IS~透明だった少女は何を思う~   作:はにゅー

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今回から原作に突入です!シャルとエフィの試験と試験までのことは残念ながらカットすることになりました。それも全部やろうとするとまた結構時間がかかる気がするので


第31話

 入学試験からはや二週間。俺たちはIS学園に無事入学することができ、新しいクラスに割り振られた。クラスの内訳は俺とシャルとサーシャさんが一組、エフィさんが二組といった感じだ。その厳しい現実を目の当たりにしたエフィさんが「ボッチはいやです~!」と泣き出し、それをゲラゲラと大笑いした束さんを腹パンしたのはまだ記憶に新しい。そして俺は安定の女装でエフィさんよりもよっぽど泣きたい心境にあった。ばれたら最後女装して入学した変態扱いされ、身分を偽装した罪で刑務所(ブタ箱)直行便のチケットを手渡されることだろう。

 三年間ずっとばれずにやっていけるのかと頭を痛くしていると、出来ることなら二度と見たくなかった顔を見つけてしまった。弟の織斑百春だ。だが少し様子がおかしかった。詳しく言うと、シャルの方に顔を向けてからだ。まるで幽霊を見たかのように顔を青くした。百春の表情が豹変したことにシャルが怪訝な顔をしたとき、一人の女子が小走りで百春に近づいていった。

 

 「百春ではないか、久しぶりだな!」

 「あ、ああ。久しぶりだな箒」

 

 篠ノ之箒。束さんの妹であり、俺と百春の幼なじみだった少女だ。出会った頃から百春にはああいった感じで猫のように甘え、俺には気に入らないことがあったら直ぐに竹刀で殴ってくるような関係だったため箒とはあまり仲がいいとはいえなかった。

 

 (あの感じだと箒も一組なのか………)

 

 ますます気が重くなってきたので、サーシャさんの様子を見てみた。サーシャさんはココアシガレットをくわえながら片手にはライトノベルを、もう片方にはハードカバーの小説を持って二冊同時に読んでいた。普通だったらそんな器用な真似は出来ないのだがサーシャさんならではの裏技があった。サーシャさんの左目は義眼になっており、義眼で読んだ本の情報を処理させて、右目で読んだ本の情報を脳で処理することができるらしい。なんというか壮大な技術の無駄遣いをしていた。ココアシガレットをくわえている理由は並列処理をやっていると糖分が欲しくなってしまうので直ぐに糖分を補給できるようにくわえているらしい。単純にココアシガレットが好きだからくわえているというのもあるのだろうけど。

 本人にとっては効率のいい読書のつもりなんだろうが周りからしたら頭のおかしいことをしているようにしか見えない。だが驚いたことに何人かのクラスメイトがサーシャさんに近づいて行って会話を始めた。………当の本人は読書をしながら。何を思ったのかサーシャさんがのほほんとした少女にココアシガレットを手渡していた。のほほんとした少女は大喜びでココアシガレットをくわえて席に戻っていった。

 

 「……………疲れてるのかな、私」

 

 なにもしていないのになんだかとても疲れた気がしたので、俺は考えることをやめて素直に眠ることにした。

 

 このあと直ぐになにをやるのかを失念したまま

 

 

 

Side Out

 

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百春Side

 

俺は今目の前の現実を前に酷く動揺していた。なぜなら本来ならいるはずがない人物が居たからだ。………駄目だ。混乱しすぎて考えがまとまらない。ひとまず冷静になるために今までのことを振り返ってみた。

俺の名前は織斑百治。世界最強である織斑千冬の弟であり転生者でもある。この世界に転生する前によくある二次小説よろしく真っ白な部屋に立派な髭を持った神様がいた。そこまでは二次小説ものと変わりがなく、この俺が転生者に選ばれた理由も抽選というのも事前に転生する世界がインフィニット・ストラトスであることもまだ予想ができた。だが、問題は特典の方だ。

 

 

~十六年前転生前の白い部屋にて~

 

「それじゃあ転生する前に特典をお主にやろう」

「特典か………何個もらえるんだ?」

「お主何か勘違いをしておらんか?特典は個数ではなくコスト制じゃよ」

「…………は?」

 

俺は思わず自分の耳を疑った。普通特典というものは個数制じゃないのか!?

