機動戦士ガンダムSEED Urd   作:めーりん

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ここから大幅に原作から乖離して行きます



PHASE-20

C.E 71 6/27 アメノミハシラ会議室

 

アサギ・コードウェル、マユラ・ラバッツ、ジュリ・ウー・ニェンの三人の手を借りたスバル・クロガネに促されるように、両手を拘束されたアスラン・ザラとディアッカ・エルスマン、ニコル・アマルフィらが会議室に入室する。

 

先の第二次オーブ防衛戦の折にディアッカはモルゲンレーテに回収されていたバスターを、ニコルは壊れたハンガー内にあった試製二号機を駆り、オーブ側の支援を行っており、オーブ脱出時にはスバルの指示に従って機体を素直にアークエンジェルに運び、機体から降りた際には機密保持の為に拘束こそされたが、捕虜と言うよりは手を貸した一般市民のような扱いで事情聴取を受けていた。

 

その際、ニコルはオーブへの亡命と移民を希望、ディアッカも、今次大戦が終わるまではオーブへの亡命を希望しており、それらの処理を待つ身であった。

 

一方で、第二次オーブ防衛戦の折にフリーダム破壊という使命があると宣言し、戦場に乱入。何故かその割にはキラの操るフリーダムを援護をするという奇行をしたアスランは、オーブを脱出する際にスバルからの秘匿通信を受けたキラに誘導され、アークエンジェル格納庫内で待ち構えていたアサギらのM1アストレイに機体を取り押さえられた挙句、スバルにコクピットから引きずり降ろされて今の今までキラ監視の元、部屋に拘束と軟禁をされていたのだった。

 

「さて、まずはニコル・アマルフィの亡命と移民に関してだが、我がオーブ連合首長国はこれを快諾することにした。ある程度の調整は必要ではあるが、これよりオーブ国民として扱う事とする。次に一時的な亡命を希望するディアッカ・エルスマンの方も、我がオーブは問題が無いことをここに告げておく。それを前提に貴君らのこれからの希望を聞いておこうか」

 

ミナ・サハクに書類を手渡したウズミが小さく頷く。ニコルとディアッカは一度視線を合わせると、お互いに頷く。

 

「ボクは、スバルの手助けがしたい、その一心であの時動いていました。ディアッカに聞いた限り、プラントでボクは戦死扱いとされている可能性が高いので、スバル同様名前を変えてオーブ軍に入隊できれば、と思います」

 

「私はあの時はただただ避難民を助けたい、という一心でバスターに乗りました。それに、プラント側のタカ派であるザラ派寄りの父を持つので、多少なりはこの戦争に責任があると思っています。ですので、この戦争を終わらせる手伝いをさせてください」

 

ニコルとディアッカが自分の希望を述べる。それを聞いていたアスランは、自分のあまりの不甲斐なさに俯くしかできずにいる。そんな三人を見て、ミナ・サハクは自分が集めた情報を開示して行くことを決めるのだった。

 

「貴公らの希望は理解した。我らオーブもこの戦いの終結に向けて動くつもりであるため、その力を貸して欲しい。さて、現段階で我らが集めた情報だが、プラント議会はタカ派たるパトリック・ザラが舵を切っているわけだが、その裏では穏健派の人物らを次々と幽閉に追い込んでおる。穏健派の中心たるシーゲル・クラインとその娘のラクス・クラインに関しては射殺命令まで出ているらしい。穏健派の人物らはあちらこちらに潜伏しているらしいな」

 

ミナ・サハクの言葉に目を見開くアスラン。キラもまた、自分が世話になった人物らの事ということもあり、緊張した表情となる。

 

「とはいえ、タカ派たるザラ派内部でも色々と問題が発生しているらしい。集めた情報が正しいのならば、パトリック・ザラは本気でナチュラルの殲滅を目論んでいるらしく、ザラ派寄りであったタッド・エルスマンや同じタカ派であるエザリア・ジュール、ニュートロンジャマーキャンセラーの開発に寄与したユーリ・アマルフィ等同じザラ派であるはずの人物らとの対立が深刻化し、結果としてその三人をも幽閉したそうだ。今や彼はプラントの独裁者と化しているらしく、改めて情報統制を敷かれたせいで現在は詳しい情報は不明となっておる」

 

ミナの情報にディアッカやニコルの表情が強張る。アスランは父の暴走とも呼べる暴挙に、目を伏せるしかない。

 

「一方の連合側だが、やはり大西洋連邦が中心となって決戦の準備をしているらしい。"ピースメーカー"なる暗号が出ている以外は不明なのだが、つい先日にはアルテミスの傘で戦闘があったとの情報があった位か。恐らくはお得意の物量戦で挑むつもりなのだろうな」

 

「サハク様。プラント側で奇妙な動きの報が入りました。ヴェサリウスに不自然な補給がなされているとの事です。また、クライン派が何やら動きを見せるらしく、情報統制に揺らぎが出ています」

 

連合側の情報を述べるミナ。そこにアメノミハシラに所属するソキウスの一人"シックス・ソキウス"が端末を片手に報告に訪れる。

 

「気になるようだからそこの小僧に機体を搭載可能なシャトルをくれてやれ。ついでに戦神の眼の試験も兼ねてイズモも出す。クルーゼ隊のヴェサリウスがこの時期に、というのは不自然である。少しばかり探りを入れるべきだな」

 

「スバル一佐はイズモと共に試製一号機の試験、ならびにクルーゼ隊の動向の調査を行ってくれ。また、略式ではあるが、ニコル・アマルフィのオーブ軍入隊を許可し、階級は三佐とする。さらにニコル三佐を試製二号機のテストパイロットに任命する。新たな名前に関してはしばらく待って欲しい」

 

「了解です。アサギ、マユラ、ジュリも来てくれ」

 

「了解しました。・・・・・ありがとうございます、ウズミ様」

 

「クルーゼが動くなら俺も行こう。ラミアス艦長、済まないが・・・・」

 

「皆まで言わなくても大丈夫ですわ。ウズミ様、アークエンジェルも同行します」

 

「イザークもいるだろうし、俺も行くぜ。アイツ、母親がどうなってるか知ってんのかねぇ」

 

ミナの言葉に、目を白黒しているアスランを引きずるようにスバルがアサギ達と共に退出する。ニコルもまた、ウズミからの命を受け、少しばかり戸惑いつつも敬礼をしてからスバルの後を追う。

 

マリューもまた、キラの肩を掴んで先に退出したムウに苦笑しつつもウズミに笑みを浮かべて敬礼をすると、溜息をつくディアッカを促してから退出するのだった。

 

「我らオーブも、少しずつあり方を変える必要がありそうだな、ウズミ?」

 

「分かっている。中立の立場から世界に寄与できるような舵取りを目指したいものだ・・・・」

 

スバルらが退出した会議室でミナ・サハクのどこか楽しそうな声音に、ウズミも小さくうなづくのであった。

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