にでも刺せば勝手に失血で死んでいただろう。なのにこいつはわざわざ首を斬り飛ばした。とても無駄で労力だけがかかることを。
ふと私はこいつの頭がどこにあるか気になって周囲を見回してみたら端っこの方に肉塊が転がっているのに気づいた。見なかったことにしたかったがそういう訳にもいかず、とりあえずその肉塊を調べることにした。
調べてわかったことだがこの頭だったものはやはり鋭利なもので切り刻まれたものらしい。改めて首なし胴体から何か手掛かりになる物はないかと探してみたが不自然なくらい何も見つからなかった。携帯端末もデータチップもドッグタグも。タバコとかレーションなどはあるのにこいつの存在を証明できるものや組織に関すること、武器などは一切見つからなかった。まるで証拠隠滅を図ったかのように。私はもしやと思い、急いで輸送船の方に向かった。
案の定港には"砂漠の獅子"が乗ってきたという輸送船はどこにも見当たらなかった。武御雷のセンサーでIS学園や軍事基地の方を探ってみたがもう戦闘は終了していたらしく情報はなにも見つからなかった。私は仕方なくステルス機能を使ってその場から離れ集合場所に飛んだ。一夏達のことをどう褒めようかと考えながら
~現在。ホテルの一室にて~
「で?何か言い訳があるなら聞くけど?」
「「す、すみません。油断してました」」
サーシャは威圧感を出しながら2人に質問した。2人はびくびくしながら土下座の体勢を取っていた。
「初めてのISでの実戦の割には上手く立ち回れたようだし、町や一般市民に被害を出さないよう戦えたようだしその辺りのことは評価するし、そこだけ見たら何だ半人前くらいにはなれたじゃないかと思ったんだけどね」
「そ、それでも半人前なんですね……」
「最後の消える所を見られるのはまずかったわねぇ、おい。ハイパーセンサーにも探知されないステルスシステムの搭載に成功したISが存在するという事実は相当まずいのよね」
「「うぅ…………」」
「今回はまぁ仕方ない。次からは気をつければいいんだから。それよりもエフィ!」
「はひ!?な、なんでしゅか?」
まさか自分に来るとは思っていなかったのだろう。エフィは変な声を上げながらすぐに椅子から立ち上がった。
そんなエフィを私は(自分なりに)怒った表情で言った。
「まさか自分には来ないと思った?今回の反省会の主役はあなたよ、オメデトウ」
「え!?まさか私だけ自分のIS中破していたことですか?」
「それもあるけど違う」
「じ、じゃあ何が悪かったんですか?」
「あなた、随分と回避がへたくそになったわよねぇ。スナイパー専門でもあれだけ鍛えとけと言ったのに」
「うぅ、すみません……」
「いくら陽炎が先日の戦闘で全スペックの"半分"しか出せないとはいえあそこまでやられるのは単純にあなたの訓練不足よ」
「返す言葉もありません………」
先日の依頼で要塞を破壊する時にエフィは時間がないからといって
と、エフィを説教しているときに私の携帯から設定したことがない着メロが鳴り出した。怪訝に思った私は携帯を開いて差出人を見たときにあまりにふざけた名前に首をかしげた。
「誰?これ」」
差出人の名前には「時計を持ったウサギさん♪」と書かれていたのだ。みんな気になってそのメールを見たのだが"一部"を除いて首をかしげた。深い溜め息をついた一夏は
「なにやってんだよ………束さん」
とポツリと呟いた。その呟きを聞いたシャルロットとエフィは「えぇ!?」と叫んだ。私は即座に耳を塞いだので事なきを得たが一夏はもろに食らったらしく「ぐあぁ耳がぁ」と呻いていた。いとあわれ。
「なんでサーシャさん束博士からメール来てるんですか!?」
「知り合いだったんですか!?」
「束博士とは知り合いじゃないしメル友でもない。私もいきなりメール来たから驚いてる」
そういえばまだ本文読んでいなかったなと思い本文を読んでみた。そこにはお茶会のお知らせとお茶会をする座標が記されていた。どうやら招かれているのは私達全員だけらしい。だがこれはチャンスだと私は思った。もしかしたら陽炎を修理できるのかもしれないし、私達のIS の整備や補給も行えるかもしれない。このお茶会の誘いを受けない理由はなかった。開催日と場所は3日後の沖縄。
サーシャ達のISはこの時代のISより再生能力が高くダメージCになっても放っておけば一晩で直ります。それを一撃でシステムごとダウンさせる規格外兵装はやっぱりすごいですねぇ(白目)ちなみにエフィが使った規格外兵装はヒュージキャノンです