 

「ちょっと待ってくれ。そういえば容姿や性別変更とか生まれとかもまだ決めてなかった………まさか!?」

「そのまさかじゃよ。それも特典の中にはいっておるわい」

 

まじかよ、と俺は思わず頭を抱えた。てっきりそういったものは特典の中に入っていないものだと思っていたのだ。

 

「コストは合計三十に収まるのであればいくらでもいい。ただし、生まれや性別変更、容姿は勿論IS適正とか才能も特典じゃからそういったことも吟味して考えるのじゃ」

「…………じゃあ王の財宝(ゲートオブバビロン)とか直死の魔眼とか一方通行(アクセラレーター)とか大嘘憑き(オールフィクション)のコストはどれくらいなんだ?」

「それくらいのチート能力だと百かの」

「習得できねえじゃねえか!」

「あたりまえじゃ。元々一般人でしかないお主がその能力に耐えられるとでも?」

「じゃあIS適正Aはどれくらいなんだよ神様?」

「八」

「結構軽いな。それと能力の劣化はありか?」

「うむ、ありじゃよ。能力の性能でコストも変動する仕組みじゃ」

 

その後俺は一時間くらいかけて考え抜いてなんとか特典を決めた。『内容は織斑家の生まれであること』『IS適正A』『洗脳(劣化)』『イケメン』にした。『洗脳(劣化)』は対象が女性のみで一人につき一回しか洗脳することができず、洗脳内容も無条件で俺に惚れるのみ。最初から強い洗脳はできず、洗脳がかかっている状態で徐々に強くなっていくといった具合だ。さらにこのときは知らなかったのだが回数制限もあるくらいに劣化していた。

 

~現代~

転生した後、俺はインフィニット・ストラトスの主人公になるために沢山努力した。剣術の稽古を必死にこなし、成績も常にトップを張れるように生前よりも沢山勉強をした。この洗脳能力で既に千冬、箒、鈴、蘭は俺の手中にあった。織斑一夏もこの世から消えた。洗脳能力が回数制限付きで後三回しか使えないこと、原作には存在しなかった事件が起きたこと以外は俺の計画通りだった。だが、今目の前に起こっていることが俺の余裕を奪い去っていった。

 

 シャルロット・デュノアが女子(・・)の制服を着て読書をしていた。

 

 (何だ、何が起きていやがる……!?)

 

 本来シャルがIS学園に来るのはクラス対抗戦の後に男装をして入学してくるはずだ。なのに本来の性別でここにいる。それが何を意味しているのかは明白だった。

 

(まさか、この世界はもう俺の知っている"原作"の世界じゃないのか?いや、だが待て。だとしたら誰が原作を歪めた?)

 

そこまで考えた俺はあることを思い出した。それは今から約二年前の黒騎士事件が起きる直後のことだ。

 

(まさかあの女か?だとしたら筋が通る。あいつは俺の洗脳を無効化したみたいだからな)

 

推察をしていたところに教室の奥の方から見知った声が聞こえてきたのでとのひとまずこのことを考えることを後回しにすることにした。

 

(誰が相手だろうと知ったことか。この世界の主人公は俺に変わりないんだから)

 

そう結論づけると今は素直に久しぶりに再会した幼馴染との会話を楽しむことに専念した。

 

心の奥底で出来た不安を見て見ぬふりをしながら




今回は初の百春視点で、彼の目的と特典についてがメインでした。特典をコスト制にしたのは超チート能力でバランス崩壊を阻止するためです。今でもバランスが崩壊しかけてる気がしないでもないですが
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