機動戦士ガンダムSEED Urd   作:めーりん

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今回からかなり難産が続くので、更新が更に不定期になると思います


PHASE-15

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C.E.71 5月15日、地球軍本部アラスカ基地から脱出に成功したアークエンジェルは、亡命を希望する同じくアラスカから脱出した地球軍の残存艦隊と共にオーブに向かい、帰還を果たしたスバル・クロガネが行政府に自らの命を懸けて交渉。その結果、オーブ行政府は、様々な条件をアークエンジェル、亡命希望者に課すことと引き換えに受け入れを行うことにする。

 

命を懸けて交渉したスバル・クロガネも、彼らの手伝いや、情報の整理などを行うことを表向きの条件に軍籍剥奪される事はなかった。

 

(これは彼の持つ才能や実力を失うことを恐れたカガリやエリカ・シモンズが直訴した為でもある)

 

‡‡‡‡‡‡

 

 

C.E.71 5月25日

 

オーブ領 オノゴロ島 モルゲンレーテ社ドック

 

アークエンジェル、食堂

 

「全く・・・・。お前の連れてきた大量の亡命希望者と、逃亡艦になったアークエンジェル・・・・あの時はかなり大忙しだったんだぞ?分かっているのか?んン?」

 

「ええ、いや、まあ・・・・その・・・・」

 

オノゴロ島、モルゲンレーテ社のドックにて現在、修理や補給等を行っているアークエンジェルの食堂で数人の男女が会話をしていた・・・・・と、言うよりは一人の少女が、目の前に(やり方教えて強制的に)正座させた青年に一方的に話しかけている、と言うのが正しいのかもしれないが。

 

 

 

「ねえ、ミリアリアさん。あの人が本当に、オーブ代表首長国の前代表首長のウズミ・ナラ・アスハ様の娘なの?ちょっと予想と違うというか何というか・・・・・。あの時はスバルに出会い頭早々、ラリアット当てた挙げ句、後で覚悟しろって告げて去って行きましたし・・・・」

 

「言いたいことは分かるけど、本物。それよりも、アイツに生きてるって教えなくて良かったの?」

 

「ええ。彼が気付くまで黙ってようかと思います」

 

「こらそこの二人!聞こえているぞ!」

 

正座させたスバルに腕を組みながら見下ろしていたカガリが、振り向きながら近くで小声で話していた二人を指差す。指されたニコルとミリアリアの二人が首を竦める。

 

「・・・・・現在の情勢はどのような事に?」

 

「露骨に話題を逸らそうと・・・・・まあいいか。現状分かっているのは二つだ。まずはアラスカ本部壊滅に関してだな。これはZAFTが新型の大型破壊兵器を使用した事によって壊滅した、と言うのが大西洋連邦の公式発表だ。とはいえ、ユーラシアとアジア共和国は不快の意を示している」

 

「でしょうね。・・・・・茶番にも程がある。本部上層部は全員、脱出していたのでしょうし」

 

スバルの質問に、カガリはやや呆れ気味に答える。その内容にスバルだけでなく、真実を知るミリアリアとニコルも不快そうな表情になる。

 

 

 

「もう一つはパナマ基地に関してだ。どうやらZAFTはこの基地を攻略しようと戦力を集めているらしい。これはZAFT地上軍の数が減ってしまい、プラント本国の安全を確保するのが目的らしい。地球軍も噂では新型MSを開発、量産しているらしいな」

 

 

「ついに地球軍もMSを開発した、か・・・」

 

「ああ。お前が見聞きしたアラスカでの報告を受け、現在行政府では連日話し合いが続いている。私が今日、来たのもその関係だ」

 

カガリが告げたもう一つの情報。それにスバルは顎に手を当てて考え込む。そんな彼にカガリは持ってきていたファイルを差し出す。

 

 

「これは・・・・」

 

 

「お前がアラスカに向かう間際にエリカに渡したデータを元に調整をしたM1アストレイのカタログスペックだ。現在はあくまで先行量産型、と言う位置づけだが・・・・・操縦性、整備性、どれをとっても高水準に纏めることができた。若干、量産性は落ちてしまったが、パイロットの生存性もある程度高くはなったからな。調整に付き合ってくれた傭兵も、このM1には太鼓判を押していたそうだ。よって先行量産した機体による最終調整等が終わり次第、M1の量産はこの仕様で行くことが決定された」

 

「そうですか・・・・」

 

ファイルを確認するスバルに笑みを向けるカガリ。その様子を見て意外そうにミリアリアが問いかける。

 

「スバルさんってそこまでハイスペックだったの?」

 

「ボクもスバルにそんな才があっただなんて初めて知りましたよ」

 

 

「あー・・・・まあ、バルトフェルド隊に配属される前、色々あったからな」

 

ミリアリアやニコルの質問に、言葉を濁すスバル。その時、食堂に三人の少女達が入ってくる

 

「カガリ様!・・・あ、スバル三佐も!」

 

「パナマ基地が壊滅したって速報が!」

 

「マスドライバー施設"ポルタ・パナマ"もZAFT軍の新型兵器で破壊されたとの知らせが入りました」

 

 

入ってきたのはM1アストレイのテストパイロットだった少女"アサギ・コードウェル"、"マユラ・ラバッツ"、"ジュリ・ウー・ニェン"の三名であった。三名からもたらされた情報に、カガリもスバルも目を見開く。

