IS~透明だった少女は何を思う~   作:はにゅー

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第4話です。ようやく原作と絡ますことが出来ました。このままじゃ原作と絡ませられないと思ったので、いろいろと省略させてもらいました。ご了承ください。


第4話

~3年後のドイツ市街地~

 

こんにちは、サーシャよ。え?いきなり時間飛ばしすぎだろって?仕方ないじゃない。飛んでしまったものは。あのあとは特に記述するまでもなく敵ISを一網打尽にしてやったわ。戦況を一気に盛り返したことを考慮されてたっぷり報酬をもらったしね。その報酬でフランスに家を買って戸籍も取ったわ。私たちが乗ってきたタイムマシンは見つからないように細工をしてそのまま無人島に置いてきた。流石にフランスにあんなデカブツを持っていくわけにもいかないからね。それと、この時代に来た目的である織斑千秋の討伐だけどまだ奴の情報すら掴めていない。3年間も何をやっていたんだと言われると思うけど、自分たちの地盤を確保することに必死でそれどころじゃなかったし、なにより全くと言っていいほど情報が集まらなかったのよね。まったく逃げ隠れすることに関しても一流ね。そして今私たちの現状は

 

「サーシャさん、目標ブラボーが動き始めました。会場の外のトイレに向かっているようです。仕掛けるのは今です。」

 

「了解。目標の護衛の始末は任せたわよ。」

 

「了解。」

 

誘拐の任務の真っ最中よ。今ドイツで行われている第2回モンド・グロッソの決勝戦に出場する日本人選手の弟を誘拐して欲しいというね。ここまで言えば分かると思うけど、その目標というのが織斑千秋の血族であり、世界で初めてISを動かした男で有名な織斑一夏だ。なんだけど、ここでかなりおかしなことが起こっている。本来の歴史では織斑千冬の弟は一人だけのはず。だが現実は二人いることになっている。名前は織斑百春。最初は織斑千秋だと思って調査をしてみて、百春の髪でDNA鑑定までしてみたが、結果は別人だった。つまり、どういうことなのかはまだわからないけど、私たちの知らないところで私が知っている歴史がどんどん変わっていっているということだ。

…………頭が痛い。どうしてこうなった。そもそもここは本当に私たちがいた世界の過去なのか?事故って別の世界線に紛れ込んだとかじゃないわよね。訳も分からないまま漂流していたなんてことになったら、本当に私たち元の時代に帰れるのか不安になってきたな。

 

「目標、会場の外のトイレに入りました!」

 

インカムからエフィの声をきいてハッとして直ぐにトイレに向かうことにした。

 

そうよね。今考えていたって仕方ないし、今は目の前のことを考えないと……………!

 

織斑一夏が入っているトイレに入って、直ぐに隠し持っていたスタンガンを織斑一夏に押し当てて、声を出せないように口をハンカチで抑えた。相手が気絶するのを確認し、GPSなど位置を特定するようなものがないかを確認した。ドイツ製の携帯か……………発信機がありそうだからトイレの用具入れに隠しときますか。それ以外にもいろいろと発信機らしきものが見つかったため、全部トイレの用具入れに隠した。次に、対象の手足をガムテープで縛り、口に猿轡をさせ、事前に用意した人がはいれそうなくらいの大きさのキャリーケースに突っ込みトイレから出て、エフィに電話をした。

 

「こちらフォックス1、子ウサギを籠にいれた。」

 

「こちらフォックス2、親ウサギを野に帰した。」

 

「こちらハンター、了解。子ウサギを飼育小屋に入れてくれ。」

 

私がフォックス1、エフィがフォックス2、依頼主がハンターよ。さてエフィも仕事を終えたようだし、指示も出たから監視カメラに気をつけながら集合地点に移動しようとするか。

 

 

 

 

~ドイツ倉庫地帯~

 

 

「これが約束のものよ」

 

私はキャリーケースから織斑一夏を取り出して柱にくくりつけた。くくりつけている途中にうめき声がしたから、意識は戻っているようね。

 

「ありがとう、報酬の金だ」

 

と、依頼主の男は金の入ったケースをこちらに渡してきた。そのケースをエフィに投げ渡して契約通りの金は入っているかどうか確かめさせている途中に男がおもむろに倉庫に置いてあったテレビに電源をつけた。男の計画では、織斑千冬の弟をさらい脅すことで途中棄権させようという目論見だったらしい。実際の歴史でも同じようなことが起き、織斑千冬は途中棄権をしている。だが今の時代にはいるはずのない二人目の弟がいる。だから、ひと手間かけてもう一人の方も私たち以外の人物にさらってもらっているらしい。さっきあの男が電話して満足そうな笑みを浮かべていたから多分成功したんだと思う。さて、どうなるか…………

 

 

結果は私の知っている通り、織斑千冬の途中棄権。ここまでは当たっているが、通信を傍受している限り捜索願いが出ているのは弟の方の百春だけで兄の一夏の方は出ていなかった。

 

私がそのことを一夏に伝えた時、一夏はただ悲しそうに泣いてはいたが、まるでこうなることが分かっていたかのような奇妙な表情を浮かべていた。私はなんとなくそんな表情を浮かべている少年に興味を持ち思わず依頼主に

 

「この少年はあなたにとってもう用済みですか?」

 

と質問していた。そのとき少年の肩がビクッとなった。依頼主の男はふむと考え

 

「たしかに用済みだな。家族からも捨てられたみたいだし、別に生かしておく意味もない。」

 

と私に告げた。

 

「それならこの少年、私がもらっても構わないでしょうか?」

 

そのときの少年が浮かべた驚愕と困惑と歓喜と安堵が混ざり合った表情を私は一生忘れられないと思う。




察しのいい読者は百春の正体が分かっているかもしれませんね。
前話でサーシャが未来の兵器を積極的に使おうとしなかったのは補給できないからと、
3年前まではエネルギー兵器が存在しなかったため、目立たないようにしていたためです。まあ、粒子ばらまいていたから相当目立っていたとおもいますが。
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