批判殺到しそうで戦々恐々しております。特に彼女関係は特に・・・・(ガクブル)
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C.E.71 5月2日
アラスカの防空圏内に逃げ込んだアークエンジェル。沈んだ気持ちのカズイにキラを探していたフレイが詰め寄る
「・・・・・え・・・?」
「だから、MIA。戦闘中行方不明。軍では、未確認の戦死の事」
「キラは!?」
「キラ・ヤマト少尉も、トール・ケーニヒ 二等兵も、生きているか死んでいるか不明なんだ、フレイ・アルスター 二等兵。」
カズイの肩を掴んだフレイ。そんな彼女の手を、オーブに戻るタイミングを失い、そのままアラスカに同行する事になったスバルが掴む。
他軍とはいえ、士官である彼が嘘をつく理由もなく、フレイはその言葉が嘘でないと理解し、キラに謝る機会を失ったのだと理解する。
「私、キラに謝りたかったのに・・・・」
「・・・・・ケーニヒ 二等兵とキラ少尉を失ったのには、あの作戦を立て、指揮していた俺にも少なからず責任がある」
涙を流すフレイ。スバルもキラの友人達から彼とフレイの複雑な関係は聞いており、申し訳なさそうにする。
「だが、MIAでも僅かながら希望はある。少なくとも、KIAではない。生きている可能性は高いはずだ」
「・・・・え?」
彼の言葉に涙混じりにフレイも、その場から離れようとしたカズイもスバルに目を向ける。
「シグナルロスト直前、ストライクのエネルギーはまだ余裕があったのに対し、イージスはエネルギーに余裕はなかったはずだ。スキュラの二連射も行ったみたいだし、執拗なまでにアークエンジェルに攻撃をしていたようだからな。そして同時にシグナルロストした事から鑑みて、恐らくだがイージスは組み付いてからの機密隠滅用の自爆機能を用いたのだろう、と俺は考えている。ストライクには実体系の攻撃に対して破格の防御性を発揮するPS装甲がある。ここまでくれば、俺が生きている可能性が高いといった理由が分かるな?」
「つまり、少なくともPS装甲が自爆の衝撃を軽減した、って事ですか?そんな無茶な・・・・」
スバルの言葉に、フレイは瞳を輝かせたが、カズイは少し呆れながら下を向く。
「CICに残されていた戦闘ログ、俺が知りうる303のパイロットの性格等から導き出した予測、それからモルゲンレーテで見聞きしたPS装甲やXナンバーの性能等々・・・。何もデタラメを言っているわけではない。信じる信じないは個人の自由だがな」
「・・・・」
スバルの言葉に、カズイは俯いたまま逃げるようにその場を去り、フレイは先ほどとは違い、何かを決意したような表情でスバルに頭を下げ、その場を後にするのであった。
一方、感情を押し殺したナタルに指示を出されたサイ・アーガイルは二つの箱を手に、居住区にやってきていた。
そこで彼は塞ぎ込んでいるミリアリア・ハウを発見。サイは遺品整理用の箱を隠しつつ食事に連れ出す。
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「何時までほっとくつもりだったんだよ!・・・・クソッタレ!スバルてめぇ、よくも裏切りやがったな!」
「静かに歩けディアッカ・エルスマン。それと、何度も言わせるな。俺は貴様の言う"スバル・クロムハーツ"は既に死んだと言ったはずだ。オーブ軍所属の"スバル・クロガネ"三佐だ。それに捜索もせずにMIAと認定したヤツが何を言うのか」
「あれ・・・・」
「バスターのパイロットだよ。かなり無理言ってクロガネ三佐に護送してもらってるんだ」
通路に出たサイとミリアリア。すると前方から拘束されたディアッカがサブマシンガンを持つスバルに連れられて歩いてきた。唖然とするミリアリアにノイマンが説明する。
「なに?この艦(ふね)女の子も居るの?たく、泣いてんじゃねぇよ。・・・・・泣きたいのはこっちだぜ全く・・・・」
「黙って歩けエルスマン。・・・・・二度目はない。いくら捕虜への暴行が禁止されてるとは言え、人の感情は抑えられるモノではないからな」
俯くミリアリアを見たディアッカが茶化すように侮蔑する。サイが憤りを見せるが、それより先に感情を感じられない、しかし刺すような殺気と共にディアッカの頭に銃が突きつけられる。
