機動戦士ガンダムSEED Urd   作:めーりん

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PHASEー18

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C.E.71 6月16日 13:30 オーブ最終防衛ライン

 

オーブ政府からの会談申請を無視した大西洋連邦は、秘密裏に開発していた、ストライクを始めとしたGATシリーズの後継機を先行して投入、最重要目標のモルゲンレーテとマスドライバー施設"カグヤ"の制圧を目論む。

 

オーブ側も、時間を稼ぐ必要があるため、少数精鋭部隊を迎撃のために展開、迎え撃つ。スバル・クロガネが搭乗する試製一号機、キラ・ヤマトが託されたフリーダム、ムウ・ラ・フラガが受け継いだストライクを前衛に配置し、後衛として離れた位置にアサギ・コードウェル、ジュリ・ウー・ニェン、マユラ・ラバッツの三人がM1アストレイで狙撃支援を行う体勢を整えていた。

 

「やはり、先行してきたか・・・・・・」

 

「読みが大当りだな。やっぱり連中にとって、ここで戦力を消費するのは本意じゃねえって事か」

 

「初戦で大打撃を被ったみたいですからね」

 

先行する新型をレーダーで捉えたスバルが小さく呟く。ムウもやや呆れながらも同意し、キラもまた、建物の陰に機体を隠しておく。

 

「接近中の機影を確認。敵は三機、砲撃機らしき機体は飛行型が運搬してますね。それをカバーするように盾持ちらしき機体が飛行してます」

 

「なら狙いは砲撃機だ。アサギ、ジュリ、マユラはタイミングを合わせて砲撃機を狙撃。チャンスを見逃すなよ?キラ、ムウさんは俺と共に残り二機を抑えつつ砲撃機の注意を引き付ける」

 

「了解です」

 

「あいよ」

 

「うん」

 

ジュリからの報告を受け、手早く作戦を伝えるスバル。各々の返事を聞きつつ、スバルの試製一号機の左手が保持する350mmレールバズーカ"ゲイボルグ"から弾頭が電磁加速により撃ち出される。

 

「ちぃ!」

 

「何、敵?」

 

「敵なら滅殺!」

 

突然の攻撃に、新型に"搭載"されている生体CPUたるオルガ・サブナックは自機のカラミティの右肩にゲイボルグを受けバランスを崩し、フォビドゥンを駆るシャニ・アンドラスは獲物を見据えたのか小さく笑みを浮かべ、レイダーを駆るクロト・ブエルは上に乗っているカラミティを埠頭に落としつつ頭部100mmエネルギー砲"ツォーン"を試製一号機にぶっぱなす。

 

「食いついた!キラは二枚盾を頼む!ムウさんはキラと俺のカバーを頼む!」

 

「あいよ!」

 

「任せて!」

 

ツォーンを回避しつつ右手の高エネルギービームライフルでレイダーに牽制を行い、砲撃を行おうとしていたカラミティにも牽制としてゲイボルグを再度放つ。キラもフリーダムを操り、フォビドゥンにルプスビームライフルを放ちつつ空中戦に移行する。僚機のカバーに入るべく移動を開始したムウのストライクは、従来のストライカーパックではなくM1アストレイの便宜上は隊長機仕様とされている砲撃戦パック"遠雷"を装備していた。これはランチャーストライカーの対応性にムウが不安を抱いたため、ある程度の近接能力も確保してある"遠雷"を暫定的に装備していたのである。

 

‡‡‡‡‡

 

「無視しやがって、滅殺!」

 

「仲間が居てもお構いなしか。キラ、ムウさん、注意を」

 

「お前!お前!お前ぇぇぇ!」

 

「滅茶苦茶だなこりゃ」

 

クロトのレイダーがMA形態から変形し、右手の破砕球"ミョルニル"を投げつける。スバルの試製一号機がミョルニルの破砕球の部分にゲイボルグを叩き込んで、勢いを殺しつつ、右肩に装備しているシールドを斜めに構えて弾いた結果、偶然とはいえキラのフリーダムが連射するルプスビームライフルとムウのストライクが放つビームライフルを悠々と特殊兵装"ゲシュマイディッヒ・パンツァー"で逸らしていたシャニのフォビドゥンに不意打ち気味に直撃する。すると頭に血が上ったシャニがキラのフリーダム、ムウのストライクと共にクロトのレイダー、オルガのカラミティを捲き込みかねない軌道で誘導プラズマ砲"フレスベルグ"を連発する。これには流石のムウも呆れてしまう。

 

「シャニてめぇ!」

 

「マユラ!ジュリ!」

 

オルガも味方からの砲撃には流石に頭に血が上ったのか、執拗に狙っていたはずの試製一号機から目を離し、フォビドゥンに背面の125mm二連装高エネルギー長射程ビーム砲"シュラーク"と胸部の580mm複列位相エネルギー砲"スキュラ"、115mm二連装衝角砲"ケーファー・ツヴァイ"を一斉射する。その隙をスバルから前もって指示を受け、ひたすら待ち続けていたアサギが見逃す筈もなく、マユラ、ジュリのM1と合わせて71式甲弐型ビームスナイパーライフルを発射、シャニのフォビドゥンに気をとられていたオルガは避ける間もなく、コクピットを撃ち抜かれるのであった。

 

‡‡‡‡‡‡‡

 

大西洋連邦オーブ攻略部隊旗艦にて戦線の行方を見守っていたアズラエル達であったが、CICからの報告に、唖然とする。

 

「もう一度、報告を」

 

「はっ。GAT-X131"カラミティ"のシグナルがロスト。GAT-X252"フォビドゥン"ならびにGAT-X370"レイダー"もエネルギーが限界です」

 

旗艦の艦長も、頭を押さえながら黙りこんでしまう。アズラエルも、予想の範疇外なこの結果に、両手で頭を抱え込む。

 

「また、モルゲンレーテに密かに潜入させた特殊部隊からも連絡が途絶えています。つい先程、モルゲンレーテ本社で小規模の爆発があったことも、確認されております。」

 

「あぁいつらぁ・・・・・!」

 

「こちらの目論見を悉く潰すつもりでしょうな」

 

「失礼します!上空に所属不明の機体が!更にオーブ側に不明機1!他にもGAT-X103"バスター"を確認!」

 

「あ"あ"あ"あ"!」

 

「アズラエル理事!?いかん。鎮静剤持ってこい!フォビドゥン、レイダーに撤退信号!全艦に通達!オーブ近海から離脱する!」

 

次々押し寄せる報告に、ついにアズラエルの中から"ナニカ"が切れる。慌てた旗艦の艦長が、発狂したアズラエルの両腕を押さえ込みながら矢継ぎ早に指示を出す。

 

唖然としていた将兵達だったが、旗艦の脇に砲撃が着弾した為、大慌てで行動を開始する。旗艦から撤退信号が打ち上げられ、全艦が慌てて回頭を行い、スモークを打ち上げる。

 

「"フォビドゥン"ならびに"レイダー"帰還確認!」

 

「全艦最大船速!」

 

右腕を失っているフォビドゥンと、左脚部を失っているレイダーが帰投したのを確認。こうして大西洋連邦の部隊はあっという間にオーブから離れて行くのだった。

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