IS~透明だった少女は何を思う~   作:はにゅー

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あと数話くらいで原作前の話が終了する予定です。あくまで予定ですが。


第25話

 ~数日後~

 

 「それじゃあ第一次起動試験やっていくよ~。二人とも準備はいい?」

 「陽炎、準備オッケーです」

 「天照いつでもいけます!」

 「それじゃあスタート!」

 

 束博士が開始の合図を出すと同時に緑と橙色の閃光が空に走り、次々とダミーバルーンを撃墜していく。二機ともに走り出しは順調のようだった。私が二人の方に意識を向けていた時背後から殺気がしたので即座に右手に握っていたブレードを振るい一夏の斬撃を防いだ。

 

 「ちくしょう、背後からでも駄目か!」

 「まだまだ甘い」

 

 一夏は下から打ち上げるようにブレードを振るったが、私は少し身をそらすだけで回避し左脚部のスラスターを全力で吹かして一夏の胴を蹴り飛ばして、距離を開かせた。

 

 「ぐぅ、くそ!」

 

 一夏は悪態をつきながらも右から回り込むようにして加速し、左手にアサルトライフルを展開して掃射してきた。私は急上昇してそれを回避し腰部のヴェスパーを一門だけ展開し空いている左手でトリガーを引いた。緑色の閃光がこちらに飛来していたアサルトライフルの弾丸を焼き払った。私がヴェスパーを放った一瞬の隙を狙って一夏は瞬間加速(イグニッション・ブースト)を使って私の足元から突きの体勢で突っ込んできたが、事前に察していたので右手のブレードで突きをそらしながら一夏の腹部にヴェスパーを叩きこんだ。先程からダメージを蓄積していた禍津火はその一撃でシールドエネルギーを削り切った。そこで試合終了のブザーが鳴った。

 

「くそ、またサーシャさんに一撃も当てられなかった」

 

模擬戦が終わった後一夏は悔しそうにスポーツ飲料を飲んでいた。

 

「ISに乗ってまだ一年も経ってない奴に負けられないわよ」

 

私はドクターペッパーを飲みながら一夏の独り言に答えた。

「って、サーシャさん居たんですか」

「うん、そういえば一夏にまだ大事な話をしてなかったなってさっき思い出したから。ちょっとここで待っててね。束博士を連れて来るから」

「なんだか猛烈に嫌な予感しかしないんですけど」

 

私は心なしか顔色が青くなってきている一夏を待合室に置いてきて束博士と小道具(・・・)を取りに行った。

 

 

数分かけて束博士と小道具が入った段ボールを持ってきた私達を一夏が視界に捉えたとき、いきなり方向転換をして逃げだそうとした。だが束博士が事前に待ち伏せさせていたクロエに捕まってアニメのように縄でぐるぐる巻きにされていた。

 

「何するんですかいきなり!」

「何ってそりゃあいっくんが逃げだそうとするからだよ」

「束さんがすごく悪い表情をしながら歩いてきたらそりゃあ逃げだしたくもなりますよ!!」

 

と縄でミノムシのようになってもまだ逃げようとしていた一夏をクロエが取り押さえた。

 

「いやあ、いっくん傭兵になりたいんでしょ?」

「…………そうですけどそれがどうしたんですか?」

「別に傭兵になるのはいいんだけどさいっくんって世間では死んだことになってるんだよこれが。それに男がオリジナルコアのISに乗れるって世間に知り渡ったら色々と大騒ぎになるよね」

「そうですけど何かここからの展開が読めてきた気がするぞ………」

 

一夏の目からどんどん光が消えてっているのだが束博士は気にせず話を続けた。

「そう!いっくんが世界初の男性操縦者とばれないために!織斑一夏が生きていると知られないために!いっくんには女装をしてもらうよ!!」

「いやだぁぁぁぁぁ!!それだけはいやだぁぁぁぁぁ!!!」

 

 とここで一夏はふと思い出した。数ヶ月前に突然サーシャが髪を伸ばせと指示したことを。

 

 「ま、まさか数ヶ月前に俺に髪を伸ばせって指示したのも」

 「うん、そのときから一夏の女装計画は遂行されてた」

 「やっぱり!!」

 「さて、いっくんそろそろおめかしする準備はいいかな?まぁいっくんの準備ができてなくてもやるけどね」

 「嫌だぁぁぁぁぁ!!男の尊厳を奪われてたまるかぁぁぁぁぁ!!!」

 

束博士がそう宣言すると同時に一夏は必死にその場から逃げだそうと必死にもがいた。だが

 

「一夏様、暴れては駄目なのです」

「ゴフ……!?ちょ………クロ、エ………やめ………!」

「うわぁ」

 

 

 一夏の上に乗っかっていたクロエが一夏が暴れるのを止めさせるためになんと背中の上で飛び跳ね始めたのだ。クロエの体重は軽いとはいえそれでも背中の上で飛び跳ねられるとやっぱり痛いのだろう一夏が辛そうなうめき声を上げているのを見て哀れに思った。

 

「くーちゃん、そろそろいっくんがやばそうだから止めてあげてね」

「はい束様」

 

流石にこれ以上やるとやばいと思ったのだろうか、束博士がくーちゃんにレフリーストップをかけるとクロエはすぐに一夏の上からどいた。一夏はかなりボロボロになって息も絶え絶えになっていたがこれで抵抗されずに着替えをさせることが出来るので結果オーライだった。

 「じゃあいっくんを綺麗におめかししてあげるね☆」

 「私も微力ながらお手伝いします、束様」

 「私はエフィ達の起動試験の方を見てきます」

 「……………」

 

 束博士は怪しげに手をわきわきさせ、クロエは化粧や服が入ったバッグを手に持ち、一夏は生気が完全に消えた目でなすがままになっていた。私はそろそろ起動試験が終了する二人を迎えに甲板に向かった。




一夏の女装…………わりかしアリだと思います!(錯乱)
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