ミリアリアの刺すような視線を受けつつ、ディアッカは連れて行かれるのだった。
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C.E.71 5月4日 アラスカ
アークエンジェル内士官室
「スバル、アナタまで艦内待機を強要されていると?」
「ああ。あらゆる通信も禁止されている。一応、オーブに戻ったらウズミ様に報告、行政府から抗議を行ってもらう予定だ」
アラスカに到着したアークエンジェルだったが、到着して2日経過してもなお艦内待機が厳命されていた。他軍の士官であるスバルにすらそれは強要されており、スバルは何かの悪意を感じざるを得なかった。
やれる事と言えば傷が癒えてきたニコルを、マリューの好意であてがわれた部屋に移し、そこでとめどない話しをする程度。
「ディアッカは・・・・」
「少しばかり機体をボコボコにし過ぎたらしくてな。現在はここの真正面の部屋で安静中だ。アークエンジェル側も忙しいらしくてな。俺はまあ、その監視を頼まれてるんだ。完璧に縛っているし、アイツもそんな状況ではな・・・・」
「なら僕は顔を見せない方が良さそうですね。彼らの中では僕は死人でしょうし」
「ニコル・・・・」
「何をしてるんだミリアリア!!」
ニコルに話すスバルだったが、唐突に何かが倒れる音と、焦ったようなサイの声がドア越しに聞こえ、ニコルと思わず顔を見合わせる。
「おい何事・・・・」
「ダメェ!」
ニコルが姿を見せないように隠れたのを確認し、スバルがドアを開けた瞬間響く発砲音。思わず腰のホルスターに納められている拳銃に手を伸ばしたスバルの前に、涙混じりのフレイ、ミリアリアの二人が倒れ込んでくる。
「アーガイル二等兵、その拳銃にセーフティーを掛けて持っておけ!セーフティーの掛け方くらいは学んでいるだろう!?」
「あ、は、はい!」
額から血を流し、ベッドに寄りかかるディアッカを見たスバルは、とりあえず現状を収束させるため、越権行為だと理解しつつ指示を出す。サイもスバルが言わんとする事を理解し、慎重にディアッカを見ながら拳銃を確保。その間、スバルがディアッカに銃を向けており、拳銃を確保したのを見てからサイに頷く。それを確認したサイは銃にセーフティーを掛け、右手に持つ。
「おい何だ!この騒ぎは!」
そして漸く近くにいたアークエンジェルクルーのロメオ・パルが同僚を伴ってやってくる。スバルが説明し、マリューに話しをするように頼むと、パルは頷き、同僚に指示を出す。
パルから頼まれて共に医務室からディアッカを護送、その時にパルがサイにミリアリアとフレイの事を指示したため、護送を終えたスバルはまず、マリューを探し、艦内を移動する。(ちなみにパルにそのままニコルの監視も形だけとはいえ頼んだ)
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「何か用か?クロガネ三佐。・・・・・その、わざわざ上層部へ説明をしてもらうために同行していただいたアナタにまで艦内待機を強要する事になって申し訳ないと思う」
「気にすることはないさ。これもアナタがいう規律だからな」
「聞いてらしたのですか・・・・」
マリューらに会ったスバルは事情を説明し、彼女の許可をもらう。その後、彼は少しだけ話がしたいとナタルを呼び止める。
ナタルもスバルには申し訳ないと思っているのか謝罪するが、それをスバルは少し皮肉気味に返す。
先程のマリューとの会話が聞かれていたのを理解したナタルは、少し俯く。
「貴官の言いたい事はまあ、理解できる。ザフトにはない制度だからな。・・・・・だが・・・」
「何か?」
「貴官の持論でいけば・・・・兵士は別に、人間でなくとも良い。極論を言うなら、機械が担っても良い、と言うことにならないか?」
「それは・・・・!」
皮肉気味な笑みを浮かべたスバルに自分の持論を突かれ言葉に困るナタル。
「貴官らにとっては敵軍であるザフトの指揮官、アンドリュー・バルトフェルド隊長の指揮くらいしか見たことがなく、今も他軍でしかない上に若造な私がどうこう言うべきではないのだろうがね、少し考え直す事を勧めるよ」
「アナタは!・・・・アナタはラミアス艦長の方が正しいと・・・!?」
