休み時間に入り、サーシャと俺で会話をしていたときに金髪縦ロールの少女が「ちょっとよろしくて?」と声をかけられた。
「どうしたの?イギリス代表候補のセシリア・オルコットさん」
サーシャがそう返すと「あらっ、私のことをご存知でしたか」と少し驚いていた。
「入学する生徒について少し調べてたからそのときにね」
「成る程」
「オルコットさん、私たちに何か用があったんじゃないの?」
「大した用ではないのですわ。ただ、
「あはは………」
なので見るからにプライドが高そうなこの少女は私達に対してライバル意識のようなものを抱いているのだろうと考えられる。
「これからの学園生活よろしくセシリア・オルコット」
「え、ええ。よろしくお願いしますわエーデルバインさん、音無さん」
「うん、よろしくオルコットさん」
サーシャのあまりに固苦しい挨拶にオルコットさんは苦笑し、俺は思わず頭を抱えた。これでも半年前に比べればまだマシなのだ。半年前はもっと固苦しくて何だか機械のような挨拶だったのだから。
「では、これからエジプト代表のルミエールさんと挨拶してきますわ」
ルミエールという名字はシャルの母親の名字だ。シャルはサーシャさんの名字のエーデルバインという名前を名乗らずに今でも母親の名字を名乗っているのだ。サーシャさん自身もそれを望んでいたようだったのでそれで落ち着いている。
オルコットがシャルの元に向かっていったのを確認するとサーシャは鞄からSDカードを取り出して、誰にも見られないように気を付けながら首のチョーカーに差し込んだ。
「どうしたの?いきなり」
「少しだけセシリア・オルコットのISに興味を持ったから暇潰しにね」
「あぁ、なるほど」
サーシャのISの待機形態がチョーカーであり、さらにISと義眼が無線で繋がっているため、誰にも見られずにデータを閲覧することが出来るのだという。
「便利アイテム過ぎませんかそれ?」
「まぁ確かにそうだけどさ」
サーシャは何ともいえない表情になって何やらぶつぶつと小声で何かを言っていた。耳を済ませてみると「目からビームってなによ」とか「BT兵器の技術を応用したサードアイプロジェクトとかワケワカンナイ」とか色々と義眼に積むような技術ではないことがサーシャの口から漏れていた。
「何というか……苦労してたんですね」
「…………………うん」
疲れたような表情でサーシャは答えた。
そのときだった。
「認めませんわ!!」
とクラス中に響き渡る位の声でオルコットの怒声が響き渡った。何だ何だと声がした方向に顔を向けるとそこには怒りで顔を真っ赤にしたオルコットと不愉快そうな表情をした百春がお互いを睨み合っているという構図が出来上がっていた。