 

「・・・・・カガリ様、一度行政府へ。地球軍の動きが気になります。私は一介の軍人に過ぎませんが・・・・・」

 

「皆まで言わなくても分かっている。お父様に進言して動向を探って貰うさ」

 

「お願いします。アサギ、マユラ、ジュリ。お前たちは訓練を続けておけ」

 

「あ、はい!」

 

 

「分かりました!」

 

スバルがアサギ達に指示を出し、カガリに進言する。カガリも、彼の言いたいことは理解できるため、頷くと即座に行動を開始する。

 

オーブはスバルがアラスカで見聞きした地球軍上層部の態度等や、"ポルタ・パナマ崩壊後の連合軍の動きを注視すべき"とのカガリの進言もあり、連合軍(と、言うよりは大西洋連邦)の動向に注視する事になるのであった。

 

‡‡‡‡‡‡

 

C.E.71 6月1日、地球連合軍は中立を保つ国々へメディアを通じて"ワン・アース"アピールを行う。しかし水面下で行われたのは、恐喝紛いの連合への加入要求であった。

 

‡‡‡‡‡‡

 

C.E.71 6月13日、ワンアースアピール前に地球連合軍首脳会議にてユーラシアやアジア共和国の反対があったにも関わらず、大西洋連邦の艦隊がオーブに向けて南下を開始する。更にオーブに対してアスハ代表の即時解任、行政府の即時解散、武装放棄、モルゲンレーテ社の情報開示等が通達される。回答には48時間の猶予を与える、とだけ通達される。

 

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C.E.71 6月14日

 

オノゴロ島ドック内

 

 

「ところでオーブの決定はどうなったのですか?」

 

「戦闘は避けられぬモノとして既に市街地や軍関係施設近辺から避難勧告が出されている。アークエンジェルは回答期限の明日〇九〇〇より行われるであろう戦闘に参加するそうだ。俺も出る事になるだろう・・・・俺は、オーブ軍の三佐だからな。だが、ニコル、今ならまだ間に合うからお前はアークエンジェルを降りてオーブ政府の指示に従って退避しろ」

 

 

 

「ッ・・・・!」

 

ニコルの疑問に、スバルが答える。そして告げられた内容に彼は思わず立ち上がる。そんなニコルに彼は鋭い視線を向ける。

 

「お前はアークエンジェルのクルーでもなければ、オーブの軍人でもない一般人なんだ!アラスカでは人手不足等で手伝ったのかもしれないが、これ以上お前を巻き込むわけにはいかない!」

 

「スバル・・・・・」

 

カラーコンタクトを外した彼はニコルの肩を掴み、目を見据えて告げる。初めて見た彼の本当の瞳と、真剣な眼差しにニコルは言葉を失う。

 

「既に知っているだろうが、ディアッカのヤツも解放された。ニコル、会いたければ会え。プラントに行きたいなら行け。プラントへのパスポートは用意してお前のカバンに入れておいた。・・・・ピアノを引いているそうだな。・・・・・まあ、アスランに教えてもらったんだが、それを聞いて確信した。優しいお前には、軍で拳銃やモビルスーツのスロットを掴むより、ピアノの方が似合う。それにお前には家族だっているんだろう?」

 

 

「スバル・・・・。僕が女の子なら、君に惚れてたかもしれませんね。今の、どう聞いても口説いているようにしか聞こえませんでしたよ?」

 

「あ・・・・。すまん、俺はそんなつもりは・・・・!」

 

「良いんです。君の気持ちは分かっていますから」

 

「確信した。お前、やっぱり天然のタラしだ。お前の周囲に女の影が見えないのが不思議なくらいだ」

 

スバルとニコルの会話を聞いて用事があったらしく駆け寄ってきたカガリが呆れ混じりに呟く。その言い分に、ニコルは思わず苦笑いを浮かべる。

 

「・・・・分かりました。僕は、オーブ政府の指示に従い、避難します。スバル、無事、生き延びてください。そして終戦を迎えたらまた、連絡をくださいね」

 

 

スバルの手を掴み、ニコルは寂しさを隠すように告げる。彼が頷いた事を見ると、ニコルは食堂を後にする。

 

 

「そういえばスバル。お前がエリカに依頼していた機体、完成したそうだぞ?なんか没案になった方も完成させたみたいだけど。1号機はハンガーに搬入したそうだが、2号機はまだ調整が終わってないからバスターと同じ場所に置いてあるってさ」

 

「最悪、バスター共々破壊・・・・か。何番ハンガーですか?破壊するならせめて私の手で破壊したいので」

 

「Dの13番ハンガーだ。カグヤの近くだな」

 

食堂を去る間際、ニコルの耳にはそんな言葉が届くのであった。

 




更新が遅れるという理由

①原作のクライン派のアレコレ

②MSVやアストレイシリーズとの兼ね合い
(特にアストレイシリーズ)

③DESTINYの再考
(特にDESTINYは批評が多いですからね)

④DESTINYの主人公"シン・アスカ"の扱いについて再考
(救いの手はある方が良いのか?等々)

これらについてプロットから見直したりするので、更新が不定期になるかと思います。また、アドバイスなどがあれば感想に書いていただければ励みになります。


8/30 カガリの台詞を一部添削
2017/4/10 階級に関する勘違いを修正
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