「"正しい"とか、"間違ってる"ってのは問題じゃない、人には理性等も問われるモノだし、艦長とは責任も重たいものだと思う。しかし"機械"ではなく"人間"が"艦長や兵士"を勤める理由は必ずあるだろうと俺は考えている。それに対して自分なりの答えを持てたのならばアナタはラミアス艦長が言うとおり、きっと良い艦長になれるさ」
スバルの言葉にナタルは顔を上げる。そこには、実際は自分より若いはずなのに、自分より年上に見える男性士官が立っていた。
その眼差しを真っ直ぐ見れず、ナタルは視線を逸らす。
「なに、これは答えは一つではないし、人によって違うものだからな。自分だけの答えが見つかれば良いと思う」
「艦長や兵士が、機械でなく、人である理由、ですか・・・・」
考え込むナタル。そんな彼女にスバルは話題転換という感じに話しかける
「ああ、それと、一つ聞いてみたいことがあったんだ。これは俺、個人の事だから、まあ、気楽に答えて欲しい」
「何でしょう。私で答えられる事ならば」
ナタルもスバルの個人的な質問が気になったのか、意識を切り替える。
「あの時知っただろうが、俺には両親と呼べる存在がいない。家族と呼べるのも、MIA判定が出されたキラだけだ。知ったのもあの時だったしな。だからかね・・・・俺は"愛"ってヤツが全く理解できない。友人や恩人を大切に思ったりする事はできても、俺は人を、他人を愛おしく思うことができないんだ」
「それは・・・・」
「なあ、人を愛したり、人に愛されるのって、どういう事なんだ?どういう気持ちなんだ?これだけは、バルトフェルド隊長達も教えてはくれなかったんだ」
スバルの独白じみた問いに、ナタルは言葉を失う。スバルの表情はとても悲しそうで、ナタルは彼には喜怒哀楽の感情はあっても"愛"だけが欠けていることを理解する。
「その問いに対する明確な答えを、私は持ち合わせてはいません。それは、自身が気付き、育むものだと私は思います」
「・・・・・そうか」
ナタルが苦しそうな表情で告げた言葉に、スバルはやはり悲しそうに答える。
「悪いな。変な事聞いちまって。・・・・探せたら、探してみるよ」
「・・・・・見つけられると、良いですね。アナタは人に優しいですから、必ず見つけられると思いますよ」
スバルに笑みを向けるナタル。そんな彼女は背を向けて歩いてゆく彼に思わず声をかける。
「参考程度ですが"愛"には様々な形があります。ですので、すぐ、見つかりますよ。アナタならきっと」
「・・・・・アドバイス、ありがとうバジルール中尉」
一度振り返り、笑みを浮かべるスバル。一人立つナタルは壁に背を預け、見惚れてしまったその笑みの余韻を冷まそうと試みるのであった。
と、言うわけでフレイの心の変化、スバルに足りないもの、ナタルの変化でした。
フレイは最初キラを利用するつもりで接近したのに、いつの間にか本気でキラを理解しようとし、さらに愛し始めていたんですよね。ゆえに彼女にも救いの道を差し伸べてみました。
スバルは今まで独りで生きてきた為、"人を愛したり愛(いと)おしく思うことがどういう事か理解できていない"事が発覚しました。この辺りは執筆開始当初から決めていた事です。
ナタルさんにも変化が生まれました。軍人として上官の事に従い、規律を重視する彼女に"機械ではなく人が兵士や艦長を勤める理由"を話題として提供しておきました。これは後のヤツらに対する布石です。
あ、ナタルさんはヒロインじゃありませんよ?ナタルさんのお相手はとあるゲームの影響もあって、私はノイマンさんだと思ってますので
今回はかなり賛否両論がありそうな回の一つだと思っております。ですがこれが私の紡ぐ物語ですので、今暫くお付き合いください(ダイナミック土下座)
あ、それとスバルが此処まで正確にキラとアスランの戦闘を予測出来たのは彼の培った豊富な経験や心理解析等が理由です。別枠の外伝にある彼の経歴を見れば分かりますが、アスラン達よりも豊富な戦闘経験の持ち主ですので、あれだけ濃い経験をしたが故の分析力と思ってください。
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2015/10/24 誤字修正
2017/4/10 階級に関する勘違いを修正